ガイロス帝国とは、『ゾイド』シリーズに登場する架空の国家である。
国章は旧シリーズでは緑の下地に宝玉を持った飛竜が描かれたもの、新シリーズでは剣に巻きついた翼を持つ赤い蛇龍が描かれたものとどちらもドラゴンをシンボルとしている。
概要
暗黒大陸ニクス全土を収める帝政国家で、中央大陸での部族間戦争が終結した後、ヘリック1世と対立していた部族の長だったガイロスという人物が暗黒大陸に渡ってその建国に関与したとされる(ただし、あくまで“関与”であり、実際に彼が建設したのかという根拠は今の所存在せず、皇家もこのガイロスとは別人である)。
ZAC2039年、当時のガイロス皇帝が中央大陸より亡命してきたゼネバス一派を受け入れて技術支援を行い、彼等の中央大陸再侵攻をお膳立てしていた。しかし、再びゼネバス帝国が不利になったZAC2051年にはゼネバスの救援要請を反故にしてゼネバス軍を攻撃、ゼネバスをはじめとする将兵達やゾイドを全て奪取し、それらを自軍に組み込んで戦力増強を図った後、今度は中央大陸を侵略せんとヘリック共和国に宣戦布告、第一次大陸間戦争の引き金を引いた。緒戦では優れた科学力と軍事力でヘリック共和国軍を圧倒したが、後に起こった惑星Zi大異変により軍備の大半が崩壊してしまったため両軍ともに戦闘続行は不可能となった。
それから数十年後のZAC2090年代は前ガイロス皇帝が崩御、新たにルドルフ・ツェペリンが皇帝となったが、まだ彼が年若かったためギュンター・プロイツェンなる者が摂政として国政を取り仕切るようになる。しかし、彼は軍備再編に力を注ぎ、そして再び中央大陸を攻撃するため西方大陸エウロペへと軍を派遣、それを察知したヘリック共和国軍もまた同大陸に軍を寄越し、第二次大陸間戦争の幕を開けた。当初こそ圧倒的優勢で事を進めていたものの、次第に状況は逆転するようになり、とうとう西方大陸からは撤退し、共和国軍の暗黒大陸本土への進入を許してしまう。さらに悪い事は続き、摂政だったプロイツェンこそかつて自分達が滅ぼしたゼネバス帝国の遺児であり、彼の私兵部隊の反乱により帝国そのものは致命的な打撃を負ってしまい、もはや軍事的な活動は出来なくなってしまった。それ以降はヘリック共和国軍部と同盟を組んで彼等の支援に徹している。
基本領土の暗黒大陸であるが、その名の通り中央大陸とは比較にならないほど厳しく険しい環境で、あまり住みやすい場所とは言えない。そのためガイロス人の大半はもっと快適な土地への移住を望んでおり、それが中央大陸侵攻の大きな理由の一つで、ガイロス帝国成立以前にも中央大陸への侵略行為を行なっている(これにはかつて暗黒大陸に渡ったヘリック1世が暗黒大陸の人間達に中央大陸の事を吹聴し、侵略するように唆した事も大きい)。しかし、当時は中央大陸の環境にゾイドも兵士も適応できず、早々に退散させられる結果になった。
当初は極めて強硬な軍事国家で、野心家のガイロス皇帝の意志の下惑星Zi全土を完全統一を目指していた。次代のルドルフ皇帝は割りと穏健派であったものの、軍部を掌握していたプロイツェンの意向によりまたしても侵略国家としての道を歩む事になる。民衆の為人については描写が少ないため不明であるが、軍内部では取り込んだ元ゼネバス系の将兵を冷遇する傾向が強かったため後に大きな反発を呼んでいる。プロイツェン亡き後はルドルフに実権が戻り、ようやく平和な国家に向かいつつあるが、中央大陸においてはかつてのガイロス軍の背信行為によりゼネバス人からは白眼視され、ヘリック人からも共和国軍部がガイロス軍と同盟を結んで敵対関係が解消されたにも関わらずいまだ反ガイロスを掲げるネオゼネバス帝国を支持するほど嫌われている。
