アーマードトルーパー(Armored Trooper)とは、サンライズのアニメ『装甲騎兵ボトムズ』に登場する架空の人型兵器である。直訳すると作品タイトルの「装甲騎兵」、略称は「AT」である。
紙クズ同然の薄い装甲、着弾すれば爆散必至の廉価な量産兵器である。兵士の命と共に使い捨て消耗品の歩く鋼鉄製棺桶と言える。生産コスト的にも他作品と比較しても最も安価であろう、使い捨て前提の兵器である。
概要
全長4m前後という、密閉コクピットに搭乗する人型のロボット兵器としては最も小型の部類に入る。
メカデザイン担当の大河原邦男曰く、実在の軍用小型四輪駆動車のジープ(Jeep)を念頭に置いて設定・デザインした人型兵器。
炸薬式アームパンチや回転するターレット、足裏のホイールによるローラーダッシュ等、随所に散りばめられた動きのおもしろさを追求したギミックが最大の特徴。
百年戦争末期にギルガメス陣営のメルキア星により最初に開発され、特にATM-09-STスコープドッグが成功をおさめこの功績によりメルキアはギルガメス陣営の首星となる。バララント陣営もこれに対抗しBATM-03ファッティー(ギルガメス名。バララント側の正式名称はフロッガー)を開発し戦局は混迷を極めることとなる。得手不得手はあるものの、ある程度の環境ならばオプションの変更だけでも対応はでき、さらに携行火器の持ち替えも容易なためATは瞬く間に戦場に広まった。
ATは機体各所に配置された人工筋肉マッスルシリンダーと血液に相当するポリマーリンゲル液(PR液)が主な動力。
構造は非常にシンプルで、ちょっとした機材があれば少人数(最悪1人)でも各部の分解整備や改造が可能。(小説版孤影再びでは「ローテクの塊り」とまで言われている)
対弾性よりも機動性を重視した構造上装甲は脆弱で、歩兵携行火器(歩兵兵器)程度でも致命傷になる事がある。
もちろんATの持つ火器に至っては数発で撃破される事も珍しくはない。
さらに機体全体を循環するPR液は引火性が高く、脱出装置と呼べるような機構も備えていないため、パイロットの死亡率は非常に高いものとなっている。
これは兵員の生存率よりも徹底的なコスト削減を重視した結果。一応、股関節下部に消火器程度は備え付けてある。
ATの動作パターン制御は、ミッションディスクと呼ばれるディスクからロードされるソフトウェアをコンピューターが読み込んで行う。ミッションディスクの制御ソフトウェアを書き換える事によりソフトウェア上のチューンアップが可能である。
ミッションディスクの存在は『機動戦士ガンダム』の後付け設定、地球連邦軍人型機動兵器モビルスーツ(MS)の学習型コンピューター、『太陽の牙ダグラム』に於ける人型陸戦兵器コンバットアーマー(CBアーマー)の対XネブラCBアーマーに続くサンライズ作品でのコンピュータ描写であった。
『機動警察パトレイバー』の篠原重工製レイバー用OS"HOS"等や、『ガサラキ』のタクティカルアーマー(TA)コンピューターのリアルなメカ演出描写が後に続く事となる。
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関連項目
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