ウルトラマントレギア単語

57件
クルオシイホドノコウキシン
1.3万文字の記事
  • 8
  • 0pt
掲示板へ

私は提供しているだけさ。 

正義が欲しければ正義を。悪が欲しければ悪を。

するとどうなる?

みんな他人のが許せなくなる。

他人の贅沢、他人の美貌、他人の幸福が許せなくなる

やがて人と人、とが争い合い、君たちの言うは簡単に壊れる。

ウルトラマントレギアとは、ウルトラシリーズに登場する悪のウルトラマンである。

CVレギア大好きおじさん内田雄馬

概要

劇場版ウルトラマンR/B セレクトクリスタル』で初登場。を基調とした容姿をしており、元にはオペラ仮面、胸にはX字拘束具でカラータイマーを覆う等、既存のウルトラマン像からかけ離れた容姿をしている。トレラアルティガイザーという線技の他、怪獣暴走させるイスキュロスダイナミス魔法陣を介して単独で多元宇宙マルチバース)を行き来するトレラ・スラーといった呪術まで扱える模様。

後に地上波で放送される『ウルトラマンタイガ』では主人公ライバルとして暗躍し、前日談でもある『ウルトラギャラクシーファイト』ではウルトラ戦士への復讐を志すウルトラダークキラーながら協していた。

人物像

口調は至って紳士的で、表面上は物柔らかな態度を取っているが、その本性は狡猾にして残。数多の宇宙を行き来しつつ、突如として異間から姿を現し、破れて行き詰ったり悩み事を抱えたりしている人間を言葉巧みに誘惑し悪や絶望に誘い込み破滅に追いやっている。最終的には相手に見合った二択選択肢を突き付け、どちらを選ぶか相手に決めさせるまでが手口。

一例として戦いを終えて皆が各々の進路を見出す中自分だけ何の進路を見い出せず、破れた友人になれない感に打ちひがれるカツミの前に現れ、「ウルトラマンとして宇宙立ち救いをめる者達のになるか、このまま何も出来ない青年として生きていくか」の二択を突き付けている。

一方物事が自分の思い通りに行かないと気に召さない性格でもあり、アサヒがウルトラウーマングリージョ覚醒した際、タイガがヒロユキ達とので新たなを手に入れた際には普段の態度からは一変して癇癪を起こしている。相手から敵対心を向けられようとやる事を済ませたらそそくさと帰る気分屋でもある。

劇場版シナリオを作成する担当した中野く、「ベリアル帝国を率いる魔王ならトレギアは人々の心に隙入る悪魔」「現代社会においてもが抱える不満や憤を募らせた者の前に現れ、そいつの欲望解放させる事に悦を見出す悪人」と新しい悪トラマンを生み出す上でウルトラマンベリアルとの区別化も踏まえたキャラ付けを意識しているらしい。

劇場版ウルトラマンR/B

ウルトラマンロッソカツミの友でもある戸井ゆきおに干渉し、自身のスネークダークネスという怪獣に変えさせた。

かつての戸井は皆にを与えられるゲームを創る事を志し、ゲームクリエイターとして専門企業に就職したが雑用ばかり押し付けられ、思うように働けない環境からやがて退職。に養われながら挫折と後悔に苛まれる戸井の心の弱みに漬け込み、いずれ世に出そうとしていたクリーチャーデザイン現実に具現化させ、自分を認めてくれない世界そのものへ報復をするように唆した。“暗闇の”という意味から名付けた戸井のセンスには「中々の厨二病」と評している。

それ以外にもベリアル息子である朝倉リクことウルトラマンジードを付け、彼の友であるペガ(ペガッサ星人)を怪獣の中に取り込ませ「大罪人の息子として産まれた彼が友を失った時、のように闇に魅入られるか否か」を確かめるために怪獣ごとペガをリクに殺させようと論んだ(※ライハやAIBの助けが得られないシチュエーションにするために、サイドスペースからウルトラマンが存在していないと思われていた宇宙にあるまでリクとペガを連れ出した)。

兄妹によって誕生したウルトラマングルーブとウルトラマンジードウルティメイトファイナルによって倒されたが、EDによって生存していた事が判明。その際カメラ目線で観客に話しかける、第4の壁を意識しているかのような演出がなされている。