首都は2050年代まではダークネスと呼ばれる都市であったが、現在ではヴァルハラという都市に遷都されている(『ゾイド -ZOIDS-』では何故か西方大陸のガイガロスが首都になっている)。
軍備
登場当初はガイロス帝国軍ではなく“ガイロス暗黒軍”という名称で呼ばれていた。
ゾイドの個体数と種類数こそ極端に少ないが、技術力はヘリック共和国より数年先を行っていると言われるほど高く、ゾイドのベースとなる素体にもドラゴン型やワイバーン型といった強力な種が存在しており、ものによっては並の現行機よりも強力なゾイドも多かった。
特に“ディオハリコン”と呼ばれる特殊鉱物を用いたゾイドの性能は飛躍的に向上する事が知られている。
しかし、惑星Zi大異変により独自に使っていた大半のゾイドを失ってしまうも、第二次大陸間戦争では旧ゼネバス系ゾイドを大量に再生産して軍備の穴を補い、さらに“オーガノイドシステム”といった新技術を導入する事で共和国軍よりも優れた軍事力を誇っていたが、それも次第に共和国に追いつかれて行き、あまつさえそれらの革新的技術も後にはギュンター・プロイツェンの策略によってほとんどネオゼネバス帝国に奪われるハメになってしまった。
保有ゾイド
第一次大陸間戦争期
DHI‐011 ヘル・ディガンナー |
DPZ‐009 デッド・ボーダー |
DPZ‐010 ダーク・ホーン |
DPZ‐013 ジーク・ドーベル |
DPZ‐016 ガル・タイガー |
DBOZ‐017 ギル・ベイダー |
DPZ‐021 アイス・ブレーザー |
DPZ‐023 ガン・ギャラド |
DPZ‐025 デス・キャット |
GRZ‐004 ダークネシオス |
GRZ‐009 ヴァルガ |
GRZ‐010 クリムゾンホーン |
第二次大陸間戦争期(西方大陸~暗黒大陸戦争まで)
EZ‐004 レッドホーン |
EZ‐005 レドラー |
EZ‐006 モルガ |
EZ‐011 ヘルディガンナー |
EZ‐012 ブラキオス |
EZ‐015 アイアンコング |
EZ‐016 セイバータイガー |
EZ‐017 イグアン |
EZ‐018 サイカーチス |
EZ‐021 デスザウラー(※1) |
EZ‐022 ゲーター |
EZ‐023 ヘルキャット |
EZ‐026 ジェノザウラー(※1) |
EZ‐027 レブラプター |
EZ‐032 シンカー |
EZ‐??? アイアンコングPK |
EZ‐??? ブラックライモス |
EZ‐034 ジェノブレイカー |
EZ‐035 ライトニングサイクス |
EZ‐036 デススティンガー (※1) |
EZ‐038 エレファンダー |
EZ‐040 ウオディック |
EZ‐044 ザバット |
EZ‐047 ディマンティス(※1) |
EZ‐048 マッカーチス(※1) |
EZ‐049 バーサークフューラー(※1) |
EZ‐050 ディロフォース(※1) |
EZ‐051 グランチャー(※1) |
EZ‐054 ライガーゼロイクス (※1) |
EZ‐056 ハンマーロック(※1) |
EZ‐059 グレイヴクアマ(※1) |
EZ‐060 ダークスパイナー(※1) |
EZ‐061 キラードーム(※1) |
EZ‐063 ガンタイガー(※1) |
主な所属人物
バトルストーリーシリーズ、オフィシャルファンブックシリーズに記載された人物のみ表記。
ゲーム、マンガ、アニメのキャラは該当項目を参照。
旧バトルストーリーシリーズ
役職 | 名前 | 主な使用ゾイド |
皇帝 | ガイロス | デスザウラー(ギル・ザウラー) |
新バトルストーリーシリーズ
役職 | 名前 | 主な使用ゾイド |
皇帝 | ルドルフ・ツェペリン | セイバータイガーゴールド |
摂政 | ギュンター・プロイツェン(※2) | ブラッディデスザウラー |
