アストラナガン(Astranagant)とは、スーパーロボット大戦シリーズに登場する機動兵器である。
本稿ではアストラナガンの派生機・関連機についても記述する。
アストラナガン
バンプレスト作品に登場するオリジナルロボットで、イングラム・プリスケン専用機。「スーパーロボット大戦α」のボスキャラとしての登場が初出である。
漆黒で染められたカラーに、背中の翼から緑色に発光しているT-LINKフェザーが印象的で、堕天使を彷彿とさせる外見をしている。地球側の識別コードは「AGX-15"ブラック・エンジェル"」。
主な設定としては、イングラムがエアロゲイター(ゼ・バルマリィ帝国。通称バルマー)の技術に加え地球にてSRX計画を通して手に入れた技術や、異世界(バイストン・ウェル、ラ・ギアス等)の技術などを結集して作り上げた究極の決戦兵器。イングラムによればSRX計画ですら、アストラナガンのための実験に過ぎないらしい。
本来は「因果律の番人」として平行世界を歪める存在(α世界におけるユーゼス、ひいてはケイサル・エフェス)を倒す目的で建造されていたはずだが、イングラムの精神の大部分がユーゼスの支配下に置かれているため、主人公達と敵対することになる。
シュウ・シラカワに曰く「グランゾンと互角、またはそれ以上に戦える機体」「グランゾンとアストラナガンの2体が全力で戦うと宇宙が崩壊しかねない」との事。事実、単純な戦闘能力のみならずその気になれば時空や因果律すら捻じ曲げるというやりたい放題な力を持っている。ゲーム中でも屈指の戦闘能力を持つ機体として、多くのプレイヤーを苦しめた事だろう。
また「第3次スーパーロボット大戦α」では、アストラナガンがヴァルク・ベンと融合することで新生したベルグバウ(後半でにディス・アストラナガンに改修)が登場、主人公専用の機体としてプレイヤーが使用できる。詳細は後述。
機体自体のモチーフはロボットアニメ史の中から見るといろいろあると思われるが(ブラックオックスやグリフォンなど)、スパロボ的なモチーフは搭乗者であるイングラムの元ネタ「ギリアム・イェーガー」から来ていると思われる。
彼の通り名である「漆黒の堕天使」はアストラナガンのコードネームと共通しており、機体のカラーなどはギリアムの愛機であるゲシュペンスト、そしてXNガイストとほぼ同じ、または似通ったカラーリングである。XNガイストとはサイズや形は違えど「次元・時空間転移を行えるほどの超技術を搭載している」という点も共通している。
機体名の元ネタはスペインの銃器メーカー「アストラ」、ベルギーの銃器メーカー「ナガン」。基本的にイングラムとその系譜のキャラクター名および機体名は銃器メーカーまたはその製品名から採られている。
スペック
全長 | 40.7m |
重量 | 187.9t |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 |
装甲材質 | ズフィルード・クリスタル(※1) |
動力源 | 量子波動エンジン ティプラー・シリンダー(※2) |
開発者 | イングラム・プリスケン |
パイロット | イングラム・プリスケン |
- ※1 自己再生・自己進化・自己増殖が可能なDG細胞バルマー産のレアメタル。使用部位の割合や純度にもよるが、パイロットごと機体を再生することもできる。
- ※2 イングラムの脳内にあるクロスゲート・パラダイム・システムの端末と連動させることで平行世界からエネルギーを取り出すことができ、さらに空間転移や時空間移動(タイムトラベル)さえも可能にする。名前の由来は実在した数学者フランク・ティプラーが考案した、理論上は可能と言われるタイムマシン「ティプラー・シリンダー(ティプラーの円筒)」より。
武装・必殺武器
- フォトン・バルカン
アストラナガンの頭部(こめかみ付近)に2門装備されている。バルマーの人型決戦兵器にも同様の装備がある。 - T-LINKフェザー
翼から発光・放出されているエネルギーを念動力によって羽状に形成し、ターゲットへ向け撃ち込む。 - アトラクター・シャワー
マップ兵器。重力の散弾を任意の位置で広域放射するものと思われる。詳細は不明だがガンバスターのホーミングレーザーと演出が同じなので、原理も近いのかもしれない。アニメーションの使いm(ry - Z・Oソード
格闘戦用の兵器。液体金属であるゾル・オリハルコニウム合金を念動力によって剣状に変形し、斬りつける。SRXの「天上天下無敵剣」と似たような兵装。ゲーム中ではこの武器による切り払いも発動できる。 - ガン・ファミリア