後に発売されたR/B全集ではラスボスにして元は宇宙血球と呼ばれていたルーサイト遺伝子を弄り、暴走させた原因である事が明かされた。

ウルトラギャラクシーファイト

煮え湯を飲まされたグルーブへの対策も兼ねてウルトラダークキラーウルトラウーマングリージョを人質に取り、ウルトラマン達を誘い込むように唆した模様。異間で魔法陣を通してギンガ達新世代ウルトラマンの戦いを見物していたが、居場所を特定したウルトラマンリブットと交戦した後、退却した。その後ギンガ達の前に現れ、自身を闇のウルトラマンと評すジードに対して「そうやってお前達は片方の側面からしか物事を見ない」と反論。その後光を壊すしかないと宣戦布告する。

ウルトラマンタイガ

今作で出身地がM78である事、主人公タイガのでもあるウルトラマンタロウ友であった事が明かされた。ベリアルに次ぎ、における二人の悪トラマンである。公式Twitterによると闇に堕ちる前はウルトラマンヒカリ同様ブルー族の科学技術局・局員として宇宙平和のため尽していた(ヒカリの辞職からしばらく経った頃、当時の技術局長官から次期副長官就任の相談をもちかけられるほどの業績を出していた)が、やがて正義と悪、と闇について研究を続けていく内にから出奔してしまった(後に明かされた媒体ではメビウス地球防衛任務を任される前と思われる時期には既に姿を消していたらしい)とのこと。

タロウとは学生時代からの仲であり、かつてタロウが好きな女子ウルトラウーマン)にラブレターを出す際に内容を添削してあげた程の仲らしいが、を攻める直前(『第一話』)にタロウと対峙した際には普段の飄々した態度を一変させ、『ウルトラヒーローズEXPO 2020』ではタイガの危機に駆け付けたタロウ「会いたかったよ」と部を右腕で貫き、その後突き刺した腕を顔に擦り付けた後、おしそうに抱き締めるなど、相当んだ感情を抱いている模様(なおウルトラ心臓事だったおかげでタロウ復活した)。

地球で潜するに辺り、「崎(演:七瀬)」という青年の姿に擬態しており、元の姿に戻る際には専用アイテム・トレギアアイで変身を行う。

宇宙人ながら生活している地球を付け、滞在している宇宙人を唆す、怪獣理矢理暴走させる、密になれた宇宙人の前で殺す等、あらゆる手でタイガとヒロユキ達を追い詰める。特にヒロユキが幼い頃生き別れてしまったチビスケ(キングゲスラ)を大人しくさせたにも関わらずタイガとヒロユキ絶望させるための前でチビスケを痛めつけ最後にはタイガをわせる形で殺した際はあまりの後味の悪さに視聴者に濃い印を残した。犯罪者マフィアで構成された異人組織・ヴィランギルドからも「厄介な存在」として危険視されている模様。

タロウという偉大な父親息子としてのプレッシャーもが「タロウ息子」としてしか評価してくれない不安と焦りを抱くタイガには闇に堕とせられる素質を感じたようで、自身の下にある怪獣を倒す事で手に入れられる指輪を敢えて渡し続けた。それは怪獣達のを扱える反面、使えば使うほどタイガの意識を闇で侵食していき、最終的にはヒロユキが届かなくなるまで闇に蝕まれたタイガは意識すら奪われてしまい、自分の意のままに動く人形と化したタイガをタロウ達が待つへ向かわせようと論んだ。

昨日までのタイガは死んだ。新しいタイガの誕生だ。

もう地球人がいなくても変身できる。新しい相棒は闇のエネルギーというわけだ。

君と僕とでバディゴー

しかしタイガとのを諦めなかったヒロユキ達とタイタス、フーマの手によりタイガは闇から開放された。タロウ息子としてではない、タイガ個人として向き合ってくれる相棒仲間達の存在を再確認し、自らのコンプレックスからも脱却したタイガ達は新たなトライストリウムへと覚醒する。自らの計画が狂った事、それも地球人如きとので形勢逆転されたトレギアは憤慨する。

まだるのか、反吐がでる!

この弱者が!貴様らが宇宙の番人だとが決めたッ!

余裕をくしたトレギアの攻撃は全ていなされ、新たな技・トライストリウムバーストによってタイガ達の前に敗れた。

何がだ…!

貴様らに私の何が分かるッ…!!

