「エドワード・ランディ」とは、1990年にデータイーストがリリースした業務用ゲームタイトルであり、ハリウッド冒険活劇の様な場面転換の連続や演出を盛り込んだ痛快・爽快アドベンチャーアクションゲームである。
冒険百連発!! A legendary adventurer. |
海外版タイトルは「The Cliffhanger: Edward Randy」
運の悪い人は安心せよ 、 それ以上の悪運はないのだから・・・・ 193X年9月14日13時00分 |
ストーリー
193X年、ヨーロッパの山間にある小さな村に、恐ろしい陰謀が隠されていた・・・・・・!?
その秘密を知ってしまったために追われることになってしまった少女を、一人の青年が偶然に助けたことから物語が始まる!
滝をくぐり、空を飛べ!
水上を駆け抜け、断崖を進め!!
冒険につぐ冒険、アドベンチャー・アクションの決定版!!
概要
”EDWARD・RANDY”は、激しい攻撃を仕掛けてくる敵との戦闘を、トンデモナイ場所から、とんでもない場所へと進めて繰り広げてゆく、格闘・冒険ゲームです。
「エドワード・ランディ」は、1990年にリリースされたデータイーストの業務用タイトルで、スチームパンクな雰囲気を強調した世界観を1930年代のヨーロッパ風のステージを、水上を走るモーターボート上や爆走中の車のほか飛行機や装甲車に乗り移りながら進めて行くアクションゲームである。
「インディ・ジョーンズ」の様なハリウッド冒険活劇のテイストを再現するような演出やステージを用意し、その中で「ジブリアニメ」の様な破天荒でオーバーなアクションとB級アクション映画な雰囲気作りを重視した内容となっており、ナンセンスさとシュールさと斜め上な独創性で知られるデータイーストのアクションゲームの中でも、シリアスな雰囲気とB級感が絶妙にマッチした「デコゲーっぽくないようにみえてデコゲー」な内容となっている。
※デモ開始時の映画のフィルムを思わせる演出中にはカタカタと言う映写機でフィルムが回る音が入っている等、雰囲気作りを丁寧に行っている。
ムチを武器とする主人公「エドワード・ランディ」は、単にムチを振るだけでなく、レバーとボタンによる操作や掴まる場所による多彩な操作やリアクション的なものをふくめて細かくオーバーに動き、ムチをひっかけた場所を視点にして回転する全身無敵攻撃な「大回転攻撃」といったオリジナリティあふれるアクションは、本作の代名詞的なものとなっている。
ステージの構成についても、映画的な見せ方を意識したのか、熱いクライマックス部分を最初にもってきて、途中から主人公の回想的な扱いでストーリーをはじめから語りだすという構成になっており、まずは目立つシーンで目立つ事をやらせて引き込む事も考慮されていると思われる。
画面の演出でも、飛行機を舞台にした空中戦闘では雲で背景を隠してから別の背景に切り替えて、飛行機が高速で移動している感や、ぐるぐるまわっている感を出したり、カーチェイスなステージでは、普通のレースゲームが画面奥に向かって進むのに対して、主人公をカメラにおさめるかのごとく手前側に進むかたちで見せたり、遠近感を強調しつつ遠景では次のシーンを事前予告していたり、基板の機能として回転をもっていない為、飛行機が回転するパターンをすべてドット絵で用意する等、映画的な演出を行う為に多大な労力とこだわりが垣間見える。
しかし、特殊な点のある操作性のとっつきの悪さや、得点をライフにするシステムが説明不足な点とハートマークの目安表示があることで逆に解りにくい上に、ダメージをくらったのに主人公の身体の色がかわるだけという場合に、いつのまにか大ダメージをうけてしまっていたりと、とっつきの悪さがある点は否めず、またどちらかいえばギャラリーうけするゲームであった事からも、ゲーム性や内容に魅かれた熱狂的なファン以外は、キャッチコピーの「冒険百連発」、ステージタイトルの「いきなりクライマックス」といったキーワードが知られている程度のマイナーゲームである事はいなめない。
