Zガンダム3号機(MSZ-006-3)とは、『ガンダム新体験 グリーンダイバーズ』等に登場するモビルスーツ(MS)である。
記事ではストライク・ゼータ、A型ホワイト・ゼータ、B型グレイ・ゼータ、C型、P2型レッド・ゼータも記載する。
概要
ZETA GUNDAM 3rd Zガンダム3号機 |
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型番 | MSZ-006-3 |
頭頂高 | 19.85m |
重量 | 28.7t / 62.3t(全備) |
出力 | 2,020kw |
推力 | 112,600kg |
搭乗者 | ホワイト・ユニコーン |
装甲 | 不明(ガンダリウムγ?) |
兵装 | ビーム・サーベル |
ビーム・ライフル | |
ハイパー・メガランチャー |
時代が生み出した名機とも呼ばれる可変モビルスーツ(TMS)、MSZ-006「Ζガンダム」の系列機。
3号機という名称だが、これについては第3ロットで製造された機体群という説と、本体のバージョン情報という説に分かれている。
(諸説あり、GジェネDSのプロフィールでは2番目に作られた機体という記述もあるが公式かどうか不明。)
ちなみに2号機もΖガンダム大事典やマスターピースに掲載されているが、2機とも形状は異なっている。大事典版は赤い機体、マスターピース版は大型センサーレドーム装備の電子戦仕様であった。
3号機はアナハイム社がTMS購入を検討していたカラバへの売り込みのために様々な装備に換装し、カラバ空軍に貸し出して採用評価試験を行っていたようだ。
『Competition of NEW GUNDAM -RED or WHITE-』では、U.C.0087年11月にゼータ3号機の初期検証モデルとデルタガンダム弐号機とのコンペが描かれた。
ゼータ3号機のスペックは長らく不明であったが、2015年末の初期検証型の情報公開時にようやく設定された(ただし初期型から改良されている可能性もある)。
『グリーンダイバーズ』では、U.C.0087年12月にカラバ空軍で採用評価試験中だったと思しき機体が宇宙旅客機「プロスペロー」の墜落事故に駆けつけ、救助に貢献したという。搭乗者は当時カラバに所属していた一年戦争の英雄、「ホワイト・ユニコーン」のコードネームで呼ばれる古谷徹ボイスの天パ。
ホワイト・ユニコーン機は白を基調とした装甲色に鮮やかなパープルラインが引かれ、シールドやテールスタビライザー、ウイングバインダーにも同様のペイントを施している。
3号機は少数生産も判明しており、いずれも装備・仕様毎に機体名称が異なっていた。後述する機体の内、「ストライク・ゼータ」と「ホワイト・ゼータ」はホワイト・ユニコーン機の改造機である。
ストライク・ゼータ(ストライクZETA)
型式番号:MSZ-006-3S
ムック『マスターピース ゼータガンダム』『マスターピースロールアウト Zガンダム』に登場。
ティターンズ本拠地は宇宙に移行し、「宇宙から地上基地への強襲機」という利点を発揮出来ない状の中、アナハイム社は大気圏内強襲用の有用性を押し出した機体を開発した。
3S型ことストライクゼータは「FXA-01K-VW2」と専用のサブユニットに換装し、腰部(サイドアーマー)にビームカノンを装備した状態である。
4種の動力機関の特性を備え、低速~マッハ10(極超音速域)の効率的な飛行を可能とさせる「複合サイクルエンジン」を搭載。さらにサブユニットのメガランチャー、状況に応じて各種ミサイル、爆弾全種の搭載により高機動・高火力を実現した。
これによりストライクZETAは複合サイクルエンジンによる機動性、航空力学に基づいた設計、搭載火器による高火力を備えたスーパーマルチロールMSと言える機体になった。
ウェイブシューターユニットと合わせて「Zプラス」へと繋がる機体であることが仄めかされている。