この時の戦いで地球人でありながらタイガを救ったヒロユキの方にも付け狙うようになり、隙を見ては彼の仲間や身近な者達を何度もの前で死に至らしめる嫌がらせを続け、「自分が狙われている以上皆に被害が及ぶ」という認識を植え付けさせ絶望の淵に落とす事を論んだ。

※この項にはウルトラマンタイガ第24話・25話(最終話)のネタバレが含まれています。

最終決戦

ゴース人の地底ミサイルを利用し、惑星を構成する元素エーテルを刺する事で、あらゆる物質やエネルギーを食い尽くす宇宙爆触怪獣ウーラーをトレギアは地球に呼び寄せた。

まるで打つ手のないタイガが苦戦する様子を嗤いながら見ていたが、「体内にあるブラックホールによりどれだけ食べても消滅されてしまう生態のせいで決して満たされない空腹から、自らが起こし続ける悲劇を止めたい」と願うウーラー意を知ったピリカ、E.G.I.S.、トライスクワッド、ヴィランギルドが共同作戦バディ・ステディ・ゴー』を開始すると、計画の妨動いた。宇宙人を忌避する地球人が同じ宇宙人ウルトラマン応援するという矛盾を混沌と評しながら現れ、タイガを後一歩の所まで追い詰めるも、自身を救おうとしている事を悟ったウーラーにとどめを刺すのを阻まれる。表面上の余裕は崩さなかったが、その事態に怒るようにウーラーを痛めつけ、昂したタイガに今度こそ仕留めようとトレラアルディガイザーを放つ。

しかしタイガはそれを受け止め、自身の線とそれを合わせるようにウーラーに向けて発射。 E.G.I.Sとヴィランギルドの協により、体内のブラックホールをすでに効化されていたウーラーは、二人のウルトラマン線を喰らい、空腹が満たされた歓喜とともに爆散する。
決して満たされないまま宇宙を彷徨い、望まぬ悲劇を繰り返してきたその心がやっと救われた。
守るべきものを持たないはずの自分が、ただ傷付ける為に放った線が、ウーラーの命と思いを救ってしまう事実にトレギアは呆然する。
浄化された後に現れたオーロラのようなに見惚れ、温かいとすら感じてしまった。

そんなトレギアにこれまで苦痛を味合わされたタイガとヒロユキは言い放つ。

自分達とお前の持つによってあの怪獣は救われた。

どれだけ運命を狂わし、を弄ぶ悪魔に成り果てようが、お前本質ウルトラマン

命と心を救える可性を秘めた守護者なのだと。

「もう一度の守護者として歩みたいなら!」とタイガは手を差し伸べる。 これまでの所業を許した訳でもい。しかし少しでも彼の中にが残っているとしたら。
レギアはそんなタイガに対して、いた笑いを上げる。

何度も言わせるな…

この世にはも闇もッ!

そんな救いなんて要らないとばかりに、線を放つトレギア。
それでもを信じるタイガはトレギアとの攻防を繰り広げ、やがて高く飛び上がる。
を見上げ、視界に映ったのは太陽を背に佇む勇者の姿。

逆光シルエットとなったそのにトレギアは共に青春の日々をおくった一人の男の名をく。

タロウ

そうだ、タロウ息子

ウルトラマンタイガだ!!

タイガ、ヒロユキタイタス、フーマ。四人のを集結させたクワトロスクワッドブラスターが放たれる。 敗北を悟ったトレギアは、自分の身に降りかかる線を笑いながら受け入れていた。

レギ物語/

デビュー作で闇墜ちした経緯が描かれたベリアルとは異なり、トレギアが闇に魅入られた原因・経緯はタイ本編でも不明なまま幕を閉じたが、放送終了後に発刊されたウルトラマンタイガ全集の書き下ろしストーリーにてその全貌が明かされた。

※この項にはネタバレが含まれています。

第1章 い彼

狂おしいほどの好奇心

そんな意味を込めてからは「レギ」と名付けられた。七つの宇宙では「禁忌」「厄災」「誘惑」を表す事もあり、でも変わった名前だった。

幼い頃からトレギアは知的好奇心旺盛な性格だった。
ウルトラアーカイブ図書館)であらゆる惑星文化や生命体の情報を閲覧し、空を見上げてゆっくり思索に耽る日々を送る。探れば探るほど自分の知識が広がり、クラスメイトと遊ぶよりも一人で過ごす時間を好んでいた。
そんなある日をかけてきた男が居た。

ウルトラマンタロウ

宇宙警備隊初代隊長十字軍隊長との間に生まれたサラブレッドだ。
爛漫で友達を大事にする人柄ゆえに多くの者達を惹き付ける。
勇気があり、正義する者”という名を冠するに相応しい男だった。
何時も隅で思索に耽る様が気になったのか、君と友達になりたいと言ってくるタロウ
レッド族である彼ならば以前から気になっていた立ち入り禁止区域の檻を破れるかもしれない。