中佐 | カール・リヒテン・シュバルツ | ダークホーン、セイバータイガー(SS)、アイアンコング(SS) |
大佐 | ヴォルフ・ムーロア(※2) | バーサークフューラー |
中尉 | リッツ・ルンシュテッド | ジェノザウラー、ジェノブレイカー |
少尉 | ステファン・スコルツェニー(※2) | セイバータイガー |
大尉 | ズィグナー・フォイアー(※2) | デスザウラー(ブラッディデーモン) |
軍曹 | ヨハン・ホルスト・シュタウフィン(※2) | ヘルキャット、ライガーゼロ(イクス) |
大尉 | アンナ・ターレス(※2) | デススティンガー(キラー・フロム・ザ・ダーク) |
大尉 | キルシェ・ハルトリーゲル | レブラプター |
少尉 | ペール・ジョルドット | ダークホーン(GC) |
軍曹 | ブリック・スパンツ | セイバータイガー(AT) |
少佐 | ハンナ・ハンナ | アイアンコングPK |
曹長 | スーリス・クラレット | レドラー |
准将 | バーガン・デイン | ブラキオス |
中尉 | バレット・ガッター | ライトニングサイクス(BS) |
技術者 | ドクトルF | なし |
少佐 | アイガー・レオネード(※2) | ディロフォース |
少佐 | アイン・ツェルカンプゥ | ライトニングサイクス |
曹長 | イドゥン・エント | モルガ |
中尉 | ウルティ・メイラム | ブラキオス |
少尉 | オルディ・ディン | シンカー |
少佐 | レニー・キュール・シュヴェスター | アイアンコング |
少佐 | クーリム・リン | ダークホーン |
中尉 | レディ・コーラル(※2) | レッドホーン |
少尉 | コンチョ・キャンサ(※2) | ヘルディガンナー |
軍曹 | ズィーガー・シャン(※2) | ヘルディガンナー |
大尉 | ヒンター・ハルトマン | エレファンダー |
中尉 | フェア・ディーンスト(※2) | デスザウラー(ブラッディデーモン) |
上等兵 | リュウジ・アカイ | ブラックライモス |
傭兵 | レッツァー・アボロス(※3) | セイバータイガー |
運送屋 | ムンベイ(※3) | グスタフ |
※2 旧ゼネバス系出身、あるいはその関係者と明言されている人物。
※3 両者とも西方大陸出身者とされるが、劇中では帝国側に与して活動している。
主な所属部隊
- プロイツェンナイツ師団
摂政ギュンター・プロイツェンが創設した私兵特殊部隊。
構成員は全てプロイツェンが選んだエリート達で、保有するゾイドも正規軍以上の性能を誇る。
プロイツェンが反乱を起こすと同時に彼らもガイロス帝国に反旗を翻してガイロス・ヘリック連合軍と戦った。 - 鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)
帝国内部でもその全貌を知る者はほとんど居ないとされる幻の特殊部隊。
少数部隊ながらもこちらも正規軍以上の性能を持つゾイドと選りすぐりの人員で構成されている。
その正体はゼネバス復権を目指すプロイツェンの主力部隊であり、帝国と共和国の力を削ぎ落としてゆくゆくは中央大陸にゼネバス帝国を蘇らせる事を目的とし、遂に中央大陸にネオゼネバス帝国を打ち立てる事に成功した。
現在、ネオゼネバス帝国で使用されているゾイドもほとんどはこの鉄竜騎兵団のものである。
関連動画
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関連項目
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