第795話「"自殺"」より
カイドウ(ONE PIECE)とは、漫画『ONE PIECE』の登場人物にして、作中屈指のメンタルブレイカーである。
概要
プロフィール | |
性別 | 男 |
肩書・所属 | 元四皇 百獣海賊団総督 元ロックス海賊団船員見習い |
種族 | 人間? |
年齢 | 59歳 |
誕生日 | 5月1日(鯉の日) |
星座 | おうし座 |
身長 | 710cm |
異名 | 百獣のカイドウ この世における最強生物 明王 |
出身 | 偉大なる航路・ウォッカ王国 |
懸賞金 | 46億1110万ベリー[1] |
悪魔の実 | ウオウオの実幻獣種 モデル”青龍”(動物系) |
笑い声 | ウォロロロロ |
趣味 | 自殺 |
VIVRE CARD | No.0944 |
声優 | 玄田哲章 |
※こちらの記事には、ネタバレおよび14.9禁(?)要素が含まれています。そういった要素が苦手な方は、ブラウザバックをすることをオススメします。
作中のラスボス候補にあたる『四皇』の人物の一人で、「百獣のカイドウ」の異名を持つ男。初登場は原作795話「自殺」アニメ第739話「最強の生物 四皇・百獣のカイドウ」。伝説の海賊団「ロックス海賊団」在籍時は見習いであったが、解散後己の強さのみで凶悪な海賊達の尊敬を集め四皇の一角にまで上り詰めた。万単位もの軍勢を誇る大規模海賊団『百獣海賊団』を束ねる総督であり、動物系能力者の増強や近代兵器の確保、ワノ国の侵略など、支配圏・軍事力拡充を進める謀略者。
その頑強さは常識を逸脱しており、10000メートル以上上空から生身で落下しても、ほぼ無傷である程の丈夫さという他の四皇と遜色ない身体能力を持つが、当人の特殊能力、戦い方などについて直接的な表現をされている描写は少なく、謎の多い人物。但し、なぜか悪魔の実やポーネグリフに関わる重要な情報と鍵を握っていながら、自殺行動を頻繁に行う不可解で迷惑な行動・取引相手や幹部にドンキホーテ・ドフラミンゴやシーザー・クラウン、ジャックなど、倫理観や精神面に難のある人物が集中している点・自殺行動に巻き込まれそうになった人物への関心の薄さ・ただでさえ褒められた内容とは言いがたい趣味のために、海軍の軍事施設から空島にまで移動する行動範囲の広さなど、被害者だけでなく第三者や読者の心が折れかねないエピソードや情報が散見されている。
そのため、丈夫さや戦闘力以上に、敵味方・無関係なキャラへの不安要素が際立つ、不気味で悪質な存在として、作中の人物と読者を多かれ少なかれ困惑させている。
また、下記の人物と接触したためか、元からの才覚なのか、物品奪取や足止めに秀でた人物を従えるスキルもある模様。
かつて新世界でカイドウとのぶつかり合い(直接的な戦闘か、物や情報の取り合いか、詳しい内容は不明)や、ワノ国での重要物品窃盗などを行っていたゲッコー・モリアの悪夢云々の発言が笑えなくなるような出来事も幾つか見られていることもあって、良くも悪くも無視し難い存在である。
ただ、行動範囲が広いだけでなく無駄も多いためか、ゲッコー・モリアやビッグ・マムなど、デコイを多量に用意できる能力者からは、強さを認められている一方で“バカ”、“アレ”など雑な呼ばれ方をしている。
人物像
海賊見習いから四皇に上り詰めるという叩き上げの極致とも言うべき海賊人生をおくってきた為か、弱肉強食を世の理とする実力主義者でありその精神は百獣海賊団全体に行き渡っている。実力や利用価値がないと判断すれば容赦なく切り捨てる冷徹さを見せ、最悪の世代たちに対しても海賊ごっこに興じる若造と見下している。
作中ではしばしば酒を飲む描写があるがその酒癖は"悪い"で済むような生易しい次元ではなく、ほぼ前触れなく喜怒哀楽の感情のスイッチが切り替わる。下手にキレて暴れようものなら辺り一面を破壊しかねない為部下たちは機嫌を損ねないよう神経を尖らせている。トラファルガー・ローから「話し合いの通じない相手」と評されている一因であり、事実ドフラミンゴすらも怒らせるのを恐れていた。