自分は偉大な両のご子息である君しか知らない

肩書きなんて関係ない、君自身をちゃんと知った上で友達になりたいんだ

そんな言葉にタロウはしばらく考えた後、トレギアの誘いに乗った。

檻を破った先にあるのはシルバーラスの茂み、クリスタルホログラムが流れる美しい世界。そこは数々の石碑が建てられたウルトラ大戦争で亡くなった戦士達を弔う戦者記念碑だった。未知の場所にかせるタロウと共にしばらく探検していた翌日、担任の教師に二人は呼び出された。戦士達が安らかに眠る場所に勝手に立ち入った件についてだった。

思わず押し黙ってしまうトレギアの前にタロウ名乗り出た。

です。が最初にトレギアを誘ったんです。叱るならを叱ってください。

タロウはトレギアをった。を丸くするトレギアだったが、正直に告白したと判断された教師から許して貰った。一緒に帰る途中タロウは話し掛ける。

また明日も一緒に遊んでくれる?

え?……うん

やったぁ!たち友達になれたね!

満面の笑みを浮かべるタロウはぴょんと飛び上がる。
プラズマスパーク逆光となったタロウシルエット
日差しのような暖かささえ感じるそのはトレギアの裏に焼き尽いた。

タロウ

その時からトレギアとタロウ友になった。

第2章 冒険の日々

友になった2人は数々の惑星を冒険する青春の日々を過ごした。
過酷な環境や危険な原始生物と鉢合わす事もあったが、隣に居る明るいタロウの姿を見るとトレギアは不思議と安心した。
昔では考えられなかった温かい気持ち。彼となら自分は何処へだって行けると信じていた。

高等部に進学してからも、トレギアはアーカイブ研究と思索を続けていた。
ウルトラ族と対を成す暗黒皇帝エンペラ星人の存在。
の関係。恐怖。孤独虚無。闇。
には概念にトレギアの興味と探究心が尽きる事はく、トレギア本人ですらそれは止められなかった。

何を暗い顔してるんだよ、冒険に行こうぜ!

そんなトレギアを掬い上げたのは常にタロウだった。
彼と共に居る時間は胸に渦巻く悩みや疑問から開放される。
意識に近くにあったメモにトレギアはペンを走らせていた。

長い長いがやってきて

の明かりすら見えなくても

太陽のような君がそばにいてくれたら

は怖くない

だからそばにいておくれ

覗き込んできたタロウ音読された上に詩人の才があると褒められた時は、さすがのトレギアも肝が冷えていた。

古代遺跡探索中、思わぬアクシデントに見舞われた。
遺跡に生息する原始生物にトレギアは捕らわれた。もう一体の個体を相手にしていたタロウも近くにいる原住民を護りながら戦うが体力限界に近づいてくる。
友人の命と住民達の命。
どちらを助けるかの二択に迫られる中、トレギアはウルトラ族である自分ならある程度丈夫な体である以上、死ぬ確率は低い事を見越し自分の事よりも先に住民達の救出するよう、タロウを急かす。

私達は強な種族だ。だがではいし、限界がある。

同時に二つを助けられない時、どちらを助けるか選択する時が来るんだよ!どちらも駄にしてしまう前に!

しかし、タロウはそれを払い除けた。

それって大きな犠牲を出さない為に小さな犠牲を見過ごすってことだろう!?

そんな事はにはできない。両方とも助けるんだよ!

曲がった事を許さず、自分の身が犠牲になろうとも皆を守るため戦う。
タロウとはそういう男だった。
決死の思いで発動したウルトラダイナマイトで原始生物を焼き倒し、タロウ友と住民達両方を救い出した。自分には出来ない所業にトレギアは感と、彼のような選択が出来なかった自分に対する情けなさが込み上げてくる。

タロウ、君は本物のヒーローだ。

では私はどうなんだ?

私はヒーローたる資質を持っているのか。

気絶したタロウを担いでる間、トレギアは自問自答を繰り返していた。

やがて青春の日々は終わりを告げる。
二人はそれぞれの進路を考えていた。
タロウと同じ宇宙警備隊、トレギアもタロウと同じ進路を望んだ。
元々ブルー族は技術者文学者などのインテリ系の職業に向いており、その中でもフィジカルが低いトレギアにはハードルが高かった。

私もなれるかな、の使者に。

なれるとも、を諦めなければ!

