ウラル語族とは、言語族の一つである。
概要
前述の通り、ウラル語族はウラル山脈を中心として東ヨーロッパの一部で話される言語系統の名称である。
かつてはアルタイ語族(モンゴル語、トルコ語が代表的)と共にウラル・アルタイ語族を形成し、世界三大語族(残りは印欧語族とアフロ・アジア語族(アラビア語に代表される))の一つであると言われたが、現在では否定されている。
実際、ウラル語族とアルタイ諸語の間にはいくつかの共通点がある。
- 主語-目的語-述語(SOV)の語順である。
ただしこれはSVOと並んでありふれた語順であるし、語順は歴史の中で入れ替わることも珍しくない。 - 膠着語(単語に様々な接頭辞や接尾辞がくっついて意味を変化させる性質をもつ言語)である。
- 母音が2つのグループに分かれ、ひとつの単語に両方のグループの母音が混ざることはない(母音調和)。
また、人名も姓→名の順であることが多い(フィンランド人などは例外的に名→姓)。
分類
ウラル語族はフィン・ウゴル系とサモイェード系に大別され、さらにフィン・ウゴル系はフィン系とウゴル系に分別される。
語派 | 語群 | 語 | |||
---|---|---|---|---|---|
フィン・ウゴル語派 | ウゴル諸語 | ||||
オビ・ウゴル諸語 | |||||
フィン・ペルム諸語 | フィン・ヴォルガ諸語 | フィン・サーミ諸語 | バルト・フィン諸語 | ||
|
|||||
ヴォルガ・フィン諸語 | |||||
ペルム語 | |||||
サモイェード語群 | 北サモイェード諸語 | ||||
南サモイェード語 |
- ハンガリー(ウゴル系)
- フィンランド(フィン系)
- エストニア(フィン系)
- ラップランド(フィン系)…ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・ロシアに跨がる地域。
- カレリア共和国(フィン系)以下はロシア連邦内の共和国である。ロシア連邦内の共和国も参照。
- コミ共和国(フィン系)
- ウドムルト共和国(フィン系)
- マリ・エル共和国(フィン系)
- モルドヴィア共和国(フィン系)
- ハンティ・マンシ自治管区(ウゴル系)
- ネネツ自治管区(サモイェード系)
- ヤマロ・ネネツ自治管区(サモイェード系)
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関連項目
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