漫画「キャプテン翼」の登場キャラクター。
Jr.ユース選手権の準決勝で日本代表と対戦した地元フランス代表のGK。
延長戦が終わって4-4、PKまでもつれる死闘となった日本対フランス戦において、キーパーなのに1度もボールに触れなかった。
概要
個性豊かなGKが多いキャプ翼で、ネタキーパーとして有名なのは森崎君であるが、実は原作の彼はシュートを止めるシーンも結構多く描かれ、そこそこ活躍している。一方このアモロには何ひとついい場面がなかった。前述した通り4失点を喫し、PK戦でも5人連続で成功を許してしまった。更に、この試合ではホームのフランス贔屓と取れる疑惑の判定が続出し、日本がシュートを決めたにも関わらずノーゴールとされたシーンが4度もあった。つまりこの試合でフランスのゴールネットが揺れた回数は13回に及ぶ。日本のシュートを防いだのはキャプテンのMFピエールやエースFWナポレオンであり、おなじみのゴールポスト/ゴールバーであり、審判であり、そして水たまりであり、アモロではなかった。
アモロVS日本の軌跡
前半
- 試合開始。日本のパス回しから翼のボレーシュート、アモロ一歩も動けずゴール。1失点目。【日1-仏0】
- すぐにピエールがスライダーシュートを決めて取り返す。【日1-仏1】
- 翼がスライダーシュートを真似て繰り出し、アモロ飛びつくが取れず。
しかしこれは普通のシュートだったら取れていたと思われるコースで、アモロにしては上手いプレイだった。このシュートはゴールポストに当たってしまう。ポスト1回目。 - 日向が攻め込むがピエールが防ぐ。ピエール1回目。
激しい激突だったが審判は反則を取らず。審判1回目。
ピエールからナポレオンにパスが渡り、ナポレオンが攻め込むが早田と接触。早田は退場になってしまう。審判2回目。
PKになり、ピエールが決める。【日1-仏2】 - 岬が攻め込むがナポレオンのショルダーチャージで阻止される。審判反則を取らず。審判3回目。
日向「なんであれが反則じゃないんだ!!ふざけるんじゃねえぞォ」
翼・日向のパスワークからタイガーショット、アモロ取れずゴール。審判オフサイドの判定。審判4回目。
日向「なにィ」 - 日向の抗議を審判が受け付けない間に試合が進められてしまい(審判5回目)、早田を欠き10人になってしまった日本は防ぎきれない。ボッシのシュートは若島津が防いだが、こぼれ球をナポレオンがキャノンシュート。倒れていた若島津は防ぎに行く間がなかった。【日1-仏3】
- 翼のオーバーヘッドキック、アモロ防げず。審判「ノーゴール」 密集地での危険なプレイと判断された。審判6回目。松山「そ……そんな」
フランスはすぐに試合再開、抗議する暇を与えない。審判7回目。 翼「く……くそっ」 - 翼8人抜きドリブルからシュート、アモロ防げず。審判「前半終了」 日向「な……なんだと!!」 翼「ノーゴール……」 審判8回目。
ハーフタイム
日向「三度もだぞノーゴールの判定が!本当ならこっちが1点リードしているはずなんだ!!」
次藤「そうタイ。あの審判、このまま試合が終わって負けたらワシが袋叩きにしてやるタイ」
翼 「俺たちのこの怒りはボールにぶつけよう」
優等生発言で場を収める翼だが、やっぱり怒ってはいたらしい。
なお、「森崎にぶつけよう」とか言ってないよ?あれはコラだからね?
