くさやとは、伊豆諸島名物の食品。魚類の干物の一つで、独特の強烈な臭気がある。
曖昧さ回避
概要
ムロアジやトビウオ、シイラなどの魚を「くさや液」と呼ばれる魚醤に似た特別な液体につけた後、天日干しにする干物である。発酵食品と呼ばれることもあるが、発酵しているのはくさや液の方であり、魚はただの干物である。
江戸時代にはすでに存在したらしく、新島が発祥の地らしい。現在では新島や八丈島を中心に伊豆諸島各地で生産されている。
元は単なる魚醤漬けだったが、これを何年にも渡って使いまわしているうちに、乳酸菌による発酵が進んで独特の匂いと旨みを持つようになったと考えられている。
その中には100年単位で熟成された、古酒顔負けの古強者(?)もある。これらは、その長い歴史に恥じない豊かな旨みがあるという。
くさやの製造業者はどれも、自分達のくさや液を大事に受け継ぎ、保存している。保存期間はもちろん、レシピによって風味などに違いが出るらしく、製造業者のみならず、自家生産している家庭は皆、独自のレシピを持っている。
調理前はそれほどでもないのだが、一旦加熱すると元の状態よりもアラバスター単位で3倍も臭くなる。
この状態のくさやは日本の食品の中ではもっとも臭い部類に入り、苦手な人も多いが、世界にはシュールストレミングやホンオフェなどくさやよりもアラバスター単位で5倍以上くさい食品がある。
実際のところ、くさや液の塩分濃度は醤油よりも低く、強烈な臭いとは裏腹にそこまで塩辛いわけではない。食べた瞬間臭いに精神を支配されてしまいかねないシュールストレミングやホンオフェと違い、結構すんなりと食べることが出来る。
臭いだけが話題となることが多いが珍味としてすごく美味しい食材である。勇気のある方は試してみてほしい。
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