カラスとは、鳥類のうちのスズメ目カラス科、もしくはそのうちのカラス属に属する鳥の総称である。
概要
全身が黒く(黒くないカラスもいる)、鳥類の中でもっとも知能が発達していると言われており、日本の街中でも頻繁に見ることができる。代表的なカラスはハシブトガラスとハシボソガラスの二種。また、冬の渡り鳥として北海道には体長60㎝を超えるワタリガラスが、ほぼ全国ではミヤマガラスと少数のコクマルガラスが飛来する。
世界中の神話に登場することから、古くから人々の間でポピュラーな生物であったことが伺える。日本の神話にも「八咫烏」というカラスが登場する。また、「烏の行水」など、いくつかの慣用句にも使用されている。
近年では、生ゴミや作物を漁る害獣という印象が特に強く、人々からは嫌われている。
生態
- ハシボソガラス
- 全長50cm。クチバシが細く、(頭部の羽毛を寝かせていることが多いため)額がスラッとしているように見える。かなり器用。主に「ガァガァ」と鳴く。ユーラシア大陸に広く分布。
- ハシブトガラス
- 全長57cm。クチバシが太く、(頭部の羽毛を立てていることが多いため)額が盛り上がっているように見える。嗅覚はほとんど機能してないが、視力はいい。主に「カァカァ」と鳴く。飼育下の個体で、オウムのように人の言葉を発音する様子が観察されている。東南アジア、東アジアに分布。
どちらも見た目では雌雄の区別ができない。雑食性で割と何でも食べるが、一応ハシボソは植物性、ハシブトは動物性を好む傾向がある。
緑地を集団ねぐらとしており、都市部の公園や神社、寺などをねぐらにしていることも多い。
3~6月に繁殖期を迎え、つがいで巣を作る。この時期(特に5月ごろ)は非常に神経質になっているので、襲われる可能性があります。巣には近づかないようにしてください。
知的行動
カラスは非常に知能が高い動物であり、日本各地で知的行動が観測されている。
ハシボソガラスが舗装道路に上空からくるみを落とし、くるみを割って食べるという行動が観測されている。北海道沿岸部のハシボソガラスは巻貝での同様の行動が観測されている。また、仙台ではハシボソガラスがくるみを車道に置き、通る自動車にくるみを轢かせて、割れたくるみの中身を食べるという行動が観測されている。
ニューカレドニアに生息するカレドニアガラスは枝や葉などで道具を作り、朽木の中の虫などの餌を獲る。道具は生息する地域によって異なるが、同じ地域に生息するカレドニアガラスが作った道具ならばほぼ同じ長さになるらしい。ちなみにカレドニアガラスも木の実を岩の上に落として割ることがあるという。
動画は研究施設でのもの。
そして良く遊ぶ。
問題
カラスの生ゴミ荒らし、人への威嚇・攻撃等が近年問題となっており、各自治体が対応に頭を悩ませている。
都市部でカラスが増えた原因として、豊富な生ゴミ(栄養価の高い餌)、森林から都市への生活の順応が容易であったこと、人間の生活圏であるため天敵が少ないことなどが考えられている。つまり都市はカラスにとって理想的とも言える生活環境であり、むしろ人間がカラスを増やしたと言える状況である。
つまり人間の生活圏とカラスの生活圏とが重なることから軋轢が生じているのである。
ここで効果的と考えられる方策は、生ゴミとカラスの物理的隔絶である。先に述べた通りカラスが増えた原因はそもそも生ゴミによるものなので、生ゴミさえなければカラスが都市部に住み着くこともなければ、増えることもないのである。自治体ごとのルールに則り、ゴミをネットで覆う等、適切に処理することでカラスによる被害は抑えられると考えられる。
ゴミ対策の他、営巣させないために公園の木の剪定、餌付けの禁止を徹底する等の対策が挙げられる。自治体によっては防鳥ネットの貸し出しや、巣の撤去等の対応も行っている。
こういった対策は一時的なものでは意味がなく、長期的に行わなければならない。カラス対策に求められるのは、客観的事実に基づいた冷静な対応であり、科学的見地からカラスの生態を把握したうえで、被害実態と照らし合わせて弾力的に対策を講じることが肝要である。
平成12年度に環境省は、カラスについての基礎知識と具体的対策法をまとめた「自治体のためのカラス対策マニュアル」を配布し、体制を整え対策を継続的に行っていくことを各自治体に求めた。
東京都カラス対策プロジェクトではゴミ対策に加え、カラスの捕獲・駆除も行っているが、これに対し日本野鳥の会が意見書を提出し、捕獲・駆除によるカラス対策の効果を疑問視している。
神話・伝説に登場するカラス
- 日本神話
- 神武天皇東征の際、道案内をしたのが「八咫烏」であった。八咫烏は熊野神の神の使いで、熊野三社では八咫烏が描かれた神紋が使用されている。
- アイヌ神話
- 姿を消してしまった太陽をカラスが見つけ出し、地平線まで運んできた。その際真っ黒に日焼けしてしまった。
- 中国の神話
- 十個の太陽が交替で大地を照らしていた時代、ある日突然十個の太陽がいっせいに現れた。大地は焼かれ、人々は苦しんだが、弓の名人が九個の太陽を射抜き落とすことで解決した。射抜かれた太陽のもとへ行ってみると、九羽の三本足のカラスが倒れていた。中国ではカラスは「陽鳥」「金鳥」と呼ばれ「太陽の化身」と言い伝えられている。
- イギリス
- アーサー王が魔法でワタリガラスに変身させられた、という伝説が残っている。チャールズ二世の時代には、カラスが増えすぎて住民が困っているので、カラスを駆除しようとしたところ、占い師から「カラスがいないとロンドン塔がなくなり、英国も滅びてしまう」とのお告げがあり、駆除をやめて逆にロンドン塔でカラスを飼うことにした。以来英国王室ではロンドン塔でカラスを飼い続けている。
- ギリシア神話
- 太陽神アポロンの使いとして登場する。しかしアポロンの怒りを買い炎に焼かれ黒焦げになり、天界から追放された。
- 北欧神話
- オーディンの使いとして「フギン(思考)」「ムディン(記憶)」という名の二羽のワタリガラスが登場する。
- 旧約聖書
- 大洪水が起きたとき「ノアの箱舟」からカラスが放たれた。しかし帰ってくることはなく、かわりに放たれた鳩がオリーブを咥えて帰ってきた。
- シベリア チャクチ族の神話
- ワタリガラスの妻が人間の男女を、夫が大地を作る創世神話。
- イヌイット神話
- 「父なるおおガラス」が万物を作る創世神話。
- 北アメリカ北西海岸 ハイダ族の神話
- 洪水により全ての生物が死に絶えた中、ワタリガラスだけが生き残り、全ての生物の祖先となった。
- 北米 ピュジェット・サウンド地方の神話
- ハイイロワシがしまいこんでいた太陽、月、星、水、火などをワタリガラスが盗み出し、人々に与えた。
- アラスカ トリンギット族の神話
- 光をつかさどる神がしまいこんでしまった太陽を、ワタリガラスが取り戻す。
- アラスカ クリンギット族の神話
- 森を創造したカラスが、タカに太陽を持ってくるように頼む。
関連動画
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関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B9


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読み:カラス
初版作成日: 09/02/05 07:12 ◆ 最終更新日: 12/04/07 02:51
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