一方で骨のある者に対しては軍門に下るならばそれまでの事を水に流し歓迎するスタンスであり、自ら屈服させて積極的にスカウトしようとする事もある(フーズ・フーやササキは恐らくこの経緯で引き入れたものと思われる)。それは嘗ての宿敵光月おでんの家臣であるアシュラ童子やSMILEの取引を頓挫させた元凶であるモンキー・D・ルフィであろうと例外ではなく、寧ろ抗う意志の強い者を気に入っている節すらあるほど。
部下に対しては自主性を尊重し柔軟な態度で接する等寛容な姿勢を見せており、特に幹部クラスの部下からは酒癖の悪さは別として明確な敬意の念を抱かれている。スケジュール管理を担当する秘書役を設けたり、世界会議による王下七武海撤廃に対してもSSGで四皇を抑え込めるという自信が世界政府にあるからだと察知するなど、万単位の大所帯組織のトップに相応しいだけの度量の持ち主であることは確かであり、脳筋とは程遠い。
ヘッドハントに関しても百獣海賊団の戦力増強という利益を見越しつつ相手の実力を偏見なく評価しての行為であり、20年前の光月一派との戦いでは独断で自分を支援しようとした黒炭ひぐらしの横槍で真っ向勝負を潰されたことを不本意に思い敵でありながらおでんにその事を謝罪した件や、その時おでんに「真面目だな、せいぜい強くなれ」と言われた結果「最強生物」と言わしめる程に強くなってしまった(今でこそ怪物じみたごつい体型だが、20年前はもっとスマートだった)事など、酒乱ぶりや自殺願望とは裏腹にストイックで真面目な側面が見受けられる。
「死は人の完成」という独自の死生観・死に場所を求める自殺願望を持ち、死に様に対する強い拘りを抱く。この人生観の形成におでんの強さとその壮絶な死に様を目の当たりにしたことへの精神的影響が強くかかわっており、自身がおでん共々「強いがどこか甘い奴」と見下していたゴール・D・ロジャーや白ひげへの評価を改める切欠ともなった。現在ワンピースの発見や古代兵器による世界最大の戦乱の到来を目論んでいるのも公開処刑と共に大海賊時代を齎したロジャーや頂上戦争で時代を変える最期を遂げた白ひげの様に歴史を動かす壮大な死を迎えるための準備と考えられる。
来歴
過去
数十年前はエドワード・ニューゲート(白ひげ)、シャーロット・リンリン(ビッグ・マム)、金獅子のシキ等と共にロックス海賊団に籍を置いていた。38年前にゴッドバレーにて船長のロックス・D・ジーベックがロジャーとモンキー・D・ガープによって討たれロックス海賊団は解散となったが、この時自称姉貴分のリンリンからウオウオの実を提供されている。解散後は独立し百獣海賊団を結成した。
その後、詳細な時期は不明だが少なくとも26年以上前にはワノ国をナワバリとし、将軍代理黒炭オロチと結託して国を支配下に置いている。25年前、帰国したおでんがヒョウ五郎と手を組んで国中の侍とヤクザと共に戦いを挑んでくる可能性を危惧し、百獣海賊団の戦力増強の為の時間稼ぎとして、拉致したワノ国の人々の解放を引き換えにおでんに対しある取引を持ち掛けている。また、23年前にはモリア率いるゲッコ―海賊団のワノ国襲来に対処し、鈴後での全面抗争の末これを退けている。
20年前、上述の取り引きが虚偽であったことを察したおでんと赤鞘九人男が討ち入りの為に鬼ヶ島に乗り込んでくることをある情報筋から知り、先んじて百獣海賊団の船員約1000名を率い兎丼の森林にておでん達の前に立ち塞がる。
おでんとの戦いでは現在に至るまで残り続けるバツ字傷を付けられるなど次第に追い詰められていくが、ひぐらしの策によりおでんに隙が生じた事で形勢が逆転。しかし戦いの結末はカイドウにとって不本意なものであり、その元凶とも言うべきひぐらしを抹殺している。3日後の光月一派公開処刑当日、釜茹でを1時間耐え抜いたおでんに対してはにある種の敬意を見せ、おでんにひぐらしの件を謝罪し自らの手による介錯を以って引導を渡した。
おでんの死後部下達におでん城への放火を命じ、自身も城に乗り込み光月モモの助と対峙。光月に終止符を打つべくモモの助を殺そうとしたが……。
「名は?」
モモの助「…ハァ……!!…おぇ(おちる高いこわい死ぬ!!)」
「お前の父は……バカ殿だ。『光月家』はお前が死んで終わりだな」
モモの助「ちがう……!!ひっく……!!
