「呂500」探索プロジェクトとは、
株式会社ドワンゴ、一般社団法人ラ・プロンジェ深海工学会、国立研究開発法人情報通信研究機構
が共同で、2018年6月18日(月)より4日間にわたり、日本海の若狭湾に沈んでいるとされる旧日本海軍
「呂号第500潜水艦」をニコニコ生放送の視聴者とともに探索するプロジェクトである。
海底探査プロジェクトの概要
「呂500」はもともと、1941年にドイツ海軍の潜水艦「U-511」として建造。ドイツがインド洋での交通破壊戦(商船への攻撃)強化を条件とし、量産化のために潜水艦「U-511」を日本に譲渡することを決定。1943年5月10日にヨーロッパを出港後、大西洋~喜望峰~インド洋と航行し、90日間・約3万キロを経て広島・呉港に到着した。日本では、材料不足等により同一潜水艦を量産化することはできなかったものの、防音装置や溶接など多くの技術を日本に伝える。その後「呂500」は練習艦として舞鶴で終戦を迎え、1946年に連合軍により若狭湾にて海没処分。
ニコニコでは、昨年2017年8月22日(火)~26日(土)にかけて実施した旧日本海軍潜水艦「伊58」特定プロジェクトに続き、今回、この「呂500」探索調査を全編生中継。(また、同じく若狭湾に沈んでいるとされる旧日本海軍潜水艦「伊121」「呂68」についても、本プロジェクト内で探索調査を行う)
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した衛星通信機器を調査船に搭載し、
超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS: Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)を用いて、調査海域である若狭湾の調査船と、NICT鹿島宇宙技術センターとの間で伝送速度10Mbpsの衛星通信回線を構築。
この衛星経由での高速回線を用いることで、水中ロボット映像のライブ配信が可能になるとともに、調査船に乗っている研究者が視聴者のコメントを閲覧・回答する等の双方向コミュニケーションも可能となる。
なお、ここで使用する衛星通信機器は、総務省委託研究「海洋資源調査のための次世代衛星通信技術に関する研究開発」において開発したもので、今回の高速衛星通信回線の構築は、当該研究開発の実証実験の一環として実施する。
※WINDSはNICT及びJAXAが開発し、平成20年2月23日に打ち上げられた
Ka帯による高速衛星通信システムの構築に関する技術実証を目的とした衛星
各目的艦の簡易詳細
呂500 | 呂68 | 伊121 | |
全長 | 76.76M | 76.20M |
85.20M |
最大 | 6.76M | 7.38M |
7.52M |
簡易時系列
- AM06:00 福井県越前市の港から生中継開始
- AM08:00頃 探査開始地点・調査海域「福井水試(シンヤマ)」に到着
- AM08:40頃 右側ソナ-で約70mの上面が平べったい沈没船のようなものを発見
- AM08:55頃 CTDを投下し海の中の音波の進むスピードを調査開始
- AM09:43 投錨(水深約250m)
- AM10:06頃 トラブルにより再投錨のため錨の引き上げを開始
- AM10:21 再投錨
- AM11:02 再投錨のため錨の引き上げを開始
- PM12:25頃 再投錨
- PM13:06 ROV投入
- PM14:52頃 ROV海底に到着
- PM16:00 ROVを船上へ引き揚げ(ケーブル絡みと網巻き付きのため)
- PM17:00頃 本日の作業を引き揚げ京都の伊根漁港への帰路につく
- PM18:00頃 ユーザーとの質疑応答タイム。福井新聞の一面に掲載された記事を紹介など。
- PM18:46 伊根漁港到着
夜間は昼間のリプレイ動画及び
有志模型工房ブレインズ代表リッドさん[Twitter]
による『4日間で呂500模型製作』を是非お楽しみください
- AM05:27 放送開始 (LIVE映像に切り替えの意)
- AM06:22 ソナー画像に切り替え
- AM06:31 伊121の沈没地点から20秒北で沈没船をソナーで発見
- AM06:33 沈没船の長さが約75Mと判明
- AM06:48 潜水艦であることが確定
- AM07:10 当該沈没船を再計測し約60Mと判明、また艦橋の存在をソナーで確認
- AM08:00頃 移動し、呂68の沈没地点付近をソナーで探索
- AM09:00 ソナーに潜水艦らしき艦影発見
- AM09:17 2つ目の艦影を呂68と確定し近くにもう1隻(3隻目)が居ないか周囲を探索開始
- AM11:45頃 別の地点へ移動開始
- PM12:40頃 午前中とは別地点で3隻目の捜索を開始
- PM16:38 本日のソナー調査終了
- PM17:00頃 伊根漁港への帰路につく
-
PM17:49 伊根漁港到着
夜間は昼間のリプレイ動画及び
有志模型工房ブレインズ代表リッドさん[Twitter]
による『4日間で呂500模型製作』を是非お楽しみください
- AM05:10頃 放送開始 (LIVE映像に切り替えの意)
- AM06:10頃 ソナー画面へ切り替え
- AM10:01 ソナー探査を一旦切り替え、伊121(仮)の地点へ向かう
- AM10:37頃 海上自衛隊多用途支援艦『ひうち』と邂逅
- AM11:06頃 投錨開始
- PM12:08 ROV投下
- PM12:41 ケーブルトラブル(予想)のためROV一旦引き揚げ作業へ
- PM13:31 ROV再投下
- PM14:58 伊121の可能性を完全除外(形状等から)
- PM14:59 呂500と確定 >確定時の動画はこちら
- PM15:45 ケーブルトラブルのためROV引き揚げ作業へ
- PM16:00頃 伊根漁港への帰路につく
- PM17:48 インタビューを終えプラモ制作へ画面切り替え
夜間は昼間のリプレイ動画及び
有志模型工房ブレインズ代表リッドさん[Twitter]
による『4日間で呂500模型製作』を是非お楽しみください
- AM05:10頃 放送開始 (LIVE映像に切り替えの意)
- AM06:00 ~ AM08:30 ニコ生 定期メンテナンス
- AM08:30 放送再開
- AM09:00 伊121と思わしき艦影を発見
- AM11:01 伊121(仮)艦影にROV投下
- AM11:30 艦首およびブリッジを確認
- AM11:45 ケーブルトラブル(予想)のためROV引き揚げ作業へ
- PM12:03 浦先生による解説。伊121で確定(ハットトリック達成)
よくある質問
- Q.画面下の数字ってなに?
