『キコニアのなく頃に』とは、竜騎士07原作・07th Expansion制作の、『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』に続くなく頃にシリーズの新作(When They Cry5)である。
概要
2018年11月29日にティザームービーが公開された。兼ねてより、なく頃にシリーズの新作が頒布されることは発表されていたが、タイトルや主人公と思われる人物・御岳都雄(みたけみやお)少尉の名前、各部隊名などの情報はこのとき初めて明かされた。
2019年10月4日にPhase1「代わりのいる君たちへ」がパッケージ版(Windows・日本語)とSteam版(Windows/Mac OS・日本語/英語)で同時発売。全4章の構成となる予定。
Phase2の発売時期は2020年5月の予定だったが、延期となり現在未定。
昭和を舞台とした『ひぐらし』『うみねこ』とは打って変わり、A3Wと呼ばれる未来の時代のSFテイストの入った物語となっている。様々な思惑と力が蠢く世界情勢に翻弄されながら、抗う都雄達ガントレットナイトの若者達の姿が描かれる。
タイトルに冠されるキコニアとは、ラテン語でコウノトリを意味するCiconiaのこと。余談だが、コウノトリは成鳥になると鳴かなくなることでも知られている。
あらすじ
第3次世界大戦で世界が滅亡寸前になってから100年後の時代、A3W。
ナノマシン8MSで環境を改変して核の冬を回避し、新たなエネルギー霊素を得た文明は、戦後の覇権争いによる国家群陣営の分断や思想の変化を経ながら進み続けた。
健全な軍事力を互いに持ち、平和の壁を支え合わなければならないと言う思想から軍人が憧れの職業となる中で、新たな軍事技術とヒーローが誕生した。ガントレットを左腕に装着し、超技術によって生身で戦闘機のように飛び回り、空母や戦艦のように武器を繰り出し、戦車にように攻撃を跳ね返す空挺騎兵、通称ガントレットナイトである。
特殊な適正のある若者が訓練を重ねなければ手の届かないガントレットナイト、その才能に恵まれた御岳都雄は、相棒のジェイデンら出会った仲間と交流を深め、国際平和軍旗祭をきっかけに世界中のエース級のガントレットナイトの少年少女達と意気投合していった。
彼らが絆を結び平和を守る誓いを立てる一方、その願いも虚しく社会には不穏な動きが蔓延り、更にはもう一人の都雄から都雄が仲間と殺し合うと言う謎の預言が告げられる。
世界が導かれるのは第4次世界大戦か、滅亡か、救済か。
主な勢力と登場人物
環北極洋連合
通称AOU(The Arctic Ocean Union)。アメリカとロシアが中核となった国家群陣営で、東日本が属している。
工場で人間の出生と教育が管理されており、同期で育った者同士の集団が兄弟と呼ばれる一方、世代間の断絶が大きくなっている。人権意識が高い、と言う事になっている。認められる条件が厳しく設定されており少数派となっているが、両親から生まれ育てられた子供はキコニア生まれと呼ばれる。
非ガントレットナイト
環中央洋連合
通称COU(The Central Ocean Union)。中国とインドが中核となった国家群陣営で、西日本が属している。
両親から生まれる子供や家族など、B3Wからの文化や伝統が維持されている一方で、生まれの差やコネの重要性と言った面も強く残っている。
欧州中東連合 もしくはエイブラハムの兄弟連合
通称ABN(The Abrahamic Brother Nations)。第3次世界大戦の終結後の三宗教の歴史的和解により成立した国家群陣営。
成立の経緯上宗教色が強い。信仰の自由を守るべく他宗教への中傷を取り締まる宗教警察が存在するが、その厳しさから言論の自由が乏しいと見做される事も。
アフリカ連合王国
通称ACR(The Africa Commonwealth Realm)。第3次世界大戦の終結後にアフリカ大陸を統一する形で誕生した国家群陣営。
AOUに続き出産の工場管理を導入している。連合の王が従来のアフリカに存在する文化や宗教の最高指導者を兼任すると言う形式で統治が行われているが、王室の一部からは他陣営を敵視する事で権力の向上を狙う動きもある。
ラテンアメリカ大陸条約機構
通称LATO(The Lation American Treaty Organization)。南アメリカ大陸の国々が集った国家群陣営だが、紛争の危険がある地域を保護する形で引き取った飛び地も存在する。
希少霊素の霊田に恵まれた、非常に裕福な国々。A3Wの国家機関の本部が集中する世界の中心的な場所であり、世界の警察官を自称するに至った。どの陣営もLATOには頭が上がらない反面、目の敵にされている部分もある。
健全な軍事バランス監視委員会
その他
用語
- A3W
- 物語の舞台となる第3次世界大戦後の時代。第3次世界大戦によって破滅的な被害を受けながらも超越的な技術力に支えられて繁栄を謳歌している。
