「行っくぞーっ、とらーっ!」
「うるっせーんだよ、うしおーっ!!」
うしおととらとは、藤田和日郎により『週刊少年サンデー』に連載された妖怪アクション漫画である。
概要
普通の少年だった主人公蒼月潮と、あらゆる化け物を打ち滅ぼす獣の槍、金色の大妖とらたちの戦いと出逢いの軌跡を描いた物語。
荒々しくも迫力があるグロ描写。独創的な妖怪のデザイン。そして少年マンガの王道を守りながらも高いストーリー性を持ち、岡田斗司夫は「少年マンガの原点にして頂点」と評した。
文化庁メディア芸術マンガ100選で20位に選ばれるなど高い評価をされており、未だに数多くの根強いファンを持つ。一方でマイナーな作品であると認識されることも多いが、単行本全33巻(+外伝1巻)で累計2500万部超の発行部数は、TVアニメ化されなかった作品としては上は数える程しかない大ヒット作といえる(ただしOVA化・ゲーム化はされている)。他にも小説版や画集、近年では文庫本なども刊行されている。
登場人物
「獣の槍よ、来い!」
- 中村 麻子
- 潮の幼馴染の少女。気が強く、うしおに対しては憎まれ口を叩いてばかりだが、普段は明るく人見知りしない優しい少女である。人の前では素直になれないが、うしおへの想いを本人は自覚している。うしおが近所に越してきたのは小学生時代だが、両親がメシ屋なため、母のいないうしおの食事を頼まれていたことで顔馴染みとなる。
- 井上 真由子
- 麻子の親友で潮の幼馴染。読書が趣味で化粧やアクセサリーには無頓着。明るい性格で、麻子をよくからかっている。また、とらのことを気に入っており、とらちゃんと呼んでいる。自分の痛みより他人の痛みが気にかかる優しさを持ち、本当はうしおのことを好きだが、麻子のためにその気持ちを隠している。
- 蒼月 紫暮
- 潮の父で、光覇明宗の法力僧。実は光覇明宗でもトップクラスの法力の持ち主である。ギャグもシリアスもいけるイカした親父。うしおが旅に出ている間の学校を休む口実は秀逸である。外伝では若い頃の、獣の槍伝承者に選ばれず尖った荒らくれ者であった一面が語られる。
- 羽生 礼子
- 娘の身を案ずるあまり、死後もなお鬼と化し取り憑き続けた父の霊から、うしおによって解放された同級生。麻子、真由子の親友であり、刺繍が得意。実は留年しているため、うしおたちより年上である。他のヒロインのほとんどはうしおに惚れるが、彼女には彼氏がいるので、あくまでうしおの良き理解者というスタンス。部屋には趣味のいい陰陽人形が置かれている。
- 鏢(ひょう)
- 「鏢」は字名であり、本名は捨てている。中国人。妻子を殺した妖怪を追って、日本にやってきた符咒士(ふじゅし)。その妖怪がとらとよく似た姿であったため、人違いならぬ妖怪違いのまま、とらに勝負を挑んできた。カムイコタンにて真実を知った後、静かに復讐の時を待つ。妻子を殺された経緯もあり、女子供を襲う妖怪には情け容赦ない。外伝にて、修行前の普通の人だった姿が見られる。
- 鷹取 小夜
- 妖怪を見ることのできる白い髪の血筋を引く少女。鷹取家の繁栄のために結界に閉じ込めたオマモリサマ(座敷わらし)をなぐさめるため、彼女もまた家に閉じ込められる人生を送っていた。うしおに解放された後はオマモリサマと一緒にたくましく生きている。
- 秋葉 流
- 光覇明宗の獣の槍伝承候補者の一人。飄々とした性格で、伝承候補者でありながら獣の槍よりもうしお、とらに興味を持つ。バイクに跨って化け物と戦う姿が印象的。でもそれよりも巻末おまけでバイクに乗る姿の方が印象的。最終決戦にて衝撃的な一面を見せる。
- 関守 日輪
- 光覇明宗の獣の槍伝承候補者の一人。女性であるがゆえに周りに負けたくないと高い自尊心を持つ。そのためろくな修行もせずに獣の槍の使い手となった潮に事あるごとに反発している。乳首を出しても恥ずかしがらない。
- 杜綱 悟
- 光覇明宗の獣の槍伝承候補者の一人。式神を操り、伝承候補者の中でもトップの実力を持つ。しかし白面の手先の婢妖に精神を乗っ取られるなど、あまり活躍したイメージのない地味な人である。それにトップの実力といっても、秋葉流が実際は…(ry
- 杜綱 純