イングラムのダミー・ファミリアをリボルバー型にして再生させた、遠隔攻撃用の武器。サイバスターのハイ・ファミリアを参考に造られたもの。2基を搭載。 - アキシオン・キャノン
宇宙に漂う暗黒物質(ダークマター)を構成する物質「アキシオン」をターゲットへと撃ち込み、超重力空間(グレートアトラクター)へ直結するワームホールを開きターゲットを超重力空間へ叩き落す。この時点で既に攻撃や防御という概念すら及ばない凶悪兵器である。 - インフィニティ・シリンダー
ティプラー・シリンダーを利用した究極の時空間兵器にして、アストラナガンを象徴する超兵器。10個の中性子星をターゲットの周囲へ召喚し、それらを超高速回転させる事で時間を逆行させる。ターゲットの時間を誕生以前まで遡らせ、「最初から存在しなかった事にする」ことで消滅させるというもので、もはや防御や威力という概念すら超越した兵器。まあゲーム上じゃそれもただの数値になるんですがね。
登場作品
スーパーロボット大戦α
初登場作品。登場するシナリオでは、最終話を除いて全て何らかの条件(HP減少、ターン経過等)で撤退していくため、「ボスは逃がさずに絶対撃墜する」と意気込む全国のスパロボプレイヤー達の闘志に火をつけたこと請け合い。ちなみにフラグを立てれば最終話で僅かな間だけ味方機として使用可能になる。逆にフラグを立てていない場合は普通に戦う羽目になる。
ドリームキャスト版ではフラグを立てた場合は最終話の1話前で仲間に加わり、最終話にてアストラナガンVSネオ・グランゾンという夢の究極対決が実現する。 ちなみに最終話直前のインターミッションで改造することも可能だが、出撃時にリセットされてしまうので意味が無い。残念無念 。
α外伝以降のストーリー上では、バルマーとの最終決戦で主人公達と共闘しユーゼスを倒した後、行方不明になったとされている。
スーパーロボット大戦α外伝
本来は「α」の半年後に転移しイージス計画に参加するはずが、事故で遥か未来へ飛ばされてしまい、ブラックボックスとしてアウルゲルミルに取り込まれる(なお、この事故にはケイサルが関与していることを匂わせる台詞が「第3次α」にある)。終盤でアウルゲルミルが行う時空間転移は、アストラナガンの機能を利用したもの。
アウルゲルミルの必殺武器ドグマブラスター発動時、戦闘アニメで腹の中からアストラナガンが登場するのだが、シナリオ上ではそれまで一貫して「ブラックボックス」としか呼ばれていなかったため、突然の登場に驚愕したプレイヤーも少なくなかったはずである。ドグマブラスターの戦闘アニメ演出は実にウルトラダブルフラッシャー。アストラだけに。
第3次スーパーロボット大戦α
主人公にクォヴレー・ゴードンを選択した場合にのみ登場。第1話冒頭にて上記の事故後と思われる半壊状態でクロスゲートより出現し、この時主人公が搭乗していたヴァルク・ベンを捕食、融合してしまった。その際、アウルゲルミルの兵装イミルアームとよく似た触手状の武器を展開できるようになっていたのは、同機に取り込まれていたためとも考えられる。これにより前半の主人公機ベルグバウへと新生する。
スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ
第1話のアバンにてクォヴレーのディス・アストラナガンと戦うシーンがイングラムの夢として描かれ、以後もフラッシュバックする記憶として回想される。イングラムの後継者になる前と思われるクォヴレーの台詞や、両者が機体を「操縦」している描写がないこと、異空間のような場所にいること等から、「第3次α」におけるクォヴレーとイングラムの融合直前のやりとり(ゲーム内で暗転している部分)をアレンジしたものという可能性が強い(ただし、ゲームでは両者が完全融合しているのに対し、こちらでは分離している)。
最終話のラストバトルではセプタギンに取り込まれたSRXを救出するため、イングラムの意志で一時的に出現している。この時、ギリアムはアストラナガンを知っているかのような反応をしていた。
R-GUNリヴァーレ
「スーパーロボット大戦OG」(OG1)にて、アストラナガンに代わり登場した機体。言うなれば「OG」版アストラナガンとでもいったところだが、搭乗者であるイングラムの自我が「α」以上に制限されているため、アストラナガンとは違い味方にはならない。
