アンチとは
- (anti-): 「反~」「対~」「抗~」を意味するヨーロッパ諸語の接頭辞。語源は古典ギリシア語の前置詞 ἀντί 。
- (anti): 1 から転じた名詞「反対(論)者」、形容詞「反対(意見)の」、まれに前置詞「~に反対して」(=against)。
- 1, 2 から転じた和製英語「反発」「反発力」「対抗勢力」の意。
- 3 から更に転じた和製英語。ある対象を激しく嫌悪し、また罵倒したくてたまらない人。
当項目では日本語内の外来語としての 1, 2 を簡単に解説した後に 3, 4 を扱う。
概要
アンチという英単語由来の接頭辞は日本語の中でも「アンチ〇〇」のようによく使われている言葉である。主に「反~、対~、抗~」などと略されることが多い。
- アンチエイリアス - パソコンの画面表示がギザギザになるのを防ぐ機能。ぼかし処理。
- アンチヒーロー - 一般的な英雄像・主人公像に対抗するようなヒーロー。
- アンチロックブレーキ(ブレーキング)システム - 自動車のタイヤがロックするのを調節する安全装置。ABS。
- アンチテーゼ - 通常の命題に対抗するような命題。反定立。反対の理論。
- アンチウィルスソフト - コンピューターウィルスに対抗するためのソフトウェア。ウィルス駆除ソフト。
この接頭辞としての使い方は現在でもされているが、現在では以下のような派生の意味でも使われるようになった。
野球用語「アンチ」
1970年代頃から野球用語として「アンチ巨人軍」などという言い方が存在する。
これは、「反巨人軍」を意味する単語として使われていたのが始めである。また、巨人軍以外でも「アンチ〇〇軍」のようにも使われていた。(1983年には畑田国男が「アンチ巨人讀本」という本を出筆。)
この「アンチ巨人軍」「アンチ巨人」は「反巨人軍・反巨人」だけを意味する言葉であったが、1980~1990年代と月日を経過するごとに「巨人ファンに対抗する人」の意味でも使われることが増えるようになる。
野球愛好家にとっては同じ野球愛好家同士が集まっても、どの球団を自分が応援しているかで対立の対象となる為にこの単語が頻用されていた。
この野球用語としてのアンチは「アンチ+(球団名)」の形で使われるのが主流である。
インターネット用語「アンチ」
インターネット上では「アンチ」という単語は上記よりさらに異なった使い方をされるようになる。
これは1999年に設立された掲示板サイト2ちゃんねるに大きく由来する。
1999年10月8日に「プロ野球板@2ちゃんねる」は設立し、ここでも「アンチ〇〇」という単語は頻用されていた。
さらに2000年3月4日には、『アンチ球団板@2ちゃんねる
』という板(スレッド群)が建設された。
このアンチ球団板は、自分の嫌いな球団についてなどを語り合う場所として当初から使われていた。
次第にアンチ球団板などでは、「アンチ」という単語のみで「〇〇球団が嫌いな人」のような意味で使われるようになる。(ここで接頭語として使われなくなり、「アンチ〇〇」と表現しなくなるようになる。)
さらに、他の板でも通称「アンチスレ」というスレッドが立つようになり(ここでのアンチスレの意味は特定の対象物に対し嫌いな人が集まる場所として利用されていた)、さらに2ちゃんねる全体に広まるようになった。
2ちゃんねる用語としての「アンチ」は、「アンチは家に帰って寝ろ」「アンチはネット止めろ」「アンチは死ね」のような人物を表す名詞のように使われることも多く、特に「激しく対象物に対し嫌悪感を抱く人」のような意味で使わる。
さらには漫画やアニメといった作品のファン(愛好家)の対義語のような使い方をされることも多い。
なお、ニコニコ動画においても「アンチが動画を荒らす」のような使い方をよくされている。
以下、この記事ではアンチという単語を「対象に激しく嫌悪感を抱く人」「反発者」の意味で解説する。
