あいたくて...とは、コナミから発売された恋愛シミュレーションゲームである。プレイステーション専用でディスク4枚組。
概要
正式名称は『あいたくて… ~your smiles in my heart~』。2000年3月16日に発売された。
親が突然フィアンセを紹介してきたが(自主規制)だったため、何としても自分で恋人を作って親の魔手から逃れよう! …という何だか不純な動機で恋人探しに励む内容。
本来は1998年頃の発売を予定しており、ディスク内部には1999年に出された『ときめきメモリアル2』のデモムービーが収録されていた。
先行体験版つきムックが発売されたのは1997年11月で、そこからさらに2年以上の開きがあったためか製品と体験版とで売り上げ逆転が起こってしまっている。
以上の経緯からきわめてマイナーな作品ではあるものの、ときメモとは一線を画したシステムとストーリー性を搭載しており、見所はあると思われる。
ただ原画は水彩タッチだがゲーム内の絵は塗りがくどい、メインキャラクターの担当声優に(98年当時で考えると)無名の若手が多く演技に問題あり、など無視できない課題もけっこうある。
ちなみに出演声優の中で2012年現在での有名どころは川澄綾子、雪野五月、谷山紀章といった面々。
川澄はゲーム内でのフリートークで「今度やる役ではもっと怒りたい」(本作での担当役がおっとり系の極みだった)とぶっちゃけていた。
98年発売を当て込んでいたゲームに「こんな可愛い子が女の子のはずがない」キャラクターが存在し、しかも攻略可能という事態によりちょっとだけ有名、むしろニコ動としてはその現象以外殆ど注目されてない気がする。
登場人物
二宮千菜(にのみや ちな)
主人公のお向かいさんに住む同級生の女の子。お菓子作りが趣味でおっとりした性格。
必ず登場する。パン屋でバイトしており、文化祭での出し物は喫茶店。
二宮麻子(にのみや あさこ)
千菜の双子の妹で、恋のキューピッドを自認するお節介少女。早乙女好雄的ポジションとして女の子の情報や仲良くなるための助言をくれる。
通常では情報屋だが条件次第では恋人候補となる。文化祭ではフィーリングカップル。
三好直人(みよし なおと)
入学試験以来の主人公の悪友。アウトドア派で勉強も出来る万能男子だが、女の子にやたらしつこく言い寄るナンパ男の上、心変わりしやすいという女の敵。
ネタバレ:何とガチホモ枠。プロデューサー福原健一氏のお手製ではないらしいが。
藍原ひびき(あいはら ひびき)
ハデなファッションと時代が追いつかない歌唱センスを持つアイドル志望の同級生。
入学式では入江との2択で知り合う。ファミレスでバイトしており、文化祭ではマジックショー。
入江里沙(いりえ りさ)
主人公の1学年上。斜にかまえた不良少女。社会人の彼氏が居る。
本作の攻略最難関。結ばれるためには一度距離を置かなければならない。
文化祭はサボる。
篠崎百合華(しのざき ゆりか)
主人公の1学年上。水泳部エースにして風紀委員の秀才でお堅い先輩。
体力が低くて遅刻するか一部の平日に商店街(本屋)へ散策に行くと知り合える。麻子の情報網でも住所が特定できない。文化祭は詩集展示。
神城絢(しんじょう あや)
主人公の同級生。寺の娘で剣道の有段者。何かと剣道部に主人公を誘いたがるが本作では部活に入れない。
入学式で出るほか、主人公の運動能力がある程度あると登場することがある。文化祭では人形劇を展示する。
主人公の体調や精神状態が攻略条件に関わる珍しいキャラ。
遠藤加奈子(えんどう かなこ)
主人公の1年後輩。理事長の孫娘で中等部からの繰り上がり組。通称「3ばか」の一人でわがまま娘。
2年目にともみ、映美と揃って登場する。3人揃いで華道部に属し、文化祭ではコンピュータを使った相性占い(3ばかに共通)。
楠木ともみ(くすのき ともみ)
主人公の1年後輩で中等部からの繰り上がり組。「3ばか」の一人で丸眼鏡のどじっ子。
2年目に加奈子、映美と揃って登場する。
星野映美(ほしの えみ)
主人公の1年後輩で中等部からの繰り上がり組。「3ばか」の一人でおしゃれなお色気娘。
2年目に加奈子、ともみと揃って登場する。
柳原かすみ(やなはら かすみ)
心臓に疾患を抱える病弱少女。本来は1学年上だが病気により留年していた。3サイズを入手すると年を追うごとに痩せ細っているのが分かる。
2年時に千菜と同じクラスか、別クラスで一緒に下校すると知り合える。文化祭で遊べるお化け屋敷はレアイベントの一つ。
あるイベントを見てから他のヒロインに乗り換えると、エンディングがとんでもないことに……
