きれいな童貞とは、ラブコメに登場する男性の一類型である(かもしれない)。
概要
娯楽作品のジャンルとしてラブコメが成立してから今日に至るまで、「なぜ互いに憎からず思っている男女がなかなか結ばれないのか」というジャンルの根本的問題に対する決定的な解答は存在しない。
メタフィクション的な発言が許されるのであれば、それは「大人の事情」ということになるのかもしれないが、偉大なる先人たちはそこに無数のドラマチックなギミックを持ち込むことでラブコメの魅力をいっそう輝かせてきた。
身分違いの恋。互いが所属する組織の確執。人種や国籍のミスマッチ。年齢差。etc。etc。
主人公の恋愛対象が宇宙人、未来人、異世界人、超能力者などの特殊事情の所有者であることは日常茶飯事であり、好きになった女の子が女神様や大悪魔で、うっかり手を出そうものなら宇宙の法則が乱れるようなケースもそう珍しくはない。
そんなラブコメ世界において女性恐怖症の男性という存在は、わりあいにありふれた存在である。
免疫学的な生理反応でなぜか女性に近づくとじんま疹が出る、横暴な姉にいじめ抜かれたために恐怖心が植え付けられた、幼少期に母親から捨てられたトラウマで女性一般に対して不信感を持っているなど、動機付けにも幅広いバリエーションが存在する。
女性恐怖症の男性が女性と恋をするというスラップスティックな展開はコメディと親和性が高い。また、女性からのアプローチを積極的にしても構成のバランスがとりやすい、男性からのアプローチによらない女性のサービスシーン(いわゆるラッキースケベ)を多用できる、複数の女性ときゃっきゃうふふな関係を構築していたとしてもそれは本人の意思とは無関係なことが多いためフラグの管理と回収が容易である、女性恐怖症を克服するクライマックスシーンが設定に織り込み済みであるなどのメリットがある。
エロい展開を散々通過してきたとしても、俺は純愛を貫くと言い切れる。それがきれいな童貞の、きれいな童貞たるゆえんである。
だがしかし昨今は、女性に手込めにされて心に回復困難な傷を負った、深く愛していた彼女をNTRて女性に絶望するといった、女性恐怖症の新たなバリエーションも開発されており、こういったケースの場合には、きれいな非童貞タグがつけられるべきか否かは今後の議論の対象となるところであろう。
関連項目
- きれいな
- 童貞
- 2
- 0pt