マレーシア航空 Penerbangan Malaysia |
|
ICAOコード | MAS |
IATAコード | MH |
コールサイン | Malaysian |
アライアンス | ワンワールド |
保有機材数 | 98機 |
ハブ空港 | セランゴール/スルタン・アブドゥル・アジズ・シャー |
就航地 | 84都市 |
マレーシア航空(Penerbangan Malaysia(マレー語)、Malaysia Airlines(英語))とは、マレーシアを代表する航空会社である。
概要
1947年にマラヤ航空として設立。設立当初はイギリスの植民地であるマラヤ連合にある航空会社であったが、後にマラヤ連邦として独立した後に、シンガポールなどを統合して、マレーシアとなったため、1963年にマレーシア航空に改称した。
その後、1965年にシンガポールが独立したため、1967年にマレーシア・シンガポール航空となるが、1971年にマレーシア航空とシンガポール航空に分離した。2006年には原油高の影響で経営悪化し、その後再建を進めたが、不採算事業の維持や組合の存在で赤字が続き、後述の事件・事故によって再び経営悪化している状態である。
サービスのレベルはとても高く、イギリスのスカイトラックス社の航空会社の評価では、最高評価である5つ星に認定されるほどである。マレーシアの国教がイスラム教であることから、機内食は豚肉は不使用である。また、シートのテレビからメッカの位置を確認することができる。
2014年に飛行機が消息不明になる事件、および墜落事故(撃墜の可能性が高い)を起こしたことで不名誉な形で有名になってしまっている。
事件・事故
マレーシア航空370便(2014年3月8日)
乗客数:227人、乗員数:12人
2014年3月8日、マレーシアのクアラルンプール国際空港から中華人民共和国の北京首都国際空港に向かっていた370便がベトナム南部付近の海上で突然消息不明になった。その後、機体の捜索が行われたが、7月現在も見つかっていない。
消息不明となる直前にクアラルンプールに引き返そうとした可能性があることから、何らかのトラブルが発生し、その結果墜落したものと考えられている。しかし、トラブルが一体なんだったのかは不明である。
マレーシア航空17便(2014年7月17日)
乗客数:283人、乗員数:15人
2014年7月17日、オランダのスキポール空港からマレーシアのクアラルンプール国際空港に向かっていた17便が高度1万m付近を飛行中にウクライナの上空で墜落。乗客・乗員全員が死亡した。墜落した原因は不明である。しかし、現時点では地対空ミサイルにより撃墜されたとの見方が有力である。
この時のウクライナはロシアとの対立で情勢が不安定になっており、ウクライナは親露派とウクライナ側とで分裂状態となっていた。そんな中でこのような事故が起きたものだから、このウクライナの情勢と明らかに関係あるだろうと言う話に。撃墜された可能性が高くなると、ウクライナ側は親露派のテロリストが撃墜したと主張する一方で、親露派はウクライナ側が撃墜したと主張して、真っ向から対立。
その後の報道では、親露派がマレーシア航空の旅客機を軍用機と取り違えて撃墜させた説が有力であるが、親露派は高度1万m付近の航空機を撃ち落とせるミサイルは持っていないとしている。しかし、親露派がTwitterで射程2m5000mの地対空ミサイル「ブーク」をウクライナ軍から奪い取ったとツイートしたらしく(現在は削除)、ブークを使って親露派が撃墜した可能性も否定できない。当然、ウクライナ軍が撃墜した可能性も残されてはいるが。
今後、本格的な調査に入ることになるが、ロシアは親露派を庇おうとする一方、アメリカはウクライナを庇おうとするので、それ以外の国々も含めた国際的な調査がなければ解決には至らないものとみられる。
2019年11月14日に合同調査団(JIT)は「撃墜に関与したウクライナ東部の分離派指導者に、ロシア政府高官が指示を出していたとみられる」と発表した。リンク
なお、この旅客機には国際エイズ協会の関係者が少なくとも6人搭乗しており、オーストラリアで開かれる予定だったエイズの国際会議に出席する予定だった。この中にはエイズ研究の第一人者も含まれていたとされ、エイズ研究界にとっては重要な人物を失ったことになった。
ちなみにマレーシア航空がなぜ情勢不安定であったウクライナ上空を通過していたと言うと、370便の消息不明事件によって経営悪化が進んでおり、燃料を節約するために最短ルートであるウクライナ上空を飛んでいたようである。ちなみに25km圏内にシンガポール航空とエア・インディアの航空機が飛行しており、マレーシア航空以外の航空機が撃墜される可能性もあった。
この影響により、ほとんどの航空会社がウクライナ上空を通過しないルートに変更した。なお、日本航空と全日本空輸は政情不安以前からウクライナ上空を通過する便が存在していないため、影響を受けていない。
関連項目
- 0
- 0pt