第9回電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)金賞受賞作『バッカーノ!』で2003年にデビュー。
作風
時間帯や登場人物の視点が多く変化し、一見無秩序に見えるバラバラの事件やストーリーをクライマックスで一点へと集約させる展開を得意とする。
登場人物が非常に多く、群像劇としてあらゆる人物の物語を描く為、慣れない読者は主人公が誰だか解らなくなるらしい。
この構成は、氏自身ファンであると公言する映画『スナッチ』から多大な影響を受けていると思われる。電撃文庫では氏が寄稿文を寄せてた事もある上遠野浩平の初期のスタイルにも近い。
登場人物は「主人公やらせたら30ページで物語が完結する殺し屋」や、「エイリアンとかお化けが怖い首無しライダー」やら、「殺し合ってるのかじゃれ合ってるのか分からない戌と狗」やら、「●で出来ている吸血鬼」に「世界の中心である脇役」など、ハッキリ言ってマトモな人格者など一人も居ない。こういった全員頭のネジがオールトの雲の彼方まで飛んで行ったようなキャラクター達による、騒がしくも賑やかで暴力的な清々しさが氏の作品の最大の魅力である。
ヒロインは美女・美少女だが人外であるか刃物を持っているものが多く(セルティ、シャーネ、園原杏里、砂原潤など)、様々な作品で「恋する殺人鬼」が登場するのも特徴。
周囲からの反応を受けて、柔軟に原作に還元する事もしばしば。
『デュラララ!』アニメでは、設定を逆輸入したり(渡草三郎が聖辺ルリの親衛隊など)、贄川春奈が可愛かった事で原作での再登場が促されていた。『越佐大橋』ではヤスダスズヒトが描いた挿絵が可愛かったので、直後の巻での雪村ナズナとリーレイの出番の数が大幅増している。
知らない人には新刊の出るペースが遅いかのように思われがちだが、同時進行のシリーズを4シリーズ抱えており(一時終了している『越佐大橋』を含めれば5シリーズ)、均等にそれぞれのシリーズの新刊を定期発表しており、むしろ業界でもかなりの速筆であるといえる。シリーズ毎の発表速度が変わっていないことを考えると、自身の執筆スピードはデビュー当時の倍程早くなっている。
これが、成田作品ファンではなく1作のみを追いかけているファンの目には、執筆速度が遅いかのように映ってしまうだけである。
一方で日常生活も大切にしており、ゲームとかゲームとかに勤しんでいる。バッカーノアニメ化の際には原作小説、DVD特典小説、DS文庫及び特典ゲームブック、ドラマCDと仕事しまくり血便や寝ゲロを発症。ファンを大いに心配させた。
ノベライズやコラボレーションでは、TYPE-MOON制作の18禁ゲームソフト『Fate』のスピンオフである『Fate/strange fake』を執筆したほか、鎌池和馬の『とある魔術の禁書目録』の姉妹作『とある科学の超電磁砲』の外伝に当たる「偽典」なども手がけた(前者は本家タイトルの公式外伝となり、後者もほぼ公式化している)。
2011年8月には久保帯人の漫画『BLEACH』のノベライズを担当する事が発表された。
成田病
速筆と引き換えに発症した病。
どの作品にも誤字脱字が必ずと言っていいほど発生する。
あまりにも多いのでファンから病気扱いされているが、どちらかというと、誤字脱字を放置したままでの出版は、編集担当に責任の一端がある。
後からそれを本当にすることがある。(例:小気味いい男、斬九郎など)
作品間のリンク
成田作品の内、『世界の中心、針山さん』『デッドマウント・デスプレイ』以外は全て世界観がリンクしている事が明かされている。
時代は作品によって18世紀~21世紀まで分かれており(主にバッカーノ!)、最も後発の時代であるのは現在の所「越佐大橋シリーズ」(『デュラララ!!』から10数年後の2020年代)。
キャラクターでは"葛原"という苗字の警官一族やネブラ社、芸術家カルナルド、バネ足ジョップリン、格闘家トラウゴッド・ガイセンデルファーなどが分かりやすい。
- 『バッカーノ!』の不死者ナイルが池袋を訪れた際に『デュラララ!!』の平和島静雄に喧嘩で負けている
- 『バッカーノ!』に情報屋の「オリハラ」の名前が登場
- 「越佐大橋」の葛原宗司は『デュラララ!』にも登場している葛原金之助の親戚
- 「越佐大橋」の殺人鬼天霧八雲が知識上、『バッカーノ!』の女殺し屋マリア・バルセリートの伝説を知っていた
- 『ヴぁんぷ!』の格闘家トラウゴッド・ガイセンデルファーは、『デュラララ!!』でも人知を超えた強さで知られている
- 『デュラララ!!』のアイドル聖辺ルリは、『ヴぁんぷ!』で名前の登場した吸血鬼一族「聖辺家」の末裔
- 『デュラララ!!』(アニメ)で『バッカーノ!』の映像が流れているのは、「フライングプッシーフット事件」の再現映画である為
なお、デッドマウント・デスプレイは世界観のつながりこそないが、本作を含めた各作品間で書籍媒体と言う形の劇中劇で登場するという、相互にリンクはしている。
など。他にも多く存在するのでコアな成田ファンは探してみるのも楽しいかも知れない。
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関連項目
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