1998年には、エクシングからセガサターンに移植されることはリリースされたが、結局移植話はペンディングとなり、以降、家庭用には移植されていない幻のタイトルとなっている。
※カネコが1999年にリリースした業務用タイトル「線脳」に、CPUキャラとして実名で登場している。
コアなゲーマーにとっては非常に面白いゲームであったことから、こだわりと独自性の強いアクションゲームに定評のあるトレジャーの開発したタイトルに本作をオマージュしたと思われるものが多く、
- メガドライブのアクションゲーム「ガンスターヒーローズ」では、G.I.オレンジとのヘリの上での戦闘シーンは、本作のラストバトルを思わせる。
- セガサターン用対戦格闘アクションゲーム「ガーディアンヒーローズ」には、主人公キャラ「ランディ・M・グリーン」とコンビを組む「エドワード・M・コニャック」と言うキャラがおり、二人の名前をあわせると「エドワード・ランディ」になる。
- シューティングゲーム「レイディアントシルバーガン」のステージ構成が、3ステージ目が時系列的にもっとも古いという本作と同じ構成になっている。
これらは、本作の熱狂的なファンである開発者が存在している為である。
そして現在でも、家庭用への移植が密かに期待されているタイトルである。
ゲームシステム
主人公の武器はムチ、キック&パンチだ!!
ムチは武器としてだけではなく、移動するのにも重要なアイテムになるのだ!!
8方向レバーと攻撃/ジャンプの2ボタンを用いて様々なアクションを行えるゲームで、残機なしのライフ制。
全7ステージを1周するとクリアとなる。2人同時プレイも可能。
プレイヤーが操作する「エドワード・ランディ」のライフは、稼いだ得点が用いられるという特殊なルールになっている。
つまり、敵を倒したり敵が投げつけてくる武器を弾き飛ばしたりして得点を増やすほどライフは増えていき、多くのダメージに耐えられるようになるが、ダメージをうけたところで得点が下がり、得点が0になるとゲームオーバーになる。
その為、ハイスコアランキングは、ゲーム終了時点でのスコアではなく、プレイ中でスコア表示がとまった際に最も高かった時の得点を集計している。ゆえにハイスコアのランキングは「MAX POWER RANKING」と言う名前になっている。
得点がライフになっている事については、目安となるハートマークの表示があるせいで余計に解りにくい為、初見で混乱を招く要因になってしまっていた。
操作方法
大回転だ!!
レバー | プレイヤーの移動及び攻撃方向の決定 |
攻撃ボタン | ムチで攻撃(敵が近くにいない時) パンチ&キック攻撃(敵が近くにいる時) |
ジャンプボタン | ジャンプ及びレバーとあわせての特殊操作 |
ジャンプ操作は、愛車を操作するステージでは愛車ごとジャンプさせる事が出来る。
レバー及びジャンプボタンとの組み合わせによる特殊操作は以下の通り。
レバー(下) | しゃがむ |
レバー(左)か(右)を二回連続入力 | ダッシュ |
レバー(横)または(斜め下)+ジャンプボタン | スライディング |
レバー(下)+ジャンプボタン | 足下にぶら下がる |
ぶら下がり状態でジャンプボタン | 下に降りる |
ぶら下がり状態でレバー(上)+ジャンプボタン | 上の足場に戻る |
ジャンプ中にレバー(下)or(斜め下) | 踏みつけ攻撃 |
レバー横方向に入れてジャンプボタンを押すと、通常のアクションゲームだとジャンプになるところだが、「エドワード・ランディ」ではスライディングになる。クセのある操作の中でも解りづらい操作の一つだが、スラインディング中は無敵なので、落下ダメージをうけるような状況にならない限り出ても大きな問題は無い。
踏みつけ攻撃はデータイーストのお家芸とも言える攻撃で、下方向の敵に攻撃する事が出来る。
攻撃ボタンによるムチ攻撃は、レバーで移動しながら攻撃する事が可能だが、体勢により攻撃可能な範囲が異なる。
