アルフレット・グリルパルツァー単語

アルフレットグリルパルツァー
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アルフレット・グリルパルツァーAlfred Grillparzer)とは、アルメントフーベル系第二惑星における造山活動および大陸移動の相互関係を明する極地性植物分布に関しての一考察の著者。
小説OVA銀河英雄伝説」の登場人物で、石黒監督OVAにおける担当声優崎伸夫(2期)、咲野俊介(3期以降)。 

概要

ローエングラム朝銀河帝国大将。新帝国2年当時、いまだ20代青年提督
石黒監督OVAにおける艦隊旗艦は<エイトラ>。

ヘルムート・レンネンカンプの幕僚からラインハルト・フォン・ローエングラム揮下の艦隊指揮官となった、大本営直属の新進気鋭の若手提督の一人。武人肌の帝国軍高級将校の中では例外的に学術面にも通じており、特に地理学方面に意趣が深く、帝国地理博物学協会の会員であり探検としても知られたことから「探検提督異名がある。

文武に均整のとれた俊秀で同僚ブルーノ・フォン・クナップシュタインとともに次代の双璧され将来を嘱望されていたが、その野心によって自ら獅子の友となるを閉ざした悲劇の秀才であった。

経歴

新領土総督府軍への所属まで

旧王時代、”神々の黄昏”作戦まではレンネンカンプ艦隊の幕僚を務めていた。20代のうちに大将に昇進し、レンネンカンプが同盟高等弁務官に転任した際、その艦隊をクナップシュタインと二分して再編成し、皇帝ラインハルトの直属に移ったとされる。原作での初登場はレンネンカンプの死後だが、石黒監督OVAでは”神々の黄昏”作戦に際したイゼルローン回廊方面への陽動において少将レンネンカンプ艦隊参謀長として登場している。

艦隊官として初の出征は”大征”においてのもので、第二ミッターマイヤー元帥に続く部隊としてクナップシュタイン艦隊と並んで第三を固めた。マル・アデッタ域の会戦では、前衛として同盟艦隊の取る回廊に侵入したものの、恒星によって算を乱したところを老練ビュコック元帥揮する同盟軍に痛打を浴びて約三割の戦を失い、回廊入り口まで後退して先クナップシュタインに譲ることとなった。もっとも、そのクナップシュタインビュコックの前に為す所く翻弄され、戦局に有為を与ええずに終わってしまっている。

回廊の戦いには不参加。戦後に新領土総督職が内定していたロイエンタール元帥の着任までの間、旧同盟首都ハイネセンにおいて警備と施政の任に抜されており、事職務をまっとうしている。その後はそのまま新領土総督府に所属し、クナップシュタインともどもロイエンタールの麾下に入った。

ロイエンタール叛乱事件における背信

しかし、ロイエンタール元帥叛乱事件において、彼は己の野心と平和の到来への焦慮から「はでな武勲」を欲しを踏み外す事となる。ウルヴァシー事件の調によって発見した地球教関与の拠を隠蔽してあえてロイエンタールの叛乱に加担し、さらに来るべき決戦のさなかに再び旗を変えて皇帝の下に戻ることで巨大な武勲を立てようと謀ったのである。彼は僚友クナップシュタインを誘って同調させ、第二次ランテマリオ会戦に赴いた。

帝国軍の双璧”たるロイエンタールミッターマイヤーが相撃ったこの戦いで、確かに彼はその才を尽くして奮戦した。ロイエンタールを裏ぎる好機を狙いながらも自らが最前線で猛攻を受ける身であったために果たせず、むしろ己が戦死しないために最前線にあって「疾風ウォルフ」の攻勢を防ぎ通すはめになったのである。その間に同調者クナップシュタインまでもが戦死し、降も考えたものの実行しようとした途端に折悪しくロイエンタールが援護を送ったためにそれも断念せざるを得なかった。そしてロイエンタールは戦況不利を悟り、撤退を始める。

12月7日、彼は猛追するミッターマイヤー艦隊がロイエンタール艦隊を射程に収めたのを見て取り、好機と見た。そしてついに、をさかしまにしてロイエンタール艦隊を攻撃するよう命じたのである。しかし彼の艦隊にとってもその命想定外のものであり、皮にも故クナップシュタインの部下らによる猛反撃を浴びることとなった。結局彼はロイエンタールに重傷を負わせたものの自身の艦隊にも大きな損を受け、そのままワーレン艦隊に投降した。

その後、エルネスト・メックリンガー上級大将によるウルヴァシー事件の再調によってグリルパルツァーの背信のにあった事情が判明すると、メックリンガーはグリルパルツァーを呼び出して弾劾した。皇帝ロイエンタールと、二重の裏ぎりを責められた彼は抗弁を試みたが、それも徒労に終わった。

