アル・アジフとは、「アブドゥル・アルハザード」著作の魔導書ネクロノミコンの原本の名である(もっと正確に言えば「キタブ・アル・アジフ」)。
この項目では、アダルトゲームを初出としたゲーム作品「デモンベイン」シリーズにおける同書物(登場人物)について解説する。
クトゥルフ神話における基本的な魔導書としての設定は「ネクロノミコン」の単語記事を参照。
概要
魔導書・ネクロノミコンの原典「キタブ・アル・アジフ」の精霊。デモンベインシリーズにおけるヒロインであり、所謂「萌えクトゥルフ」の代表格である。
声優はPCアダルトゲーム「斬魔大聖デモンベイン」では朝宮咲。以降の作品では神田理江が一貫して担当している。
白を基調としたフリルの目立つ服を着た、幼い少女の姿をしている。所謂人外ロリ。
二次創作において勘違いされやすいが、原作に於いて「~じゃ」といったりする「のじゃロリ」口調を使用したことはなく、それらとは微妙に言葉遣いが違う。
傲岸不遜で世間知らずだが、主人公・大十字九郎との出会いが彼女を変えていくことになる。色々な意味で。
精霊として現出し、主と共に戦うようになってからは、自身を使うが故に形はどうあれ破滅に陥っていく人間を数多の数見届けてきた。
故に自身を道具として見ていた節があるのだが、「偶然」出会った大十字九郎は今までの主と違い、己を一つの存在として接してきた。
当初こそ自身を求め襲撃してきた犯罪組織ブラックロッジに対抗するために九郎を巻き込む形になってしまったのだが、少しずつ九郎との距離は縮まっていって―――。
「斬魔大聖」ならびにその全年齢移植版であるPS2ソフト「機神咆吼デモンベイン」では、開幕でブラックロッジ首魁・マスターテリオンに敗れ、そのページの多くを喪っている。
故に、彼女の失ったページを探し、ブラックロッジに対抗するのが序盤の流れとなっている。
機神飛翔デモンベイン
「斬魔大聖」ならびに「機神咆吼」の続編である「機神飛翔デモンベイン」でも続投。メインヒロイン格。
本作では前作におけるアル・アジフルートの後日談が基本設定となっているが、他のルートの要素もいくつかみられる。
また、アルを母と呼ぶ「アナザーブラッド」が登場。その言葉が真実であれば、ロリな外見に反して子持ち属性が追加されるのだが・・・。実際はかなり込み入った事情があるのだが、どちらにせよ娘であることは嘘ではない。
なお、九郎との出会いの影響で俗世に染まりきり、とある場面では生き生きとしすぎた悪い顔!を披露してしまった。
「・・・気持ちは分かったから、もうちょっと萌えキャラっぽく振る舞えッ」
外伝小説
自身をモノとして割り切っていた頃の真面目な萌えキャラっぽいアル・アジフが登場。彼女の歴代の主であるマスター・オブ・ネクロノミコンも登場しているが・・・。
また、外伝小説では本編とは別のネクロノミコン写本が存在している。
魔導書としての能力
マギウス・スタイル
自身の力を術者に分け与え、術者を戦闘形態に変異させることができる。
マギウス・スタイルの能力や外見は術者の能力や性質に大幅に左右される。
また、変異の最中は、アル自身は手乗りサイズの小さなマスコットに変化してしまう。デモンベインに搭乗している時など例外は存在。
アイオーン
アル・アジフが本来持っている鬼械神(デウス・マキナ)。
「斬魔大聖」ならびに「機神咆吼」では冒頭で敗れ去って以降出番はないが、外伝小説「機神胎動」や「軍神強襲」では主力機として扱われている。
「機神飛翔」では念願の自機操作が可能。
ストーリー都合上、「スーパーロボット大戦UX」ではユニットアイコンで登場しただけに留まる。
デモンベインが飛行のために使用する翼「シャンタク」は、元はこのアイオーンの飛行ユニットであり、それを召喚することでデモンベインに装備される。
そのため、全ての断章が揃い力の殆どを取り戻すまでは使用できず、空中戦は不得手であった。
ダンセイニ
使い魔。ショゴスという奉仕種族。きもかわいい。
CVは不定で、出演作に登場した声優がひたすら「てけり・り」と鳴いている。勿論檜山修之や若本則夫も例外ではない。