- 深度です
- Q.骨とか映らない?
- 戦後アメリカ軍により爆破処分をされたため、そういったものは映りません
- Q.ソナー画面が3つあるけど何?
- 左上:海底の凸凹の断面図
- 右上:左上を平面上にした海底の凸凹地図 何かがあると色が変わります
左下:黒⇒船のルート、赤矢印⇒測線(設定したルート) - Q.これ生放送?
- そうです。 衛生通信を使用しています(たまにド●モのWIFI)
- Q.コメントの猫ってなに?
- 艦これのエラー猫のこと WIKI
- Q.CTDってなに?
- CTDとはConductivity Temperature Depth profilerの略で
電気伝導度、温度、水深を観測する装置のこと。 WIKI - Q.ROVってなに?
- 遠隔操作型の無人探査機(有線)
- 水中の映像を送ってきてくれます。
- Q.ウラタマ タマケン タカイケン
- 魔法の呪文
- 『ウラタマキ』『タマキケンサク』『タカイケン』という人物名より
- 詳しくはこちら[Youtube]
- Q.アスパラガスってなに?
- 株式会社ギンビスから発売されているお菓子。
- 戦後まもなく発売開始となったロングセラー商品で、野菜のアスパラガスの茎に形が似たビスケット。
- 1975年に、第14回モンドセレクション金賞を受賞した。
- 浦環先生の大好物であり、これを摂取することにより精神の安定安寧向上を図ることができる。
- Q.なんでタグに『艦これ』があるの?
- 最初から公式がつけたものです。
- また、2017年8月放送の伊58探索の放送開始の時から公式が付けています。
- 伊58放送時に浦環先生から『何がきっかけであれ興味をまず持ってもらえるのが何よりである』
- という発言と『艦これの話であれなんであれ見ながら盛り上がってくれるのが嬉しい』という発言が
- ありましたため引き続き今回も使用しているものと思われます。
- またニコ生を提供するドワンゴはカドカワ完全子会社であり、
- 開発元である角川ゲームスもカドカワ傘下。
- そのため公式としてのタグ使用に際して大きな問題はないものと思われます。
- カドカワ傘下の略図についてこちらを参考ください (出典元)
乗船メンバー(一部)
- 梅ちゃん
日大の大学1年生。写真学科。親から潜水艦の本を小学校1年生の時に買ってもらったという生粋の潜水艦エリート。潜水艦・伊58特定プロジェクトの報告会で浦先生に次の調査に乗せてくれと直談判。受験に受かったら乗せてあげると言われ、無事合格し今回の調査に乗船。プロジェクトでの役割は写真での記録と食事手配。調査現在、彼女はいない。
総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構に所属するエリート。その一方で、現役のプロボクサーとしての顔を持ち、汗をかいたときの爽快さから脱毛している(Panasonic製品を愛用)。そのため、美脚の持ち主として知られ、視聴者から「美脚ニキ」とのあだなをつけられる。7/28(土)の鹿島宇宙技術センターの一般公開では、本人による公開スパーリングや技術説明を予定している。プロジェクトでの役割はネット中継の通信。
潜水のプロフェッショナル。潜水器材をメインとする旭潜研株式会社のダイバーとして活躍するその風貌から、視聴者から海の男というコメントが多数寄せられた。次の目標は潜水艦「伊58」が沈む長崎の海に潜ること。150mは厳しいのではとの質問に、混合ガスをオリジナルで作ることで可能という力強い答え。もし実施の際はニコ生に取材させてくれると語った。プロジェクトでの役割は漁協との調整や操船指示、宿泊手配、各所との調整。
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- 呂500、呂68、伊121の曳船写真(※一番下、写真のI121とRo68は反対中央が伊121)
関連項目
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