エレギヤラトマスとは、1932年生まれの日本の競走馬・繁殖牝馬である。
栄光と悲劇に彩られた、クモワカの血統の祖。
主な勝ち鞍
1936年:帝室御賞典(阪神)(春)
概要
馬名は「エレギヤラトマス」だが、これは当時馬名に拗音・促音が使えなかったためで、読みとしては「エレギャラトマス」になる。
父はアメリカで4度のリーディングサイアーに輝いたSir Gallahad、母はこの後も繁殖牝馬として大活躍した星若、母の父はやはりリーディングサイアーに輝いた経験もあり、一大系統を築いた大種牡馬Peter Panという超良血である。
下総御料牧場の同期にアメリカからの持込馬仲間のクレオパトラトマスと月友がいるが、血統面で言えばおそらく彼女が一番であったであろう。
現役時代は、積極的に関東遠征し東京優駿戦線で活躍したクレオパトラトマスと比べると、関西のみで走っていたため非常に地味ではあるが
少なくとも46戦して13勝、鳴尾競馬場の帝室御賞典制覇、うち障害レース3勝という実績を残したらしい。何分昔なので確実な資料が少ないのがネックとなっている。
クレオパトラトマスと比べる筋骨隆々としてがっちりした身体つきで、逞しいアメリカンな馬体が特徴的だったという。
繁殖入り後は繁殖牝馬名月丘として、同期の月城(クレオパトラトマス)・月友と揃って活躍。孫世代からはダービー馬テイトオーを輩出。
そして何よりも重要なのが戦後になって産んだ、桜花賞2着・菊花賞4着馬クモワカである。
このクモワカ、伝貧という不治の伝染病にかかったとして殺処分されかけたのだが、彼女に惚れ込んだ馬主の執念で誤診であったことが発覚し
なんとか繁殖牝馬として血をつなぐことが出来た。その結果生まれたのが桜花賞馬ワカクモで、その産駒である悲劇の兄弟テンポイント・キングスポイント、
テンポイントの半姉オキワカから生まれたワカオライデン、ワカオライデンの半妹ワカスズランを父に持ち香港で重賞を勝ったフジヤマケンザン、
ワカクモの半妹ベゴニヤから生まれたダイアナソロン、そのダイアナソロンの息子で岡部がビワハヤヒデより評価したというクエストフォベストらが生まれた。
なんというか、妙に栄光と悲劇のコントラストが凄い血統の祖がこの馬なのである。
しかし、近年はクモワカの血脈を育ててきた吉田牧場の勢いも無いせいか、サカモトデュラブ以降目立った成績は残せておらず、
皐月賞馬ゴールドシップを出したクレオパトラトマスに比べると勢いが欠けていると言わざるを得ない。
逆境でこそ輝くのがこの血統なのでこれから挽回する機会もあるとは思うが……。
血統表
Sir Gallahad III 1920 鹿毛 |
Teddy 1913 鹿毛 |
Ajax | Flying Fox |
Amie | |||
Rondeau | Bay Ronald | ||
Doremi | |||
Plucky Liege 1912 鹿毛 |
Spearmint | Carbine | |
Maid od the Mint | |||
Concertina | St. Simon | ||
Comic Song | |||
*星若 Ima Baby 1924 青毛 FNo.3 |
Peter Pan 1904 鹿毛 |
Commando | Domino |
Emma C. | |||
Cinderella | Hermit | ||
Mazurka | |||
Babe 1912 鹿毛 |
McGee | White Knight | |
Remorse | |||
Tinkle | Loved One | ||
Sounding Brass | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Hermit 4×5(9.38%)、See Saw 5×5(6.25%)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
月丘(競走名:エレギヤラトマス) 1932
|年丘(競走名ハチアジカワ) 1940
||マナスル 1951
|||テイトオー 1963 1966年東京優駿
|丘高(競走名:クモワカ) 1948
||ワカクモ 1963 1966年桜花賞
|||オキワカ 1972
||||ワカオライデン 1981
||||ワカスズラン 1982
|||||フジヤマケンザン 1988
|||テンポイント 1973 1977天皇賞(春)・有馬記念
|||キングスポイント 1977 1982年中山大障害(春)・1983年中山大障害(秋)
||オカクモ 1965
|||ベゴニヤ 1972
||||ダイアナソロン 1981 1984年桜花賞
|||||クエストフォベスト 1990
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