カルロ・ギンズブルグ(1939)とは、イタリアの歴史学者であり、ミクロストリアの代表的な人物の一人である。
『チーズとうじ虫』の著者といえばピンと来る人もいるかもしれない。
概要
トリノのユダヤ人家庭に生まれ、作家の両親の間に生まれる。1961年にピサ大学で博士号を取り、ボローニャ大学、次いでカリフォルニア大学で教授となっている。
研究者としてはトルストイの『戦争と平和』、マルク・ブロックの『奇跡を行う王』に感化されて歴史学の道へと進み1959年から呪術・魔女の研究を始める。そのため古文書館の異端審問記録を読み漁り、とある異端審問の当事者の記録を徹底的に追いかけて当時の社会・文化・思想を鮮明に描いた『チーズとうじ虫 十六世紀の一粉挽屋の世界像』など歴史人類学、ミクロストリアに多大な貢献を行った。
またヘイドン・ホワイトのメタヒストリー論の反対陣営の急先鋒としても知られ、『歴史を逆なでに読む』などで歴史学において相対主義的な姿勢をとり続ける限り、どのような「物語」でもかけてしまうと批判を加えている。
ギンズブルグはデータを「歪んだガラス」とたとえ、観察データを絶対視する実証主義にもデータは何の役にも立たないという懐疑論的な相対主義にもくみしない。彼は、仮説を立て観察データを見る際には論理学的な真偽を問うよりも弱い、それぞれの対立理論に対して「経験的支持」の大きさという関係を結ぶ、とするのである。つまりアブダクションこそが彼の「歴史を逆なでに読む」手法なのである。
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