アル・アジフの断章
以下に記すのは、先述の通り物語のプロローグで失われたアルの断章である。
アトラック=ナチャ
欠落していた断片の一枚で、人の形を取ってアーカムシティで事件を起こしていた。
断章としての能力は捕縛用の蜘蛛の糸。
デモンベイン搭乗時はビーム状の鬣で敵を拘束する。アニメ版のデモンベインは鬣が常時出てはいないが、アニメ版ならびに外部出演でもちゃんとこの技は使えるので安心されたし。
格闘ゲームでも拘束技として活躍する。
ニトクリスの鏡
断片の一枚。原作では「魔法のコンパクト」としてある人物に渡されたが、それがある事件の引き金となり……。
「幻影」「鏡」としての性質を持ち、主に相手を幻惑するために使用されるが、デモンベイン搭乗時には鏡面加工により敵のビームへの対抗策とする場面も。
アニメ版では扱いが非常に悪かったが、外部出演「スーパーロボット大戦UX」においては回避の望めないデモンベインの負担を軽減する特殊回避能力として登場。
同作では入手経路が異なり、先にドクター・ウェストが断章を確保し使用してしまう。この時はデモンベインの偽物である「デモンペイン」を自分ごと大量に複製し偽物デモンベイン&○○○○軍団が味方部隊に立ちはだかるというとんでもない展開を見せた。
それ以上に驚愕の活躍を見せるのだが、それは後述。
バルザイの偃月刀
断片の一枚。珍しく人間態を持たず、剣の姿のままあちこちを飛び回り被害を出していた。原作におけるデモンペインの動力はこちら。
あくまで「バルザイの偃月刀に関する製法などの記述が書かれたページ」であるため、作中では実際に鍛え上げられた現物が存在。
無論アルの魔術で召喚することも可能であり、デモンベインが使用する時は相応のサイズとなる。
剣としての機能以外にも、投擲武器、盾、魔力を練るための媒体、先述のニトクリスの鏡と組み合わせミラーコーティングによるビーム対策とその使用法は多岐に渡る。
クトゥグア
断片の一枚。褐色の肌と肉感的な身体が特徴の長身美女である人間体を持つ。当初はブラックロッジ幹部・アンチクロスが一のティベリウスの手に渡っており、その力で危機に陥れられた。
制御が飛び抜けて難しく、初使用の際は島ひとつ焦がすほどの爆炎を生み出してしまった。
後にアンチクロス・ネロからある理由で二挺の魔導拳銃が九郎に渡ったことで制御問題を克服。以後、主力として扱われる。
この魔導拳銃の片側がクトゥグアの力を宿している。あくまで制御媒体であり、拳銃自体はアルの力ではないが、格闘ゲーム作品ではアルが使用。所謂格ゲー補正。
イタクァ
断片の一枚。白と水色の色合いと眼鏡が特徴の人間体を持ち、アーカムシティ全域を季節外れの大寒波に巻き込んでいた。ちなみにアルの断章には、クトゥグアといい本人と異なり肉感的な美女が多い。コンプレックス抱きすぎである。
クトゥグア同様に魔導拳銃により制御され、魔術による追尾機能を持った銃弾を発射できる。普通では有りえない軌道を描き敵を追い詰める弾丸は特徴的である。
ロイガー&ツァール
断片の一枚だが、OVAで断章として登場し、PS2版で若干使われた程度の出番だった。
続編「機神飛翔」では、別の機体のメインウェポンとして登場するため、デモンベインは使用しない。
人間体はアルの断章にしては珍しくロリな双子。
ド・マリニーの時計
時間停止や巻き戻しなど、時に干渉する能力。外伝小説「ド・マリニーの時計」にて登場した断片。
初出が遅かったため、本編においての使用形跡は見られない。これもあくまで記述の断片であり、本物もアーカムシティに存在している。
その他
断片が抜けた状態であっても、単体でも魔力を行使することができ、戦闘力はそれなりに存在する。
そのため、格闘ゲーム参戦においても比較的格ゲー補正は少ない部類に入る。
むしろ生身でレムリア・インパクトを受けた人間が生存しているためだいぶ下方修正が入っているくらい。
外部出演
ニトロプラスを代表するキャラクターであるためか、クロスオーバー作品への参加頻度は高い。
以下にその一例を示す。
ニトロ+ロワイヤル
