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概要
ばんえい競馬は「馬が荷物を引く」ことを競技の形にしたものであり、元々は草競馬などのイベントとして行われていたものである。一般的な平地競馬とは大きく異なる点が多い。
- 参加する馬(「ばん馬」と呼ばれる)は、体重1,000kg程度で、通常の競馬におけるサラブレッドの2倍程度。
- それぞれの馬は480kg~1,000kg程度(レースのクラスや性別、年齢により異なる)の重りが乗せられたソリを引いて走る。
- 騎手は馬の背中ではなく、ソリの上に乗る。ただしパドックでは背中に乗って周回を行う。
- コースは直線セパレートコースのみのダート200mで、途中に山(障害)が2箇所に設けられている。第1障害は高さ約1メートル。第2障害は高さ約1.6メートルであり、第2障害までにいかに早くたどり着き、駆け引きをし、息を入れながら障害を駆け上ってゴールを目指すかがカギとなる。
- 「荷物を運ぶ」というのが元来のコンセプトであるため、平地競馬のように馬の鼻先ではなく、ソリが全てゴール板を通過した時点で入着と認められる。
- 距離は200mであるが、ソリを引いて走ることから、1回の競走の所要時間は1分半~3分弱程度と、通常の競馬とあまり変わらない。ただしソリの重さやレースのランク、馬場状態によってタイムは大きく異なる。
- 馬場状態は平地競馬の「良」や「重」などではなく、砂の馬場水分によって発表される。水分1%未満の重い馬場では時計がかかり、水分3%を超える軽い馬場だと時計が早くなる。
と、通常の平地競馬しか見た事が無い者にとってはカルチャーショックの連発である。
ばんえい十勝とその歴史
ばんえい競馬の公営競技化は1947年。旭川競馬場で初レースが行われた。しかし競馬法の改正に伴い、1948年より道営競馬(ホッカイドウ競馬)の1種目として組み込まれる。当時の道営競馬は平地競馬、ばんえい競馬、けいが競走の3本立てであった。
1953年に旭川市、岩見沢市、北見市、帯広市による4市の共同主催としての市営ばんえい競馬がスタート。1966年までに道営競馬のばんえい競走を全て吸収。平地競馬は北海道が主催。ばんえい競馬は4市が主催という形になった。
2006年までは1年かけて4競馬場を転戦。馬も関係者も全員道内各地を転々とするジプシー開催であった。しかし赤字が嵩み、旭川市、岩見沢市、北見市は競馬運営から完全撤退を決め、ばんえい競馬は窮地に陥る。しかし地元財政のバックアップやファンの署名活動、ソフトバンクグループの支援などで2007年より帯広競馬場での単独運営で存続となった。この年より「ばんえい十勝」の愛称が付けられる。
唯一残ったばんえい競馬の地。おいそれと潰すわけにはいかないと主催者もあの手この手で様々なイベントを行っている。2011年11月20日には人気テレビゲーム「アイドルマスター」とコラボレーションし、「ばんえいアイドルマスター記念」レースを開催。一般的な個人協賛レースではなく、ナムコ本体がタイアップの元実現したレースであり、一部で話題を集めた。この日は全道全国からPが帯広に集結し、一種独特のムードに包まれた。
帯広競馬場
帯広市中心部より西に位置する競馬場。1997年まではホッカイドウ競馬も開催されていたが撤退。1周1570メートルの広大なダートコースは現在、ゴルフの打ちっ放し場になっている。スタンド前のダートコースは舗装され、レースを目の前で観戦できる「エキサイティングゾーン」として整備。ゴール板過ぎのエリアは新しくパドックとして整備された。
コース全面ロードヒーティング加工済み。多少の雪では問題なくレースが行える。ナイター照明も完備のため、真冬は最終レース17時過ぎの薄暮レース。真夏はナイターレースが行われる。
2010年には隣接する場所に複合施設「とかちむら」がオープン。多数の飲食店が入り、競馬場内へのテイクアウトも可能。長らく放置されていたスタンド3階はリフォームされ、有料特別観覧席「プレミアムラウンジ」となる。入場料1000円だが、場内で使える500円分の特典(新聞引換券、場内飲食券など)が付くので実質の席料は500円となる。
真冬はマイナス20度近くまで気温が下がる事もザラ。しかしスタンド内のいたる所に「凍死した人も生き返る」と言われるほど強烈な熱風が吹き出す超爆裂ヒーターが設置されている。冬場は人だかりができるが、近づきすぎると服が焦げるので注意。
アクセスは帯広駅から徒歩20分。路線バスで10分(190円)。タクシーで5分(530円~)。帯広は名物の豚丼以外にも「六花亭」や「柳月」のスイーツ。アフター競馬の飲み会として「鳥せいチェーン」の若鶏炭火焼きや若鶏唐揚げといった名物も存在するので是非とも楽しんでほしい。
