カウンターウェイト(Counterweight)とは、ヨーヨーに使われる部品の一つである。
プレイスタイルの「カウンターウェイトプレイ」については、5A(ヨーヨー)の記事を参照。
概要
「ウェイト」とも略される。また、後述のダイス形状が多いことから「ダイス」とも表現される。
ヨーヨーは、通常ストリングの一方をヨーヨーに、他方を指に接続するが、指に接続する方をおもりに接続すると、オンハンドではできない特殊なプレイが可能になる。カウンターウェイトは、この際に使用するおもりである。
ルール
- カウンターウェイトは、5A部門でしか使用できない。他の部門では加点対象外。
- カウンターウェイトはストリングの「反対側」に接続しなければならない。しかし、「固定しなければならない」という規定はない。従って、スライディング・カウンターウェイトも認められる。
- 材質・形状・重量・個数に関する規定は一切ない。自作も自由。
ただし、当然ながら会場や他の来場者に危害を加えるようなものであってはならない。 - 演技中にカウンターウェイトをはずしてはならない。故意に外した部分については評価対象外。意図せず外れた場合、追加減点5(切断・分解)。その結果ウェイトやヨーヨーが観客席に飛び込んだ場合は、競技失格の追加減点を取られる。
種類
前述の通り、どのような形をしていてもよいため様々なものが市販されている。
ソリッド
プラスチックの塊に穴をあけるか、フィンガーホールを引っかけられる溝がついているもの。
当初は歴史的経緯からサイコロの形をしており、現在でもそのなごりで「ダイス」と呼ばれることがある。
空気抵抗や摩擦抵抗が少なく、速度が出しやすいことから、現在ではほとんどのトーナメントプレイヤーがこれを使っている。
形状
- 立方体・面に穴…ダンカンダイスなど
- 立方体・四面に溝…キャンディーダイスなど
- 正二十面体…ヨメガカウンターウェイトなど
- そろばん玉型(円錐台)…PoryKonなど
- 球・穴…ヨーヨーファクトリーカウンターウェイトなど
- 球・溝…iYoYoカウンターウェイト、ダンカン・ラピッドボールなど
ボール
ゴムなどの軟質素材でつくられたボール。
もともとは、スーパーボールにドリルで穴をあけて自作していたが、のちに「ダンカン・スローモンキー」などに付属するようになった。
柔らかく、手に当たっても痛くないため、初心者に向く。
スローモンキーに付属のものは、ゴム(最初期は発泡ゴム)のボールに、金属で重量を調整した硬質プラスティックの芯がはめこんである。自作する際も、あけた穴をそのままにしておくとウェイトが割れてしまうため、何らかの硬い素材で補強した方がよい。
世界チャンピオンの沼上誠が使用したのと同じセッティングのウェイトが、スピンギアから発売されたこともある。これは、スーパーボールに旋盤で穴をあけ、金属パイプの芯を埋め込んだもの。
「シンウー・ザンナビ」にも、カウンターウェイトに使えと言わんばかりにゴムボールが付属している。
付属ヨーヨー
- ダンカン・スローモンキー →モンキーボール
- ダンカン・フリーハンドZERO
- シンウー・ザンナビ (ただしカウンターウェイトに使えとは書かれていない)
キャラクター
「ダンカン・フリーハンドZERO」などについてくる、ダンカンキャラの生首を模したウェイト。
全7種類あり、このうち、フライングスクワールを除く6種類がセットになったウェイトセットが発売されたこともあった。
キャラクターは、ダンカンのヨーヨーやパッケージに描かれていたキャラクターのものが多い。
下記のうち、上から6種類は「ダンカン・フリーハンドZERO」にランダムで1個付属。フライングスクワールは、「ダンカン・フライングスクワール」にのみ付属していたが、スティーヴ・ブラウンの移籍後は「フリーハンドZERO」のランダムソートに組み入れられた。
- フリーハンド2
- スローモンキー
- フライングパンダ
- スティーヴ・ブラウン
- ダンカンマン
- ガイコツ(初期のダンカンクルーのユニフォームとコラボレーションしていた、LUCKY13のシンボル)
- フライングスクワール
上から6種類については、「ダンカン・フリーハンドMg」初期型に、シルバー塗装のものが付属。
フリーハンド2キャラのものは、「フリーハンドMg」後期型に白いものが付属している。