一方フランス側ではピエールも「審判の判定に助けられた点も多いんだ」と認めていた。
こんな試合やってる方も気分悪いだろう……。
後半
- 後半開始。
日向にパスが回るがオフサイド。これはフランス側の作戦で、審判の不当な裁定では無い。 - 翼・岬・松山でフランス守備陣を抜き、日向のタイガーショットでゴール。アモロ防げず。2失点目。【日本2-仏3】
日向「見たか、これが正真正銘のゴールだ!!」 - フランスの攻撃。スライダーシュート、キャノンシュートの連発を若島津が防ぐが、シュナイダーに傷つけられた右腕が痛み、ボッシに入れられてしまうが、その前にナポレオンの反則があったとしてノーゴールに。審判「我々審判はいつでも公平だ」
- 翼のドライブシュートが決まり、同点に。アモロ防げず。3失点目。【日3-仏3】
- ゴールデンコンビでピエールを抜き、絶好のチャンス。パスを日向に渡し、タイガーショットの態勢に入るがボールが水たまりで止まって届かず。水たまり1回目。
- フランスの切り札、エッフェル攻撃からのピエールのシュートが決まる。【日3-仏4】
ここからフランスは逃げ切りを図り、ピエールとナポレオンの守備参加が多くなる。 - 翼のドライブシュートをナポレオンが防ぐ。ナポレオン1回目。
- 翼と日向を徹底マークされ、松山がイーグルショットを放つがピエールが防ぐ。ピエール2回目。
- 日本は立花兄弟を投入、スカイラブツインシュートを放つがピエールが防ぐ。ピエール3回目。
- 岬のスライディングシュートをナポレオンが防ぐ。ナポレオン2回目。
しかし翼が岬をカバーし、岬のジャンピングボレーで同点。アモロ防げず。4失点目。【日4-仏4】
延長戦に突入する。
延長戦
- 延長戦開始。翼・岬がエッフェル攻撃を阻止、日向が強引なドリブルで突撃するがフランス守備陣のタックルで阻まれ、足を負傷。審判反則を取らず。審判9回目。 日向「ちくしょう反則だぞ…… さっき審判は公平だって言ってたじゃねえか……」
- 日向が負傷したため翼・岬で攻める全日本。翼・岬がツインシュート。 アモロ「な……なんだ このボールは!!」 当然防げず。しかしゴールバーに当たってしまう。ゴールポスト&ゴールバー2回目。
- 必死で守り続ける全日本。スライダーシュートを若島津が止め、ボッシのシュートを石崎が顔面ブロックガッツがもったいない、キャノンシュートを日向がタイガーショットで蹴り返す反動蹴速迅砲カウンターシュート。もちろんアモロ取れず。 審判「ノーゴール」 延長前半終了。審判10回目。
- 翼のドライブパスからの岬のシュートをピエールがブロックに行く。ピエール4回目。
岬はパスに切り替え、日向がタイガーショット。ピエールが防ぐ。ピエール5回目。 - この後、日本にシュートチャンスは訪れず、同点のまま延長戦終了。PK戦に突入。
PK戦
日本は日向・松山・岬・三杉・翼とオーバーキルにも程がある最強軍団をアモロに対して投入。
試合場に鳴り響くアモロコールの中、当然全部取れず5失点。特に日向のシュートに全く反応できず棒立ちで「うっ は……はやい」は酷い。
しかし残り4名のシュートへは、取れなかったものの、飛ぶ方向は全部合っていた。
一方のフランスはピエールが最初に突破口を開き、ザコ3人はピエールが撃つ方向を指示してサポートし、最後に切り札のナポレオンが勝負をかける。若島津が負傷してなかったら二人目と三人目のシュートは取れてたはずという苦しい展開となるが、最後にキャノンシュートを見事に弾いてゴールを守った。
日本戦まとめ
- 日本のシュート数…16本+決定的なチャンス1回+PK戦5本
- 日本のゴール数…4点+PK戦5本
- ピエールがブロックした回数…4回 (シュートブロック以外にもう1回)
- ナポレオンがブロックした回数…2回
- 審判がノーゴールと判定した回数…4回 +不可解な判定6回 -日本有利な判定1回 どこが公平なんだよ!