「裏ぎりによって勝つことなど、皇帝がお望みになると思うか!」
「いや、そう思ったからこそ、卿はロイエンタール元帥を裏ぎったのだな。ねずみの知恵は、獅子の心を測ることは出来ぬ。卿もついに、獅子の友となりえぬ男だったか」

彼は階級を剥奪され、自裁を命じられた。30になるかどうかという齢での、失意の死であった。 

能力と評価

その人生の最後における最悪の背信によって全てを否定されてしまったものの、本来は前述したとおり”次代の双璧”とされる優秀な人物であった。においても義においても、他者から非難されることは稀であったし、学者としても大成を期待されていた」というのがその評価である。

彼は堅実な戦術であったレンネンカンプ陶厚く、年齢しても十二分の評価を受けていた。その才はラインハルトにも認められており、”次代の双璧”という評価も、皇帝が彼と僚友クナップシュタインをして、帝国軍の重鎮となって前線揮を取りにくくなった”帝国軍の双璧”に代わる存在とせんとしたためのものである。事実、マル・アデッタ域会戦で痛打をうけた際には崩壊しかけた艦列を維持して回廊から脱出させ、脱出後は間入れずに回廊入口付近に形をひろげて追撃をむかえうつ準備を整えてみせるなど、すぐれたの一端を示している。この点、石黒監督OVAではバイエルラインにも賞賛された。

学術面では優秀な地理学者で、冒頭で紹介したアルメントフーベル系第二惑星における造山活動および大陸移動の相互関係を明する極地性植物分布に関しての一考察によって帝国地理博物学協会の会員たるの資格を認められている。カール・グスタフ・ケンプ葬儀直前(帝国489年5月戦死)にその報を受けた彼は、礼装のままトイレに駆け込んでも居ないことを確かめてから一通り歓喜し、落ち着きを取り戻してから葬儀に出席したという。ちなみに、このエピソード石黒監督OVAではレンネンカンプ葬儀(新帝国1年)直前に変更されている。

これら”探検提督”としての才も諸将の認めるところとなっており、ミッターマイヤーバイエルラインに対しグリルパルツァーの文武両を見習うように諭したこともあったほどである。”芸術家提督メックリンガーも彼の学者としての将来を期待し、背信を弾劾した後も惜しんでいた。

性格と交友関係

この時期の大将以下の将官に見られる自己過信のは彼にも存在し、マル・アデッタ域会戦に際しても皇帝に対し過剰に戦闘を使嗾する大言壮が見られた。また、新領土総督府の麾下に入って以後は、皇帝直属の出身故にロイエンタール艦隊の幕僚出のハンス・エドアルド・ベルゲングリューン大将という閲監人事にはクナップシュタインともども反発する姿勢を見せたが、ロイエンタールに諭され引き下がっている。

ロイエンタール元帥叛乱事件の際は、功績を立てる場がくなりつつあることへの焦りから二重の裏ぎりという陰謀を企んだことで卑劣な背信者としての後世の評価を定め、ロイエンタールにも「小才子」と罵倒されてしまう。彼の陰謀に同調しながらも、実行する前に戦死したことで結局は名誉を保ったクナップシュタインとはまったく正反対の終わりであった。

そのクナップシュタインとは、本物の”帝国軍の双璧”とは違い友情関係ではなくライバル同士といえた。互いにを認めてはいたものの、友人としてよりむしろ競い合う同格者として考えていたふしがあり、清教徒的な廉直さを持つクナップシュタインの人柄をさほど評価していたようではなかった。陰謀への同調を教唆した時など、クナップシュタインを軽く小馬鹿にするような口ぶりで脅し、同調を約束させている。

ちなみに、石黒監督OVAでのこの場面ではクナップシュタインの自室を回って盗聴器を仕掛けられていないか確認する姿が描かれており、彼の微妙な注意深さを垣間見ることが出来る。

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85 ななしのよっしん
2021/06/05(土) 07:42:33 ID: /lJEf9f1xP
「行幸の途中、ウルヴァシーなんて中途半端なところで皇帝が襲撃され行方不明」なんて事態、ロイエンタールからしても意味不明だからな。>>81の噂も含めれば、チャンスどころか皇帝暗殺の実行犯を押し付けてまとめて消され余としてるようにしか見えない。
とにかく本に介入させず全部自分で片づけねばならんという、末期同盟みたいな心情に陥ったんじゃないだろうか。ついでにオーベルシュタインの陰謀の拠でもつかめればよかったんだろうが、派遣したのがグリルパルツァーだったから……
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86 ななしのよっしん
2021/07/05(月) 16:50:24 ID: cdeeJ0yhKX
作中のウルヴァシー事件からの暴走がやや唐突気味なので、もしフジリュー版でこの件が取り上げられるなら理由付けとして