イングラムの地球での搭乗機R-GUNを元に作り上げたとされるが、同機とは比べ物にならないほどの戦闘力を備えた機体へと変貌しており、機体サイズもR-GUNの2倍以上(16.8m→40.3m)ある。ちなみにイングラムの乗っていたR-GUNはフラグ次第でこちらへ戻ってくるので、リヴァーレは彼が入手したデータを基にコピーして作り上げたものであると推測されている。
後にリメイクされた「OGS」では、機体そのものはイングラムの手で造られたものではないかような記述になっており、そのアニメ版である「ディバイン・ウォーズ」ではコクピット上部にユーゼスを彷彿とさせる仮面のレリーフが施されているなど、バルマー側の関与を強調する設定に変更されている。
名前のリヴァーレ(Rivale)とはドイツ語で「好敵手(ライバル)・競争相手」の意。イングラムはかつて共に戦ったハガネ・ヒリュウ部隊のパイロット達に敬意を払い命名したと作中にて語っている。
地球側の識別コードは「AGX-13"ハングドガン"(逆さ吊りの銃)」。事実、胴体部分を逆さまに見ると辛うじてR-GUNの面影が見える外見をしている。
コードネームの元ネタはタロットカードの「吊られた男(The Hanged Man)」と思われ、カードの意味「苦難」「忍耐」はこの世界においてもなおユーゼスの精神支配を受け続けるイングラムの運命を表しているという解釈もできる。
また、木村明広による「ディバイン・ウォーズ」のコミカライズ版では同機は登場せず、代わりに逆さまのR-GUNとして暗喩的に描かれている。イングラムの意識もこの時点ではユーゼスと思しき「仮面の男」に乗っ取られていることから、逆写しのイングラム=ユーゼスを暗示しているとも取れる。
なお、スパロボシリーズで初のHP10万超えを最初に披露したロボットでもあり、多くのプレイヤーを驚かせた。アストラナガンと同様にHP回復・EN回復の機能を所有しているのに加え、全ての属性のダメージを半減するバリアである歪曲フィールドも備えているので、苦戦は必至。バリアを破るにはバリア貫通機能を持った武器や精神コマンド「直撃」を使うなどして攻撃するか、敵をEN切れの状態にするしかない。
余談だがこのR-GUN、戦闘アニメにおける攻撃時の独特のポージングから「グリコ」のあだ名で呼ばれる事が多い。
スペック
全長 | 40.3m |
重量 | 不明 |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 |
装甲材質 | ズフィルード・クリスタル?(※3) |
動力源 | 不明 |
開発者 | GBA版:イングラム・プリスケン OGS:不明 |
パイロット | イングラム・プリスケン |
武装
「OG」ではイングラムが念動力を持たないため、アストラナガンに似た武装は持つもののT-LINK系の武装はない。また、インフィニティ・シリンダーに相当する武装もなくなっている。
- ロシュ・ブレード
手首からエネルギーブレードを射出し、相手を切り裂く。腕が鞭状に伸縮するのが特徴で、多少離れた場所のターゲットにも攻撃が可能。リメイク前は両腕から展開前のエネルギーブレードを上方に飛ばし、両方とも片手でキャッチしつつエネルギーブレードを展開し、それを回転させながら相手を斬りつける。実体剣に見えるのは気のせいだろうか? - ガン・スレイヴ
R-GUNリヴァーレに備わっている3基の遠隔自動攻撃用兵器。 - アキシオン・バスター
R-GUNリヴァーレの必殺武器。ガンスレイヴ3基を展開し魔法陣を形成、同時にリヴァーレの胸部にある砲身から魔法陣を介してアキシオン・エネルギーを放射する。ちなみにリメイク前のGBA版ではアストラナガンのアキシオン・キャノンと同じ演出になっていた。この時のポーズはどう見ても「グリコ」。
ベルグバウ
「第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ」の主人公機の一つ。選択画面での英語表記は「Werkbau」。クォヴレー編のプロローグにおいて、彼の搭乗していたバルマー帝国の機体ヴァルク・ベンにアストラナガンの残骸(寺田プロデューサー曰く「心臓」部分)が融合したことで変異した姿である。
同ルートの第1話から登場。アストラナガンとの融合によりクォヴレーが記憶を失っていたために謎の機体として検査が入ったが、EOTが用いられていること以外の詳細が殆ど不明だった。ラー・カイラムのクルーから危険視された事もあって、ゲーム序盤はクォヴレー自身の意志で封印される。その後もGGGによって細かく調査されるものの、やはり機体の各所にアストラナガンを彷彿させる部分が見られるということ以外は殆ど解明できず、ラー・カイラムの格納庫で眠っていた。
