おちおちファイトとは、星のカービィ64の本編ミニゲームの一つである。星のカービィ Wii デラックスにも収録されている。
概要
4人のプレイヤーが正方形のフィールドに立ち、そこから攻撃を仕掛けてライバルを落とすのが目的。最後に残った1人が勝者となる。また試合終了までにかかった時間が最高記録として保存される。
キャラクターはカービィ・ワドルディ・アドレーヌ・デデデから選択でき、人数が足りない場合はコンピュータを含めた4人でプレイする(ここは他のミニゲームも同じ)。Wiiデラックスではキャラクターはいつもの4人になっているが、アドレーヌのおめんを着けて遊ぶミッションなんかもあったりする。
ステージは全部で4種類で、コンピュータの強さによって変化する。ただし見た目以外の違いはない。
BGMの作曲者はカービィシリーズではおなじみの石川淳。不安定さを感じさせる変拍子はまさにこのミニゲームを表していると言えよう。
ルール詳細
- ゲーム開始時のフィールドの大きさは8×8マス。
- ゲーム開始までのカウントダウンの間は移動はできるが攻撃はできない。
- Aボタンを押すと自分の立っているマスから自分の向いている方向にある一列のマスが光り、フィールドの端まで到達すると自分に近いマスから順に落下する。
- 落下する瞬間にそのマスに立っていた場合、プレイヤーも落下して1ミスとなる。
- 落下したマスは一定時間が経過すると復活する。この判定はマス毎に行われるので、同じ攻撃で落ちたマスでも先に落ちたものの方が先に復活する。
- ミスしたプレイヤーは直後にフィールド上のランダムな場所に復活する。復活直後のマスは落とされてもミスにならない性質があるが、そのマスを離れるか一定時間が経過するかするとその効力を失う。
- プレイヤーのライフは全員5から開始し、ミスするごとにライフが1つずつ減っていき、0になるとゲームから脱落する。
- 最初にプレイヤーの誰かが脱落するとフィールドの端のマスが左上から時計回りの順で黒くなり、一周すると黒くなったマスが落下する。この落下に巻き込まれた場合も1ミスとなる。端のマスは復活しないため、その後のフィールドの広さは6×6マスとなる。
- 2人目のプレイヤーが脱落すると、1人目の時と同様に端のマスが落下する。この後は残った2人のプレイヤーが4×4マスのフィールドで一騎打ちをすることになる。また同時に2人が脱落した場合、連続してフィールドの端が落下することになる。
- マスが落ちてからミスの判定になるまでの時間は常に一定なので、ミスになるタイミングはマスが落下した瞬間に依存する。そのため複数のプレイヤーが同時に脱落したように見えても、マスが落下したタイミングにフレーム単位で違いがあれば順位に上下ができる。もちろん同フレームだった場合は同じ順位となる。
戦術と駆け引き
一見するとスーファミでも再現可能なくらい単純なゲームのように思えるが、裏で高度な駆け引きが要求されるゲームでもある。例を挙げると、
- 落下したマスは復活するまでの間通ることができないので、それを利用して相手を追い込むこともできる。
- 攻撃時は動くことができないので、その隙を狙って攻撃するのが定石となる。それを恐れて攻撃せずに逃げまわるのも一つの戦法だが、追い込まれて逃げ場がなくなると「相手に攻撃させないための攻撃」もしばしば必要になる。
- 端に近づいて攻撃するとその分だけ落とせるマスが減るが、「光ったマスが端に到達してから落下する」という仕様のため端に近づいた方が早くマスを落下させられる。そのためフィールドの端をうろつくプレイヤーに接近して素早く落下させる奇襲戦法も可能である。
- 向かい合った状態で攻撃を放ち、互いにミスする「相討ち」がしばしば発生するが、この場合相討ちに加わらなかったプレイヤーが有利になる。そのため積極的に攻撃せず他のプレイヤーの相討ちを待つのも戦術の一つ。
- 戦況を考え一人を集中的に狙うことも可能だが、他のプレイヤーへの注意がおろそかになると簡単にカモにされてしまう。また複数人で協力して一人を狙うこともできるが、協力者同士が相討ちになることも稀によくある。
- 誰かのライフが残り1つで脱落しそうな時、他のプレイヤーをフィールドの端に追い込んで黒マスで落下させることもできる。
- 攻撃するプレイヤー自身が立っているマスは落下しないので、そのマスに潜り込むのも手。ただしデデデは図体がでかいのでそれを阻止しやすく、また阻止されやすい。
- 残り2人でライフに差がある場合、ライフが多い方は相討ちを繰り返せばよいので心理的に楽である。一方ライフが少ない方は相討ちせず相手をミスさせる作戦を練る必要がある。
- そうでなくても残り2人の時は高度な心理戦が展開される。「手を止めることなく多くのマスを落として相手の動きを封じる」「死亡確定の攻撃を避けるために先に対象のマスを落としておく」「勇気を出して相手に近づき1マス落としで勝負を決める」「相手の動きを先読みして少しずれた場所を攻撃する」など。ひどい場合には高度な読み合いの末2人とも攻撃することなくただ上下運動を繰り返す状態が何秒か続くこともある。
などなど。そしてこのゲームの恐ろしいところは、これだけの要素を詰め込んでいるにも関わらず試合自体は2分ほどで終了し、初心者でも5試合くらいすればコツを掴んで経験者に張り合えるようになるといった点である。また結果発表画面からAボタンを2回押すだけで次の試合が始まってしまうので、前の試合の余韻が冷めぬまま次の試合へ……となり、やめるタイミングがなかなか見つけられないのも恐ろしさの一つである。
多人数で遊んだときの盛り上がり様から、「本編よりおちおちファイトの方が遊んだ時間が長い」「むしろおちおちファイトが本編でクリスタル集めがミニゲーム」「おちおちファイト(副題:星のカービィ64)」なんて声もたまに耳にする。人によってはポケモンバトルよりミニゲームの方がよく遊ばれるポケモンスタジアムに通じるものがあるかもしれない。
関連動画
関連項目
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