父上は…!!いだいな武士で…………せっしゃは……!!ひっく
いつかこの国を!!しょって立つをとくぉでぃぐじゃる!!!」
「言わされた夢………ここまで幼いとは…………」
モモの助「うわあああん父上ェ~~~~!!!」
「あれがおでんの息子とは…………城と共に燃えて死ね……」
偉大なる父おでんとは似ても似つかぬ弱弱しさと幼さに失望し、殺す価値すらもないと判断して燃え盛るおでん城に置き去りにしてその場から飛び去った。その後、オロチ政権に反発する者達を蹂躙し百獣海賊団とオロチ一派によるワノ国の支配体制をより強固なものにしたのだった。
マリンフォード編
頂上戦争に乗り込もうとしてそれを止めようとした赤髪海賊団と小競り合いを起こしていたことが判明。海軍は白ひげの首を取りに乱入するつもりだったのではと推測しているが、後述の飛び降り自殺未遂の後にカイドウが「死ねねェもんだな……また生きちまった…うまくやったよ白ひげのジジイは」と言っていることから、頂上戦争を盛大な死を迎える為の舞台装置として利用しようと目論んでいた模様。
ドレスローザ編
破戒僧海賊団が滞在していた空島の廃墟「バロンターミナル」より高度10㎞からの飛び降り自殺を敢行するも、死亡には至らず苛立ちを募らせながらドフラミンゴがすでに海軍に拘束されている身とも知らずに「最高の戦争」の準備を整えろと声高に叫んだ。
落下先はキッド海賊団・ホーキンス海賊団・オンエア海賊団の海賊同盟のアジトであり、ホーキンス海賊団を屈服させて傘下に加え、最後まで部下になる誘いを蹴り抗い続けたユースタス・キッドは牢獄送りにしている。オンエア海賊団はこの時点で既に傘下に入っていたことから、彼等の元に赴くついでに飛び降り自殺を行った可能性もある。なんて傍迷惑な
ゾウ編
部下からの報告で腹心ジャックによるドフラミンゴ奪還が失敗に終わりSMILEの入手が今後不可能になった事を知ったカイドウ。
「……じゃあもう、これ以上ギフターズ達は増えねェじゃねェかよォ~~!!うおおお~~~ん」
部下達(今日は泣き上戸か…!!)
「うおおおおおおお~~~ん!!!全て能力者の最強の海賊団を
作ろうって言ってたじゃねェか!!!ウオオ~~~
夢半ばで……あんなガキ共にやられたってのか…!?
かわいそうなジョーカー…!!ひとえにてめェが弱ェせいだが…」
部下「ーーしかし”麦わら”は話題の男です!ナメてかかると……」
「ナメてかかると何だってんだよォ~~~~~!!!!
おれが誰だかわかってんのかァ!!?」
ヤケ酒をあおりギフターズを今後増やせない事への悲しみに暮れていたが、事態の原因であるルフィの危険性を指摘されるや突如怒り上戸に切り替わって部下に八つ当たりし、牢獄に収容されたキッドに呼びかける形で最悪の世代への愚痴をぶちまけた。
「ウォロロロ…おい、お前教えてやれよ。同世代のバカ共に!!