- FXA-01K-VW2
通称はストライクユニット。FXA-01K ウェイブシューターユニットの発展型で、専用サブユニットと合わせて運用されるストライクゼータ用のフライングアーマー。変形用サブユニットにはハイパーメガランチャー、ミサイル、爆弾、スラスター、ジェネレーター、サイクルエンジンを搭載する。 - 複合サイクルエンジン
複数の特性を兼ね備えたエンジン。一つのエンジンで低速域でのジェットエンジンから超音速域でのラムジェット、スクラムジェット、さらにロケットエンジンなど速度域と高度に合わせて構造的に切り替わっていくというもの。これは現実世界で研究が続けられているRBCCエンジン(Rocket Based Combined Cycle Engine)のMS用発展型と言えるものである。
Ζガンダム3号機A型“ホワイト・ゼータ”
『EVOLVE../9』に登場する3号機のバリエーション。通称:ホワイト・ゼータ。
プロスペロー事件で活躍したΖガンダム3号機の改修機で、パイロットは引き続きホワイト・ユニコーンが務める。
ホワイト・ゼータは、一年戦争のエースパイロットであるホワイト・ユニコーン用に機動性及び反応速度を向上・最適化させた機動力特化型。 3号機の中では色彩・形状にオリジナルのZガンダムから大きな変化は見られず性能も比較的オーソドックスだが、搭乗者の技量もあって目立った損害もなく戦闘を終えている。
Ζガンダム3号機B型“グレイ・ゼータ”
型式番号:MSZ-006-3B
『EVOLVE../9』に登場する火力特化仕様。通称:グレイ・ゼータ。
搭乗者は一年戦争でジオン軍に所属していたグレイ・ウルフ。
グレーという機体名称ではあるものの、機体全体の装甲色は黄色にペイントされている。 これは担当者の発注ミスが原因であり、本来の色はグレイ・ウルフがオーダーした色(グレー)になるはずだった。
現行の機体色が耐ビームコーティングに優れる反面、戦場でかなり目立つため搭乗者にはあまり好まれていない。 発進時に「イエロー・ゼータ」と呼ばれていたが、グレイ・ウルフはあえて「バスター・ゼータ」と呼ぶ。
右腕に「大型ビーム・ライフル(ビーム・キャノン)」、左腕にシールドマウント型「ビーム・マシンガン(メガ・ガトリング)」を装備している。メガ・ガトリングは牽制用でもあり、撃ち漏らした敵機を即座にビーム・キャノンで狙撃するという戦法が可能である。また大火力を安定して制御するため、翼状に展開させたテール・スタビライザーを装備している。
ゲミヌスとの戦闘において活路を切り開くために特攻。ホワイト・ゼータに後を託して散っていった。
各種ムックで度々触れられるが、模型(ガンプラ)展開には長らく恵まれなかった。しかし2014年末にプレミアムバンダイでグレイゼータ初となるMGキット化が発表された。
企画段階ではMSZ-005「Ζガンダム5号機」であり、このゼータ5号機は両のシールドバインダーにビーム砲を装備したギャプランのような機体で、このフライングアーマーを銃床として用いる設定だった。ここからシールド一体型の武装というグレイ・ゼータとの共通点を見出す事が出来る。
決定稿となるグレイ・ゼータでは、大火力を安定して放出する姿勢制御は翼状に展開したテール・スタビライザーという形に変更されたようだ。
Ζガンダム3号機C型
後述のΖガンダム3号機P2型のベースとなった機体。型式番号はMSZ-006-3Cと思われる。
具体的にどのような機体かは不明である。ちなみにイボルブマテリアルにはP2型の初期案と思しき赤いΖガンダムが載っている。この赤いゼータがC型と仮定した場合、搭乗者の「ジョニー」という名とスラスターを追加したデザインから恐らく高機動型Ζガンダムと思われるが…バリエーション的にA型と被って面白くない気がする。
