あたりまえ体操とは、
さあ みんな! あたりまえたいそう の じかん だよ!
あたりまえたいそう とは、 あたりまえ の こと を
たいそう に した あたらしい たいそう だよ!
とのことである。
概要
お笑いコンビ・COWCOWのネタ。楽しげなピアノの伴奏に乗せて、当たり前なことを体操にアレンジして披露する。COWCOWはこのネタで2012年ブレイクを果たす。
一方ニコニコ動画では、2012年2月にあたりまえ体操の動画が再生数を伸ばし、ニコニコ動画内でちょっとしたブームになった。その後は、一般人による踊ってみた、書いてみた、MAD、MMDなどが投稿されている。
ネタの流れと説明
冒頭
まず冒頭で「あたりまえ体操」の説明をした後、
♪ あたりまえ ♪ ♪ あたりまえ ♪
♪ あたりまえ たいそう~ ♪
ネタの一例
やっていることは当たり前のことなのだが、これ見よがしに清々しいほどのドヤ顔で披露してくる。
- 右足を出して左足出すと、・・・歩ける!
- 両足の膝を一緒に曲げると、・・・座れる!
- 手首を前に何回か曲げると、・・・人来る!
しかし、後半になるとなぜか内容が適当に、・・・というか方向性が変わってくる。
最後
ネタの後半は、
♪ つねる と いたい しゃがむ と ひくい ♪
♪ おなら は くさい おかね が ほしい ♪
♪ あたりまえ あたりまえ ♪
♪ あたりまえ たいそう~ ♪
で終了。最後に当たり前なことをドヤ顔で言って閉めることもある。
バリエーション
多くの番組へ出演を重ねるにつれ、さまざまなバージョンのあたりまえ体操が披露されている。また、バラエティ番組にゲスト出演した際に、その番組や番組司会者をテーマにしたあたりまえ体操をその都度制作している。
ネタの誕生秘話
着想
このネタを着想したのは、ボケ担当の多田である。ある日、多田がウォシュレットを買って取り付けようと思ったら、「取付説明DVD」なるものが付属していることに気付いた。再生してみると、
という風に、説明があまりにも当たり前であった。これを面白いと思った多田は、このDVDをヒントに『あたりまえ説明書』というピンのネタを作成する。ただし、この時点では現在のようなメロディーは付いておらず、多田が「右足を出した後に左足を出すと、歩けるようになります」などと説明口調で語るネタであった。
「あたりまえ体操」へ
2009年から開催されたコンテスト「S-1バトル」(ソフトバンク主催の面白い映像作品のコンテストであり、賞金総額2憶2000万円が話題に)で、そのコンテストに出品する作品を思案していた際に、ツッコミの山田から「お前の『あたりまえ説明書』にメロディをつけて、『あたりまえ体操』にして出品しないか?」と提案される。その後、山田がメロディを考案し、映像作品を作成した。
こうして、ボケ担当・多田の作詞、ツッコミ担当・山田の作曲によるネタ『あたりまえ体操』が完成する。
ところが、出品しようと思った矢先、「S-1バトル」は東日本大震災のあおりを受けて中止。作成した映像作品は、日の目を見ぬまま時間が経過する。
知名度の向上
テレビでの初出しは、2010年放送のTBS系列のネタ番組『あらびき団』である。その後、そこそこいろんな番組で披露していた。
転機となったのは2011年9月。韓国のKBS2放送の特別番組で、日韓の芸人がお笑いガチンコバトルを繰り広げる『コメディー日韓戦』が放送された。そこでCOWCOWは、あたりまえ体操を韓国語にアレンジした『タンヨンハン・チェゾ』を披露し爆笑を取った。このネタは放送後も話題となり、韓国Yahoo!で『タンヨンハン・チェゾ』(あたりまえ体操)が検索1位になった。『めちゃ²イケてるッ!』にてKARAと共演した時も、KARAがCOWCOWのことを知ってたというから驚きである。
そして2012年にこのネタでCOWCOWはブレイクを果たす。ちなみに上記の映像作品であるが、その後DVD化されて日の目を見ることとなった。
歌っている人
この曲を歌っているのはCOWCOWではないのだが、誰が歌っているかというのは長い間公表されていなかった。ネット上では「歌っているのは芸人のムーディ勝山では?」という噂もあった。
2013年2月11日放送の『笑っていいとも!』にて、歌っているのは樋口太陽なる人物であることが公表され、生歌も披露された。樋口は、地元福岡の高校時代にバンドでドラムを叩いたことをきっかけに音楽活動A FREETERを始める。やがて上京し、兄の樋口聖典と「オフィス樋口」を設立して、音楽制作を行っている。CMや芸人の音楽などにもかかわっているため、我々は知らぬうちに彼らの作品を耳にしているらしい。
当初、COWCOWから歌詞とアカペラによる大まかなメロディー案を受け取った彼は、自身の歌唱で作成したデモテープを渡した。本来はCOWCOWが歌って踊るはずだったが、樋口さんの歌をそのまま使おうということになった。現在では、COWCOWからメールで新しいネタの依頼があると、山田與志と電話でやり取りをしながら彼が歌を吹き込むといった手順になっている。
どこが面白いのか
まず前置きとして、笑えるポイントは人それぞれということは言っておくとして、お笑い評論家のラリー遠田は「一見すると彼らのネタは素人にも簡単に真似できそうに見えるが、実際にはなかなかできない」とレベルの高いものと評価しており、遠田は『あたりまえ体操』が評価されているポイントを「間合い」と「顔芸」の二点を指摘している。
間合い
COWCOWは、笑いの「間」を掴むのが抜群に上手い。 長年の舞台で得た経験によるものであろう。
彼らの持ちネタのひとつに『お互いを肘で突き合ってじゃれ合い、最後に2人で肩を組んで正面を向いてにっこり微笑む』というものがある。これは、ほとんど言葉も発さないで展開される小ネタである。このネタを成立させているのは、間合いそのものにある。肘を突き合ってポーズを決める、ただそれだけのことを笑いに変えてしまうのは、それが何とも言えない心地よい間合いで繰り出されるからである。
顔芸
『あたりまえ体操』が笑いを生む最大のカギは、「顔芸」というもうひとつの強力な武器である。
『あたりまえ体操』は、フリの段階では無表情に淡々とこなし、そしてオチで決めポーズと共にコミカルな表情を見せる。歌と動きをベースにしているので気付かれにくいかもしれないが、『あたりまえ体操』という笑いの総合芸術の土台を支えているのは、顔芸の圧倒的なクオリティである。
関連動画
派生作品
関連項目
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