- ゴールポスト/ゴールバーに当たった回数…2回
- 水たまりが阻んだ回数…チャンス1回
- アモロが止めた回数…0
以上のように、この試合はピエールとナポレオン、クソ審判の異常な判定、さらには負傷した若島津の右腕がどんどん悪化していく状況、早田が退場させられたために人数が不利、スカイラブ連発で消耗していく立花兄弟、時間制限のある三杉投入、試合中の日向の負傷と、語られるべきドラマは数多くあった。
特に入ったはずのゴールが審判の一言でノーゴールにされるという理不尽な展開が描かれるためには、ゴールキーパーが防いだら話が始まらないのである。そのため前後半・延長戦・PK戦まで通して全くボールに触れなかったという悲惨な戦績が誕生してしまった。
アモロとは関係無いので記載しなかったが、ピエールとナポレオンの攻撃を阻んだ若島津ら日本守備陣の奮闘も熱い。特に最後にナポレオンのシュートを阻んだ場面まで通して、この試合の真の主役は若島津だったと言えるだろう。
アモロコール
PK戦の際にスタンドのフランス人達の間で発生したもの。実際は「!」は無い。アモロは見事この声援に応え、全てのシュートを決められた。特に1人目の日向のキックに対しては、PKにも関わらず反応すらできず棒立ちで「うっ は……はやい」の台詞を残した。この時既に延長戦まで終わり、しかも日向は右足を負傷していた。それにも関わらず、いまだにボールに反応することすらままならなかったアモロであった。
アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!アモロ!
その後
漫画→ゲームの順で記載するためこの位置になるが、作品が発表された順で並べると
漫画無印 → テクモ版ゲーム → 漫画ワールドユース編 → Rise of New Champions →
たたかえドリームチーム(のフランス選手補強) → 漫画ライジングサン
になる。
評価の変遷が複雑に前後するので注意。
ワールドユース編
具体的な描写は無いが、フランスはオランダに1-3で敗れている。
後述する『Rise of New Champions』では中学生時代にオランダ戦で6失点を喫したアモロだったが、高校時代では失点を半減させたということになる。
ライジングサン
フランスはアモロに見切りを付け、オーバーエイジ枠のバルテスをGKに起用。オリンピックでアモロの虐殺勇姿を見ることは叶わなかった。だが結局ブラジルの前に2-6で敗れ、せっかくのOA枠起用も実らず。どうせ大量失点ならアモロで良かったのでは……とも思えるが、アモロにやらせたら6失点じゃ済まなかった可能性は大きい。ドイツ相手に覚醒を見せた森崎とは大きな差が付いてしまった……。
ところで明らかに90年代の選手であるピピンはともかく、イダルゴ、ユーゴー、ジャンたちが漫画本編の戦力として起用されなかったのは残念である。ユーゴーなんていかにもそのためにゲームに出しておいたかのような存在だったのに。
テクモ版ゲームでのアモロ
なんとシリーズの1~5に加え、GBでの「VS」、メガCD版まで全ての作品でフランスのGKはアモロである。正確には1~2では「てきのキーパー」(名無し)扱いなのだが、1は原作準拠のストーリーのため間違いなくアモロであり、他が全部同じなのに2だけ別人というのは考えにくいので2のGKもアモロと考えていいだろう。舞台がJr.ユース(U-15程度)からユース(U-20程度)へと移る2・3、そしてプロへと移行した4・5、更には小学生時代のVSでもアモロを使わざるを得ないのである。若手~ベテランを通じて、フランスのGK不足は深刻すぎる。(3ではフランスのクラブチームで戦う機会があるのだが、味方となるシャンゼリゼのジュスト、敵のモルマントルのティボーのどちらもアモロより弱いという恐ろしい状況。仕方なくアモロで戦うしかなかったというフランスの国内事情が垣間見える)
- キャプテン翼1…フランスが強豪5カ国(西ドイツ、フランス、アルゼンチン、イタリア、ウルグアイ)に入っているためか、弱小国のキーパーよりは能力が高い。だが強豪国の中でミューラーとヘルナンデスには大きく差を付けられ、「てきのキーパー」扱いの3カ国のうちフランスだけ一段低い能力になっている。アモロが弱いという認識は初代からあったようだ。
- キャプテン翼2…実はそれほど弱くはなく、アモロだと思って舐めてかかると結構止められてしまう。だがこの試合最大の問題は、驚異的な破壊力を持つピエール&ナポレオンの新技「スライダーキャノン」であり、若林ですら止められない。これに対抗するためには原作のような点の取り合いに持ち込む必要があり、結果としてアモロも原作通り無力と化す。
