でっかい象♂さん(仮)とは、レスリングシリーズの登場人物である。
でっかい象さん(仮)登場までの序曲
2011年の7月14日 兄貴誕生祭。哲学者が待ち望んだ兄貴の第四試合目が投下される。
対戦相手は須藤さんという男。彼は、今までのパンツレスラーとは違った。
「歪みの螺旋」に囚われた須藤さんは、唯でさえ強大な力を持つ「パンツレスラー」の枠を超え、歪み不明の力を手にしていたのだ。須藤さんは、新日暮里の絶対王者・兄貴と互角以上の勝負を繰り広げることとなる・・・
須藤さんは、試合の中でいつの間にかバイキルトを使い、歪み不明の攻撃力を更に強化させ兄貴を追い詰める。が、兄貴は幻と言われた妖精技「歪みブレイク」を発動。そのままファイアーフェアリーリフトを決め、大ダメージを与えるものの、須藤さんは驚異的なタフネスで持ちこたえ反撃。須藤さん優勢で試合が続く。
だが兄貴は、一瞬の隙につけ込みパンツ奪取に成功する。「はい終わり♂」と宣言し、わらび餅のような須藤さんのぺェンツを回転させる。勝敗が決しようとしていた。
しかし、試合はそのままでは終わらなかった。
パンツを奪った後、尚も攻撃を繰り返す兄貴に、須藤さんが蹴りを繰り出す。
崩折れる兄貴・・・
このショッキングな場面で第四試合は終わる。
パンツ取られてもまだ戦いは終わりではない。
哲学者たちは知っていた、この勝負はまだ決してはいないということを・・・
第四試合から数日後
哲学者の間に不穏な噂が流れ始める
哲学者たちは耳を疑った。絶対王者の兄貴が負けることがあるのか?と・・・
しかし過去に兄貴は、城之内にふいを突かれて♂逆転負けを喫した事もある。噂は真実味を帯びていた。
最強のレスラー・兄貴すらも下した須藤さん。この男を止めなければ、新日暮里はかつて宰相TDNコスギが支配した暗黒時代に戻りかねない。
現れたでっかい男
四試合目から11日後その試合は始まった。
十全ではないコンディション。小さなレスリングルーム。間に合わせの撮影機材。急遽決まった試合だけに、何もかもが不十分だ。こんな状況で満足な試合ができるだろうか?
しかし、その男は知っていた。
まだ傷も癒えていないであろう須藤さんを倒すには今しかないということを。
「出来心で・・・」
そうつぶやく男はでっかい象さん(仮)と名乗った。その歪みない心意気に須藤さんは「いつか宙に舞うBOY♂」と直感する。
名前とは裏腹に、巨大というほどではないでっかい象さん(仮)に対し、圧倒的な体格を持つ須藤さん。普通に考えれば戦う前に勝負は見えている・・・
でっかい象さん(仮)は、試合開始早々変則的なチャーハン返しを、須藤さん相手に決める。すぐに返されはしたものの、あの、須藤さん相手に、である。そう、でっかい象さん(仮)はでっかい象すらもひっくり返す、返し技特化のレスラーだったのだ。
序盤、フェアリー♂トルネードを決めるなど、優勢に試合をすすめる須藤さん。だが、でっかい象さん(仮)は、足を掴んだ変則チャーハン返しを決め、あろうことか三連撃からのフェアリー♂ギロチンチンのコンボを決める。
もしかしたら、番狂わせも有り得るのかもしれない・・・
哲学者たちはそう感じ始めていた。
須藤さん自身も、でっかい象さん(仮)に何かを感じ取ったのか「MY NAME IS アスカ」と今まで知られていなかった自身の名を明かす。(注:須藤さんの名前は諸説あり)
返し技を封じるために、須藤さんは快楽と苦痛を同時に味合わせ、精神を歪みへと誘うフェアリー♂指圧を行い、そのままフェアリー♂ガンキャノンで確実にダメージを与えていく。
しかし、試合が中盤を過ぎた頃、「ウゥーン!」という掛け声とともに、でっかい象さん(仮)の綺麗なワンハンドチャーハン返しが炸裂する。
これは効いたのか、激昂した須藤さんは怒りのフェアリー♂押し出しででっかい象さん(仮)を転ばせると、プー連撃からのウマウマ固めへと移行する。そして、事件が起こった。
絶望への響き
8分3秒、レスリングルームにありえない音が響いた。それは、でっかい象さん(仮)の決定的な何かが引きちぎれる音だった・・・
苦痛に顔を歪めるでっかい象さん(仮)この事件の後、彼の動きは精彩を欠いていくこととなる。
大きなダメージを負ったでっかい象さん(仮)に須藤さんは容赦なく攻撃を仕掛けていく。
関節技を決め、でっかい象さん(仮)に「すいませんでしたー」とタップをされても尚攻撃を止めることがない。まさに外道としか言いようのない須藤さんに哲学者一同はダーク♂ドン引きを禁じ得ない。
しかし11分21秒、試合の流れが突如変わる。
骨は折れても精神までは折れちゃいない
彼の目はそう語っていた。
須藤さんはマウントを取り返すと、執拗に「死ね、BOY♂」と語りかけ心を折ろうとする。
しかし、でっかい象さん(仮)は「はい、遠慮すね」と不屈の精神を見せるのであった。
後半戦へ
闘志は残っていても、体はやはりついていかない。
後半戦開幕から須藤さんの体に潜り込み、返し技を仕掛けるも、無情にも潰されてしまう。
それでも立ち止まるわけには行かない。この試合が不利なことは初めからわかっていたではないか。不遇の裏にこそチャンスは有る。
胸に決意を秘めたでっかい象さん(仮)の、やや崩れた体勢から繰り出したワンハンドチャーハン返しが決まる。
