おおとりとは国鉄からJR北海道にかけて運行していた列車名である。
概要
サンロクトオで全車指定準急新東海の特急格上げで東京~名古屋間に設定されたのが特急おおとりである。なお、有料準急列車は自由席連結が当然であったが、新東海は全車指定席という珍しい列車であった。当時の東京駅発着の昼行特急は大阪駅以遠を発着する列車しか運行しておらず、東京駅発着で名古屋駅を発着する唯一の在来線特急列車となった。
下りおおとりは大阪行最終第2つばめの後に東京駅を18時に発車し22時15分に名古屋駅に到着し、上りおおとりは大阪発始発第1こだまより早く名古屋駅を7時45分に発車し東京駅に12時に到着するダイヤが組まれていた。また、車両はこだま型151系11両編成が使われており、上り列車は折り返しで特急はととして使われていた。
東海道新幹線開業に伴い特急おおとりは一夜で東海道特急から北海道特急となって函館~釧路・網走間の列車名として再スタートを切る事になり、東京~名古屋間は新幹線こだまで代替する事となる。
函館駅では同じく新設された上野~青森間を運行する寝台特急はくつるを青函連絡船を跨いで接続していた。おおぞらに続く第二の北海道特急でありキハ80系5+7量の計12両で滝川駅までは併結されており、函館~釧路間の編成は特急おおぞらの増発を兼ねて、函館~網走間の編成は旭川駅以東を経由する初めての特急列車として設定されていた。ちなみに食堂車付きの7両編成は釧路行であった。
やがて釧路編成はおおぞらの増発で対応する事になったのでおおとりは函館~札幌~網走間を運行する事となり6両編成になった。編成の増発こそし最盛期ではキハ80系10両編成にまでなっていたが長い間1往復で運行していて最後の函館駅から札幌駅を跨いで運行する列車となっていた。また、1986年11月に使用車両がキハ80系からキハ183系に変更されるまでオホーツクと共に昼行特急で最後の食堂車を連結する列車となっていた。しかし青函トンネル開業のダイヤ改正で北斗とオホーツクに分離される事によりおおとりの名称は廃止されてしまった。
廃止直前の資料集
東海道特急おおとり
- 列車種別
- 特別急行
- 運行会社
- 日本国有鉄道(国鉄)
- 運行区間
- 東京駅~名古屋駅(366.0km)
- 経由線区
- 東海道本線(東京~名古屋間)
- 使用車両
- 151系12両編成
- 発車時刻
- 東京駅18:00・名古屋駅7:45
- 所要時間
- 4時間15分
- 列車番号
- 2007M・2008M
- 最終運転日
- 1964年9月30日
停車駅
駅名 | 東 京 駅 |
新 横 浜 駅 |
横 浜 駅 |
小 田 原 駅 |
熱 海 駅 |
静 岡 駅 |
浜 松 駅 |
豊 橋 駅 |
名 古 屋 駅 |
岐 阜 羽 島 駅 |
米 原 駅 |
京 都 駅 |
新 大 阪 駅 |
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おおとり | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
こだま | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
ひかり | ● | ● | ● | ● |
北海道特急おおとり
- 列車種別
- 特別急行
- 運行会社
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- 運行区間
- 函館駅~網走駅(660.8km)
- 経由線区
- 函館本線(函館~長万部間)
- 室蘭本線(長万部~沼ノ端間)
- 千歳線(沼ノ端~白石間)
- 函館本線(白石~札幌~旭川間)
- 宗谷本線(旭川~新旭川間)
- 石北本線(新旭川~網走間)
- 使用車両
- キハ183系7両編成
- 発車時刻
- 函館駅11:35・網走駅10:00
- 所要時間
- 9時間21分~9時間22分
- 列車番号
- 3027D・3028D
- 最終運転日
- 1988年3月12日
停車駅
参考として下段に運行開始日(1964年10月1日)の函館~網走間の停車駅も記載。
駅名 | 函 館 駅 |
長 万 部 駅 |
洞 爺 駅 |
伊 達 紋 別 駅 |
東 室 蘭 駅 |
登 別 駅 |
苫 小 牧 駅 |
千 歳 空 港 駅 |
札 幌 駅 |
岩 見 沢 駅 |
滝 川 駅 |
深 川 駅 |
旭 川 駅 |
上 川 駅 |
遠 軽 駅 |
留 辺 蘂 駅 |
北 見 駅 |
美 幌 駅 |
網 走 駅 |
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1988年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
1964年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
列車名の由来
列車名の変遷
東海道特急おおとり
1961年10月 昼行有料準急新東海の格上げで東京~名古屋間に特急おおとりが1往復設定される。
停車駅は東京 - 横浜 - 熱海 - 浜松 - 豊橋 - 名古屋
1964年10月 東海道新幹線の開業に伴い新幹線こだまに移行する形で東海道特急としては廃止。
北海道特急おおとり
1964年10月 函館~網走間は急行オホーツクの格上げ、函館~釧路間は急行摩周の格上げとして特急おおとりが函館~札幌~滝川~網走・釧路間に設定される。
停車駅は函館 - 洞爺 - 東室蘭 - 登別 - 苫小牧 - 札幌 - 岩見沢 - 滝川 - 富良野 - 帯広 - 池田 - 釧路と滝川 - 旭川 - 遠軽 - 北見 - 網走
1970年10月 函館~釧路間はおおぞらの増発とし、おおとりは函館~網走間の単独列車となる。
1988年3月 青函トンネル開業のダイヤ改正でおおとりは札幌駅を境に系統分離される事となり、函館~札幌間は北斗・札幌~網走間はオホーツクのそれぞれ増発なる。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 鉄道列車名一覧
- 東海道本線・函館本線・石北本線
- 151系・キハ80系・キハ183系
- 日本国有鉄道・JR北海道
- おおぞら(列車) - 北海道第二の特急に対して北海道初の特急
- はくつる(列車) - 廃止まで青函トンネルの先で接続していた夜行特急
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