入隊試験に向けて、自身の体力面の低さを善するためトレギアは血の滲むような特訓を始めた。
適正が事実は承知だった。それでもなりたかった。
友として、ヒーローとしてもしいあのタロウの隣に立っていたい。苦しくても辛くても、タロウと同じの使者になるを、えるための努だけは諦めたくはなかった。

結果、トレギアはギリギリ点数が足りず不採用。タロウは問題く入隊が決まった。
プライドの高いトレギアにとって初の挫折。
自分の至らなさに悲観するトレギアにタロウ科学技術局を薦めた。
前線で戦うだけがの使者じゃない、科学や調平和に貢献するのも立な戦いなのだ、と。
彼の慰めにトレギアは笑みをす。

自分はタロウのようにはなれない。

タロウと違って限界えられるなどかった。

タロウとの冒険の日々はここで終わったのだ。

その事実はトレギアの心に深く刻まれた。

第3章 タイガスパーク

技術局員のトレギアはウルトラマンヒカリが配属する技術・開発顧問で働いていた。
入局して間もない頃、上だったウルトラマンヒカリから科学者としての才と資質を見抜かれ、この部署に抜された。
スターマークシンボルを授けられるほどの功績を残したブルー族の誇り。
そんな彼の期待に応えるためにトレギアは働き続け、多元宇宙での長期活動を可にするためのデバイス開発していた。
警備隊員になったタロウも様々な任務をこなす日々をおくっていた。ウルトラ兄弟ウルトラの父応援に向かう事態になっても傍観するしかかったが、それでもタロウなら必ず生きて帰ってくる事を信じ続けた。

バット星人によるゼットン軍団侵略を対処してからしばらく経った日、ヒカリは辞職してしまった。敵とはいえ自身の軽率な判断と対応から戦争を引き起こした責任を感じ、今は命の惑星アーブで民達の平和を護っていた。
恩師として、上としても尊敬していたヒカリですらリタイヤしてしまう事実にトレギアは気を落としていた。

やがて地球の防衛任務を終えたタロウが帰還してきた。一段と成長し、久し振りに会う姿にトレギアの心は明るくなり、彼の地球での思い出話を聞いていた。
ZATという防衛組織で同じ志を持つ仲間達と共に戦った事、何度脅威に見舞われても折れずに立ち向かう地球人の素らしさにタロウ感動していた。
アーカイブで調べた時、犯罪件数の多さ、同士の戦争自然環境の汚染や破壊などの暗部を事前に知っていたトレギアは共感こそできなかったが、物事や相手の明るい面を常に信じるのもタロウの良さであると一人納得していた。

タロウ地球で得てきた情報データにしてめる事で新デバイスタイガスパーク完成して(※下記参照)しばらくした後、ヤプール人の暗躍を嗅ぎ付けた警備隊の任務によりタロウは再びから離れる事になった。

じゃあ、トレギア。元気でな!

遠くなっていくタロウ背中をトレギアは見送った。
昔の頃よりも落ち着きがあり、からも地球からも認められる太陽の子
成長を続けるその姿に友として喜ばしい反面、胸のに痛みを感じていた。

さよならナンバー6(シックス

帰宅の準備を進めながら、昔タロウが褒めてくれたの一部をトレギアは口ずさんだ。

たとえが凍って

闇が宇宙を覆ったとしても

太陽のような君がそばにいてくれたら

は怖くない

だからそばにいておくれ

第4章 と闇の向こう側

タロウが居ないが段々精の欠けたぼんやりとした世界に見えてきたトレギアだったが、落ち着く余裕などかった。
バット星人以降も新たな敵勢を攻めてきており、科学技術局もその対応に追われていた。
何度防御を上げても、何度新しい武器開発しても敵は更にを強め攻めてくる。
しさを増す戦いにトレギアは焦りを感じるも、の使者として闇に打ち勝ってみせる、こそ正義なのだと鼓舞するが、ふとある事を思い付く。

そもそもにおける“”とは何だ

それは幼い頃からの疑問でもあった。

とは本来暗い場所で点滅したり、何かに反射する事で視認できる現す。
要は闇があるからこそしく見える。
プラズマスパークから放射されるディファレーター線で惑星全域を包んだこの日中明るい状態でという習がい。一点の闇さえいなら、何がウルトラマンとたらしめるのか。
を名乗るにはそれを知る必要がある。闇に向き合わなければ、の事だって解らないだ。