- 杜綱悟の妹。両親がおらず兄と深い絆で結ばれているが、昔、兄が妖怪に襲われているところを助けてくれた時、その兄の姿に泣き叫んでしまったことを強く後悔している。兄に代わって獣の槍の使い手となったうしおに怒りをぶつけるが、魂を吸われることを承知で兄を助けようとしたうしおに恋心に近い感情を持つ。おやつは300円まで。
- 引狭 キリオ
- 獣の槍伝承候補者の一人。斗和子という女に育てられた謎の少年。武器としてエレザールの鎌を持ち、ホムンクルスの九印を従える。斗和子を失った後、自分の真実に絶望し放浪を続けるが、後に真由子の家に引き取られ、幸せを手に入れる。最終決戦では真由子のために白面との戦いを決意し、過去を遡り白面の秘密を探る。
- 和羅
- 光覇明宗の宗門の最高位である僧上。お役目様に育てられ、直接お役目様と対面するのは基本的に彼だけである。当初はうしおを獣の槍の使い手として認めておらず、凶羅をうしおの元へ送った。
- 凶羅
- 和羅の兄で、光覇明宗を破門された破戒僧。妖の殺戮だけが興味の対象であり、人を傷つけることを厭わない。うしお、とらを執拗に付け狙っている。
- お役目様(日崎御角)
- 白面を封じる結界を張り続けた二代目のお役目として光覇明宗を従えている。数百年前に貧しい村娘として生まれたが、突然現れたジエメイに連れられ、夫、子供を残したままお役目となる。白面封印の任を解かれてから百年以上経ち、老化は進行しているが未だ健在である。
- ジエメイ
- 古代中国の人間で、ギリョウの妹。白面の手により家族を殺された後、獣の槍を作るために自ら人身御供となって身を投げた。その後日本にて転生し、初代お役目ゆきとして白面と戦い封印する。現在は幽霊としてうしおたちを見守りながら、来たるべき白面との戦いの日を待っている。
- ギリョウ
- ジエメイの兄。名剣の工である父と共に、妖怪を滅ぼす名剣を王宮に献上すべく槌を振るっていたが、白面の者を前に剣は敢え無く粉砕され、両親を失うこととなる。更に、白面の者を倒す剣を作るため自ら死を選んだジエメイを止められなかった無念と自責、憎悪から鬼と化して一つの剣を作り上げ、その剣と一体化し獣の槍そのものとなった。
- 須磨子
- うしおの母。うしおが物心つく前に死んだと聞かされていたが、妖怪たちとの戦いの中で、伝聞ではあるが、まだ何処かで生きていることが判明する。妖怪たちに強く怨まれており、その謎を知るためうしおは旅に出る。
うしとら妖大全
「もう喰ったさ。ハラァ…いっぱいだ。」
金色の毛を持つ大妖怪。500年もの間、獣の槍に封印されていた。当然、誕生したのはそれよりもまだ遥か昔の事である。永く生きたがため、時代ごとに「字伏」「長飛丸」など複数の異名を持ち、その実力と共に妖怪の間でさえ広く知られる。「とら」という名前は、単に初見の潮が「似ているから」と勝手に付けた名前だが、ただの「虎」には到底真似出来ない、強力な雷と炎を放つ能力を持つ。うしおを喰らうために共に行動し、あくまで味方同士ではないと主張するが「二体で一体の妖」と呼ばれるほど息の合った戦いを見せる。そのためか最近では、ツンデレ、萌えキャラと呼ばれることが多い。人肉を食べるかわりにはんばっかを食べて我慢している。数回あった人気投票ではうしおを押さえ常に1位だった。
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獣の槍 ![]() |
古代中国にて白面の者を打ち滅ぼすために生まれた、意思を持った槍。その意思とは、白面の者に対するギリョウの怨念そのものである。妖に対して絶大な威力を発揮するが、その代償として使い手の魂を削り続け、最後には妖化させてしまうという、扱いの難しい槍。うしお以外の者には力を引き出せない。たまにはムシボシしなきゃね。 |
- 雷信
- 鎌鼬三兄弟の長男。人間の世に潜み、生きていくために普段は人の姿をしている。生真面目な性格だが、天然なところもある。十郎の事件後はうしお、とらを深く信頼するようになり、常に味方であり続けた。
- かがり
