インドリとは、サル目インドリ科インドリ属に分類される古いタイプのサル(原猿)の仲間である。
概要
インドに生息しているからインドリ、というわけではなく、マダガスカルに生息する固有種。原猿の種類の中では最大の大きさをほこり、体長は60㎝から67㎝ほど、尾長は4㎝から5㎝ほど、体重は6㎏から7.5㎏ほど。キツネザル科と比較して、尻尾が短い。身体の色は、顔・肩・背中・腕の体毛が黒く、他は白い。
昼行性で、低地の多雨林に生息しており、2頭から6頭程度のペアや家族単位の小規模な群れを形成する。鳴き声は3㎞も離れた場所にも届くほどで、これによって群れと群れが互いの縄張りを主張する。こういったこともあってか、違う群れ同士が接触することはほとんどなではく、群れ同士の争いが起こることもない。
食性は植物食で、果実や木の葉、花などを食べる。主に食べるのは木の葉だが、ときどき地表に降りて土を摂取することもある。
マダガスカルでは神聖な動物として扱われている。祖先の化身と考えられており、法的にも文化的にも狩猟の対象にはなっておらず、保護の対象となっている。現地の言葉で「ババコトゥ(父の子)」と呼ばれて、槍を投げると正確に投げ返してくるともいわれていた。
しかし、人口が増えたことにより、焼き畑をして森林を減少させてしまったことで生息範囲が狭まり、絶滅の危機に瀕している。
インドリの名前の由来は、現地の人が「ごらんなさい」や「ほら、そこに!」といった意味の言葉である「エンドリナ」と言った際、外国の学者が動物の名前だと勘違いしたことから由来しているといわれている。
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