単語記事: エーミール

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エーミールEmil, ドイツ語の発音はエィーミル)とは、

  1. ドイツ語の人名。エミールとも訳される。
    1. ドイツ経済学者ハンス・カール・エミール・フォン・マンゴルト
  2. ドイツ小説家ヘルマン・ヘッセの小説の登場人物。
    1. 短篇 『少年の日の思い出』の作中話の登場人物
    2.  『デーミアン: エーミールシンクレア少年時代物語』のり手、および発表時のヘッセの偽名
  3. ドイツの児童文学エーリヒ・ケストナーの小説エーミール探偵たち』、『エーミールと三人のふたご』の登場人物、
    エーミールティッシュバイン。ノイシュタットに住む少年
  4. 田中芳樹による小説銀河英雄伝説』の登場人物。
    1. エミール・フォン・レッケンドルフ - オスカー・フォン・ロイエンタールの副官。
    2. エミール・フォン・ゼッレ - 主人公ラインハルト付きの従卒を務める少年
  5. ゲーム、「ゴッドイーター2」の登場人物。エミール・フォン=シュトラスブルク

本項では多くの人により染みの深い2-Iについて解説する。

あらすじ

り手である「わたし」のもとを訪れた友人の「」が、の標本を見せられたことを切っ掛けに少年の頃の思い出を話す。

エーミールはその思い出話の登場人物。
エーミールは「」のの中庭の向こうに住む先生息子である。非の打ちどころがなく(「」はこれを悪徳と表現)、あらゆる点で品行方正な模範生であり、さらにの展翅について優れた技術も持っていた。
そんなエーミールを貧しい庭の「」は感嘆しながらも妬み、憎んでいたのだという。実際、物語の中で「」の悪印があってか、エーミールは非常に感じの悪い(しかし軽蔑しようのいほどに璧な)少年としてられている。

」はの収集に情熱を燃やしていた十歳ぐらいの頃、しいいコムラサキを捕える。その展翅したコムラサキエーミールに見せるのだが、そのしさを認めながらも、「」の展翅についてこっぴどい批評を食らってしまう。
二年後、「」が最も熱に欲しがっていたクジャクママユ(ヤママユガ科クスサン属(Saturnia)の)をエーミールからかえしたと聞き、エーミールの部屋を訪ねる。エーミールの不在から「」は誘惑に負けて展翅中のクジャクママユを盗み出してしまう。直後に良心と不安から戻そうとするのだが、その時にはクジャクママユはポケットの中で潰れてしまっていた。エーミール必死に修復するが、どうにもならなかった。
耐えきれず罪を打ち明けたの勧めもあって、「」はエーミールに自分の罪を告白し、侘びとして大切な自分のを全て差し出すと提案する。だが、エーミールすることもなく、ただ息をひとつ鳴らして「」を冷淡に軽蔑した。

そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。

「結構だよ。は、君の集めたやつはもう知ってる。そのうえ、今日また、君がちょうをどんなに取りあつかっているか、ということを見ることができたさ。」

の収集を自ら穢してしまった「」がその、自分のを全て、手ずから潰してしまうところで話は終わる。

※ちなみに、特に印深い「そうか、そうか~」の部分はネット上でもよく触れられるが、表記ゆれが多い。「きみは」「君は」、「やつ」「」と、ひらがな/漢字であったり、「そういうやつ」「そんなやつ」とわずかに言い回しが異なっていたりする。

日本において

この『少年の日の思い出』(Jugendgedenken,少年の日』『少年時代』の邦題もあり)は日本人の認知度が非常に高い作品である。

この短篇はもともとヘッセが1911年に発表した『クジャクママユ』(Das Nachtpfauenauge)を、地元ヴュルテンベルクの地方向けに1931年に稿したもの。
同年に留学中の独文学者・高橋健二(一般にはヘッセやケストナーの翻訳で知られる)がスイスにてヘッセを訪問した折、帰り際に中の聊を慰めるよう同の切り抜きを手渡された。それを翻訳して日本で発表したものが『少年の日の思い出』である。
それが1947年の定教科書『中学国語』に掲載されて以来60年以上も過半数の教科書に掲載され続け(当項引用高橋訳)、多くの日本人義務教育課程でトラウマを背負い込むにすることになったのである。
なお、の名前は訂の度に「太郎」「/ふうさん」「ヤママユガ」と変化し、最終的に標準和名に沿った「クジャクママユ」に落ち着いた。

ドイツでは初稿の Das Nachtpfauenauge の方が有名。日本では高橋健二の子にして日本昆虫協会副会長および日本学会理事を務める岡田雄による厳密な学術考を踏まえた翻訳クジャクママユ』が三堂の教科書に採用されている。
クジャクママユ』では「」にハインリッヒ・モーア(Heinrich Mohr)という名前があったり、エーミールクジャクママユを成体で捕獲したことになってたりと細部が色々と異なる。つまり『少年の日の思い出』は「」を名前変更可名にすることで読者の自己投影がより深まり、またエーミールから育てることで彼にとってのクジャクママユの価値がプライスレスになったりと、稿前としてトラウマ度がいっそう増していると言えるだろう。

もちろん教養小説(ビルドゥングスロマン)としてもさることながら、かつてはカール・マルクス的な階級闘争を踏まえた政治視点など、当時からさまざまな読み方がなされてきた。現代的な視点ではオタク文学の元祖と視ることも可かもしれない。

ニコニコ動画において

この作品の高い知名度ゆえか、動画内においての標本など(時には生きている場合でも)が登場すると「エーミール」のコメントが流れることがままある。登場するだけで流れることもあるが、ゲーム動画によっては標本が仕掛けの一つとなっている場合もあり、主人公が勝手に持ち出す様子が小説シーンを強く想起させるものと思われる。