準決勝ではブラジルを3点に抑える活躍(注:0-3で惨敗)を見せており、決勝戦でブラジルと戦うプレイヤー操る日本はそれどころじゃ済まない攻撃力に晒される羽目になるので「アモロは強かったのでは?」と感じる事にも……? - キャプテン翼3…能力自体は、おそらくシリーズを通して最も優秀なのでは。このゲームでは森崎やレナートも強くなっている。
フランスとは2度対戦する事になり、1度目は翼&日向を欠いた試合となるため、岬・松山・立花等で攻撃しよう。2度目は逆に翼の復帰戦となり、新技「ネオサイクロン」の実験台となる。 - キャプテン翼4…本領発揮。だがクラブチームのボルドーで戦う時はやけに強くなっており、「これが真の実力で、代表選の時はプレッシャーに負けて真価を発揮できない」とか「同名の別人」という説がある。
- キャプテン翼5…本領発揮2。今度はボルドーの控えにもいない。
- キャプテン翼VS…本領発揮3。
- キャプテン翼MCD…ゲームが東邦学園戦までで終了するため、アモロは登場しない。実は内部データに海外チームも存在するらしいのだが、やっぱりあまり強くない。しかしウルグアイやイングランドのキーパーよりはわずかに強い。予定された対戦時期の関係か、ポーランドのジャイッチを上回っているのは特筆すべきところ。あっちにはローリングセーブがあるから実際のところは分からないが。
『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』でのアモロ
PS4などで発売されたゲーム『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』では、ついにあの審判が逮捕されフランスも国際試合開催権を剥奪されたのかフランスでのジュニアユース選手権が行われず、代わりにアメリカで大会が開かれるというif展開になった。
フランスジュニアユースはオランダとの練習試合でピエールとナポレオンを中心とした攻撃面は結果を出したが、守備に問題がある事を露呈して惨敗。戦力を補強すべくフランス全土から選手を募集した。
明らかにアモロに代わる新ゴールキーパーを求めての措置のはずなのだが、ここで登用できた有望選手はDFのジャン。なんとアモロは据え置きとなった。
「守備に問題がある」と認識しての人材募集を行ってもなおアモロが代表GKの座から動かなかったという事は、もうフランスにはアモロよりマシなGKは本当に一人もいなかったという不幸な事実が確実視される。ジュストみたいなのしか来なかったんだろうなあ。
さらにフランス代表のGKはアモロ一人だけで、控えGKすらいない。もしアモロがネオタイガーショットとかを喰らって病院直行になったらどうする気なんだろうか。その前に練習で紅白戦すらできないのだが……。
このため、フランスはなにがなんでもアモロで戦えという過酷な状況での大会を余儀なくされる。DFのジャンにかかる重責はあまりにも大きい。
このゲームではGKはゴール前の防壁であり、「シュートでGKの体力を削って、0にしたら得点できる」というシステムになっているため、いかにアモロでも全くボールに触れる事すらできないというわけでは無いはずだが……。
しかしあまりにもシュートが凄いとGKが全く反応できず棒立ちでゴールされる演出になるため、テクモ版にすら無かった「うっ は……はやい」が再現されてしまうことになった。
ちなみにジャンの守備力は世界最強クラスで、彼が加入したためピエールが守備に回る必要も無くなり、フランスはチーム事情が大きく改善されて日本と当たるまで無失点で勝ち抜くことができた。結果、まさかの(日本戦までは)無失点GKアモロ誕生である。この世界ではアモロの評価は大きく違っているかもしれない。日本戦で化けの皮が剥がれなければ、だが……。
かくしてRONC世界では代表GKの座を守ったアモロだったが……。
『たたかえドリームチーム』でのアモロ
こちらの世界ではフランスに有望なGKジャン・バティスト・ユーゴーが現れ、原作・テクモ版・RONCと続いたフランス代表GKの座がついに脅かされる事態となってしまった。
同時にFWもジュスト・イダルゴが加入、ボッシも首が危うい。
まるで二人を狙い撃ちにしているかのような補強である……。
しかしライジングサンで二人が登場する事は無く、代わりにOA枠として別の選手が出場し、特に活躍することも無くフランスは敗北。この二人を出しても良かったのではないだろうか……。
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