『早く逃げろ、おれ達がやってたのは海賊ごっこだった!!』…ってよ!!」
世界会議編
「どういう事だァ!!!おれの大切なSMILEの取り引きを
邪魔したコイツがなぜ…あのババアの所にいたんだ………!?」
ホールケーキアイランドでルフィが起こした事件の新聞記事に憤っていたところ、リンリンから「ナワバリを荒らして自分の面目を潰したルフィの首を取りにワノ国に行く」と連絡を受ける。ウオウオの実の件を一生ものの恩として持ち出された際には言葉を詰まらせつつも、「来るなら殺すぞ」と警告した。
ワノ国編
第一幕
「イラつくぜ……!!生きるってのは…」
龍の姿でおこぼれ町上空に襲来し、アシュラ童子と交戦していたジャックにルフィとローを今すぐ連れてくるよう命じる。実はおこぼれ町に来る前に鬼ヶ島で酒を飲んでおり、下手に酔いの勢いで暴走しようものなら町を破壊しかねない状態にあった。
もしそのような事態を許してしまっては住人を武器工場の労働力として駆り出せなくなってしまう為、町から気をそらせようと機転を利かせたバジル・ホーキンスに「ルフィ達はおでん城跡地に隠れている」と告げられ、熱息で当たりの地形ごと城跡地を吹き飛ばした。
ホーキンスは嘘のつもりだったのだがこの時偶然にも麦わらの一味やおでんの家臣が城跡地におり、仲間が巻き込まれたことに怒りを爆発させたルフィから怒涛の猛攻撃を食らうが、殆どダメージを負うことなく雷鳴八卦の一撃で返り討ちにしてしまう。
「何の王になるだと………?小僧ォ……!!!」
無意識に覇王色の覇気を発動させ威圧してくるルフィに対してキッドの事を重ね訝しげに思いつつも、部下達に兎丼の囚人採掘場に連行するよう命じ自身は飲み直す為鬼ヶ島へと帰還した。
第二幕
ワノ国にビッグ・マム海賊団が侵入して来ることを知り警戒を強めるも、腹心のキングが単身出撃しクイーンママシャンテ号を蹴り落としてこれを阻止。しかしリンリンは九里ヶ浜へ打ち上げられており、紆余曲折を経てクイーンの手で鬼ヶ島へと連行されてくる。「来るなら殺す」と事前に警告していた通りにリンリンと一晩中の死闘を繰り広げるが……
「火祭りの夜は最高の宴になる!!ウォロロロ」
リンリン「そうさ記念日さ!!ママママ」
クイーン「何だ?殺し合いから友情でも芽生えたか……!!」
「オイよく聞けおめェら」
クイーン「なんすか」
「我々『百獣海賊団』と!!!」
リンリン「『ビッグ・マム海賊団』はァ!!!」
「『海賊同盟』を結ぶことにしたぞォ!!!」
クイーン「!!? え~~~~~~~!!?」
決着はワンピースを手に入れてからの後回しでいいとして休戦・和解し、前代未聞の四皇同士の同盟を締結したのだった……。
第三幕
ワノ国をナワバリにして以降鬼ヶ島で毎年恒例となっている大宴会「金色神楽」当日。この日はビッグ・マム海賊団との同盟締結記念日であると同時に、カイドウにとってはかねてより構想していた海賊の帝国「新鬼ヶ島」にワノ国を作り替える為の特別重要な日であった。ところが新鬼ヶ島将軍として擁立する予定だった娘ヤマトが失踪してしまい、いち早くその事を知ったキングの自己判断で招集された飛び六砲達に対し大看板への挑戦権を餌にヤマト捜索の任務を与えた。
オロチの刺客によって捕らえられたモモの助を磔にしたライブフロアに姿を現すと、海賊同盟の締結とワンピースの入手、そして古代兵器によって恐怖と戦争の火種を撒き暴力が支配する世紀末の世界を作り上げる事を宣言。その準備として花の都を住人達をも武器工場の労働力として使役すると言い出し、その事に怒り心頭のオロチをキングから借りた刀で斬首。
「おれ達にとっちゃあ………!!『黒炭家』も『光月家』も!!どうでもいい話だ!!!」
(中略)「これから来る"世界の大戦"に向けてこの国を『海賊の帝国』に変える!!