前述の通り、カウンターウェイトの形状は何でもよいのだが、複雑な形状だとストリングが引っかかることもあるため、現在ではこのようなお遊び形状のものはあまり販売されていない。
ダブルダイス
スライディング・カウンターウェイト(アストロ)というトリック専用のウェイト。ウェイトを2個連結し、一方は端に固定、もう一方は中間を自由に移動できるようにしたもの。これにより、ウェイト2個が動く「アストロジャックス」のような動きが可能になる。
半分の重さのダイスを2個連結する場合と、一方が空洞になっていてもう一方が中に入る形状のものがある。
マグネット
「ダンカン・マグネチュード」に付属する、ネオジム磁石を搭載したカウンターウェイト。
立方体型で、4面は磁石になっている。残り2面に穴が2つ貫通しており、ストリングは一本取りでも二本取りでもつけることができる。
ヨーヨー本体の軸にも磁石が仕込まれているため、これを利用したトリックが可能。
また、ウェイト同士くっつけて「ハイドラ」のようなプレイをすることもできる。
LED
「フリーハンド・パルステクノロジー」に付属するか、単体で発売されているLED搭載ウェイト。
発光色は青のみ。
スイッチは、ボールペンの先などで押す形式。消すときは長押しする。
完全に密封されており、電池交換は不可。電池が切れたら新しいものを買うしかない。
ベアリング
内部にボールベアリングが圧入されたダイス。サイコロの目などはプリントされていない。
これにより、ストリングのヨリを素早く戻すことができる。
その他
その他、ヨーヨーに取り付けられそうなものならば何でもカウンターウェイトになる。
公式戦に使用された例では、大西翼は一時期お風呂の栓を使用していた。
ウェイト次第では、面白いプレイが可能である。
リング状のウェイトであればオンハンドと簡単に切り替えられる。
けん玉の剣をウェイトとして使用すれば、回っているヨーヨーを用いたけん玉プレイもできる。
取り付け方
一本取り
ウェイトの穴にストリングを通し、抜けないように端を結ぶか、ストッパーをつける方法。
ベアリング搭載のウェイトやダブルダイスは、このやり方でないと意味を成さなくなる。また、ゴムボールタイプのウェイトも後述の理由により一本取りが推奨される。
わかりやすい取り付け方だが、オンハンドに戻したい場合結んだストッパーをほどき直す必要があり面倒である。また、ウェイトが端で固定されず動いてしまう。
二本取り
ウェイトの穴とフチを指に見立て、完全に固定する方法。ストリングを穴に通した後、ストリングの先をデッドホール(ストリングを結んで作る穴で、指を入れる穴を作る予備となるもの)に通して固定する。
ウェイトが動かず、また取り付け方が指と同じであるため、オンハンドに戻したい時にほどくのが楽である。ゴムボールタイプのウェイトは、締め付けるとウェイトをねじ切ってしまうため、このやり方は推奨されない。
溝
溝がついているヨーヨー専用の方法。フィンガーホール(指を通す穴)を拡げ、ヨーヨーについている溝に引っかけて締め付ける。
一本取り、二本取りでは一旦ヨーヨーからストリングをはずす必要があるが、このやり方ならその必要がなく、普段オンハンドで使用しているヨーヨーに簡単に取り付けることができる。一方、フィンガーホールがゆるむとウェイトが取れてしまうため、トリックのたびに確認が必要。
特許
ヨーヨーにカウンターウェイトをつける特許は、現在ダンカンの親会社であるFlambeau社が2000年に出願した。本特許は2020年4月28日まで有効だった。
特許が有効である間は、他メーカーから出ているカウンターウェイトは、米国外のみの販売か、ダンカンのライセンスを受けて販売されていた。
ゲーム『Terraria』におけるカウンターウェイト
サンドボックスゲーム『Terraria』は、One Drop YoYosとコラボレーションしている。
ヨーヨーに装着できる装備として、カウンターウェイトも登場している。
ヨーヨーを投げ出すと勝手に伸びて、装着したヨーヨーと同じ性能を発揮する。
カウンターウェイトというより、2Aに似ている。
形状はサイコロ型だが、現実にはない六面体以外のダイスもある。
性能はどれも同じ。
関連動画
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関連項目
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