くちばしPとは、VOCALOIDを使用した楽曲を発表している制作者である。
使用するVOCALOIDは「初音ミク」「巡音ルカ」。基本的に、作詞・作曲およびVOCALOIDによる合成音声の作業を全て一人で行っている。
愛称は「くちP」「私の時間の人」「先生の人」など。
最新作は、2009年12月13日に発表された『HEAVENS OF DARKNESS』。
概要
処女作は2007年10月7日に発表された『倦怠期』で、この時は全くと言っていいほど注目されていなかった。
しかし、続く第2作の『私の時間』が爆発的なヒットを記録し、週刊VOCALOIDランキングの前身である週刊みくみくランキング#4において、『みくみくにしてあげる♪』を抑え、初登場1位という快挙を成し遂げた。
これがきっかけで、くちばしPはVOCALOIDのPとして認知されたと言えるだろう。
ちなみに、『みくみくにしてあげる♪』は今でこそ『メルト』『卑怯戦隊うろたんだー』共々「門番」などと称され、ランキング30位内に居座り続けていることから一部で鬱陶しがるようなコメントが発せられているが、当時は絶対的な支持を集めていた曲であり、「1位で当然」という空気があった。
にも関わらず、『私の時間』が1位になったときには「これなら納得」というコメントが大半を占め、この出来事は現在でも、当時を知るVOCALOIDファンの間では語り草にされている。
くちばしPの作品の特徴で主なものを以下に挙げる。
初期作品の『私の時間』『あるお節介な言葉』の「歌ってみた」が少ないのは、歌うのが難しいという単純な理由によるものだろう。実際、男性が歌い切るのはほぼ不可能な音域であり、男女問わず音程を維持するのがかなり難しい。(もっとも、これはVOCALOIDオリジナル曲の大半に共通することではあるが)
なお、JOYSOUNDのリアルタイムリクエスト投票で怒涛の伸びを見せた『EX-GIRL』は、くちばしPの作品の中では断トツで「歌ってみた」が多い。
2009年1月現在、6作品がPV化されており、代表作の『私の時間』は高クオリティの3DPVが2つある。
以下は蛇足。
くちばしPの作品で半ばお約束になっている現象に「サムネ損」「タイトル損」というコメントがある。
主に何かのきっかけで動画が再浮上したときに見られるもので、恐らく初めて視聴した人が「どうしてこの動画が伸びていないのか?」という思いから発しているものと推察される。
特に、『あるお節介な言葉』『EX-GIRL』『うらのうら音楽祭』で顕著。時折、「サムネバイバイ」タグが付いていることもある。
また、最初期には「くちばしPの作品は弾幕と相性が悪い」という定評もあった。
例えば、現在の『私の時間』は、
:「さぁ練習♪練習♪ゆーあーまいますたー♪」
:「さぁレッスン♪レッスン♪ハードにやっちゃってー♪」
:「サーセンwww」
:「もしもパンケーキになったぁらぁ~~~♪」
:「歌声は途切ぃいいいれなぁあああい♪」
など、多数の弾幕を有しているが、発表された直後はサビの歌詞弾幕すらなく、「弾幕を張れないから盛り上がらない」というコメントさえあった。
しかし逆にそのためか、以降、くちばしPの作品の視聴者は動画を盛り上げることに力を注ぐようになったとも言える。
歌詞職人やCA職人が複数いるのが常態となり、『あるお節介な言葉』の「ハーイ!」、『森之宮神療所☆』の「THE☆誰」などの弾幕ポイントが積極的に作られた。
先に挙げた『私の時間』の「サーセン」や「パンケーキ」もこうして作られた弾幕ポイントであり、『EX-GIRL』の親衛隊は最たる例だろう。
最後に。
基本的に、くちばしPの作品は荒れ知らずだと言える。
くちばしPの特徴
くちばしPは視聴者との距離が近いか遠いか、判断に迷うPである。
自分の作品はもちろん派生動画にもコメントを残す(いわゆるP降臨)ことは全くない。その一方で、一時期は作者コメント欄から派生作品の支援リンクを貼っていることもあった。
エイプリルフールには自分の作品のタイトルを一斉にミョーなモノに変更したり、2008年2月14日には「人間追い込まれると何をするかわかりませんよ」というコメントと共に『まやともまや』を発表したりしている。
一時期だが、自分の作品を集めた公開マイリストのタイトルを「☆ごみ☆」にしていた。そのあまりに自虐的なタイトルに視聴者から変更の要望があり、現在は「☆☆くちばし曲☆☆」になっている。
静かな中にミョーなネタを織り込むタイプのPと言えるかも知れない。
また、くちばしPは詞・曲を作る以外に絵を描く技能も持ち合わせている。
その技能をいかんなく発揮し、作り出されたのが、今やくちばしPの代名詞ともなりつつある森之宮先生(通称・「先生」)という名のオリジナルキャラクターである。
「先生」が登場する作品は既に複数発表されており、くちばしPによる公開マイリストが分けられていること(※2009年7月7日の『ねぶそく』の発表と同時にマイリストは統一された)や、タイトルの付け方が従来の作品とは異なることから、くちばしPの中では別枠のシリーズとして考えられていると見ていいだろう。
※○○には作品名が入る。
森之宮神療所シリーズの4作目にあたる『PAPER』が発表される前は、「【初音ミク】 ○○○ 【~先生~】」という付け方だったが、『PAPER』の発表と同時に、前3作も全てタイトルが変更された。
この変更によって森之宮神療所シリーズのタイトルから「初音ミク」の表記が消滅したため、森之宮神療所シリーズの曲は「先生」が歌っているという解釈で問題ないかも知れない。
「先生」シリーズについて、詳しくは「森之宮神療所シリーズ」の項を参照。
くちばしPのエイプリルフール
2008年4月1日00:00に、くちばしPは24時間限定のエイプリルフールネタを挙行している。
その内容は自分の作品のタイトルを変更するというものだった。シンプルなネタだが、存外にツボにはまった視聴者が多かったようである。詳細は以下の通り。
- 「私の時間」⇒「私のターン」
- 「倦怠期」⇒「ケンタッキー」
- 「あるお節介な言葉」⇒「あるどうでもいい言葉」
- 「EX-GIRL」⇒「EX-GUY」
- 「森之宮神療所☆」⇒「森之宮教習所☆」
- 「消える前に」⇒「消える前に一服」
- 「本日営業中」⇒「本日休業中」
- 「まやともまや」⇒「永谷園」
- 「うらのうら音楽祭」⇒「流行に便乗した音楽祭」
くちばしPのご乱心?