早瀬鈴子(はやせ すずこ)
とあるバイトで知り合うことになる隠しキャラ。転勤族の父を持つ転校生。
理系キャラの系譜だが海洋にコンピュータに天体と守備範囲が広い純情少女。
2年の2学期の間しか学校にいないのでスピード勝負になる。文化祭では焼きソバ屋。
町田松子(まちだ まつこ)
グラマーだがざます口調でインテリ眼鏡の女教師。
学院一の堅物で、異性交遊を厳しく取り締まる。稀にデートを邪魔されてしまう。
特定のイベントを追っていくと攻略できるタイプ。
大野若葉(おおの わかば)
教育実習生として学院に現れる女子大生。ハデでグラマラスな女性で格闘技観戦が趣味。
2年までに誰ともそれほど仲良くないと登場する隠しキャラ。何故か5教科の成績が低くないと攻略できない。
渡瀬みちる(わたせ みちる)
主人公の2学年下。二宮母からの紹介で家庭教師の教え子となる。攻略を進めれば3年目に学院に入ってくる。
ネタバレ:何と男の娘枠。
マリー
オープニングで登場した、父親が勝手に決めた許嫁。
主人公は彼女と結婚したくない一心で恋人探しに熱を上げることになる。
誰とも恋人になれなかった際は彼女とのエンディングになるのだが、ある条件を満たすと……?
システム
日常生活
自己育成型シミュレーションゲームの基本的な形式にのっとっており、通常日程での行動に応じて主人公のパラメータが変化する。
特に何もない日は目標(勉強、趣味、運動など)を立て、それに対応した行動をオートでとって進行する。
この場合休日でも特殊なイベントのない日は平日同様にオートで進行することに注意。
自由行動の予定を立てた日には、女の子に電話をかけたり買い物をしたり散策してデートスポットを探したりすることが可能で、平日は1回、休日には2回の行動が出来る(買い物は何か買うと行動1回とみなされる)。
これらの目標と自由行動のスケジュールは基本的にいつでも変更可能であるが、1ヶ月のうち自由行動できる回数は予定を考え直す際の体力の現在値によって決まる。そのため疲れているときに予定を考え直すと逆に行動回数が減る。
各種の行動やデートのためのお金は月ごとに5000円ずつもらえるが、定期試験で100位以内の成績を修めるとアルバイトが可能になる。アルバイトは日雇いや期間限定のものも含めると24種類も存在し、中には死体洗いというトンデモないものまで……
女の子との交流
女の子との関係は「知り合い」「友達」「友達以上恋人未満」といった風に表現される。
基本的には女の子ごとに設定されたパラメータを高め、会話やデートを重ねることで関係が向上していく。
どのステータスを高めればいいかは早乙女好雄的なキャラクターに教えてもらえ、目当ての女の子がこちらをどの程度気にしているかはゲームセンターの占いマシンで教えてもらえる。
女の子からの評価軸に「ともだち度」と「きになる度」の2つがあって、いずれも女の子との交流によって上がる。この2つ及び主人公のパラメータが規定値に達し、なおかつ会話などの経験が多ければ関係がレベルアップする。だがともだち度が高過ぎると話が進展しない女の子もいるので困る。
会話の話題はプレイヤーのパラメータによって増えるほか、恋人以上の関係となって初めて振ることが出来るものや、同じ話題でも能力や関係によって内容が変化するものまでありかなり豊富。会話の中で電話番号や誕生日を聞きだすことも可能(もちろん好雄的キャラに教えてもらうことも出来る)。
デートは待ち合わせ場所を起点に自らデートコースを設定して行う。
デートの評価点は「満足度」と「むーど(ひらがな表記)」の2種類。満足度は女の子が好む場所を回れば上がり、むーどはカップルっぽい雰囲気の場所を回れば上がる。女の子の好みとむーどを両立させるのは楽しいが難しい。
女の子には体力値も設定されており、デートコースを回ることで減少していく。食事スポットを混ぜれば若干回復する。
プレイヤー、女の子のどちらかが極端に疲れるとデート終了になってしまうし、女の子の門限が迫ってきても終了になる。女の子を満足させられていなければやっぱり終了になってしまう。しかしむーどを高めるには夕方から夜の方が有効なので悩む。
時期が来れば女の子に告白することが可能であるが、告白するにはデートや会話を重ねるほかに主人公から女の子への想いが必要となる。日々の生活目標を「女の子を想う」に設定すれば想いは高まっていく。
告白が成功した場合でもゲームは終了せず、その状態で別の子に粉をかけることすら可能。しかし他の子とデート中に恋人以上の子と鉢合わせになった場合、浮気とみなされ本命との関係が悪化してしまう。ときメモと違い爆弾はないので、危ない橋を敢えて渡りたいというのでない限りやらない方がいいかもしれない。