やがてクォヴレーがピンチに陥ると、自律的に稼動しその危機を救ったことから、αナンバーズの戦力不足という事情も相まって運用をクォヴレーに一任する事になり、晴れてクォヴレーの愛機となった。以後もαナンバーズの主力機体の一つとして活躍するが、中盤でバルマー帝国の特殊部隊ゴラー・ゴレムに鹵獲されてしまい、宰相シヴァー・ゴッツォの手によって後述するディス・アストラナガンへと生まれ変わる。
「ディーン・レヴ(イングラムに曰く『ディーンの火』)」という謎の動力源に加え、先述の通りパイロットが不在でもベルグバウ自身が単独で意思を持つかのように稼動するなど、不可解な部分が多い。
高い機動力を持つが、ヴァルク・ベンに元々備わっていたディフレクトフィールド(軽減式広域バリア)も搭載されており、防御面でも隙が無い。また、僅かながらも自己修復能力を持つ。
名前の由来はドイツの銃器メーカー「ファインベルク・バウ」から。
なお、ベルグバウ封印時はクォヴレーは量産型νガンダム(専用機扱いのためUC系パイロットの乗り換えはできない)に搭乗しているが、その改造データはベルグバウにも引き継がれる。
こらそこ、ゴキブリじゃないって言ってんだろうが!「カサカサ・・・」とかコメント付けるんじゃない!
スペック
全長 | 19.3m |
重量 | 42.8t |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 陸 |
装甲材質 | 不明(※4) |
動力源 | ディーン・レヴ |
開発者 | - |
パイロット | クォヴレー・ゴードン |
- ※4 ヴァルク・ベンにはなかった自己修復能力が備わっていることから、アストラナガン由来のズフィルード・クリスタルもしくはそれが変異したものと推測される。
武装
- ツイン・ラアムライフル
ベルグバウの射撃武器。実弾・非実体弾の2種類の弾丸を同時に発射する。小隊攻撃用の武器。
銃剣も内蔵されており、これにより切り払いを発動する事もできる(武器としての使用は不可)。 - ガン・スレイヴ
ベルグバウの背部に備わっている4基の遠隔自動攻撃用兵器。形はアストラナガンのガン・ファミリアとほぼ同じ。 - エメト・アッシャー
ベルグバウの肩部から砲身を突き出し、非ビーム属性のエネルギー砲を発射する。長射程・高威力と、全体攻撃としては優秀な兵器。「エメト(emeth)」はヘブライ語で「真理」の意。 - アキシオン・バスター
イベントで追加されるベルグバウの必殺武器。胸部の装甲を開放し、剥き出しになったディーン・レヴからエネルギー弾を発射する。アストラナガンのアキシオン・キャノンと似た演出が特徴。この武器のお陰で、ゲーム攻略では全体攻撃によるザコ掃討からボス戦でのアタッカーまで一通りの役割を務められるようになった。
ディス・アストラナガン
ベルグバウの改修機。クォヴレー編における後半の主人公機であり、作品中では大抵「アストラナガン」と、「ディス」の部分を省略して呼ばれる。ネット上においては名前が長いのと、無印アストラナガンとの区別を付けるため「ディストラ」と呼ばれることが多い。
なおディス(Dis)とはケルト・ローマ神話における冥界の神の名前(ラテン語表記)である。死神を思わせる大鎌と悪魔風の黒い羽根が特徴。その点ではガンダムデスサイズヘルと似通っているのだが、作中ではデュオ本人を含め特に誰からのツッコミもなかった。
同作の中盤においてバルマー側に鹵獲されたベルグバウに、アストラナガンの機体データを元に改修を加え、シヴァー・ゴッツォが製作した負の無限力を動力とするエンジン「ディス・レヴ」を組み込む事で新たなアストラナガンとして新生した姿である。ラスボスの如く魔法陣を通して異空間から登場、さらにディス・レヴが自律稼動し暴走を始めたことでαナンバーズに戦いを挑んでくる。戦いの中、ディス・レヴが自身の存在を求めていることを悟ったクォヴレーが意を決してディス・アストラナガンに乗り込み、機体の制御に成功。それ以降はクォヴレーの専用機となる。
アストラナガンと比べると機体サイズが半分近くになっているものの、その名を冠するだけに驚異的な性能を持ち、ベルグバウにあったHP回復機能・広域バリアに加え、EN回復機能をも備えるようになった。機動力の高さや武器の性能も含め、本作でプレイヤーが使用できる機体の中でも最高クラスの戦闘能力を持っている(プレイスタイルにより個人差はある)。
