ガンダム・ルブリスとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女 PROLOGUE』に登場するモビルスーツである。
概要
ガンダム・ルブリス | |
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開発・製造 | オックス・アース・コーポレーション ヴァナディース機関 |
型式番号 | XGF-02 |
操縦系統 | GUNDフォーマット |
頭頂高 | 18.0m |
重量 | 49.3t |
固定武装 | ビーム・バルカン ビーム・サーベル |
オプション武装 | ガンビット「ビットステイヴ」 レシーバーガン(ガンビットライフル) |
パイロット | エルノラ・サマヤ (エリクト・サマヤ) |
※パーメット、GUND、GUNDフォーマット、GUND-ARMの各記事も参照されたし※
地球の軍事企業オックス・アース・コーポレーション及び、同社と提携したヴァナディース機関が共同開発した実験用モビルスーツ。義肢などの福祉工学向けの技術「GUND」をMS用に転用した「GUNDフォーマット」を採用した機体「GUND-ARM」である。ヴァナディース機関におけるコールサインはLF-03。
白を基調とし、肩や足にピンクの差し色が入った、テスト機らしいシンプルなカラーリングと、GUND-ARM特有のシェルユニットが特徴。ガンダム恒例の額のV字ブレードアンテナはなく、代わりに側頭部から大きなアンテナが伸びる独特な形状をしている(過去作で言えば『機動戦士Vガンダム』に登場するVガンダムヘキサなどに近い)。
開発マネージャーはオックス社のナディム・サマヤ(ヴァナディース機関へ出向)。テストパイロットは彼の妻である、ヴァナディース機関研究員のエルノラ・サマヤが務める。
本機は、GUND-ARMの基幹システムであるGUNDフォーマットの健全性を証明するためのテスト機である。劇中描写から推測するに、パーメットスコアを低い値に保ったまま、パイロットの生体コードをデータストームと同調させることを目指していたようである。しかし熟練のGUND装者であるエルノラ(カルド博士曰く「アンタでダメなら誰にもできない」)であっても、機体起動に必要なレイヤー(階層)33を超えた同調(搭乗者からのコール&機体からのコールバック)は出来ず、『PROLOGUE』時点では格納庫の置物状態になっていた。
だが、ドミニコス隊によるフォールクヴァング襲撃が行われた際、エルノラの娘エリクト(当時4歳)がレイヤー33のコール&コールバックに成功する。殺戮から逃れるべく、エルノラはエリクトを介して本機を操縦することになるが、状況を理解していないエリクトが無邪気にコンソールを操作した結果、3機のハイングラが瞬く間に宇宙の塵となった(「ママ!ママ! ろうそくみたいできれいだね!」)。
しかしGUNDフォーマットリンクの妨害機構を搭載したベギルベウが登場すると手も足も出ず、ルブリスは右腕を切断され、武装を失う。最終的にエルノラは仲間達を見捨て、我が子と共に逃走を余儀なくされた。
ルブリスが宇宙の闇に消えていったところで『PROLOGUE』は終了するが、そこから10余年の時を経た本編で活躍する主人公機「ガンダム・エアリアル」はルブリスに外見が酷似しており、視聴者の間では2機の関連性についての考察談義が盛り上がった。
この2機に秘められた謎についてはエアリアルの記事を参照してほしい。
また、「ガンダム・ルブリス・ソーン」「ガンダム・ルブリス・ウル」というルブリスの名を継ぐ機体も登場しているが、そちらは後述のルブリス量産試作モデルに連なる機体である。
武装
- ビーム・バルカン
歴代ガンダムシリーズでも多くの機体に搭載されてきた、頭部搭載型の機関砲。近接戦での敵機牽制やミサイルの迎撃、腕部火器が使用できないほど接近した白刃戦で用いる。
大抵のシリーズでは実弾兵器だが、『水星の魔女』では非実体のビーム兵器になっている。 - ビーム・サーベル
やはり歴代シリーズで多くの機体に搭載されてきたエネルギー剣(ライトセーバー)。背中に2基搭載。 - レシーバーガン
本機の主兵装。エネルギー弾を発射するビーム・ガン。やや小型で、大きく解放された砲身部が特徴。
砲口から直接ビーム刃(ブレイド)を形成可能な遠近両用武器であると同時に、ビットステイヴ2機を砲口部にドッキングすることでガンビットライフルになり、高出力弾を発射可能になる。
未使用時は背中のバックパックにマウントする。 - ガンビット「ビットステイヴ」
次世代群体遠隔操作(スウォーム)兵器システム。5種類合計7枚の子機の総称であり、これらは内蔵された姿勢制御スラスターで飛び回り、ビームキャノンで攻撃を行う他、対応装置に接続することで出力補助装置として機能する。