- 鎌鼬三兄弟の末の妹。人間の姿をしているときの服はボディコン。とらのことを最初は、「子供なんかに取り憑いて良いように使われている、妖怪としてのプライドの欠片も無いペットみたいな奴」と馬鹿にしていたが、十郎の事件後は強く敬愛の念を抱くようになる。セクシーで強気なところと、しおらしい姿のギャップが魅力。
- イズナ
- イタチのような格好をした、口は悪いがキュートでノリのいい小妖怪。いらんことを言っては、とらに炎で焼かれている。戦闘能力はほとんどないが、人や妖の中に入り込む能力を持ち、ここぞというときに役に立つ。
- 石喰い <第一章 石喰い>
- 古本や古道具に棲み、人を自分の世界に引きずり込んで、石に変えて食う妖怪。学校にあった鎧に潜んでいたところにやってきた麻子、真由子が捕らえられてしまう。それから大分後に、その鎧はうしおの防具となる。
- 餓眠様 <第三章 とら街へゆく>
- 生首の形をした数体の妖怪。凶暴で執念深い妖怪で、明治時代に日崎御角に捕らえられ封印される際に、その目と鼻と口と乳と尻をしかと覚えた。作品中一番グロイ妖怪かも…
- 衾 <第七章 奴は空にいる>
- ちょっとキモくて不気味だけど、つぶらな瞳がキュートなトラウマ妖怪。飛行機でうしおと知り合ったことを、小夜がみんなに紹介してくれました。
- 白面の者
- 濁った陰の気の塊が一匹の大妖怪となったもの。金色に輝く体と九つの尾をもつ。人の女の姿に化生し、多くの国を滅亡へと追いやった。人や妖の“恐怖”を力の根源としており、それを喰らうことで無尽蔵に強くなり続ける。モデルとなった白面金毛九尾の狐は、他の作品にも多く使われる有名な妖怪。
あらすじ・抜粋エピソード
序章 うしおととらのであうの縁
「……やっつけてくれよ…」 「約束は守るさ…」
自宅の寺・芙玄院の蔵に、地下に通じる扉を見つけた蒼月潮。そこには、赤い布を巻かれた槍によって封印された金色の妖がいた。蔵の扉に閉じ込められた妖気を解放してしまったことで小妖怪が引き寄せられ、潮の幼馴染の中村麻子と井上真由子が襲われる。女を救うために槍を抜けと要求する金色の妖。抜いたら人を食おうとするかもしれない。戸惑いながらも、うしおはその槍を抜いた…
第二章 絵に棲む鬼
「あんたは今まで死にたがっていた、一人ぼっちだからって。でも今はもう一人だなんていわせんぞ」
死にたがりの羽生と呼ばれる同級生の娘がいた。彼女・羽生礼子に近づいた者は、皆奇妙な事故に遭い大怪我を負うという。それ故に他人と交わろうとせず自殺未遂を繰り返す礼子は、うしおの憧れの画家・羽生道雄の娘だった。そして事故の原因が、鬼と化した父・羽生道雄によるものであり、それが彼女の笑顔を奪ったことを知ったうしお。「ごめん、もう、こんなことないから…」死にに向かおうとする礼子を止めるため、うしおは彼女、そして鬼の棲む家屋敷へと走る。
第九章 風狂い
「雷信兄さんやかがりとずうーっと、三人で暮らせたらいいなあ」
死んでいたと思っていた母の秘密を知るため旅に出たうしおととらは、雷信、かがりと名乗る鎌鼬の兄妹と出会う。2人は三兄妹の次男であり、人間の殺戮を繰り返す十郎を殺してくれと依頼する。人間たちに棲み家を追われた悲しい鎌鼬兄妹の境遇と、増え続ける犠牲者。人殺しを止めようとするうしおに十郎の鋭い鎌が襲い掛かる。
第十三章 おまえは其処で乾いてゆけ
「なまはげでもない、猿でもない…おまえはそこでかわいてゆけ。」
東北地方で若い女ばかりを狙う連続猟奇殺人事件が発生する。目撃者は近くで「なまはげ」の姿を見たという。同行の大学生香上、片山と青森の旅館に泊まったうしおは、おかみの史代と娘の詩織と触れ合う。その夜、なまはげの姿をした妖怪が現れ、人間に化けるため、詩織の皮を剥ごうとして襲い掛かった。その化け物は、史代の小さなころの唯一の友達だった猿と同じ鈴を付けていた…
第二十二章 時逆の妖
獣の槍に魂を奪われたものの、麻子たちの手によって元に戻れたうしお。旅の目的地である旭川に着いたうしおととらは、時逆という妖に連れられ、2290年前の中国へと導かれた。ジエメイ、ギリョウの家族と出逢った2人は、ここに白面の者が現れたという話を聞く。やがて正体を現した白面の者によって招かれる悲劇。そしてうしおは、獣の槍の生まれる瞬間を見る。そして母・須磨子の真実も――
