お笑いマンガ道場とは、1976年から1994年まで中京テレビ(CTV)で制作されたバラエティ番組である。最初の1年のみは中京地区ローカルであったが、後に日本テレビ系列など全国にネットされた。放送時間が地域によってバラバラながらも、全国的に知られた番組でもある。単に『マンガ道場』と呼ばれる事が多い。
概要
出されたお題をテーマに関連したマンガを書くというのが基本構成で、『笑点』(日本テレビ)などで知られる「大喜利」を漫画によって表現するという形式にしたものである。
番組の流れは、OP→ゲスト紹介→一回戦→二回戦→三回戦→おまけコーナー(視聴者のお便りコーナー)が基本となる。
司会者は当初落語家・桂米丸が担当したが、フリーアナウンサーで後に参議院議員も務めることとなる柏村武昭が最終回まで担当するようになる。これは、桂米丸の司会がそつがなかったためで、柏村に変更してからは、柏村独特の毒舌を駆使しながらの司会ぶりが番組の人気に火を付けるようになる。
また、プロの漫画家である鈴木義司と富永一朗のバトルも名物であった。鈴木が富永を揶揄する時は、オバケナマコ&こじきの格好、富永が鈴木を揶揄する時には、土管から首を出したこじきは番組の名物であり、その絵が出る時点で爆笑となった。なお、富永と鈴木の仲は良好で漫画家になってから苦楽を共にした仲間で、鈴木が富永に対して番組参加を呼びかけたほどでもある。またお約束ネタとしては、鈴木が気前のいい金持ち、富永がおっぱい、二コママンガも番組のお約束でもあった。
富永一朗の他に、初回から最終回までレギュラーだったのが、車だん吉である。当初からプロ並みの絵のレベルが高く、後に鈴木、富永の推薦でプロの漫画家となる。
女性レギュラーは、4回変更となっている。初代はモデルのエバ、二代目がタレントの秋ひとみ、三代目がタレント・女優の川島なお美、四代目がタレント・森山祐子(現・森山ゆうこ)で、特に川島なお美は一番長くレギュラーを担当している。
番組の終焉
1993年4月、日本テレビ系列において長らくローカル編成枠であった土曜夕方18時台後半が全国ネットの放送枠へと切り替えとなり、「モグモグGOMBO!」が始まった。この時間帯で「お笑いマンガ道場」を放送していた中京テレビは放送時間を変更せざるを得なくなり、日曜日の午前11時に移動をさせた。しかし、これによって急速に視聴率が低下。翌1994年3月で18年間続いた「お笑いマンガ道場」は終了に追い込まれた。
根強い人気、そして令和に復活
元々は中京ローカル番組として始まった番組ながら後に番組販売で他地域でも放送され中京テレビを代表する伝説的番組にまで成長したという経緯があることから、根強い人気を保っている。
時には正月には放送時間を1時間に拡大した「初笑いマンガ道場」という特番も放送されたり、放送500回記念回や800回記念回では通常放送回では出演しない豪華ゲストも登場した。特に500回記念回の際に放送された「おしかけマンガ道場」では手塚治虫もVTR出演し1コマ漫画を披露している。
手塚治虫と富永一朗・鈴木義司とは漫画家団体「漫画集団」へ共に加入するなど交流があり、このVTR出演が実現したものと思われる。
1992年、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)の初期の人気コントコーナー「結婚前提戦士ラブラブファイヤー」で当番組がそのまま登場したことがある。ゲスト回答者の役回りとなった松本人志が「あらかじめフリップに描かれたみかんを使って漫画を描け」というお題に、「果物屋の店先のみかん」というみかんをひねらず使った答えを出し、富永一朗は松本の発想力に感銘を受けた。
この再現企画は、松本人志自身が素人時代に「マンガ道場」へ投稿した経験も持っているほどの大ファンであったため実現したものだと言われている。
しかし、番組黄金期を支えた名物出演者のうち、鈴木義司(2004年没)、川島なお美(2015年没)、富永一朗(2021年没)は故人となり、他の女性レギュラー陣も芸能界から引退。現在でも活動しているのが柏村武昭と車だん吉のみとなってしまった。
そんな2021年、「復活!令和もお笑いマンガ道場」と題した特番が突如放送され復活を遂げた。レギュラー放送時代に出演していた柏村と車はもちろん、足立梨花、くっきー!(野性爆弾)、土屋伸之(ナイツ)、島本和彦も出演。くっきー!は富永一朗を、土屋は鈴木義司をイメージした扮装で当番組に出演し故人へのリスペクトを見せた。
この復活特番の中では、第6回戦「マンガTシャツ」の中で車だん吉が「HEAVEN」というTシャツイラストで「天国で一緒に酒を飲む富永一朗・鈴木義司・川島なお美」というものを披露し、往年のマンガ道場ファンの涙も誘った。
この復活特番の地上波放送は中京テレビのみであったが、番組の一部をYouTube公式チャンネルで、全編をHuluで公開し全国のファンへの便宜を図っている。
また、この復活特番と併せて、かつてのレギュラー放送時代のアーカイブ番組配信もHuluにて開始。
1982年から1992年までのうちの全10回が配信されている。
放送時間・ネット状況
- 放送時間は製作局の中京テレビでは1977年~1993年の長期に渡り土曜夕方18時台で放送。日本テレビなどネット局では夕方16時~17時台に放送された局が多かった。
- 中京テレビの所属する日本テレビ系列の放送局でのネットが多かったものの、関東地区や関西地区ではネット開始当初東京12チャンネル(現:テレビ東京)・KBS京都・サンテレビ・テレビ和歌山などで放送されていた。これは、当時広域独立局であった東京12チャンネルが関西・中京地域での足がかりとしてKBS京都・サンテレビ・テレビ和歌山・中京テレビと緩やかな協力関係にあったことの名残である。
関連動画
関連項目
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