本業の遠征も増えるだろう!!今夜この『鬼ヶ島』をーーー『花の都』に移し!!!ワノ国は滅ぶ!!」
「国の名は『新鬼ヶ島』!!!将軍は我が息子ヤマトだ!!!」
新鬼ヶ島計画を宣言すると共にオロチの配下である見廻り組とお庭番衆にオロチの敵を討つか仲間になるかの二択を迫り、後者を選択した両組織総勢約1万人を新たに戦力として加えた。眼前にいる20年前と寸分違わぬ姿の幼子に対してあのおでんの息子であることへの疑問を口にしながらも、もし光月の者でないのならば見逃すという情けを持ちかけつつ改めて20年前の問いをぶつけた。
「もう一度質問するぞ……小僧。お前の名は?」
モモの助「”モモ”は…”天下無敵”をあらわすことば!!……!!拙者の名は!!!
光月モモの助!!!ワノ国の”将軍”になる男でござる!!!うわあああん!!!」
勇気を振り絞って甘言を振り切ったモモの助を忌々しげに処刑しようとしたが、その時赤鞘達の強襲を受ける。流桜を伴った刃で自分の体に傷を与える彼等の気迫とそれに呼応するかの如く疼く20年前の古傷に動揺を隠せないカイドウは悲鳴を上げながら墜落。20年にもわたる準備の末にリベンジを果たさんとする彼等に対し「海賊は裏切るぞ」とルフィ達への不信感を煽り立てる(事実、既にカイドウ自身がオロチを裏切っている)も赤鞘には全く通用しなかった。
ルフィから全面戦争宣告を受けるや迎え撃つことを宣言し、ドーム屋上にて赤鞘達と対峙。カイドウの支援に駆け付けたジャック以下百獣海賊団の船員たち、そしてイヌアラシ・ネコマムシが連れてきたミンク族の戦士たちも巻き込んでの全面対決となる。月の獅子(スーロン)を発動させたミンク族相手に深手を負ったジャックを庇いドーム内部に逃がして単身赤鞘達を迎え撃つも、一時は善戦する彼等の前に追い詰められたかに見えた……
ここから先は、単行本未収録分の内容について 触れています。ご注意ください。 |
「お前らの気迫に………!!光月おでんの影を見た…
ーー別に殺されてやってもよかった。傷が疼く度………思い出すんだ…!!
ーーだがお前らはやはりおでんじゃなかった………あんな怪物侍はもう現れねェ…!!!」
「浅いんだよ…そんな力じゃ"あの時"の傷は開きもしねェ………!!!」
「お前らじゃムリだ」
死に場所を求めていたカイドウは今の赤鞘達に20年前のおでんが果たし損ねた自分が望む死を齎すかもしれない、という期待を抱いていた。しかし実際に彼等の刃を受け止めた結果その次元には至らないと悟り落胆したカイドウは赤鞘の覚悟は認めつつも彼等を淡々と倒していく。戦いの後、焔雲で鬼ヶ島を宙に浮かせ花の都へと運び始めるのだった。
そして鬼ヶ島がワノ国に移動している最中、ドーム屋上にルフィ、ゾロ、ロー、キッド、キラーが次々と到着。自分を無視して錦えもんの元へと寄り添ったルフィを叩き潰そうとするも寸でのところで躱され、流桜を会得したルフィのゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)がカイドウを捉える。
(おれに攻撃が効く……?九里でおれに大敗した後何があった!?
わずかだぞ……!!おれと戦える奴など!!!)
(お前が……!!!どれ程のモンだってんだよ……!!!)