コースは第1障害高さ1.0m。第2障害高さ1.6m。第2障害~ゴールは62.7m。ゴール前30mから0.5mの上り勾配があるコースとなっている。
ばんえい記念
毎年年度末である3月に開催されるばんえい競馬のグランプリレースである。1997年までは「農林水産大臣賞典」というタイトルであり、「大臣賞」の名で知られた歴史ある一戦である。
ばんえい競馬最高賞金レース(500万円)であり、唯一のばんえい重量1トンレース(牝馬は特例で980kg、5歳以下は990kg)である。「ばんえい競馬はみんな1トンのソリを引いてる」という間違った情報をコメントで流す者もいるが、1トンのソリを引くレースは年に1度、このレースのみである。
通常800kg前後で行われる古馬重賞と違い、1トンの重さであるため第1障害から息を入れるシーンが目立ち、第2障害登坂時にはこれ以上ない盛り上がりを見せる。通常、一般戦は1分半~3分ほどのレースだが、ばんえい記念は例年4分以上。2008年は5分35秒を決着に要した。全馬が完走するまでには10分を要する事もあり、日本公営競技の最長レースである。
用語集
ばんえい重量
馬が引くソリと重りの重量。2歳牝馬の480kgからばんえい記念6歳上牡馬の1000kgまでレースによって異なる。あくまでもソリと重りの重さであり、騎手の体重と馬装具の重さ(70kg前後)は含まれない。
刻む
第1障害~第2障害で進んでは止め、進んでは止めを繰り返す状態。馬に息を入れ、バテるのを防ぐためにこのような進み方になる。
溜める
第2障害手前で長時間止まり、息を入れる行為。止まらずに一気に登ろうとすると確実にバテてしまうため、障害手前でじっくりと息を整えさせる必要がある。
脚を折る
骨折するという意味ではない。第2障害が上手く登れず、馬が両膝を着いてしまうしまう事。体勢を立て直す必要があるため、大幅な時間のロスとなってしまう。
詰まる
最後の最後で馬がバテてしまい、ゴール線上でピタリと止まってしまう事。ありえないと思われるが、非常によく起こる事である。2008年のばんえいグランプリでは先頭を走るナリタボブサップがゴール前10センチほどの所で止まり、後続に一気に抜かれて4着に破れてしまった。
専門紙
現在ばんえい競馬の専門紙は2紙。「競馬ブック」と「ばんえい金太郎」がある。
競馬ブックは全国区で有名なあの競馬ブックである。中央版同様の横組みのレイアウトであり、情報は中央版ブックに負けず劣らずの内容で1部500円。片や「ばんえい金太郎」は手作り感溢れる冊子状の予想紙となっている。一昔前に存在した「ばん馬」や「日の出」といったガリ版刷り手書き予想紙を思い出させるシンプルな内容。こちらは1部400円。
アナウンサー 井馬博
ばんえい競馬を語る上で欠かせないのが実況担当の井馬博アナウンサーである。
大学卒業後、地元は北見でサラリーマン生活を送っていたが、友人の結婚式の余興で行った即興競馬実況がばんえい関係者の目に止まり、ばんえい実況アナウンサーに転身。30歳オーバー、アナウンス経験ゼロという異色の競馬アナウンサーとなった。実に30余年。4万レース以上にわたり実況を務めている。
その独特のセリフ回しやゴール前での声が裏返るほどの絶叫。ばんえい競馬の見所の1つとなっている。地方競馬ファンにとっては東の井馬博、西の吉田勝彦というくらいの有名アナウンサーである。
今日も帯広競馬場には彼の決め台詞である
「お買い求めの勝ち馬投票券は、勝ち馬が決まりますまで、お捨てにならないようお願い致します」
が場内に響く。
2012年3月26日の平成23年度開催最終日を以て引退。32年に渡るアナウンサー生活にピリオドを打つことが発表された。後進のアナウンサーは現在のところ未定。
関連動画
冠協賛レース
ばんえい十勝では個人での冠協賛レース開催が可能であるため、冠協賛レースがたびたび開催されてきた。特に、「十勝」→「とかちつくちて」の連想で開催された「あみまみ☆十勝つくちて♪杯
」が有名である。
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そして2011年11月20日、アイドルマスター冠協賛レースが、バンナム公認(リアル765プロ企画)で実現してしまった。(「ばんえいアイドルマスター記念」を参照)
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
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初版作成日: 11/11/21 00:26 ◆ 最終更新日: 12/03/25 21:23
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