基本的には7枚のうち2枚をガンビットライフルに、残り5枚をルブリスのバックパックとリアスカートに装着し、ルブリスのスピードと運動性能を高めたビットオンフォームで戦闘を行う。7枚すべてを切り離して連結すればコンボガンビットシールドとなり、敵のビーム兵器をほぼ無力化する防御フィールドを形成可能。
歴代シリーズお馴染みのビット/ファンネル/ドラグーン系統の遠隔兵器兼、Iフィールドなどのビーム・バリアだが、大抵はどちらも終盤に登場する強力兵器として扱われることが多いだけに、作中最初期の機体が装備している点は歴作ファンを驚かせた。
バリエーション/関連機体
ガンダム・ルブリス 量産試作モデル
ガンダム・ルブリス量産試作モデル | |
---|---|
開発・製造 | ヴァナディース機関 オックス・アース・コーポレーション |
型式番号 | XGF-01 |
操縦系統 | GUNDフォーマット |
頭頂高 | 18.0m |
重量 | 49.1t |
固定武装 | ビーム・バルカン ガンビットランチャー(正式名不明) |
オプション武装 | ビーム・ライフル |
パイロット | ナディム・サマヤ ウェンディ・オレント |
ルブリスLF-03の量産試作型。カラーは青緑。
LF-03の僚機として「LF-01」と「LF-02」の2機がフロント・フォールクヴァングに配置されていた他、販売予定と思われる複数機が別工場で建造されていた。本編の描写からするとおおよそ25機前後がロールアウトしていたようだが、データストームの操縦者汚染は未解決のままであり、搭乗者たちはガンビットを使用できるパーメット・スコア3以上になると一様にフィードバックを受けて苦しんでいた。
側頭部のアンテナがなく、背部バックパックも簡略化され、シールドなどの防御装備も装備していない。代わりに背部にはガンビットを搭載した大型ランチャーを2機装備している。
ドミニコス隊のフォールクヴァング襲撃時には、ナディム・サマヤがLF-01に、ウェンディ・オレントがLF-02にそれぞれ搭乗して抵抗を試みた。数で勝るハイングラ隊には善戦したものの、増援として投入されたベギルベウにどちらも撃破されている。
ヴァナディース機関とオックス社が壊滅したことにより、残りのルブリスも破棄された……と思いきや、実はオックス・アースは宇宙議会連合理事会によって密かに「工作組織」として再編され、残りのルブリスもそこで運用されていたことが発覚する。
彼らによって自身の計画を台無しにされかかった元ヴァナディース機関員のプロスペラ・マーキュリーは、部下に命じてルブリスの保管地点を特定。秘密倉庫に乗り込んだプロスペラはオックス・アースを「GUNDの理念を踏みにじった大罪人」と断じた後、「汚れた」ルブリスを全て焼き払うのだった。
武装
ビーム・サーベルは装備していない模様。コストカットのために廃止されたのかもしれない。
- ビーム・バルカン
LF-03と同様。 - ビーム・ライフル
大型の一般的なビーム銃。 - ガンビット(正式名称不明)
大型ランチャーに計20機(上下5機ずつ×2)が搭載された誘導吸着爆弾。パイロットの意思で軌道制御を行い、敵に引っ付いて起爆する。迎撃と回避が非常に困難な必殺兵器だが、パイロットへのダメージも馬鹿にならない諸刃の剣。
ガンダム・ルブリス・ウル / ガンダム・ルブリス・ソーン
本編第1シーズン終盤に登場した「地球のガンダム」。
ルブリスの名を持つが受け継いだのはGUNDフォーマット周りのシステムだけで、本体はほぼ新規設計。そのため外見はオリジナル・ルブリスとは似ても似つかない。
詳細は当該記事で
⇒ガンダム・ルブリス・ウル
⇒ガンダム・ルブリス・ソーン
ガンダム・ルブリス・ジウ
詳細は当該記事で
⇒ガンダム・ルブリス・ジウ
余談
ルブリスの由来は北欧神話に登場するドワーフの1人である「ガンダールヴル」であり、その名に秘められるはガンドの心得のある妖精。
元々は本編の主人公機体(現在のガンダム・エアリアル)の名前候補の一つだったとのこと。
関連動画
関連静画
関連商品
関連リンク
関連項目
- ガンダム
- モビルスーツ / ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
- 機動戦士ガンダム 水星の魔女
- パーメット / GUND / GUNDフォーマット / ガンビット / シェルユニット
- ガンダム・エアリアル
- ガンダム・ルブリス・ソーン
- ガンダム・ルブリス・ウル
- ガンダム・ルブリス・ジウ
- ガンダム・キャリバーン
- エルノラ・サマヤ
- ろうそくみたいできれいだね
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