また、機体・武装共に宇宙適応がオールSという、宇宙戦に特化した機体となっている。つまり羽根なんで飾りです。移動タイプも空・陸となり、地上マップでの移動がスムーズに行えるようになった。
ディス・レヴは、規模こそ違うが同作のラスボスであるケイサル・エフェスが操る「負の無限力」と同質のもので、そのためディス・アストラナガンとディス・レヴの存在を恐れ、或いは欲する者も敵味方を問わず多かった。最終話ではケイサルもがクォヴレーに機体と共に自分の軍門へ下るよう諭している。
ケイサル打倒後は「因果律の番人」というアストラナガンの本来の役割を果たすため、クォヴレーと共に平行世界へと旅立って行った。
先述のベルグバウ同様、機体デザインを悪魔絵師こと金子一馬が行った事で話題になった。それ故に機械というより生物を思わせるデザインをしている。また、初登場時に魔法陣から這い出てくる演出をはじめ、戦闘アニメでも悪魔、或いはオカルト的な要素が見えるのも特徴で、この点でも元になったアストラナガンとは一線を画している。なお、後に「OG1」が「OGS」(および「ディバイン・ウォーズ」)としてリメイクされた際には、R-GUNリヴァーレにそれらの要素が一部反映されている。
金子自身もスパロボシリーズのファンでもあり、同シリーズの1作目(スパロボα)もプレイしていたという。「第3次α」では他にケイサル・エフェスのデザインも手がけており、設定や戦闘演出など様々なところで協力している。
ちなみにタロットカードの「15:悪魔」に当てられるヘブライ文字は「ע(アイン)」であり、クォヴレーのバルシェムとしてのナンバーと一致することから、先述のR-GUNリヴァーレと同様に若干タロットカードを意識した部分があると思われる。偶然かもしれないが、「15」はアストラナガンの識別コード(AGX-15)でもある。
さらに余談だが、イングラム機にはないもう一つの特徴として、主にネット上における機体のヒロイン化ネタが挙げられる。
クォヴレー編には恋愛対象という意味でのヒロインがおらず、トウマ編では恋愛扱いだったアルマナ姫とのフラグもこちらのルートでは華麗にクラッシュされている。さらに乗り換えイベント時の会話や、クォヴレーに機体に話しかけるような独白が多いこと、彼のピンチになると機体が自律機動で助けに来ること、最後は彼と共にハネムーン平行世界に旅立ってしまうことなどから、ネット上ではベルグバウ/ディス・アストラナガンがクォヴレーの嫁として扱われるネタがよく見受けられる。まあ、ある意味伴侶と言えば伴侶ではある。
なお、擬人化の際には概ねメイド姿で描かれ、ヤンデレ属性を持つことが多い。どうしてこうなった。
スペック
全長 | 22.3m |
重量 | 58.8t |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 |
装甲材質 | ズフィルード・クリスタル? |
動力源 | ディス・レヴ(※5) |
開発者 | シヴァー・ゴッツォ |
パイロット | クォヴレー・ゴードン |
- ※5 早い話が怨霊エンジン。日本語に訳すと「冥王の心臓」。敵ボス含め、一部の霊力持ちキャラがこの機体を前にしてビビるのはだいたいこいつのせい。
また戦闘時の台詞から、アイン・ソフ・オウル使用時にはティプラー・シリンダーも起動していると思われる。ディーン・レヴの有無については言及がないため不明。
武装・必殺武器
- ラアム・ショットガン
射撃用の武器。Z・Oサイズの柄としても機能する。小隊攻撃用の武器。 - Z・Oサイズ
格闘戦用の武器。ゾル・オリハルコニウム製の大鎌。パイロットと相性の良くない格闘属性という欠点があるのだが、移動後に使用可能で尚且つ攻撃力が高く、バリア貫通能力も備えているのであまり気にならないだろう。 - ガン・スレイヴ
背中に6基装備された自動誘導兵器。蝙蝠のような形をしているのが特徴。ベルグバウのガン・スレイヴは実弾を飛ばしていたが、こちらは非実体弾を発射する。この武装で止めをさすと、ダメージ数が表示されないバグがある。 - メス・アッシャー
両肩に装着された非ビーム属性のエネルギー兵器。演出がアキシオン・バスターに似ているため、そちらと組み合わせることでエメト・アッシャーが強化されたものと推測される。でもこれ使おうとすると砲身が羽根に引っかかるよな?