レギアはアーカイブに引き籠もり、日々を歴史研究に費やすようになった。の暗部を調べる中ある記録がトレギアのを引いた。

ウルトラマンベリアル一の犯罪者として有名な男。
戦友のケンと肩を並べられる実がありながら更なるめ、の法を犯した後追放。その後レイブラッド人と融合する事でそのへの復讐へと利用し、駆け付けたウルトラマンキングによって宇宙閉されたと記されている。

絶対的なであるウルトラ族から犯罪者が出た事実をトレギアは噛み締めた。
人的も闇に魅入られれば、正義平和とは逆の使い方をされ、脅威になりえてしまう。
ベリアルのようにを踏み外す可性が微でもあるのなら、ウルトラマン宇宙にとって一点の曇りなき正義と呼べるのだろうか。
レギアは更にベリアル周辺の情報を調べた。彼が法を犯してまでめた動機や深層心理まで考察しなければに理解したとは言えない、そう思った。

暗い面や悪い面ばかり見るのは良くない、というタロウの言葉を思い出すトレギア。
しかし見てはいけない、と言っても闇は厳然とそこにある。
何故そこから見てはいけないのか。
未知の領域を知りたくはないのか。トレギアは研究を進めた。

正義に対する疑惑が膨らむ中、技術局内にある報告が入る。
次元捕食体ボガールによる惑星アーブ襲撃事件。
民達は皆食い殺され、怒りに燃えるヒカリだがボガールには逃亡されてしまい、何も救えなかった不甲斐なさと復讐心にアーブのが応えた。
ハンターナイトツルギと名を変えたヒカリはボガールを打ち倒す責任感から、周囲の被害を顧みない戦い方をする復讐へと変わった。
知的で理知的で、同じブルー族としても尊敬していた上の変貌にトレギアは愕然とした。

ウルトラマンではない。

ではないが、善と悪、と闇、宇宙バランスを取る仕事をしている。

ベリアルヒカリの存在はに走った裂だ。ウルトラマンに生まれ、強大なを持ちながら、欲望復讐という闇に魅入られてしまう者がいる。

々はただ図体がでかいだけで地球人同様、過ちを犯す可性を秘めた未成熟な生き物だったのではないか。

ただを持っているという理由だけで、偉そうに正義という拳を振るっていただけなら、それは宇宙にとって明らかに危険な事だ。

結局と闇は表裏の存在に過ぎず、延々と終わりのない戦いを続けていくだけなのでは。

元々物事の暗い面に執着してしまうトレギアの思考は疑惑と恐怖で埋め尽くされた。
茫然自失・発狂しながらトレギアはから姿を消した。

レギアは惑星チュツオラに行き着いた。
間連盟の管理下にあるこのは彼らが出したゴミを受け入れる場所でもあった。
辺り一面に広がる廃棄物の山。何も信じられず、使い物にならなくなった自分にふさわしい場所だと住み着こうとした時、ある物を見つける。


それは廃棄物の中に含まれた有機物。原始生命のプールになりうる存在だった。
遺伝子学も学んだ自分ならこの有機物が持つ情報DNA化できる。新たな生命を産みだす事ができる。生命倫理の根に触れる事は理解していた。
しかしではいが、と同等とも言える生命体であるウルトラマンゴミに命を宿した時、その先に何があるのか。それはトレギアの興味をひいた。
「決してやってはいけない」は「やって確かめろ」というのが幼い頃からの彼のルールだった。

DNA化した有機物はやがてナメクジに似た怪獣に成長した。
レギアは「スナーク」と名付け、スナークはトレギアにとてもよく懐いた。
自分が産み出した命の愛しさにトレギアの心は満たされていく。そんな幸せが続くと思っていた。

ある日間連盟が無限に出す大量のゴミをスナークは取り込んでしまい、急速に成長した巨体のまま都市と住民を襲い始めた。
レギアは食い止めようとするが戦闘の低さも相まって侵攻を止められない。
自分への感を痛感しつつ、制作時仕込んでいたDNA情報バグを作動させる事でスナークの暴走を止めた。の前で悲鳴を上げながら配列したDNAを組み換え、様々な生物に姿を変えるスナークはやがて一輪花になった