2015年、Ζガンダム3号機P2レッドゼータがMG化される際に掲載された説明文によると
MSZ-006P2/3C Zガンダム3号機P2型 レッド・ゼータ
Zガンダム3号機C型をベースに、ニュータイプ専用機に改良された機体。
パイロットの思考が機体操作に反映される 「サイコ・ニュートライザー」と呼ばれるシステムを搭載しており、機体各部に設置されたフィンが外部の情報を収集するための センサーの役割を持つといわれている。
当初予定されていたジョニーなる人物に代わり、ニュータイプ能力を持つとされるユウリ・アジッサ(レッド・スネーク)が パイロットを務める。
という事になるらしい。
これ以前、P2型のベースとなった機体がC型という事は、型番からそう読みとれるだけで公式資料では特に言及されていなかった。
Ζガンダム3号機P2型“レッド・ゼータ”
『EVOLVE../9』に登場。型式番号:MSZ-006-P2/3C
Ζガンダム3号機C型にサイコミュ・システムの一種「サイコ・ニュートライザー」を搭載したニュータイプ専用機。
通称:レッド・ゼータ。
パイロットの意思と動作を機体へダイレクトにリンクさせており、従来の操縦系統と一線を画する。こうした操縦系・駆動方式はサイコ・ザクやガンダム[スコル]、ガンダム[ケストレル]等で採用された単純に脳波・電気信号で操るものとも異なり、どちらかと言えば『機動武闘伝Gガンダム』のモビルトレースシステムとの類似性が高いと言える。
レッド・ゼータは当初「ジョニー」という人物が乗るはずだったらしく、機体も彼に合わせたオーダーメイドである事が判明している(ただしこのジョニーはMSグラフィカに登場した際、赤色は好みじゃないと語る。何か嫌な思い出でもあったのかもしれない)。
詳細は不明だが、ジョニーという人物はレッド・ゼータに関する何らかの要因で後遺症が残り、薬物の投与を余儀なくされリタイア。急遽、代替要員としてニュータイプ能力を持つユウリ・アジッサが選出されたのだという。
ちなみに先述通り元々の搭乗予定者であるジョニーは「MSグラフィカ」にも出演しており、無事復帰して別のΖガンダムに搭乗していた。
こちらも各種ムックで度々触れられるが、模型展開に長らく恵まれなかった。しかし2015年、グレイゼータに続いて遂にプレミアムバンダイでMGとして初めて立体化された。
企画段階ではMSZ-004「Ζガンダム4号機」であり、4号機には4つの仕様が確認されている。
一つは高機動型。真紅の機体でバインダー、脚部等にスラスターを追加している。唯一カラー絵がある。
二つ目は最初のデザインにフィンが追加されたもので、後に小銃を持たせる事が予定されていた。
三つ目も高機動型で、二本のテールスタビライザーの中央にガトリングのようなものを懸架していた。
四つ目はガンナー。超大型ランチャーを携行するが、機動性が犠牲になるため却下されたようだ。
- ビームピストル
- レッドゼータ専用の速射性を重視した小型銃。
- サイコ・ニュートライザー
- サイコミュ及びそれを利用した操縦系の一種。各部に外部情報を取り込むためのフィンを増設しており、ユウリのニュータイプ能力の超感覚をより鋭敏に増幅させている様が伺える。
- サイコフィールド
- ニュータイプとして覚醒したユウリとレッド・ゼータが起こした不可思議な現象。
- 作中では機体周辺にバリアを張ってゲミヌスのビームを弾き、サイコミュハンドをジャックして我が物にしていた。
- 他のサイコミュ搭載機も同様の超常現象を起こしており、時系列上で後に位置する「アクシズショック」を受けてこう呼ばれるようになった。一説にこの現象は「ミノフスキー粒子」とニュータイプの脳波、それを増幅させるサイコミュが深く関わっていると言われる。
関連項目
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