回廊の戦いでハイネセンに一人駐留していた際にヴィンクラーと同じく地球教に密かに洗脳されていた。
フォーク地球教拉致されるのと同時期なのでタイミング的にも問題ない)
フォークの時のようにド・ヴィリエに「ロイエンタール皇帝に反逆を企てているから、それを討てば英雄になれる」とそそのかされる。
・同じく洗脳されたヴィンクラーとグルになっていた。 → ウルヴァシーの調を自ら願い出て拠を隠滅。

といった感じの方が自然になるかな?
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87 ななしのよっしん
2022/09/13(火) 17:43:50 ID: 0d2k70o4de
戦場での寝返りを考えた時点でアウトなんだよな
仮に全てがグリルパルツァーの思い通りにいったとして
グリルパルツァーの考える最善のタイミングで寝返ってロイエンタールにとどめを刺して、その後「裏切り者は私が倒しました」に対して皇帝が「よくやった、昇進」ってなると思ったのか
更に言えばウルヴァシー事件の調結果を隠蔽した事は確実にバレるだろうし

裏切りが成功しようが失敗しようが原作と同じ末路しか用意されていないと思う
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88 ななしのよっしん
2022/11/26(土) 01:52:25 ID: muMFybDZxo
ただグリルが焦った気持ちもわかるんだよな
軍の上級幹部は上級大将が独占してて、大将ですら分艦隊。しかも上級大将はみんな30代40代と若いもんだから、時になると自分の現役中、長官級ポストに就くのは絶望的だもん
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89 ななしのよっしん
2022/11/26(土) 09:27:35 ID: L1yLtalsa2
>>88
>>sm41420320exit_nicovideo

卿の懸念を適切に紹介した動画あるな。いやマジローエンラムってブラック企業そのものというか・・・グリルパルツァー含めた若手育成する意思が希薄(辛うじて持ってたのがミッターマイヤーワーレンくらいかな?)
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90 ななしのよっしん
2022/11/26(土) 10:12:54 ID: /lJEf9f1xP
ゆーて、ようやく創業3年だし、グリルパルツァー/クナップシュタインはむしろ二代双璧として育成補だったし……

ロイエンタールが説得不能という状況拠を固め」「戦闘が長期着状態となった時に」「事前ミッターマイヤーに内応の意思を伝え」「皇帝の名の下に地位と身体の保を認めさせた上で」裏切り、それでも皇帝にはいい顔されないだろうから中央での出世は諦めて新領土軍総司令官におさまるくらいが最上の結果かな。ヤンのいう「皇帝が届かないのをいいことにちまちまと小悪にふける佞臣タイプ

実際には決着がついた後に裏切り(しかも失敗し
)、それで内乱終結に貢献したってしてるんだから、通るわけがない。
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91 ななしのよっしん
2023/02/27(月) 12:06:01 ID: 0d2k70o4de
なんていうかトリューニヒトと同じような勘違いをした結果って感じがする

トリューニヒトは、ロイエンタールラインハルトに対して反乱を起こしたから、当然ラインハルトの事をよく思っていないと思い込んで「ラインハルトって未熟な坊やだよな、あんたもそう思うだろ」って言って殺されたけど

グリルパルツァーも「ロイエンタールは単なる裏切り者であり、それを倒せばみんなが褒めてくれる」と思い込んでロイエンタールに対する裏切りを行った
実際メッカリンガーに呼び出された時明らかに歓迎されてない雰囲気なのに「でもロイエンタールは叛逆者だし自分のおかげで反乱が終わったんじゃないか」って反論してしまうくらいだし
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92 ななしのよっしん
2023/03/16(木) 22:28:32 ID: ifOkCkChmz
圧倒的大多数の民や帝国軍の兵卒〜佐官クラスの将兵からすれば、30前半の大将かつ学者なんて十二分過ぎる、それこそ自分らからすればの上な社会的地位の持ちがこれ以上何を望んでるんだかってな。実際に自分が大人になって30代のしがないリーマンやってるとつくづく。
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93 ななしのよっしん
2023/11/04(土) 07:51:52 ID: /lJEf9f1xP
そこで満足するようなは、30代前半で大将なんてなれない……ヤン・ウェンリー? あいつは特大級の例外だ。
帝国内で嫌々ながら軍人になったのだとメックリンガーとかもいるが、あれも外伝1巻の時点でコネ駆使してラインハルトに近づく等それなりの野心見せてるし)


学者、探検の方を本業と考えてたら出世はこの程度で~、と満足したかもしれんが。
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94 ななしのよっしん
2023/12/06(水) 22:15:32 ID: kb/t0w06zL
逆にいうと、少佐とかそこらの年相応の階級に留まってれば、バカな策略をやらかさずに学者軍人として充実し世間からの尊敬も勝ち得た人生送れただろうな。

そうなると、彼もまた、機会があれば階級を幾らでも上げられるという英雄伝説の時代の犠牲者とも言えそう。
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