お前も私も、こので生きていてはいけなかったんだ

は枯れ、トレギアの手の中でになった。
自分が産み出した命さえ救う事ができない念を背負い、チュツオラを後にした。

冷たい暗闇と点々と並ぶを見つめながら、トレギアは彷徨っていた。
の噂でタロウ息子が産まれた事を知った。名はタイガ。
かつてタロウと共に作ったタイガスパークから肖って付けたものだと察し、トレギアは笑みをした。ウルトラ兄弟No.6としてまぐるしい活躍を成した彼も遂に一児のになった。
しいあの姿を思い出すトレギアは一つの考えに至る。

タロウを極めるなら、私は闇を極めてみよう

と闇に上下はく、表と裏の関係。
ならば闇を極める事はを極める事と同義なのではないか。
たとえ見え方が違ったとしても、彼とまた隣に居られる日が来るかもしれない。
そんな淡い希望を胸に、トレギアは宇宙に深淵に佇む遺跡へと向かった。

第5章 遺跡の惑星

宇宙にはもない。

も闇もただのなのではないか。

あるのはただ真空虚無

深淵へと続く暗闇、長い長い孤独でトレギアは正気を失い、やがて「も闇も等しく価値が」という幻想まで抱き始めた。
かつてや闇が生まれる前、全てが混沌の渦で構成されていた時代から生息していた太古邪神
遺跡に閉じ込められていた邪神の封印をトレギアは解いた。
体の邪神はトレギアの体に入り込み、彼に様々なを与えた。
では得られない線と切断技、あらゆる生命体を狂暴化させる呪術、多次元宇宙自由自在にえられる魔術。更に何度体が滅ぼされても、別の多元宇宙に居るトレギアに記憶を移す事で生きながえるバックアップ

ウルトラマン達の言うを否定できるならなんでもい。

を結べない者がいて初めて成立する。

愚か者が人集まった所で愚かさが倍になるだけだ。

もうディファレーター線も要らず、カラータイマーも鳴る事はない。
も闇も越する混沌のを手に入れたトレギアは内なる邪神が囁くまま、そので別の宇宙へと赴いた。

年老いて、生きる意味もくした老婆には全てを美しい宝石に変え、保存するを与えた。

宇宙血球として生を受けたコスモイーターの遺伝子を弄くり、各惑星を除菌するように暴走させてみた。

ベリアル息子として産まれた彼が友を自分の手で殺した時、と同じ闇に魅入られるか否かを確かめてみた。

一家長男という理由から妥協し、自分自身の進路が見い出せない火のクリスタルを使う青年には、々を救うウルトラマンとして生きるか否かの二択を出した。

ゲームクリエイターになれず挫折した青年には世界を滅ぼすほどのを授け、ウルトラマンを使う友に差し向けた。ゴアファングだのワールドエンダーだの、熱心に怪獣ネーミングを考える様は少々呆れた。

そんな運命や宿命に関するちょっとした悪戯好奇心の赴くまま、数々の宇宙でやってきた。
希望という甘味を与え、絶望と破滅という悲劇や喜劇に導く。
を尊重し、を重んじるあのタロウの陰になるために。
自分は確実に彼に近付いている。

タロウ、私は君が生きられなかった反面だ

ようやく私は君のになれたんだ

アストラル粒子転化システム

技術局員当時、トレギアが開発していたウルトラ戦士専用デバイス宇宙平和と秩序を統括するには量子構造の異なる多元宇宙でも長期で活動する必要があると設計・開発されたもの。ウルトラ族の体をアストラル体に変化させ、その生物インナースペースに定着させる事ができる。当初は様々な宇宙に進出しているウルトラ戦士情報が不十分だった事、情報保管庫の使用許可を貰おうにも技術局の要であったヒカリが辞職してしまった不都合が重なった事で完成には至らなかった。

その後1986年地球から帰還したタロウメビウスウルトラ兄弟)から、「今後活躍するであろう若きウルトラ戦士地球人との徴となりえる素晴らしい発明」とその生命体との信頼関係もといエネルギーにするアイデアを貰い、技術局長官からの認可も下りた事で開発を再開。最終的にはキーホルダーの端末にアストラル粒子化したウルトラ戦士情報を組み込み、それをデバイス読み込む事で量子構造の異なる生命体の体を借りて一定時間戦えるシステムとして完成に至った。

完成した際、名前が長ったらしくて呼び辛いという理由から新しい名称を考える際、二人が初めて友人になった日に見たプラズマスパークに照らされたタロウかしい姿を思い出したトレギアの「タロウスパーク」というアイデアからアレンジして、の原で「太陽を抱く勇気ある者」という意味を持つ“タイガ”から、タイガスパークと名付けられた。