アンチ(反発者)の心理
心理学者・フロイトによると、「反発」という心理は、心が未発達な赤ん坊の頃から認識しうる原始的な感情の1つであるという。この反発に対する「怒り」は凄まじいものがあると考えられており、対象を粉々に打ち砕いた程度では収まらないほどであるとも言われている。
赤ん坊が真夜中にあって全力で泣くのも、この「反発」からくる感情の発露の1つであると考えられている。
まさに、反発という行動原理は赤ん坊の夜泣きに似て、ありとあらゆる迷惑・理屈・感情を無視して我意を通し、しかして対象の状態を問わず、自身の怒りが収まるまで激怒し続ける存在である。
この怒りは外因性であるが、同時に内部にも原因が存在するため、たとえ対象が正論でもって反駁しても、自身の怒りが収まらないためまた罵倒を繰り返す。これもまた夜泣きに似ているといえよう。
ネットにおけるアンチ(反発者)の主な行動
例えば、そこに「自分の嫌いなもの」があるとするならば、誰でも反発者になることができる。そして、なんとしても「自分の嫌いなもの」を阻止する過激な反応を見せるまでに至る。
「自分の嫌いなもの」で楽しむのが許せないと言った感情を持ち、「自分の嫌いなもの」を楽しむ人間を更に嫌うため、荒らしに行ったり、「自分の嫌いなもの」に対して掲示板やブログなどで、批判的な書き込みをするなどの行動などが挙げられる。
また、それとは逆に「自分の嫌いなもの」をやりすぎと思うほどに過剰に誉めたり宣伝するような、愛好家が行うような行為を行う場合もある。この場合でも行動原理は上記とほぼ同じで「自分の嫌いなもの」で楽しむ奴らが許せないため、そのような奴らの評判を落としたりする目的での行動である。
間接的被害者から転向した反発者
単純に愉快犯だったり嫌いだから反発者になる人間ばかりではない。愛好家、あるいはマスコミ等の執拗な趣味の押し付けを受け続けた挙句、生理的嫌悪感と過剰な精神的ストレスから新たな反発者が生まれてしまう場合も少なくはない。もっとも、そういった人間が「○○は俺たちに迷惑をかけた!」などと言って他の場所で荒らしを行う場合もある。
熱烈な愛好家から転向した反発者
愛好家の中には、設定や展開が自分が(勝手に)期待していたものと違ったと感じたときに、作品や作者に対して裏切られたと感じる者がいる。そのように感じてしまうと、作品や作者に対する感情が180度切り替わり、反発者となってしまうことがある。このような場合、反発行為が強力なものになることが多い。まさに愛情と憎悪は背中合わせ。
反発を娯楽化した反発者
(特に有名な)作品や作者または支持者たちに反発することに悦びを見出す者。反発行為そのものが目的化している点で本来の反発者とは事情が異なる。彼らは粗探しの為だけに大して興味の無い作品を作者以上に熟読し、斟酌を加えず一刀両断、というか身も蓋も無い評価を下す。ブログやツイッターの急成長で目立ちつつある者。
最後に
荒らし行為は反発だが、反発者全てが荒らしているわけではない。だから、2ch等のアンチスレに行って「荒らすなコラ」とは言わないほうがいいと思われる。たまに本スレに突撃することもあるが、完全無視に徹するべきである。
ファンが多いものには必ずそれを嫌いな者が居る、だからそれを容認し好戦的にならず静かに見守ってあげてほしい。下手にあれこれ言いはじめると荒れる元になってしまうし、それこそ彼らの思う壷というやつである。
要は大きな心を持ち、反発者(アンチ)をひっくるめた全てを愛することが大事とも言える ・・・はず、たぶん。
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読み:アンチ
初版作成日: 08/06/16 05:42 ◆ 最終更新日: 11/12/24 10:27
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