そのままでっかい象さん(仮)唯一の固有技「リブロック♂」を喰らわせるも、歪み不明のタフネスを持つ須藤さんは倒れない。
「ω巻き」「真っ直ぐシチュエーション♂」など多彩な関節技ででっかい象さん(仮)を攻める須藤さん。
なんとか技から抜けだしたでっかい象さん(仮)は、須藤さん本人が兄貴を追い詰めた技「フェアリー♂一番くじ」を仕掛けるも、これが須藤さんの逆鱗に触れる事となる。
怒り狂った須藤さんはでっかい象さん(仮)の精神を完全に破壊するために、自らペェンツをずらし、フェアリー♂ナイトメアを解禁する。
須藤さんのでっかい象さん(仮)を直に喰らうでっかい象さん(仮)。これにはでっかい象さん(仮)といえど、流石に精神的ダメージは免れない。
その後も執拗にフェアリー♂ナイトメアを仕掛ける須藤さん。でっかい象さん(仮)の反撃も次第に力が抜けていく。
来り返す悪夢に苛まれるでっかい象さん(仮)。須藤さんはそこに、今日与えた最大のトラウマを、もう一度植え付ける♂
「ウマウマ固め」
いかりやビオランテの得意技にして、妖精の基本技。
何でもない普通の技だが、須藤さんのウマウマ固めは違った。
前半戦8分3秒、でっかい象さん(仮)の骨を折ったのは紛れも無くこの技なのだ。
しかし、次なる攻撃に移ろうとした須藤さんに、精神を完全に破壊され、廃人になったと思われたでっかい象さん(仮)が反撃を繰り出した。
相手の首筋に足を絡め、そのまま投げつける。
チャーハン系の技の中でも最上位に位置する、妖精界といえども体得者の少ない大技だ。
思わぬ反撃に須藤さんは混乱する。奴の精神はすでに破壊したのでは・・・
すぐに優勢に戻る須藤さんであったが、「何がどーなって・・・」と、動揺を隠し切れない。
「厨二?むっつりキャラ?マグロっぽい。」と罵詈雑言を浴びせ、でっかい象さん(仮)の精神を壊そうとする。
が、その瞬間、またもでっかい象さん(仮)の逆カニバサミ式チャーハン返しが炸裂する。しかし、須藤さんに慢心はもうなかった。
難なくいなされるでっかい象さん(仮)。果敢にも今度は通常のカニバサミ式チャーハン返しを仕掛けるも失敗。胴締めへと移行するが、これも失敗に終わる。
自身最大の技を一度と言わず二度も潰されたでっかい象さん(仮)。彼に、もう頼みの綱は残されてはいなかった・・・
ゲイバー♂ホールドからの裏ナイトメアなど、苛烈な攻撃を繰り返す須藤さん。でっかい象さん(仮)はほとんど抵抗することもできない。確実に彼の精神は歪みへと傾いている。
そして、9分50秒、決定的な一撃が加わる。
これを受けたものは、同時に与えられる精神と肉体の苦痛によって精子をさまようと言われている。
須藤さんが吐き捨てる。
1分36秒にも渡るフェアリー♂ディンガを受けたでっかい象さん(仮)は「死ね!」と歪みに満ちた発言を行う。
須藤さんは、この発言からでっかい象さん(仮)の精神が完全に歪みに染まったことを確信し、フェアリー♂ディンガを解く。
勝負が決まった瞬間であった。
何が須藤さんをそうさせたのか
でっかい象さん(仮)は須藤さんの手によって歪められてしまった。
このとき須藤さんが言った「どのみち通るんだよBOY♂」という言葉には何が込められていたのだろうか。
妖精狩り♂という異名の通り、次々に森の妖精を歪めて行く彼の目的とは何なのか。未だに答えは出ない。
しかし、でっかい象さん(仮)との戦いの中からひとつの仮説を導き出す事ができる。
須藤さんは、でっかい象さん(仮)を「いつか宙に舞うBOY♂」として、自分が戦うに値する強者だと評価していた。
しかし、歪みのない精神を持つでっかい象さん(仮)ですら、己のもたらす歪みに抗う事ができなかった。
このことから、人は誰しも、歪みの螺旋にとらわれることがあり、誰ひとりとして避けることはできない運命であることがわかる。
これは、須藤さんが、歪みの螺旋へと飲み込まれたでっかい象さん(仮)に最後に送った言葉である。
辛い現状を諦めずに生きるという、マイナスすらもプラスに変える力。絶望から希望への転換を彼は求めているのかもしれない。
その過程を通過したものだけが、真に歪みなき生命へと至ることができるのだ。
須藤さんに歪められたでっかい象さん(仮)が、更なる歪みなさを身につけて新日暮里に帰ってくることを筆者は願っている。
影が薄い男
このように、非常に密度の濃い試合を繰り広げたでっかい象さん(仮)であったが、彼は非常に影が薄い。
その理由として、試合動画の画質の悪さが挙げられる。
コメントで、「アメゲイっぽい」とまで言われた画質の悪さは、残念ながら視聴者を選ぶことになってしまったのだ。
また、MADに使うにも、前述した画質の悪さや、正統派レスリングゆえの使いドコロの難しさ、そして、何よりも知名度の無さから、哲学者にもそっぽを向かれる事となってしまった。
しかしながら、彼の出演作品や、彼を主役に据えた作品も一定数存在している。
いつか、でっかい象さん(仮)がスタンダードなレスラーとなる日が訪れるかもしれない・・・
でっかい象さん(仮)の関連動画
でっかい象さん(仮)の関連項目
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