なお、この「想い」、エンディングのフラグにも関わってくる場合があるので告白に成功した後も想い続けるのが吉。
エンディング
卒業の際に恋人以上の状態の女の子を呼び出し、父親に紹介するとノーマルエンドを迎えることが出来る。
到達自体は難しくないが、エピローグは主人公のステータスなどにより分岐し、適当にプレイしていると悲恋に終わってしまう。
女の子ごとに設定された特定の条件をクリアすると、卒業を待つことなくトゥルーエンドを迎えることが出来る。
ただしその条件に関わるヒントは殆どない上に複雑なケースが多い。
主人公の目的が恋人を作ること自体ではなく父親に紹介して婚約解消を手伝ってもらうことなので、告白がゴールにならない点が特徴的と言える。告白して恋人になれたのに不誠実な行動のせいで破局してしまったりと、なかなかにリアル。中には他のキャラと恋人になってから乗り換えないとトゥルーエンドに到達できないキャラも居る。
桃花学院行事
入学式(初年度)・始業式
全ての始まり。入学式ではいくつかの選択肢によって知り合いになれる女の子が変化し、2年時には後輩キャラが強制登場する。また2年と3年ではクラス替えが行われ、2年はリアルラック次第、3年はパラメータと希望進路次第。文化祭では同じクラスの出し物は見学できないのでクラスメイトの顔ぶれに注意。
定期試験
本家ときメモと違って年度ごとに5回も課せられる。1学期と2学期の中間試験はいわゆる5教科のみで、各学期の期末試験はさらに美術・音楽と保健体育が追加される。
桃花学院の学則では、ここでそれなりの成績を修めていなければアルバイトをすることが出来ない。
陸上競技大会
毎年6月のはじめに行われる。午前は全学年混合の二人三脚、午後は学年+教職員対抗のリレー競走。もちろん活躍すれば女の子から注目される。
リレーの体力はメンバー全員で共有であり、一人だけハッスルしても後が続かないので注意。
ダブルデート
厳密には学校行事ではなく、毎年夏と冬に悪友が持ちかけてくる。プレイヤーの気になる女の子と悪友が引っ掛けた子とで一泊二日の旅行に出かけることになる。女の子とタダで旅行できてラッキー…と思いきや実は悪友も見えないところでやる事やっており、一緒に出かけた子は悪友ともきっちり仲良くなっている。
なお実は悪友の兄貴とその彼女の旅行に便乗で行くので本当はトリプルデートのハズである。また悪友にはプレイヤー以外の友達がいないらしく、仮に断られても毎回プレイヤーを誘ってくる。
水泳大会
毎年9月に行われ、午前の個人タイムトライアルと午後の学年+教職員対抗メドレーリレーに分かれる。リレーに出られるかは午前の結果次第で、あとはほぼ陸上と共通。
文化祭
毎年11月始め、文化の日を含んで2日間行われる。本作の主人公は部活動には参加せず、クラスごとの展示を手伝うことになる。展示の手伝いではプレイヤーの築いた人脈に来客の数が左右される。目当ての子を誘って他クラスの展示を観に行くことも可能で、中には往年の「フィーリングカップル」を思わせるミニゲームも。
フィナーレは仮装パーティー。文化祭での行動で女の子を喜ばせていれば意中の子とチークタイムを過ごせる。
修学旅行
2年11月のお楽しみ。金持ち私学らしく香港5泊6日旅行となっている。4日目の自由行動で目当ての子と親睦を深め、5日目の香港島一周クルーズで思い出を作るのが目的。中華料理に関するちょっとしたウンチクも聞ける。
ちなみに実は年度ごとに行き先が変わっており、プレイヤーの上の学年は南国、下の学年は地中海旅行であるそうだ。
卒業式
2年の卒業式では先輩キャラと一旦お別れ、自身の卒業式では審判の日となる。この日までに「恋人」以上の女の子がいれば父親に紹介してひとまずエンディングだが、紹介できる子がいなければバッドエンディングである。 そのバッドエンドで出て来るフィアンセ(自主規制)の正体はパラメータによって2パターンに分かれる。
もちろんトゥルーエンドを見つけていれば卒業式を待たずしてゲームクリアとなる。
その他
ゲーセンで遊べるシューティングゲームが箸休めのわりに面白いと言われる。
アイテムの蒐集や装備・消費、好雄的キャラが実は攻略も可能、教師や社会人との恋愛など、『ときメモ』シリーズに先掛けて実装している要素が数多くある。
なお、麻子の攻略は自発的にデートに誘えず特殊なイベントをいくつも起こす必要があるため結構難しい。
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