エルドラージとは、マジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)のクリーチャータイプである。
概要
MTGは様々な次元を舞台としており、そのうちの一つがゼンディカー/Zendikarである。
ゼンディカーでは各地に遺跡が見られ、宙には魔法のクリスタルが浮かび、その大地は絶えず動き続けている。
そしてそこに住まう命知らずの冒険者達は一攫千金を夢見て、あるいは古代の謎を解明すべく遺跡の探索を生業としているのだ。
夢と浪漫溢れる世界、ゼンディカー。大いなる存在であるエルドラージ達はこの地で眠りについている。
その名はエムラクール/Emrakul、コジレック/Kozilek、ウラモグ/Ulamog。もっともこの名前は永い年月の間に忘れ去られ、現在では
彼女らは神と呼ばれる存在なだけあり、実際のカードも通常と異なるデザインが用いられている。
具体的に言うと、カードの枠が透明で、テキストボックスは半透明。なので、神話に出てくるかのような神々しい姿を存分に堪能できるというわけだ。
ちなみに3枚とも全裸の姿が描かれている。コジレックとウラモグは下半身がかなり見切れているが、エムラクールはほぼ全てが描かれている。
・・・。
・・・・・・。
ふぅ・・・。
あ、言うのを忘れてたが、次元の狭間で生まれ、ありとあらゆるもの(マナそのものでさえも)を喰らい尽くす化け物である。クトゥルフ神話をモチーフとしてデザインされており、山ほどもある巨大な身体と不気味な触手を持つ。
カードとして
3体の伝説のエルドラージ、通常のエルドラージ、血族(ドローン)、落とし子 の4種類からなり、これらとは別に呪文(いずれも高コスト)等も何種類か存在する。
なお、以下では「このクリーチャーが攻撃した時に防御側はカードを○○枚生贄に捧げる」という能力を「滅殺」と呼ぶ。
伝説のエルドラージ(エルドラージの巨人)
非常に大型の無色のクリーチャーで、どれも10マナ以上のコスト、10/10以上のスペック。
・大きな値の滅殺
・墓地に置かれたときに墓地と山札を混ぜてシャッフルする能力
・コストを踏み倒さず正規コストで召喚した場合に発動する、カード毎の能力
の3つを共通で持つ。レアリティはいずれも最上位の神話レア。
Emrakul, the Aeons Torn / 引き裂かれし永劫、エムラクール (15)
伝説のクリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
引き裂かれし永劫、エムラクールは打ち消されない。
あなたが引き裂かれし永劫、エムラクールを唱えたとき、このターンに続いて追加の1ターンを行う。
飛行、プロテクション(有色の呪文)、滅殺6
引き裂かれし永劫、エムラクールがいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、オーナーは自分の墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。
15/15
見ての通り「何このオリカ」というぐらい強力な能力の詰め合わせとなっており、大抵の場合このエムラクールが使われる。
だが流石に15マナを普通に払おうとしたら、召喚できるようになる前に対戦相手に押し切られてしまうだろう。
なので常軌を逸した量のマナを生み出すか、コストを踏み倒して手札や山札から直接出す(このスペックなら正規コスト召喚能力なしでも十分)かの2択で運用される。なお、パーティーゲーム寄りの環境においては禁止カードに指定されることもある。
「戦乱のゼンディカー」においては滅殺を失い、ライブラリへ戻る能力も無くなっているが、それでも10を超える強力なパワー/タフネスの値と唱えた際に発動する強力な効果を持っている。
ストーリーでは「巨人(タイタン)」と呼ばれ、コジレック、ウラモグの2体が登場し、その猛威を振るったが、ジェイス、ギデオン、ニッサ、チャンドラらゲートウォッチのプレインズウォーカー達の協力によって撃破された。
なお、残る1体であるエムラクールはゼンディカーには現れず、ソリン・マルコフに恨みを持つナヒリの手によってイニストラード次元に現れた。
それを危機と見たゲートウォッチのプレインズウォーカーたちは神河次元からやってきていたムーンフォークのPW、タミヨウやイニストラードの住人の協力、ジェイスの知り合いで元彼女でもある屍術師、リリアナ・ヴェスを新たな仲間に加え、エムラクールの軍勢と戦ってゆく。
だが、その間にイニストラードの住民の多くはエムラクールの影響で変質、異形な存在となってしまい、守護者であるアヴァシンですら狂い、それを見たソリンに止む無く処断されてしまっていた。
天使のギセラ、ブルーナを始めとして多くの犠牲を出しながらも、何とかエムラクールをイニストラードの月へと封印することに成功する。
…しかし、エムラクールと対話を果たしたジェイスには「私は不完全で、足りなくて、始まったばかり」「敗北を認めたのは遊び飽きたから」(意訳)などと言い放ち、月に封印される際もエムラクール自らが封印されるように手助けしたりと「本当に勝利したのか?」と思うほど疑問の残る決着となった。
通常のエルドラージ
伝説のエルドラージほどではないが、十分に大型の無色のクリーチャー。小さな値の滅殺を持つ。
血族(ドローン)
伝説のエルドラージが、封印が弱くなった際に生み出した下僕。小型~中型で、他のものと違い、無色ではない。
落とし子トークンを生み出したり強化したりといった能力を持つ。
落とし子・末裔
落とし子は無色の0/1のクリーチャートークン。
生け贄に捧げると無色マナ1点を生み出せるため、時間稼ぎだけでなくマナ加速にも使える。
末裔も同様の効果を持つが、落とし子と比較するとパワーが1上がっており、純粋な強化版といえる。
昇華者
「戦乱のゼンディカー」に登場した新たな種族。
対戦相手の追放領域のカードを墓地に戻し、それに際して効果を発揮する能力を持つ。
因みに英語ではProcessor(プロセッサー)と言い、本来であれば「処理装置」という意味になるのだが、和訳の際に意訳されている。
その他
エルドラージを守る打ち消し呪文、エルドラージ以外をすべて破壊する呪文、通常クリーチャーをエルドラージ化する強化呪文、エルドラージ専用のマナ加速などがある。
どれも厳密には違う効果だが、まぁイメージ的にはそんなかんじである。
エルドラージに直面した人々の様子
・・・といっても全裸と聞いて画像検索したやつらのことじゃない。
ある次元では、次元間戦争があった。人類は勝利したが、果たして勝利と呼んでいいのかも疑問なほどの犠牲を払った。
またある次元では人類は敗北し、敵軍の支配下に置かれた。しかし人々から抵抗の意志は消えていない。
そしてゼンディカーにおいては
エルドラージの脅威に対しては、単純な選択しかなかった。
『生き残るために命を賭して戦う』ではなく、『生き残れないのだからせめて雄々しく散ろう』と、誰もがわずかな希望すら捨てている。エルドラージとはそれほどの存在なのである。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 6
- 0pt