はじキャンとは、わんぱく☆パラダイス(正式名称:ネッキーとあそぼう わんぱく☆パラダイス)のオープニング曲「はじまるよ」(右記参照)において、絶妙のタイミングで番組がはじまるのをお断りするキャンセル技(はじまるよキャンセルの略称)で、一度耳にすると脳裏にこびりついて離れない変拍子のことである。
「はじまれよ」「はじまる詐欺」などのコメントで表現されることもある。
説明、はじまるよー
具体的には4拍子と2拍子の組み合わせにより構成されていて、強引に文字で表現すると以下のようになる。
(お使いの表示環境によっては等幅フォントタグが機能せず崩れる場合があります)
【4分の4拍子】 【4分の4拍子】 【4分の2拍子】 |
「はじキャン」の部分のみ2/4拍子になるので普通は歌っているとズコーとなるが、ネッキーおにいさんはこの変拍子をにこやかな振り付けとともに華麗にスルーしてしまうので、手品にかかったような不思議なふいんきになるのである。
以下の動画を再生しながら指でカウントしつづけると、おそらくトリックが理解できるはずである。
蛇足講座、はじまるよー
2014年3月19日に放送された「マツコ有吉の怒り新党」において、わんぱく☆パラダイスが「新・3大ネッキーの強引な絵描き歌」として取り上げられ、はじキャンもまさかの全国地上波デビューを果たした。それを記念して、蛇足の講座を行いたい(蛇足なので興味のない方は無理に読まなくてよい)。
「はじまるよ」という曲は、変拍子のほかに「アウフタクト」という要素を持っている。アウフタクトって何だよ(憤怒)、そんなの音楽の授業で学ばなかったゾ、という方に説明しよう。アウフタクト(Auftakt)はドイツ語かつ音楽用語で説明が非常に難しいのだが、直訳的に言うと、アウフ(Auf)は「~の上」、タクト(takt)は「指揮棒」の他に「拍子」という意味があり、組み合わせると「上拍」(英:アップビート)で、指揮棒を振り下ろすタイミングの強拍(下拍、英:ダウンビート)以外の拍(特に強拍の直前の弱拍)のことを・・・ってますますわからないという方には「弱起(じゃっき)」と言えばわか・・・りませんよね。それでは具体例を示しながら説明する。
ネッキーは残念ながら番組内で歌っていないようだが、「森のくまさん」という童謡はみなさんもご存知であろう。
「あるーひ、森のなか、くまさんに、出会った」で始まるこの曲の「 あるーひ 」の部分、これがアウフタクトである。
手拍子でカウントをとるときの 1、2、3、4 の 1 の部分(上の項目の歌詞の赤色で表した①)のことを強拍という。普通の曲はここから歌い始める。みんなで歌う場合に「いっせいのせ」で一番タイミングよく歌い出しやすいからである。
たとえば、となりのトトロの主題歌である「さんぽ」という曲は、きっちりと強拍から「歩こう、歩こう」と始まるが、これなら行進曲(マーチ)としてみんなではじめの一歩を歩き出すのにもタイミングが取りやすい。
逆にこの強拍を外すと調子が狂って「あらら?」という感じになるが、この「あらら?」という効果をワザと狙ったのがアウフタクト(上拍)から歌い始める弱起である。つまり、森のくまさんは、森でバッタリとくまさんに出会うという「あらら?」感を演出したくて弱起にしているのである(なお、この「あらら?」感は曲中でずっと使われる)。
話を「はじまるよ」に戻すと、この曲のイントロは、前述した「さんぽ」同様に 1、2、3、4、1、2、3、4 … と規則的な行進曲のようなテンポで始まる。それで油断していると、いきなり4拍目(アウフタクト)から「はじまるよー」と弱起で始まり、「あらら?」とあわてて曲とタイミングをあわせようとすると、今度は変拍子(はじキャン)がきて、いつまでたっても曲とタイミングがとれない(はじめられない…)という、児童向け番組のオープニングテーマとしては鬼畜な曲なのである。「さぁみんなで」と歌っておきながらひどいじゃないかネッキー。
しかし逆に言えば、このような曲をバッチリとモノにできれば、リズム感があり音楽性の豊かな人間に育つに違いない。ネッキーおねえさんおにいさんは愛のムチでスパルタ教育しているのである。
関連動画
「はじまるよ」以外にも、なかなか始まらない事を「はじキャン」と準えてタグをつけている動画もあるようだ。
関連項目
- わんぱく☆パラダイス
- ネッキー ( 根木靖夫 )
- 変拍子
- 10
- 0pt