そして…

ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』にて闇に墜ちる前のトレギアの姿が開。

ベリアル同様トレギアにもアーリースタイルと呼ばれる姿があるのでは?とファンからも予想されていたが、過去編にて「い彼」と呼ばれていた通り青色ツリ目(※同じM78出身でだとウルトラマンパワードが居る)と水色銀色が基調の容姿だった。

アブソリュートタルタロスベリアルの闇墜ちを変えたにより大筋こそ上述のトレギ物語ヒカリサーガと同じだが若干誤差が生じた時間軸で、タルタロスから自身の配下に下るよう勧誘される。

余談

プロデューサー鶴田幸伸によるとトレギアは古代ギリシャで「狂った好奇心τρέλα(トゥレラ)+περιέργεια(テリエルギア))」という意味らしい。(でもあるでは「狂おしいほどの好奇心」という意味。)

関連静画

関連動画

関連項目

【スポンサーリンク】

  • 8
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

ニコニ広告で宣伝された記事

ニコニコ動画 (単) 記事と一緒に動画もおすすめ!
提供: ゲスト
もっと見る

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

ウルトラマントレギア

289 orbdcd
2022/07/28(木) 09:21:25 ID: QkVJ+J8Zpm
崎役の人も言っていたけど、トレギアの闇堕ちについてはヒカリは一因ではあるがヒカリ責任ではないんだよね。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
290 ななしのよっしん
2022/09/06(火) 20:50:01 ID: KN0ls2GBYB
最近のショーだと手に入れたタイガの遺伝子を闇のエネルギー共々フック人に注入して闇のウルトラマンを作り出すという中々にキモいことをやってる模様。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
291 ななしのよっしん
2022/09/11(日) 01:32:27 ID: fNfPoa3YpN
13位っていう高いは高いけどコメントしづらい順位かつ素数タロウと何かかける事も出来ず、何よりユダ数字という絶妙な順位をとってて笑ってしまった
👍
高評価
1
👎
低評価
0
292 削除しました
削除しました ID: /wiEyv5uiq
削除しました
293 ななしのよっしん
2022/09/11(日) 18:40:29 ID: sdnAUFYKOB
ウルトラマン総数から見たら
スタッフからも「嫌われるウルトラマンコンセプトでこの順位は凄いよw
同じ悪トラマンでも陛下とかまだ最初から嬌あったもん
👍
高評価
3
👎
低評価
0
294 ななしのよっしん
2022/09/17(土) 23:13:18 ID: /zhkokICwG
デッカーゲストが生き残る度に「トレギアがいたら死んでた」てコメントが出てくるのはもうなんかウザい。面いと思ってんのか?
SNSだと「トレギアを使ってほぼ連続でゲストを殺させるのは異常」て突っ込んでる人たちだっているし、タイガで頻繁にゲスト殺させた手腕は制作側の責任センスなのに非難の矛先はトレギアに向かうのは「こう、なんか違うだろ?面がんなよ?」てなる。
👍
高評価
1
👎
低評価
3
295 ななしのよっしん
2022/11/08(火) 17:28:09 ID: 96vsFfvI6j
ギンガでのタロウのクッソ情けない姿や苦悩する姿を見てればちょっとは前向きになれた・・・・かもしれない
👍
高評価
2
👎
低評価
0
296 ななしのよっしん
2022/11/26(土) 12:31:12 ID: 1tFDklcG1M
「私の先祖も似た様なに執着されたものよ..」(後に息子にNO6に似た名前をつけるプロレスラーK.Sさんのコメント)
👍
高評価
2
👎
低評価
0
297 ななしのよっしん
2023/09/23(土) 22:27:07 ID: Kaf/9mdgcW
ゼットキャラ造形はトレギアへのアンチテーゼも含まれていたんかなと思う
お勉強は出来るが宇宙警備隊に入れなかったトレギアとお勉強は苦手だが宇宙警備隊に入れたゼットって時点で対になるわけだが
同位体タロウタイガに執着しているがゼットの来歴や人となりについて知ったら「何故お前ごときが栄宇宙警備隊に入れた!」とか言いながら攻撃してくるのだろうか
👍
高評価
0
👎
低評価
0
298 ななしのよっしん
2023/11/18(土) 23:57:21 ID: TedROcN9yt
アニマックスミュージックスにて
タイガ(寺島拓篤さん)が歌ってた「Nameless Story」をトレギア(内田雄馬さん)がカバーした件。
👍
高評価
1
👎
低評価
0