おこぼれ町での初戦とはうってかわり自分にまともにダメージを与えてきたルフィに対し歴戦の強者共の影を見たカイドウ。かくして旧き時代の怪物・カイドウ&シャーロット・リンリンと新時代の担い手・最悪の世代の対決の火ぶたが切って落とされる。この激戦に昂ぶったカイドウは人型・龍型を経て人獣型になりルフィ達の前に立ちはだかる……。
百獣海賊団
約2万にも上る大規模な兵力を有しており、古代種動物系能力者などが組する海賊団。かつて最悪の世代の一角として世間を騒がせた超人系能力者を傘下にすることもある模様。
数が多すぎるためか、ミンク族を襲撃した一団など、白ひげ海賊団やビッグ・マム海賊団と比べると、頭脳担当や連携力などに粗がある輩も見られる。一方で、動物系ならではの俊敏性とアブサロムも真っ青の手際で、敵対者から掠め取る輩や、不眠不休で三日以上闘いつづけていながら心身ともに疲弊する様子を見せない厄介者なども見受けられる。
能力者は超人系に特化したビッグ・マム海賊団に対し「百獣」の名にふさわしく動物系の比率が極端に高く、兵の数も併せて力押しの戦闘向き。
弱肉強食の実力主義を掲げており力を示せばいくらでも成りあがることが出来る為、この事が構成員達の向上心を掻き立て戦意高揚につながっている一方、最高幹部の大看板と下剋上を狙う飛び六砲の間に確執が生じる一因にもなっている。
また、シーザーやドフラミンゴとの協力のもと、兵器や人工悪魔の実「SMILE」などを有していたが、現在後者は海賊同盟の手引きによって工場が破壊されたため新規の生産・確保の経路は断たれている。
構成員などの詳細は百獣海賊団の記事を参照。
能力・技能
動物系悪魔の実「ウオウオの実幻獣種モデル"青龍"」(モデル名はコミックス98巻のSBSにて判明)の能力者であり、巨大な青い東洋龍の姿に変身することが出来る。生成した雲を用いた飛行能力を持ち、その尋常ならざる大きさからは想像もつかないほどの空中機動力を有する。他にも熱戦や雷撃を放つなど多彩な能力を有し、もはや生きる災害といっても過言ではない。
38年前のゴッドバレー事件で自身が所属していたロックス海賊団船長ロックスが討たれた後、現在は同盟関係にあるリンリンから提供されたものであり、これを彼女は一生ものの恩としている。
能力意外に特筆すべき点として、常軌を逸した頑強さがあげられる。海賊として7度の敗北を経験し、単身で海軍及び四皇に挑み捕まること18回、1000超の拷問と40の死刑宣告を受けながらもあまりにもその肉体が頑丈過ぎて首を吊ろうものなら鎖は千切れ、ギロチンにかければ刃は砕け、串刺しにしようと突き立てた槍は折れ、死に場所を求める自身の思惑とは裏腹に誰もカイドウを殺す事はできず逆にその過程で9隻もの巨大監獄船を沈めている。殺せないのはカイドウ自身も同じで、バロンターミナルからの飛び降りで「頭痛ェ」とぼやく程度のダメージしか負っていない等、様々な自殺を試みるも全て失敗に終わっている。能力者の性質上入水自殺ならほぼ間違いなく成功すると思われるが、自身が望む死ではない為か試みてはいない模様。
無論この打たれ強さは対峙する者にとっては大変な脅威であり、ルフィは流桜を会得していなかったこともあり初戦でまともにダメージを与える事すら敵わなかったほど。
ちなみに悪魔の実の名前がリュウリュウの実ではなくウオウオの実なのは登竜門の故事(鯉の滝登り)をモチーフにしているためで、誕生日が鯉の日であることもその伏線だったと考えられる。悪魔の実の性質上登場させるのは困難と見られていた水棲生物モチーフの実が満を持して(?)登場したわけであるが、魚人の能力者であるジャックやバンダー・デッケン9世がカナヅチになっていたことやアホロートルの姿をとるスマイリーが水を避けていた事と照らし合わせると、実際に水中を泳げるわけではない可能性が高い。
また、モモの助がパンクハザードで口にしたDr.ベガパンク製の人工悪魔の実も龍に変化する効果がある為、何らかの関係があるのではないかと思われていたが、第1007話「たぬきさん」にて嘗てカイドウが海軍に捕縛された際にベガパンクがその血統因子を抽出して生み出したものであることが判明した。
焔雲