2008年8月17日に、くちばしPは多くの作品の作者コメントを変更した。
本来ならば特筆すべき事柄でもないのだが、例によって例のごとく、ミョーなことになっており、中には動揺を隠せない視聴者もちらほら。
変更されたのは『私の時間』『あるお節介な言葉』『EX-GIRL』『森之宮神療所☆』『消える前に』『本日営業中』の計6作品。
もちろん全てがミョーなことになっているわけではなく、つい前日にVOCALOID殿堂入りを達成した『あるお節介な言葉』は、「来月あたり妹ができるという事実を知った初音さん。」から、視聴者への謝辞に変更された。
また、『森之宮神療所☆』や『本日営業中』などは森之宮神療所シリーズの曲としての設定に関する新しい情報と見受けられるコメントに変更されている。
問題は代表作の『私の時間』と、「親衛隊のいるミクうた」の発祥地でもある『EX-GIRL』。
変更される前の作者コメントは、『私の時間』が「練習練習」、『EX-GIRL』は「絵がおわってるw」だった。中には、この時点で既に……と思う視聴者もいるだろうが、変更された後の作者コメントはさらに混迷を極めている。
そして、戸惑う視聴者に追い撃ちをかけるように、翌日には『全部うそ』が発表された。
そもそも、2008年8月17日はくちばしPがHPで、視聴者にとって非常に意味深かつ期待大な発言をした日でもあったりする。
普段は静観を保っている、と言うかほとんど反応がないだけに、この一両日中のアクションに視聴者が振り回されたのも無理はないだろう。
ぼからまとめ
2008年9月19日に、くちばしPの作品の中から5作品がJOYSOUNDリアルタイムリクエストにエントリーされた。
この日の出来事はVOCALOID界隈で「事件」と称されるほどの盛り上がりを見せたが、実は「事件」と呼ばれるようになった経緯において、くちばしPが一枚噛んでいたりする。
一連について、詳しくは「九一九事件」の項を参照。
2008年
09月19日 : 新規エントリー(『私の時間』『あるお節介な言葉』『EX-GIRL』『森之宮神療所☆彡』『本日営業中』の5作品)
10月01日 : 『EX-GIRL』配信決定(107860票/23位)……他4作品は投票継続中
11月01日 : 『私の時間』配信決定(99191票/132位)
『森之宮神療所☆彡』配信決定(98921票/143位)……他2作品は投票継続中
12月01日 : 『本日営業中』配信決定(102388票/132位)
『あるお節介な言葉』配信決定(102038票/160位)
2010年
01月08日 : 新規エントリー(『消える前に』『CUTIE88』『DREAMA』『ナイトメア☆パーティーナイト』『ねぶそく』『PAPER』の6作品)
VOCALOID以外の作品
くちばしPはVOCALOIDを使用した以外の作品も発表している。
作品の数自体は多くないが、ニコニコ動画の有名曲をアレンジし、組曲風のメドレー形式に仕立てた『うらのうら音楽祭』は時期を違えて、何度かランキングに浮上しているため、知っている人も多いだろう。
また、2008年1月25日にはデザエモン3Dによる自作BGM集『昔作った曲掘り出しました』を発表している。
くちばしPの自作BGMに興味がある場合は、muzieにてアーティスト検索「tetsuo」を推奨。
くちばしPの作品
CD情報
CAUTION
2008年12月30日のコミックマーケット75(三日目)、サークル「二乗天使」のスペースにて、くちばしPの1stCDが委託形式で頒布された。価格は500円也。
タイトルは直訳すると「警告」だが、どのような意味が込められているのかは不明。
収録内容は、VOCALOIDオリジナル曲が5トラックと、各曲のInstrumenal.verが5トラックの計10トラック。各曲に“担当”が設定されており、以下に曲名、担当、既or新を記す。(数字はトラック番号)
1.『となりのカミサマ』 担当:やまださん 新
2.『EX-GIRL』 担当:少し変わった女の子 既
3.『雪晴れ』 担当:ヤミ 新
4.『私の時間』 担当:とあるアイドル 既
5.『HYPERAGE』 担当:森之宮先生 新
6.『となりのカミサマ(inst)』
7.『EX-GIRL(inst)』
8.『雪晴れ(inst)』
9.『私の時間(inst)』
10.『HYPERAGE(inst)』
既存曲の2曲はRemaster.verでの収録となっており、新曲の3曲はニコニコ動画でShort.verを試聴することができる。
名義は「MUSIC PRODUCTION OF LINEARSYSTEM」となっている。
