アーマード・コア ブレイブニューワールド(ARMORED CORE BRAVE NEW WORLD)とは、フロム・ソフトウェアのメカカスタマイズアクションゲーム「アーマード・コア」シリーズを題材とした、公式小説作品である。通称は「ACBNW」。
著者はアーマード・コア4アナザーストーリー、アーマード・コアレトリビューションなどを手がけた神野淳一。イラスト・キャラクターデザインは村上ヒサシ。
電撃ホビーマガジン(アスキー・メディアワークス)2008年10月号から2010年6月号までの二年間連載され、後に単行本化された。
本誌連載時には本誌とWEB双方で連載する手法を採っており、特に終盤に採用された「本編の一部を本誌に掲載し、完全版をWebサイトに上げる」という連載形式は、後の電撃ホビーマガジンの連載作品のスタンダードとなっていく。
概要
「アーマード・コア ザ・フェイク・イリュージョンズ(ファミ通文庫/1998)」より数えて六作目となるACの公式小説。ただし、世界観に関してはどのシリーズにも属さないオリジナルとなっている。
模型雑誌の連載という事もあり、登場機体は事前に行われたコンテストによる公募という形式を取っており、主人公機はコトブキヤのヴァリアブル・インフィニティ(ACVI)シリーズでの立体化が行われた他、「アーマード・コア3portable」、「アーマード・コア サイレントラインportable」へのゲスト出演を果たしている。
物語の要所に挿入される挿絵は村上ヒサシによるイラストと、フロム・ソフトウェアがACVIの写真を加工して手がけたデジラマによって表現される。
女性を主人公とし、模型作品をメインに置いている故にゲームでは不可能なアセンブルの機体が多数登場するなど、「ゲームとしてのアーマード・コア」を知っている人間にとっては抵抗感が強い作品となっているが、そのストーリーの評価は高く、また過去作のオマージュも多分に含まれている。
ストーリー
最後の国家間戦争と言われる「大破壊」により壊滅的な環境破壊を受けた地球。
登場人物
- 鴉山深月
主人公。 相棒のミルキーと共に、東京湾に浮かぶ人工島「トーキョーフロンティア」のアリーナで活躍するレイヴン。レイヴン名は「ダブルハート」。
幼少時に東京で勃発した紛争で家族を失い、サーティに拾われた事から彼に師事しACの操縦技術を学んできた。
17歳の少女だが、男性的な風貌からよく男に間違えられる。
当初こそ、負けが続きアリーナ下位に甘んじていたが、アスマと出会った事でその才能を開花させ、サーティの死、そして世界の闇について触れていく事になる。
搭乗ACは「ウィクトーリア」。 - セシア・ミルキーカフェ(ミルキー)
深月の相棒であるオペレーター。深月を「王子様」と呼びからかうサーティの実子。
気分屋だがオペレーターとしての腕前は確かなものであり、 ウィクトーリアのジェネレーター出力管理などを担う。 - アスマ・グリーンフィールド
深月達の前に現れた技術者。かつて特殊部隊「クリプトニューム」に所属していたレイヴンである事に加え、AC開発者という経歴を持ち、AC用の試作パーツを手配するなどその方面に対して太いパイプを持つ。
元クリプトニュームであるサーティとは戦友という間柄で、彼の最後を看取った唯一の人物。
メカニックとしても一流だが、必要とあれば自らACに乗る他、料理も得意。一方で女性関係には疎い。 - サーティ
ミルキーの実の父親。匿名の特殊部隊「クリプトニューム」に所属していたベテラン。レイヴン名は当時のコードネームをそのまま使用する。
レイヴンを「ジャングルを焼く炎」と喩え、戦争に対して独自の観念を持つ。
アスマと共に正体不明機が絡むミッションに参加し、 命を落とすが……。 - オルクス・ノワール(ナイン)
トーキョーフロンティアアリーナのトップランカー。サーティ、アスマと同じく元クリプトニューム隊員。クリプトニューム時代よりバイザーで顔を隠している。
年間総依頼額3年連続トップのセレブだが、それに見合うだけの技量を持ち合わせる実力者。
その一方で、サーティの死に関係する人物と目されるが……。
乗機である「ノワール」は、その名の通り全身を黒曜に染めた中量二脚型ACである。そのアセンブルはほぼNB版ナインボール。
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関連項目
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