立ち状態で攻撃ボタン | 上・斜め上・横の5方向に攻撃可能 |
しゃがみ状態で攻撃ボタン | 横2方向に攻撃可能 |
またムチは一部の背景や乗物の特定部位に引っ掛ける事が出来、その状態から「大回転攻撃」と呼ばれる本作でもっともダイナミックな攻撃を行うことが出来る。
ムチをひっかけた状態でレバー(左)or(右) | 大回転攻撃 |
大回転攻撃中に攻撃ボタンorジャンプボタン | ムチを外して大回転攻撃を終了 |
大回転攻撃中は、「エドワード・ランディ」は全身無敵状態で攻撃可能な為、大回転攻撃が出来るのと出来ないのとでは難易度が変わってくる。なおムチは、大回転攻撃が3.5回転すると自動的に外れる為、落下しそうな位置で外れないように注意する必要がある。
上述の通り、本作独自操作が多く、特に
点については、他の大多数のアクションゲームの挙動と異なるうえに、地形が斜めになっている場所では、斜め方向にレバー入力しないと移動しない為、この特殊な移動操作に慣れるのがまず第一の関門と言える。
また、ムチを伸ばせば必ずひっかけられるわけではなく、ひっかけられる場所に対してムチの長さがどれくらいかによってはひっかけられない場合がある。どこがどの距離からならひっかけられるかを把握するのも、大回転攻撃という全身無敵攻撃を使う上で重要な要素となっている。
登場人物
エドワード・ランディ
シャルロッテ
ジェニファー
覇怪魔人 |
ステージ
193X年9月14日10時15分
”その日、俺は半月ぶりに、ジェニファーと逢う約束をしていた。”
”「正午には駅に着くから、忘れず来て欲しい。」と手紙には彼女らしい簡潔な文章で書かれていた。”
”すると・・・”
”「お願いです!助けて下さい!」突然一人の少女が飛び込んで来た。”
”そして後を追うように数人のヤバそうな奴らが現れた。”
「このままではマズイ!」
”とっさに少女を抱え、愛用のムチ「クリフハンガー」を手にボートでこの場を離れることにした。”
全7ステージで、「エドワード・ランディ」のオリジナリティとも言えるステージ構成をしている。
ステージ1は「いきなりクライマックス?」のタイトルの通り、いきなり大型のボスと戦うステージになっており、ステージクリア後のメッセージ内容も初見では「プリズムって何?」な状態となる。
ステージ3 | 「俺が切礼!!」 | 193X年9月14日10時15分 |
ステージ4 | 「激走100マイル」 | |
ステージ5 | 「絶対絶命」 | |
ステージ6 | 「当たって砕けろ」 | 193X年9月14日12時23分 |
ステージ1 | 「いきなりクライマックス?」 | 193X年9月14日13時08分 ※ステージクリア時 |
ステージ2 | 「冒険百連発!」 | |
ステージ7 | 「やっぱりクライマックス?」 | 193X年9月14日15時30分 |
と言う順番になっており、ステージ3からステージ6までは「エドワード・ランディ」の回想シーン的扱いになっている。
※タイムパラドックス?なにそれおいしいの?
なお、海外版では、ステージ3をステージ1にして時系列順にステージ進行するようになっている。
ちなみに・・・・
「そこまでだ!若憎!!」
など、ステージ間のメッセージ中に誤字・誤記っぽい表記を見かけるタイトルではあるが、ステージ3の
俺が切礼!!
については、切札を切礼と誤字ったものだと思われるが、ステージ5の
絶対絶命
ステージ7の覇怪魔人とのラストバトルについては、制限時間が設定されており、制限時間内に倒すと覇怪魔人が真っ二つになる演出が、時間内に倒せなかった時は覇怪魔人が逃亡する演出が行われる。
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関連項目
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