ジャケットは森之宮先生が可愛いポーズを決めているが、森之宮神療所シリーズの既存曲は収録されていない。
上述の通り、CDの各曲には”担当”が設定されており、『となりのカミサマ』および『HYPERAGE』は森之宮神療所シリーズの新曲と捉えることができる。
『雪晴れ』の担当「ヤミ」は新キャラであり、くちばしPの挨拶文によると「その姿かたちは後々ご紹介するつもりではいます」とのこと。現在のところ、森之宮神療所シリーズとの関連については言及されていない。
また、『HYPERAGE』の背景で「サマーソオオオ」と叫んでいるのが初音ミクなのか、森之宮先生なのかは……くちばしPの味噌汁です。
2009年1月19日には、とらのあなにて、ファン待望の委託販売が開始された。価格は税込735円也。
商品名は『CAUTION』、アーティスト名はtetsuo、サークル名は「線形ネコ型システム」となっている。
2009年6月11日には、iTunes Storeにて、アルバムのダウンロード販売が開始された。詳細はピアプロを参照
PASTEL BEETZ
2009年8月15日のコミックマーケット76(二日目)、サークル「線形ネコ型システム」のスペースにて、くちばしPの2ndCDが頒布された。価格は1,000円也。
収録内容は、新曲3曲を含むVOCALOIDオリジナル曲9トラック。前作『CAUTION』と異なり、今回は“担当”が設定されていない。以下に曲名、既or新を記す。(数字はトラック番号)
1.『本日営業中』 既
2.『CUTIE88』 新
3.『PAPER』 既
4.『ねぶそく』 新
5.『あるお節介な言葉』 既
6.『消える前に』 既
7.『HYPERAGE』 既
8.『TREASURE LOST』 新
9.『森之宮神療所☆彡』 既
新曲の『CUTIE88』と『ねぶそく』はFull.verがニコニコ動画で公開されているが、『TREASURE LOST』は試聴用のShort.verもなく、このCDが完全初公開。
名義は「Linearsystem NeKO」となっている。
ジャケットは近未来めいた意匠の森之宮先生が意味深なポーズを取っており、森之宮神療所シリーズの既存曲が全て収録されている。
2009年8月31日には、とらのあなにて、ファン待望の委託販売が開始された。価格は税込1,155円也。
商品名は『PASTEL BEETZ』、アーティスト名はtetsuo、サークル名は「線形ネコ型システム」となっている。
賽華 saica
2009年12月30日のコミックマーケット77(二日目)、サークル「線形ネコ型システム」のスペースにて、くちばしPの3rdCDが頒布された。価格は300円也。
収録内容は、VOCALOIDオリジナル曲が2トラックと、各曲のOffVocal.verが2トラックの計4トラック。前作『PASTEL BEETZ』と同じく、今回も“担当”は設定されていない。以下に曲名、既or新を記す。(数字はトラック番号)
1.『ナイトメア☆パーティーナイト』 既
2.『HEAVENS OF DARKNESS』 新
3.『ナイトメア☆パーティーナイト(off vocal)』
4.『HEAVENS OF DARKNESS(off vocal)』
『ナイトメア☆パーティーナイト』はanothed editでの収録となっており、前奏と間奏がボリュームアップしている。
今回は“担当”だけでなく、名義も見当たらない。一応、ジャケットには「LINEARBEAUTY」と書かれている。
ジャケットは『ナイトメア☆パーティーナイト』の背景に登場した花の髪飾りと左前の着物がトレードマークの少女がお洒落なポーズを決めている。このキャラクターの詳細についても言及はされていない。
2009年12月21日より、とらのあなにて、予約販売が開始された。価格は税込420円也。
商品名は『賽華』、アーティスト名はtetsuo、サークル名は「線形ネコ型システム」となっている。
関連コミュニティ
関連項目
http://dic.nicovideo.jp/k/a/%E3%81%8F%E3%81%A1%E3%81%B0%E3%81%97p


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リビジョン番号: 592475
読み:クチバシピー
初版作成日: 08/05/21 11:01 ◆ 最終更新日: 10/01/13 16:12
編集内容についての説明/コメント: 「ぼからまとめ」の項を加筆しました。
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