第二十七章 四人目のキリオ
「みんな…仲良うせんと――あかんよ――」
四人目の獣の槍伝承候補者は九印というホムンクルスを連れたキリオという子供だった。光覇明宗の本山が襲撃されたことを紫暮に聞かされたうしおはキリオとともに本山へと向かう。そこで初めてお役目様と対面したうしお。また時を同じくして、白面の者の分身くらぎを前にしたキリオは怪しく笑っていた。
第二十八章 激召~獣の槍破壊のこと
「また、嘘なんだね」
「エレザールの鎌があれば獣の槍はいらない」そう主張するキリオの賛同者は日増しに増えていった。そして赤い布を持ったキリオの手によって獣の槍は奪われ、キリオの住む「囁く者達の家」にて獣の槍破壊の準備が進む。キリオを陰で動かす斗和子という女は何者なのか。うしおは関守日輪と、とらは秋葉流と共に囁く者達の家へと向かった。
第三十章 愚か者は宴に集う
「オバケ…質問に答えるわ。 泥なんて…何だい、よ!」
パーティーの招待状をもらいデパート最上階に出掛けた真由子。しかしその会場は、人の死に興味を持った妖怪『などか』と『たゆら』が問い掛けをするために設けられたものだった。助けに来たとらを階下に叩き落した『などか』と『たゆら』は戯れとして、真由子が一階降りるごとに一人解放することを約束する。「満足する死とは、何だ?」その答えを胸に秘め、真由子はとらと共に階下へ急ぐ。
第三十一章 ブランコをこいだ日
「オレを見てよ…お父さん…なんて…いって…くれるかなァ?」
病院で目の見えない少年ミノルに出会ったうしお。ミノルは飛行機事故で父親を失い失明した。しかし事故後発見されるまで、死んでいたはずの父親と森で暮らしていたという。その父親代わりをしていた妖怪さとりは、ミノルの眼が視えるようになるには彼に適合する人間の目玉が必要だと考え、人の眼球を鎌で切り取って集める連続殺人事件を引き起こしていた。「ミノルが笑うと、なんか嬉しいんだ…ヘヘヘ…」 説得に耳を貸さず人を襲い続けたさとりに、うしおは獣の槍を投げた――
第三十四章 西の国・妖大戦
「あなたの山に、お還りなさい。」
日本の西の国の妖怪たちが白面の者への総攻撃を仕掛けようとしていた。うしおの旅により、それが愚かな行為であることを知る東の長は説得を試みるも幽閉されてしまう。助けを求めに来た雷信、かがり、イズナ、一鬼、威吹と共に九州は高千穂へと向かううしおととら。しかし結界自在妖・間槌と西の鎌鼬三兄弟、そして西の長の手により、うしおたちは捕らえられてしまった。東の長の言葉に加え、うしおと獣の槍の強さに迷いを見せる西の長は、西の鎌鼬三兄弟と、とら・雷信・かがりとの3対3の決闘を提案したが…
第三十八章 あの眸は空を映していた
全てを失い、目的もなくキリオは放浪を続けていた。浜辺で偶然キリオと出会った真由子は、いとこが妖に狙われていると彼に助けを乞う。初対面の自分を怪しく思うこともせず必死に頼む真由子にキリオは心を動かされる。その妖は昨晩戦って敗戦した狒狒に違いない。「こよいこんばんこのことは…しっぺい太郎に知らせるな。」狒狒の残した言葉を頼りに、キリオはしっぺい太郎を探すが見つからない。目の前にいるのはタローと呼ばれる飼い主を失いずっと同じ場所に座り続ける老犬だった。「ねえ、九印。これは…しっぺい太郎じゃないよね。これはぼくさ…」
第四十一章 獣群復活
旅行先で鏢と再会し、共に自宅へと帰ってきたうしお。そこにとらによく似た妖怪4匹が現れる。鏢によるとそれらは皆『字伏』(あざふせ)という妖怪で、とらもその一種であると語った。とらが字伏達と小競り合いをしている最中に、もう一匹黒塗りの字伏が現れる。名を紅蓮。圧倒的な強さを誇る紅蓮を前に、鏢は笑みを浮かべながら語りかけた。「いきがってるじゃないか…捉影…」
第四十三章 風が吹く前 ~ 最終章 うしおととら
4月。麻子の願い通り、うしおは麻子と同じクラスとなった。礼子の家で教えてもらいながら刺繍した、うしおの名前入りの袋。その帰り道の桜の舞う公園前で、うしおと麻子は偶然会う。最初はいつも通りの喧嘩になってしまう2人。だが自分にはこの「いつも」がいつまで続いていくかも分からないことにうしおは気づいた。「あ…なんだ…暗いしよ…仕方ねえから送ってやらあ」「…うん!」その時、風が吹いた。麻子の中から、笑顔のうしおの姿が消えていった…
