ウエストひかりとは、JR西日本が山陽新幹線に投入していたひかりである。
概要
国鉄時代及び民営化直後の山陽新幹線は東海道新幹線の延長線という位置づけで、ダイヤは東京基点となっていた。この為山陽新幹線の需要に必ずしも一致しているとは言えなかった。
また、山陽新幹線では「ひかり」であっても各駅に停まる場合もあり、「ひかり」が「ひかり」を追い抜く事も珍しくは無かった。
これらを受けて民営化後のJR西日本は伊丹・福岡に代表される空路との競争が激しい山陽新幹線の向上を図るべく山陽新幹線の需要に合った「ひかり」を導入する事となったのである。
1988年3月13日に0系「ウエストひかり」が山陽新幹線へ投入された。塗装は100系同様の子持ちラインとなり、従来の0系と区別されている。また、ドア横には「ウエストひかり」を表す「W」をかたどったマークが貼り付けられていた。
なお、この時期から1991年夏頃まで6両編成の0系同士を併結した編成も運転されていたが、運行管理システム上の取り回しが悪く、定着はしなかった。
その後も阪神・淡路大震災もあったが順調に運転されていく。
が、300系・500系・700系といった高速車両の導入に伴い東海道・山陽新幹線の速達列車は270km/h以上と高速化した。老朽化した0系では220km/h以上の速度向上が見込めない為に新型車両による「ウエストひかり」の高速化を行う事となり、2000年3月11日に後継となる700系7000番台「ひかりレールスター」が登場。同年4月21日に「ウエストひかり」はその役目を終えた。
シネマカー
1988年4月1日にサービスが開始されたもので、7号車に設定されていた。定員は38名。
遮光カーテンにスクリーンに専用プロジェクター、スピーカーと本格的なものだったのだが人気があまり出なかった為に1994年3月にサービスは終了。シネマカーはその後普通車へと改造された。
上映されていた映画は雑誌の記録によると『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『インディ・ジョーンズ』などの登場大ヒットしていた娯楽作が多かったようである。
「ウエストひかり」データ
- 車両:0系新幹線電車
- 会社:JR西日本
- 運用線区:山陽新幹線
- 最高速度:220km/h
- 所要時間:2時間59分(最速)
- 停車駅:○は停車、─は通過、△は一部停車
(※小郡駅は現在は新山口駅となっているが、営業時は小郡駅だったので小郡駅と表記している)
新
大
阪新
神
戸姫
路岡
山福
山広
島小
郡新
下
関小
倉博
多速達タイプ ○ ○ ─ ○ ─ ○ ─ ─ ○ ○ その他 ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ △ ○ ○ - 編成図(WR編成)
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 自由席 自由席 指定│ビュッフェ 指定席 指定席 指定席 - 編成図(Sk編成):なお、7号車にシネマカーがあった編成はWKV編成と呼ばれた
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 11号車 12号車 自由席 自由席 自由席 自由席 自由│ビュッフェ 自由席 自由席 グリーン 指定席 指定席 指定席 指定席
ちなみに
- 「ウエストひかり」が100系ではなく0系なのは、民営化時に当時営業運転に入っていた100系をJR東海が全て継承した為。この為JR西日本には0系しかなく、その中から状態のいい車両を選んで延命工事を施した上で「ウエストひかり」に投入した。
- 山陽新幹線の需要に合わせた0系の短編成化自体は国鉄末期の小倉~博多間で行われていた。
なお、この0系短編成化が2008年まで0系を第一線で活躍させる事が出来た要因の一つでもある。 - 運用終了後はSk編成は編成を解除されているが、元々国鉄から継承した0系の中から選りすぐられた状態の良い車両である為「こだま」用WR編成へと組み替えられた。
2008年の引退まで活躍したのはこの時に組まれた編成である。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の使用車両 |
0系 - 100系 - 300系 - 500系(WIN350) - 700系 - 800系 - N700系 - N700S - ドクターイエロー |
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の列車名 |
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