イドラ(yidhra)とは、クトゥルフ神話における神の名前である。
概要
イドラは若く魅力的な女性として姿を現わす外なる神である。地球の命の母であり豊穣の女神。
ただそれは本当の姿ではなく錯覚であり、本当の姿はイドラに気に入られた崇拝者のみ見ることができるという。その姿はまるでシュブ=ニグラス(Shub-Niggurath)のよう……
なのでアザトース(Azathoth)から産まれシュブ=ニグラスを産んだ闇(Darkness)に関連すると考えられている。またイグ(Yig)とは交わりエイイグ(Ayi'ig)という子供を産んだとされている、それが本体であるかはわからないが。
別名〈夢の魔女/The Dream Witch〉〈覆い隠すもの〉〈イー・ト・ラー/Yee-Tho-Rah〉。
イドラを知りたいと願いのなら『太古の恐怖』、『スラング年代記』、『クトーニアンの啓示』などの数少ない書物から知識を得るしか方法はないだろう。
イドラが地球にやってきたのは地球に微生物が登場した頃まで遡らなければならないほど不滅の存在である。変化していく環境に順応するために食べたものの特性を引き継ぐという能力を備えている。
また、様々な様相をした自分自身を切り離して、それぞれをコントロールしており、世界各地に散らばっているという。そのため、その過程で様々な化身が生まれ、そしてどれかが生き残ることで不死であり続けるといわれている。
化身として知られているのはイ婦人やハゲタカのようなイハス、地面を掘り進むゾスラ、美しいヨランダなどである。
イドラ崇拝は太古の昔から行なわれており、有名なところではヴーアミ族によって崇拝されていたという。
現代においてのイドラ崇拝は世界各地で行なわれており、代表的な場所としてはビルマ、ラオス、ニューメキシコ、テキサスなどで献身的な崇拝が行なわれているといわれ、〈イー・ト・ラー〉という呼び方をしているのはアパッチ族とコマンチ族の間で語り継がれる伝承である。
また〈砂漠に潜むもの(The Lurkers in the desert)〉ゼスラ(Xothra)、ヤハト(Y'hath)、〈イドラの子供たち(教団)〉に崇拝されているという。
〈イドラの子供たち〉は主に人間で構成された教団だと考えられ、イドラか化身と接触することで変異し、奇怪な怪物へと変貌することがあるといわれている。
それでも崇拝者は最終的にイドラの一部となって不死を得ることを望んでいるという。また、崇拝者は十分な自然の実りを受けることができるといわれている。
登場作品:『What Lirks Among the Dunes』(2006)ーWalter C. DeBill Jr.
イ婦人(イドラの化身)
イ婦人はイドラの化身のひとつだといわれている。
その存在は美しい白黒のローブを身にまとう女性の姿をしており、風に乗って浮遊することができるという。
美しい顔をしており、長い黒髪は一本のポニーテールになっている。そして両腕にはまるで剃刀のように鋭い爪を備えているという。
イ婦人もイドラと同じように吸収を行なわなければならないため、頻繁に若い男性を捧げるという。
イ婦人は捧げられた若い生贄をその爪でバラバラに切り刻み、複数の怪物を生み出すといわれている。
登場作品:『Where Yidhra Walks』ーWalter C. DeBill Jr.
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