- 安易な軍縮ブームが第3次世界大戦を招いたとして、健全な軍事バランスを維持して平和の壁を支え合う事と言う主義が世界平和として主流となった。国々はAOU、COU、ABN、ACR、LATOの五つの国家連合のいずれかに組み込まれている。また、戦争を語り継ぐ事が新たな火種になるとして第3次世界大戦の記録は抹消されており、太陽弾頭なる兵器で日本の中央部が蒸発した跡である「ガラスの海」がその姿を残しながらも、かつてそこにあった京都の情報は参照が禁止されている言った状態になっている。
同様に第2次世界大戦後の時代はA2W、第3次世界大戦前の時代はB3Wと呼ばれる。 - ガントレット
- A3Wの最先端の兵器で、生身の人間が跳弾の様な機動力で飛び回る跳弾飛行、重武装を異空間に格納し自在に繰り出すディメンションコンテナ、高速飛行を可能とし自動で発動するバリアであるリジェクションフィールドから構成される。大気中の霊素をエネルギー源にして動く。
ガントレットを操る空挺騎兵は俗にガントレットナイトとも呼ばれ、当初は実用性が疑問視されつつも少年少女の憧れの的となっている。
ガントレットナイトは数人によるチームが組まれており、一般的なのはケッテと呼ばれる3機編成だがLATOは2機編成のロッテを採用している。 - パラレルプロセッサー
- 高い並列処理能力を持つ者の事で、ガントレットナイトの素質の一つでもある。略称はPP。女性の方が圧倒的に多いらしい。身に付けるには幼少の頃からの特別な訓練が必要。
適正者には特殊なタイプの多重人格者が多いが、中には生まれつきの多重人格者もおり、多重人格と言う呼称は当事者を傷付けるとして先天性パラレルプロセッサー(CPP)と呼ばれている。トラウマ等がきっかけで記憶が区切られた後天性の多重人格者とは異なり、複数の人格が同時に目覚めているのが特徴らしい。人格の数だけ並列思考能力が顕著な模様。 - 霊素
- A3Wで普及しているエネルギー源で、石炭や石油、原子力に続く究極の燃料とされる。
霊素を使用した霊素機関の外観は蒸気機関に似ており、霊素をエネルギーに変える際に水蒸気に似た気体を排出する。
油田ならぬ霊田と呼ばれる場所から産出されるが、品質の良い希少霊素の産出地は限られている。LATOに集中している他、紛争地帯に多い模様。
ドライツィヒ変換と言う変換技術によってエネルギー化されるが、これには人間の脳が必要らしい。 - セルコン
- 脳内に内蔵出来るスマホの様な物で、手で端末を操作せずとも別の事をしながら脳内ディスプレイで何かを見たり、字や絵を記したり、会話をしたりと言った事を可能としている。
- キズナ
- A3Wで普及しているコミュニケーションツール。翻訳機能を有しており世界中の人々かシームレスに会話が可能だが、精度は完璧ではない模様。セルコンを通した口を通さないやり取りに広く使われている。フレンドが近くに居ると通知をしてくれる機能がある一方、キズナを切っていると相当思い詰めた状態であると受け止められてしまう事もあるとか。
- 8MS
- エイトミリオンシステムズの略で、読みはエイミス。B3Wの日本企業「八百万ナノテク社」が開発した環境ナノマシンで、第3次世界大戦後の核の冬の回避の為に世界中に散布されて以降、自己複製を繰り返して大気中や海、人体など様々な場所に普遍的に充満している。環境の浄化や通信、医療や軍事などあらゆる目的で使用され不可欠の存在である一方、A3Wの技術者にとっては何に影響されてどう作用するのかがよく分かっていないブラックボックス的な代物でもある。
- 騎士団
- A3Wでは騎士の集団に加え、同志が密かに集い交流をするクラブと言った意味を持つ言葉。秘密結社的なニュアンスも含んではいるが、作中の時代ではサークルや同好会と言った言葉が大仰になり、更にカジュアル化したような感覚らしい。
以前は騎士団と言う存在はミステリアスな歴史的・世界的な陰謀論の主人公格とされていたが、ここ数十年で軽薄化したとか。
スタッフ
- 原画・シナリオ : 竜騎士07
- メインスクリプター・演出 : ナカオボウシ
- メイングラフィック・彩色 : れもたろ
- 彩色(ジャケットイラストの背景) : 透音
- 音楽 : dai、Gin Kreuz、M.Zakky、pre-holder、xaki、あきやまうに、ラック眼力
- 翻訳 : クラシカリ・エンピレオ
楽曲
オープニングテーマ『キコニアのなく頃に』
- 作詞 : 竜騎士07/07th Expansion
- 作曲 : xaki、dai
- 編曲 : xaki
- 歌 : 澤田真里愛
- コーラス : 澤田真里愛、本木咲黒、xaki
- ギター : 徳永翔威
- 収録スタジオ : Good Morning Studio
- 収録エンジニア : M.Zakky
- 制作 : Pomexgranate.
- 協力 : ラック眼力
- Sound produced by ひぐうみSound(xaki、dai、ラック眼力)
劇中歌『シューニャの空』
エンディングテーマ『ユートピア』
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関連項目
関連リンク
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