 

くれぐれも現実において人の物を盗んだり、壊したりしないこと。何よりも他人に嫉妬し憎悪しないこと。

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ページ番号: 5011847 リビジョン番号: 2415974
読み:エーミール
初版作成日: 12/12/15 10:32 ◆ 最終更新日: 16/10/12 22:49
編集内容についての説明/コメント: 関連項目が一つどうなの?というのがあったので
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エーミールについて語るスレ

417 : ななしのよっしん :2018/05/13(日) 19:54:12 ID: qaim631W0o
個人的にはそこまで主人公クズ呼ばわりされるほど悪い人だとは思えないかなぁ
例えばこれが明確な悪意を持ってを盗んだとかコムラサキの事を根に持ってて仕返しに潰してやった、とかならクズ扱いするのも分かるが実際に手が出てしまったのはの美しさに魔がした故の一時の気の迷いで潰れたことに関しては本人も意図していなかった結果だし

ただ一つだけ言えるのはもし主人公が訪ねていった時エーミール留守じゃなかったなら間違いなく事件そのものが起こらなかっただろうから、そういった意味でいうなら細なスレ違いが招いた取り返しの付かない不幸な事件と言えるのかもしれない
418 : ななしのよっしん :2018/05/14(月) 22:49:47 ID: PGUD84606p
悪いではないな
にわかなだけで
でも窃盗は細なすれ違いでは済まされへん
419 : ななしのよっしん :2018/05/15(火) 04:31:41 ID: 0aZk48ZdQa
「欲しい」というはっきりとした動機で盗んでるし事故とはいえない
衝動的な犯行だったのは事実だし、凄まじい悪行ではないんだが、
絶対にやってはいけないし軽蔑されて当然のことが簡単に起こった
だからこそ、他人事ではない感じでトラウマになるんだと思う
420 : ななしのよっしん :2018/05/15(火) 07:57:55 ID: JmxU7EapkQ
自分が初めてこの物語を読んだのは徳の教科書だったんだけど、そこに描かれてあった挿絵のエーミールが一みて「あっ、こいつ嫌なヤツだ」って感じられるような絵だったのがすごく印に残ってる

思えば本来なら被害者であるはずのエーミールがあまり良い印を持たれないのって所謂「フィクションにおける典的なエリートキャラ像」のイメージ補正が読者側に意識で働いてるからなのかも
421 : ななしのよっしん :2018/05/15(火) 19:07:56 ID: XnheCMXNX1
エーミールの描写に関しては「」からられる情報しかないから、自然と「」側に有利な情報を与えられているだけで、本当はもっととっつきやすい性格かもしれない
本当に嫌味なだったかもしれないど、自分に100%非のある話でエーミールの嫌味な面まで説明する「」もそうとう嫌なだと学生当時は感じた
422 : ななしのよっしん :2018/05/15(火) 20:31:22 ID: IEXYZG+nvg
ただエーミールに関しては「主観バイアスがかかってる事を除いても正直あまり共感したり感情移入できるほどの要素が・・・
というか理由はどうあれ自分の大切な物が壊されたのに怒る訳でも怒鳴り散らす訳でもなくあんな淡々とした対応する人間なんてフツー少年どころか大人にもいねぇよ!!と読みながら心の中でツッコミ入れてたわw
423 : ななしのよっしん :2018/05/20(日) 01:21:27 ID: bqqm+HDMJF
エーミールは「」が感じるような優等生越した大人なんじゃなくて、作者の意識的にはただのオタクとして描かれてるんじゃないかと思う
趣味以外の事では萎縮して自分のができないせいで結果的に『イイコ』に見られるタイプ
親の協を得られるとは思ってないからとにかく自でやるし、流行に乗るのは端から諦めてるからトコトン追究する
エーミールに『大人の対応』とか『正しい子供らしさ』を要するのは酷だと思う。エーミール側が他者との付き合いをめた場合なら別だが、基本はにも迷惑かけないから放っといてほしいってタイプだと思う
自分のを出したくても出せない、でももう仕方ないから自分の手の届く範囲で満足しようって子も居る。そこに外から関わってきて勝手に人視してそれ以上何をめるというのか
424 : ななしのよっしん :2018/05/20(日) 01:53:29 ID: bqqm+HDMJF
エーミールは「正しい対応や配慮」ができなかったかもしれないが、そもそも彼は「」のセンセイでも親兄弟でもない。思った事を特に考えず問われるままに返すだけだと思う
彼はフツーの少年じゃなかったかも知れんし、一般には共感されるタイプではないかもしれん
作者が、フツーじゃない少年が身近に居た「」と、「」から最後まで理解される事のなかった少年のどっちの立場に近かったのかも分からない
それでも大人しく独りで自分なりの満足を見つけて生きていて、思わぬトバっちりを受けてもみ言の一つ言うくらいしかできない子供に、「」の心情や互いの関係のための積極的な行動修正を当然と要するのは気の毒だと思う
425 : ななしのよっしん :2018/05/20(日) 01:56:46 ID: 5Of5KSXNb0
少年の日の思い出って書くと淫夢っぽい
426 : ななしのよっしん :2018/05/20(日) 10:32:41 ID: qaim631W0o
先日の倉庫を整理してたらちょうど「少年の日の思い出」が載ってた学生時代の教科書を見つけたので読んだら面い事が書いてあった
ドイツ語の解説を日本語に訳したタイプのあとがきだったんだけどそれによるとこの話は「」が「少年」から「大人」になる事を示したある種の成長物語らしい
年相応の子どもである「」に対してどこまでも冷徹なエーミール子ども意識に嫌う大人徴でありメタファーなんだとか
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