物体を浮かばせることが出来る特殊な雲。カイドウはこれを介することで飛行を可能としている。その気になれば鬼ヶ島を丸ごと浮かせることもできる。
熱息(ボロブレス)
龍形態で使用。口から吐き出す強力な熱線。おでん城跡を周囲の地形ごと一瞬で消し飛ばすほどの破壊力を持つ。
雷鳴八卦(らいめいはっけ)
覇王色の覇気を纏った金棒「八斎戒」から繰り出される強烈な一振り。ワノ国編第一幕ではギア4バウンドマンのルフィを一発KOし、四皇の規格外ぶりを読者に見せつけた。
雷撃
壊風
龍形態で使用。口から風の刃を連続で吐き出す。菊の丞の片腕をいとも容易く切断した。
竜巻
龍形態で使用。その名の通りいくつもの竜巻を発生させる。その威力はまさしく災害級。壊風と組み合わせることで「壊風竜巻」となる。
降三世引奈落(こうさんぜラグならく)
人獣型で使用。覇気を纏った八斎戒を振り回しながら飛び上がり、勢いよく叩きつける。
覇海(はかい)
合体攻撃。リンリンと共に武器を振り上げ特大の衝撃波を引き起こす、ドリーとブロギーの「覇国」の強化版とも言うべき技。
構成員・関係者
- ヤマト
一人娘。20年前の「伝説の一時間」から光月おでんを自称する程におでんに対して入れ込んでおり、おでんの様に海外に出奔するのを防ぐべく爆破機能付きの手錠を付けて鬼ヶ島に軟禁している。新鬼ヶ島の将軍として擁立する予定を立てているなど「バカ息子」とはいえカイドウなりの情も少なからずあったようだが、20年間嵌め続けていた手枷の件が決定打となり彼女から絶縁を言い渡されている。おでんに強い影響を受けているのはカイドウも同じだが、その方向性は大きく異なっている。 - 旱害のジャック
百獣海賊団大看板を勤める最高幹部の一人。ゾウゾウの実古代種モデル”マンモス”の能力者で、能力が飾りに見えかねないほどの異常な持久力を持つ。詳細はジャック(ONE PIECE)参照。 - 黒炭オロチ
ワノ国の現将軍。お互いに役割を分担してワノ国を支配下に置いている。しかし最終的にカイドウは新鬼ヶ島計画の為にオロチを裏切っている。 - シャーロット・リンリン
ビッグ・マム海賊団船長である四皇の一角。ロックス海賊団時代の同僚であり嘗てカイドウにウオウオの実を提供した。カイドウとは犬猿の仲で有名だったが、紆余曲折を経て同盟を結成し共闘関係になる。 - X-ドレーク
元海軍将校で、百獣海賊団傘下に入ったドレーク海賊団船長。動物系古代種「リュウリュウの実モデルアロサウルス」の能力者で真打ちの中でも選りすぐりの精鋭六人衆「飛び六砲」の一角。新世界編では武装色の覇気を顎・歯に用いたと思われる描写を見せている。海賊団所属者の中では比較的、知的で落ち着いた口調で話す。しかしその正体は海軍本部機密特殊部隊「SWORD」の隊長であり、傘下に入ったのは潜入調査の為。いち早くカイドウとビッグ・マムの同盟締結を海軍本部にリークしている。 - バジル・ホーキンス
百獣海賊団傘下に入ったホーキンス海賊団船長。ワラワラの実の能力者で、現在は真打ちを勤めている(わかっている限りでは飛び六砲とギフターズ以外では唯一の人物)。自身と同じく最悪の世代と知れ渡っている者たちを油断なく見据える強かさなどを持っていながら、賭博性の高い奇手をとることも辞さない面倒な輩。 - スクラッチメン・アプー
百獣海賊団傘下のオンエア海賊団船長。情報屋兼ナンバーズの調教係を務めている麦わらの一味再集結以前からカイドウの傘下に入っていたようで、その事を隠してホーキンス海賊団およびキッド海賊団との同盟締結に応じていた。 - スコッチ
参加の海賊で、“18”の英数字の書かれた防具などを身につけている。前述のドレーク参入の場に居合わせた他、カリブーとも交戦している。 - シーザー・クラウン
直属ではないが、兵器確保や能力者による軍勢結成などに大きく関わった人物。一時は麦わら一味との交戦の末に捕縛され、カイドウとも百獣海賊団とも交信がしづらい状況に追い込まれたが…。
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関連項目
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