ニトロプラスのヒロインが集結した格闘ゲーム。デモンベイン代表としてプレイヤー参戦。
各断章の魔術や、先述の二挺拳銃を用いて戦う。
基本的にアルが格闘ゲームに登場すると、距離を選ばず戦えるが攻め手に乏しい器用貧乏なキャラクターになる。
必殺技はデモンベインを招喚しレムリア・インパクトを放つ。生身に当てていいのかそれ。
彼女のストーリーモードのEDだけ、他のヒロインとは違い、パロディとギャグに満ちた壮絶なものと化している。
黒歴史となったアニメ版デモンベインを自分自身で扱き下ろしてパロディに組み込むという凄まじいことをやらかしている。
ニトロプラスブラスターズ -ヒロインズインフィニットデュエル-
ニトロ+ロワイヤルの流れを汲んだ作品であり、プレイヤーキャラ続投。
ニトロ+ロワイヤルから性能や方向性は特に変わっていない。
本作のアルはロリにしては明確に胸元が膨らんでいる。膨らみかけといって通じる状態である。人妻故か。
アル・アジフ・エクス・モルテス
所謂「バージョン違い」のアル・アジフ。ストーリーモードのラスボスを務める。当然ながらCVは神田理江。この作品でも人外ロリ3種全てを演じている。
褐色肌に白い髪、黒い衣服に琥珀色の瞳と色は違うが、それ以外の外見特徴はアル・アジフと変化はない。
バルザイの偃月刀以外の技が全て差し替えられており、ニトロワから持ってきたような飛び道具すら取れる超性能当身技と、設置技の追加された豊富な飛び道具、果てはリーサルブレイズで吸い寄せからのガード不能ブラックホールと、ラスボスらしい異常な性能を誇る。無論共通技もラスボスらしく大幅強化される。
飛び道具無効技で弾幕を掻い潜り、必殺のリーサルブレイズを逃れつつダメージを与えていきたい。
ちなみに、名前の元ネタは「死霊のはらわた」にて登場した死の書「ネクロノミコン・エクス・モルテス」と思われる。
家庭版でその正体は明らかになる。黒幕が「原作終盤のある戦い」にて敗れたアル・アジフの残滓をかき集めて形成された存在である。故に「死せるアル・アジフ」。
本体は間違いなくアル・アジフそのもので構成されているが、あくまでエクス・モルテス自体は模造品とされている。
アル・アジフストーリーを最後までクリアすると、彼女の形成された一幕が明らかになる。そして、一枚絵のアル・アジフはエクス・モルテスの色に染まりかけており―――。
スーパーロボット大戦UX
黒歴史のアニメの名義を借りて登場。まさかのアダルトゲーム原作の作品の参戦に驚愕したファンも多いだろう。フォリア状態不可避。
序盤から再現されるが、自陣への合流は少し遅めであり、原作のとある場面の再現で離脱により使えない期間も存在する。
そんな彼女の最大の見せ場は、中盤バイストン・ウェルに転移した先での出来事。
反乱軍にお世話になっていた自軍だが、そこにホウジョウ軍の使者が現れる。
和平と見せかけ、反乱軍を壊滅させるべく奇襲を仕掛けたホウジョウ軍だが・・・何と、彼らが攻撃を仕掛けたのは、ニトクリスの鏡で複製された反乱軍の拠点のコピーだったのだ。
三国志の軍師の知を得た魔術のまさかの活躍に、原作者である鋼屋ジンすら「こんな使い方をするとは」と驚いたほどである。
余談
すーぱーそに子がアニメにてアルのコスプレをしたことがある。
人外ロリだからこそ映える衣装に肉感的な彼女が組み合わさるとそれはまた凄まじい破壊力であるのだが、既にその領域には先駆者がいて・・・。詳しくは後述。
関連動画
関連商品
・・・なお、アル・アジフの体型については先述の通りだが、巨乳絵師・いのうえたくや氏とまさかの悪魔合体コラボレーションを果たしたフィギュアがこちら。
謎の組み合わせ、そしてこのイメージとのギャップが生み出す凄まじいレムリア・インパクトは未だに語り草である。
関連項目
- デモンベイン
- 朝宮咲/神田理江
- スーパーロボット大戦UX
- ニトロプラスブラスターズ
- マスター・オブ・ネクロロリコン/シャイニングガチペドロリコン(見事アルを娶った自称ロリコンに対する賞賛)
- 人外娘
- クトゥルフ神話/萌えクトゥルフ
- 格闘ゲームのキャラクター一覧
- 1
- 0pt