これより白面との最終局面が始まる。故に以下は台詞のみを断片的に抜粋することとする。
「しけた面してんなア…うしお。」
「十郎の手、徳野さんの命、ジエメイさんの母ちゃんの服のそで…もう誰も…こぼさねえ!」
「私は…あいつが好き…」
「おまえがオレを忘れたっていい…オレがおまえをずっと忘れてねえから…ずっとずっと忘れねえから」
「ジエメイ…おまえ幽霊にしちゃ…ずっりィよな。」
「白面なんてパーっとやっつけちゃって…迎えにきてねって」
「キサマはァア! 秋葉 流!!」
「"NO "だよ、うしお」
貴方達のお力で岩の柱を破壊してくださいませ。そうすれば…白面の者は…再び永い眠りにつきましょう。
「空(エンプティ)だ!うしおよ、君は人間に戻れなくなる。もう――二度とは!! 」
「でも…行くんなら…獣になってもいい…無事で帰ってきて!お願い!どうか無事で…」
「いつからだろう…風の音が聞こえてきたのは…
オレは…本気を出しちゃいけねえんだ…――人生ってヤツを…楽しんじゃいけねえのさ。」
「ナガレ…やっぱり…おのれの負けだ!」
「だから弱っちくてキレエなんだよ…人間は…」
「うしお…お願いがあるの…あたまを…なでていい?」
さらば…忌まわしき結界!短い…つきあいだったな…
「ちくしょう…なんて…うれしそうな、カオだ…」
「人間ごときがわしにかなうかよ。ギタギタにぶっ殺してやったぜ。ははははは。」
「あばよ、バケモン。」
「うしおくんが……負けちゃった……」
憎しみこそが人を強くする。男は憎んでいた。全てを…そしてそれ故に強かったのだ。
「オレはシャガクシャ様みたいになりたいです。」 「憎しみは…何も実らせません。」
その男はな…ほんの少しだが…生まれて初めて…笑ったんだ。
「子供を喰うのか、キサマ…――やってみろよ。オレの目の前で…今一度…喰ってみろよォ!」
帰ればそこに…幸せが待っているはずだった…だけど待っていたのは…
暗黒の淵と…蒼い目が呼ぶ…復讐の日々だった…
「爆砕符。天地万物の正義をもちて微塵とせむ。」
ハイフォン…レイシャ…今こそ…
「禁!」
今…帰ったよ…あけとくれ… ――おそくなって…ごめんよ
「とらちゃん、私を食べるっていってたよね…必ず食べてね。
――好きだよ…大好き…」
もし、オレが願えば…誰かが助かるなら… もしもオレが泣けば…誰かの涙を全部泣いちまえるなら…
オレは願うさ。何度だって泣いてやる。
そして立つ――立って戦う!
――憎しみは、何も実らせねぇ――
そうだ…今までみたいに…そうだ…
行こうぜ、とら。
巻末のオマケ
本編から離れたところで有名なのが単行本の巻末オマケである。10巻までは人気投票が載った程度のものだったが、11巻よりなぞなぞコーナーがスタート。なぞなぞでは秋葉流から鏢、ギリョウ、白面の者に至るまで多くの者がキャラクターイメージ崩壊を起こし、ヒーローババーン(©雷句誠)といった謎のキャラが登場するなど爆笑の出来である。
作者本人とアシスタントの登場するマンガもいくつか収録される。断崖絶壁アタマの片山ユキオ、屈託なしの雷句誠、元賽銭泥棒の井上和郎など、キャラの濃いアシスタントが多かったことが伺える。
また印刷による大量製本が主流の現代において、当作品の製本が作者とそのアシスタント達によるハンドメイドであるという、衝撃的な事実もこの巻末のオマケページにて公表された。
文庫本には収録されていないので注意。
イラストギャラリー(うしお画伯選)
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リビジョン番号: 1397744
読み:ウシオトトラ
初版作成日: 09/12/14 00:20 ◆ 最終更新日: 12/01/03 00:02
編集内容についての説明/コメント: 削除動画の差し替え、文章の誤字の修正や補足・加筆など。
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