『エスプレイド』は1998年に稼動開始した弾幕シューティングゲームである。開発元はCAVE、総発売元はアトラス、家庭用移植版『エスプレイドψ』はM2(エムツー)が販売。
ストーリー
この時代は、著しい湾岸都市計画によって海を埋め立てられ、東京湾に新しくウォーターフロントを造り出し、「鳳凰区」「台場区」「湾上区」と呼び、人の生活の場を拡げていた。そして時代の裏側では「ESP者」と呼ばれる超能力者による犯罪が多発し、それに対抗する手段も乏しく、人々は「ESP犯罪」と云う見えない恐怖に怯えていた。
そんな中、「夜叉」というESP者達を束ねる犯罪組織が動きだし、経済はおろか政界にまで深く潜り込み、その力は今や世界を動かせる程にまで発展していた。そして夜叉は、対抗組織の成長防止、かつ自規模拡大の為に都内に大捜査網を敷き、ESP者がPK使用時に出すという「DRIVE波」を感知するデーダーで次々と組織のしもべを増やしていったのだった。そしてついには自衛隊を支配下に置き「湾岸自衛隊」と称して自ら支配する首都圏を守らせるまでに至った。帝都はもはや城塞と化していたが、実際そこで生活する人々にとってはなんのことはなく、何も知らされずに普通に生活しているのだった。
その惨澹たる東京のありさまを見かねた阪神国際警察は少数ではあるが署内にESP犯罪機関「JUDGE」を設立し戦闘員として11歳の少女・美作(みまさか)いろりを東京に派遣。ロシアもまた同様に夜叉の壊滅を画策し、エージェント・J-B 5th(ジェイビー・フィフス)を送り込んだ。
そんな東京の鳳凰高校に通う主人公「相模祐介」は幼い頃からESP者として覚醒していたものの、生まれ持った能力による苦い経験で、いっさい能力は使うまいと心に決めていたため、偶然にも夜叉の捜査網にも触れず普通の生活を続けていた。そんなある日、同じクラスでいじめに遭っていた生徒「近江覚」が、突如ESP者として覚醒、それを感知した夜叉のスカウトマンによって誘拐されてしまう。幼い頃の苦い経験からか、祐介は10年以上封印していた能力を解き放ち夜叉に対して戦いを挑んだ。予想だにしていなかった自分の能力の凄まじさと「夜叉」と「JUDGE」の激しい戦いを目のあたりにし、祐介は重大かつ深刻な状況を思い知らされる事になる……。
概要
全5面の縦スクロールシューティング。「怒首領蜂」と同時期に同じ会社から発売されたSTGであるが、
システム
稼ぎシステム
サブショット的な扱いである「パワーショット」を敵に当てると、一定時間爆風が発生する。この爆風を多く当てた状態でとどめを刺すと得点の倍率が上がり、最大でx16まで上昇する。
また倍率を発生させた後は少しの間だけすべての敵が同じ倍率で固定されるため、周囲の敵も高倍率で巻き込むことができる。
敵が死ぬまでの体力の見極めに熟練を要するという独特なシステムである。
円アイテム・バリアゲージのシステム
フルパワーアップ時に中型機以上を破壊すると「円」と書かれたアイテムが出現する。
これは2つの要素を持つアイテムで、通常は得点アイテムとしての機能を持ち、取ると100点だが倒した敵の倍率に応じて円アイテムの倍率も上がり、最大で1個1600点まで上昇する。
もうひとつはボムであるバリアゲージを回復させるための機能で、回収した円アイテムが200個に達すると円カウンターがストップし光りだす。この状態でバリアゲージを消費すると円アイテムの代わりにエネルギーアイテムが出現するようになりバリアゲージを回復させることができるようになる。その後、カウントストップに必要な円の数は300、400・・・と上がっていき、達成は遠くなるがその分長い間エネルギーアイテムが放出されるようになっていく。
難所の5面アリスクローン地帯に突入すると同時に円アイテムカンストを持っていくのが攻略のコツである。
キャラクター
- 相模祐介(さがみ ゆうすけ)
通称「バレー部」「膝サポ」。小さい時からESP者として覚醒していたがそんな能力には頼りたくなかったためずっと使わずに隠してきた。だがある日クラスメートの近江君が覚醒し無差別攻撃を始めたため彼はついに全校生徒の前でその力を解放したのである!(こういう妄想を中学生のときにした人も多いのでは…)移動速度は最も速い。サブショットがすごく曲がる。メインショットとパワーショットを同時に発射することができる。膝サポを外すと死ぬ。 - J-B 5th(ジェービー フィフス)
ロシアから送り込まれた殺人兵器としての教育を受けた少年。移動は最も遅いがパワーショットの威力は最も高く、ノーマルショットの範囲も広い。初心者向け。 - 美作いろり(みまさか いろり)
本作のヒロイン。京都弁の女の子で、小さい時から苦労があり感情が高ぶった時に理性が抑えられない2重人格者になってしまった。ショットの威力が低く上級者向けのキャラ。一昔前のCAVEキャラでは一番人気。 - ガラ婦人
「夜叉」の総帥であり本作のラスボス。本名は「小野ガラ」。PKの使いすぎで実年齢の倍以上老化している。
当初はプレイヤーキャラになる予定だったらしい。
関連動画
TIPS
- いろりでガラ婦人を倒した後1Pと2Pのスタートボタンを押しっぱなしにするとエンディングが変化する。
- 2P同時プレイでガラ婦人を倒してもまた別のエンディングになる。
- PS2版「エスプガルーダ」のアレンジモードにはプレイヤーキャラに「千裕」「Black」というそっくりなキャラクターが出てくる。なんでそっくりさんなのかはタイトルからお察しください。
- 「近江覚」のCVを担当しているのはグラフィッカーを担当した井上淳哉。ちなみに氏の漫画である「おとぎ奉り」には「駿河妖介」「美河いろり」「黒川覚」というそっくりなキャラクターが出てくる。なんでそっくりさんなのかは作者からお察しください。
- コンシューマーゲーム機への移植は絶望的と言われていたが、2019年12月19日にアトラスからの許諾を得た有限会社M2から『エスプレイドψ(サイ)』のタイトルで移植される。対応機種はPS4,Switch。
- サントラの音質が非常に悪いが当時の事情からお察しください。
- 弾幕、キャラ設定等ニコニコで人気の某同人STGに多大な影響を与えた作品であるが、なぜ関連項目に無いのかと言われたらあった場合を想定してお察しください。
関連項目
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