RAVE(レイヴ)とは、週刊少年マガジンにて1999年32号~2005年35号まで連載された漫画作品である。
作者は真島ヒロ。
キャッチコピーは『ポップ&キュートなグルーヴ・アドベンチャー』。
連載前の中吊り広告では『最新型救世主は1人と1匹・・・?』といったコピーも使われていた。
2001年から2002年にかけてスタジオディーンによってアニメ化されている。
概要
初代レイヴマスターシバから聖石レイヴを受け継ぎ、2代目レイヴマスターとなった少年ハル・グローリーの活躍を描いた冒険活劇。「ダークブリング」という特殊な能力を持った敵達と戦う能力バトルがメイン。
やや荒削りな面もあるものの、作品としてはそれなりに奇麗にまとまっており、特にジークハルト関連の伏線・演出は非常に評価が高い。
初回は「1999年夏の新連載攻勢第2弾」として巻頭カラー72ページ掲載という連載デビュー作としては異例とも言える高待遇だった本作だが、その道のり自体は決して平坦なものではなかった(ちなみに、第1弾は「な、なんだってー!」の台詞でおなじみ、史上最強のギャグマンガと名高い「MMR」(不定期連載からの格上げ)であった)。
特に1990年代後半のマガジンはサイコメトラーEIJIや金田一少年の事件簿といったミステリー漫画やGTO、将太の寿司といった現代劇が主流で、絵柄も小畑健のようなリアル路線が好まれる傾向にあり、本作のような少年漫画そのものの絵柄で展開される空想世界を舞台にしたファンタジー漫画が連載されること自体が異例のことだった。
そのため、初期は人気面で苦戦し、いつ打ち切りとなってもおかしくない状態であったが、初めて仲間の生命の危機を描いたジークハルトとの邂逅を描いたエピソードから人気が急上昇。以降、ポップな絵柄とは裏腹に「生と死」を根本に据えたハードな作風へと方向転換されていき、ハルの父ゲイルや六祈将軍レイナの死は、登場人物にこの後大きく影響を与えることになる。
原作のキング戦~ドリュー戦の頃にはアニメも比較的好調に推移し、ゲーム化もされるなど黄金期を迎え、この頃には一挙2話掲載、1話丸々20Pオールカラー掲載なども行われている。
ドリュー戦以降は物語の核心に迫る内容となり、敵味方問わず多くの人物が命を落とす描写が描かれた。改心しかけたところを粛清されたジェガン、身体を無理矢理機械化されたブランチ、52年の間世界の為に闘い続けたシバなどその描写に心打たれた読者は多い。
シバの死が描かれた回以降は更にその内容もヘビーになっていき、初期のようなギャグ描写は扉以外では殆ど見られなくなっていった。前述のジークハルトの最期が描かれたシンフォニアへのタイムトラベルはエリーの記憶、シバが何故ハルを2代目と決意したのか、といった重要な場面が描かれ、ルシア、エンドレスとの最終決戦に至る。最終決戦前の宴会が実質最後のギャグ回となり、以降は最終決戦で戦闘メンバーほぼ全員命を落とすという展開だった。しかし、それではあんまりだとして仲間が助かった理由として描かれたのが現在の最終回である。
なお、この最終決戦は各所でバトルが行われたものの、作者の最終回迄の話数計算のミスにより戦闘描写は簡素なものになっている。その代わりに主要人物同士のやり取りが多く描かれる結果になった。
本作は作者自身「話が重い」としており、その反省点が次回作『FAIRY TAIL』で「登場人物を極力殺さない」という点と「話を陽性に展開させる」という点で生かされる形となっている。
アニメ版は未完で終わったが、2013年8月発売の『FAIRY TAIL』39巻で2011年に発表され、大好評だった両作品のコラボレーション漫画がアニメ化されることが決定し、実に11年ぶりに動くハルたちが見られることとなった。なお、アニメ版RAVEは真島の絵柄が不安定だった中期をベースに製作されたため、若干顔が違っている。後期から現在にかけての絵柄でアニメ化されるのはこの作品が初めてである。制作会社はFTのA1 Picturesになり、キャストはルビー以外オリジナルのままである。近々ニコニコやCSで放送される日も近い?
2015年8月5日には、原作者真島ヒロの自宅から第一話のネームが古文書のような状態となって発見されている。きちんと読める品質のままで現存する事自体驚きであるが、これによると、印象的なプルーの初登場シーンは設計図段階でほぼ固まっていたことが伺える。
登場人物
- ハル・グローリー
本作の主人公。ガラージュ島の少年。16歳の時、シバとの出会いがきっかけで、シバの意志をついで二代目レイヴマスターとなる。武器は10個の様々な特殊能力を持つ大剣「テン・コマンドメンツ」。 - ルシア・レアグローブ
ハルの宿敵。本作中盤から登場する、同じ7月7日に生まれたハルとは対極の存在。終盤ではこの次元そのものを消滅させる為にエンドレスと同化する。武器はハルのTCMと同じく10の姿に変身する魔剣「デカログス」 - エリー
本作のヒロイン。記憶を失った謎の少女。 - プルー
本作のマスコット。白い体にドリルのような鼻を持つ謎の生物。スピンオフ作品「プルーの犬日記」では主役を務める。 - グリフォン加藤
本作のマスコットその2。通称「グリフ」。一言でいえば汚いホイミスライム。 - ナカジマ
謎の生物。職業はカブトムシらしい。一言で言えば超シンプルなビオランテ。キモイ! - ケツプリ団
本作のギャグメーカー。ハルたちとは奇妙な友情関係にある。 - ハムリオ・ムジカ
ハルの親友。どんな金属でも操れる銀術師(シルバークレイマー)。 - ジャヴァ・レット・ダハーカ
通称レット。元DC王宮守五神の一角で、魔界出身の竜人(ドラゴンレイス)。 - ジークハルト・シーザー
時の番人。エリーを守る為に壮絶な人生を送る。 - シュダ
DC特別部隊を率いる六祈将軍の一角で、ハルのライバル。後に頼れる仲間に。
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関連項目
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