エンゼルフィッシュ(angelfish)とは熱帯魚の女王である。
曖昧さ回避
- エンゼルフィッシュ(パトリチェフ) - パトリチェフによる鏡音リンオリジナル曲。 → MV
概要
熱帯魚に詳しくない人でも名前は知っているというぐらい有名な熱帯魚。
縦長の体型をしていて、成長すると縦方向に大きくなり、ゆったりと泳ぐ。
繁殖の際も親が積極的に稚魚の世話をする。
また貪食で餌をよく食べる上、口に入るぐらいの小さな魚までも食べてしまう。どこが女王だ。
水槽の高さが無い、あるいは魚の数が多い過密な水槽で飼育していると、ヒレがあまり成長しないため注意が必要。
アルタムエンゼル等の野生種はデリケートで飼育が難しいが、スカラレエンゼルや改良品種は比較的丈夫で飼育しやすい。
分類学上はスズキ目ベラ亜目シクリッド科エンゼルフィッシュ属に属している。
なお、海水魚であるスズキ目スズキ亜目のキンチャクダイ科の魚もエンゼルフィッシュと呼ばれるので混同に注意。このため、シクリッドの仲間は「Freshwater angelfish」、キンチャクダイの仲間は「Marine angelfish」と呼ばれ区別されている。
実は和名もあり、「テンニンイシダイ(天人石鯛)」という。
飼育
飼育環境はごく一般的な熱帯魚の飼育方法に準じる。ぶっちゃけ初心者でも熱帯魚の本を1冊読めば普通に飼える。大き目の魚なので、水槽は最低でも60cm規格水槽を用意し、水流が強いと流されて弱るので水流は弱めにすること。
混泳は、口に入らないサイズであることが絶対条件。長いヒレをかじるスマトラとの混泳がご法度なのはお約束。
熱帯魚の解説書では、スタンダードともいえる60cm規格水槽では5匹で飼うという不文律がある。
これはペアを形成しやすくして産卵、子育てといったエンゼルフィッシュ飼育の醍醐味を味わうためであるが、水槽が一つしかない状況でこれをやるのはあまりオススメしない。なぜなら、ペアが形成されると、ペアが他の3匹をリンチして個別撃破し、皆殺しにしてしまうからである。そのため、水槽内のペア以外のエンゼルフィッシュは取り出してほかの水槽に移した方がいい。また,気に食わない魚も容赦なくボコボコにするので、これも取り出そう。(タンクセパレータを使用して水槽を区切るのもアリ)
ペアが形成され、水槽壁面やパイプ、水草に卵を産み付けたら、水槽は覆いをつけるなどしてできるだけ静かな環境にしてやろう。煩かったりすると親は卵や仔を食べてしまう。ちなみに食べることには大きな理由(断じて育児のストレスでカッとなってやっているわけではない)があり、環境が悪く生き残れそうにないので、親が食べることで次の産卵のためのエネルギーに変換し、次回は環境が安定する事に賭けるという厳しい自然界で生き残るための生存戦略なのである。
仔が親に食べられない大きさになったら子育ては終了。繁殖成功おめでとうございます。
・・・とはいかないのがこの魚。なにが問題かって殖えたエンゼルフィッシュをどうするかが問題なのである。
これが同じくよく殖えるグッピー、プラティの卵胎生メダカあたりならメインの水槽に放り込んでうぞうぞ泳がせるだけで(水槽とフィルターのキャパを超えない限りは)なんとかなる。このあたりのやつは、繁殖させるためには別水槽に移さないとそこらへんのやつが生まれた仔をすぐに食ってしまうので(倫理的な問題は置いておくとして)ほったらかしで繁殖することは少なく、特に問題はない。卵を産みっぱなしにしてハイ、サヨナラってタイプも同じ。
問題はエンゼルフィッシュが仔を守り育てる魚であり、その生存率が極めて高いという点である。ペアは何度も産卵、子育てをするので、そのままではあっというまに水槽がキャパを超えてしまう。水槽を増やすと言っても60cm規格水槽で最終的に2匹しか飼えないのはご存じの通りであり、全てを生かし切ることは個人では不可能。当然殖えたエンゼルフィッシュは誰かに譲ることになるのだが、エンゼルフィッシュは貰い手が少ない。優雅な名前、外見とは裏腹に、小さい魚(ネオンテトラ等)は即エサにするサイズまで大きくなり、ペアが形成されると水槽内の魚を避難させる必要があるほどに凶暴化するため、おいそれと水槽内に入れていい魚ではないのである。ある程度熱帯魚を飼ったことがある人ならまず引き取ってくれない。最終的にはなじみの店に引き取ってもらうことになるだろう。
初心者向けの熱帯魚だが、こいつを繁殖させ、その後始末までしっかりできるようになれば立派な中級者である。
品種等
改良品種や突然変異種の研究が盛んで多くの個体が日本に輸入されて流通している。
過去に一度だけ、全身のほとんどが青いエンゼルフィッシュが雑誌に掲載されたことがあったが、繁殖したとか固定化したとかいう続報はない。
関連動画
関連静画
関連商品
関連項目
- 2
- 0pt