ちなみに「メス(meth)」とはヘブライ語で「死」の意味。伝承ではゴーレムは額に書かれた「emeth」の文字から頭の「e」を削ることで死ぬ(ただの土塊に戻る)とされており、武装名の変化はクォヴレーにとってゴラー・ゴレム隊の人形であった自分の死=過去との決別・自我の確立を暗示しているとも取れる。 - アイン・ソフ・オウル
アストラナガンのインフィニティ・シリンダーに相当する時空間兵器。原理もほぼ同じながら、こちらは中性子星が魔法陣から召還されるなど、一部の演出が異なっている。また使用時のカットインはイングラムの姿がオーバーラップする演出になっており、この時はクォヴレーの髪もイングラムと同じ青に変化する。
「アイン・ソフ・オウル(Ain Soph Aur)」とは生命の樹に関する用語であり、「無限光」と訳される。インフィニティ(無限)・シリンダーと引っ掛けたネーミング。
DiSRX
「OG1」のTVアニメ版「スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ」の最終回において、残り放送時間あと5分というスケジュール的に逼迫した状況でラスボス(セプタギン)がお出ましになった際、これを倒すために登場した機体。読みは「ディスアールエックス」。半壊したSRXにディス・アストラナガンが合体することで失われた四肢を補っている。ブックレットの解説によると物理的な融合ではなく霊的な憑依らしいので、両機のサイズ差についてはツッコミ無用。
頭部の形状や赤く発光するラインなど、見た目はディス・アストラナガンよりもアストラナガンに近い。コントロールの主導権そのものはSRXチーム側に委ねている模様。
アイン・ソフ・オウルらしき攻撃でセプタギンを葬った、まさにデウス・エクス・マキナと呼ぶべき存在(ただし本来の意味の方で)。「α」や「第3次α」を知らない視聴者を置いてけぼりにする超展開だったが、この時点では「OG」シリーズ未登場だったクォヴレーの介入がサプライズだった上、イングラムとクォヴレー・SRXチームの絆を示すイベントだけに、彼らのファンは異様に盛り上がった。
なお、寺田プロデューサー曰く「かなり無茶な融合」だったらしく、セプタギン撃破後はすぐに元のSRXに戻っている。また初期案ではDiSRXではなく、アストラナガンがR-GUNパワードもどきの銃形態に変形し天上天下一撃必殺砲でセプタギンを倒すという構想もあったとのこと。
アニメオリジナルとして描き起こされた機体であり、ゲーム版やその他のメディアミックス作品には登場しない。
スペック
全長 | 55.4m |
重量 | 考えたら負け |
搭乗人員 | 少なくとも3人 |
移動タイプ | 不明 |
装甲材質 | 不明 |
動力源 | トロニウムエンジン ディス・レヴ?(※6) |
開発者 | - |
パイロット | リュウセイ・ダテ ライディース・F・ブランシュタイン アヤ・コバヤシ(※7) |
- ※6 ディス・アストラナガンが憑依していること、エンジンの出力が突然上昇したこと、必殺技の演出が第1話のアイン・ソフ・オウルと同じであることからの推測。
- ※7 搭乗が確認できるのはこの3名のみ。クォヴレーは機体の憑依という間接的な手段でしかこちらの世界には干渉できておらず、イングラムの肉体もコアとしてセプタギンに囚われたままである。ただし、DVD版の追加シーンに両者の思念がDiSRX内にあったことを示唆する描写がある。
ガリルナガン
「第2次スーパーロボット大戦OG」及び「魔装機神F」にて登場した機体。
主な通称は『創通からの使者黒焔の狩人』。
詳細は『ガリルナガン』を参照。
関連動画
アストラナガン/R-GUNリヴァーレ
ベルグバウ/ディス・アストラナガン
ディバイン・ウォーズ版
ガリルナガン
その他
関連項目
- スーパーロボット大戦
- バンプレスト
- イングラム・プリスケン
- クォヴレー・ゴードン
- ギリアム・イェーガー / ゲシュペンスト
(アストラナガンの通称である『漆黒の天使』とはギリアムの異名でもある。
正確には『漆黒の堕天使』が正しいか。ちなみにゲシュペンストとも「目の部分が赤い」という共通点が存在する) - グランゾン / シュウ・シラカワ
- フフフ・・・
- ユーゼス・ゴッツォ
- アーマラ・バートン
- パラレルワールド
- スーパーロボット大戦の関連記事一覧
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