「キリエル人」とは、円谷プロダクション製作の特撮ドラマ「ウルトラマンティガ」に登場した精神生命体である。
「君を待っていたのだよウルトラマンティガ、君はこの星の守護神になるつもりかね?おこがましいとは思わないか?君がその巨大な姿を現すずっと前から、この星の愚かな生き物たちはキリエル人の導きを待っていたのだよ。君は招かれざる者なのだ。見せてやろうキリエル人の力を、キリエル人の怒りの姿を」
(第3話より)
概要
遠隔的に人間の精神を乗っ取ったり、3年前に既に死亡していた人間(イタハシ・ミツオ)の姿を借りる事も出来たり、さらには両手から衝撃波を放って攻撃する事が出来る。
第3話で防衛組織「GUTS」隊長イルマが度重なる怪獣、そして光の巨人ウルトラマンティガの出現に関する報道番組にゲスト出演した際、ティガは人類を導く存在といったコメントをした事により、キリエル人の怒りを買ってしまい、「この世界はもうじき、聖なる炎によって焼き尽くされるだろう。」と予言、その後「聖なる炎」という爆発事件を起こした。その後もイルマに全人類を代表してティガではなくキリエル人に敬意を示して頂きたいと迫ったが、断られたため町ごと燃やそうとした。
第25話では、イタハシとキリエルの巫女を通じて天使として人々の前に姿を現し、さらにTVを乗っ取りティガを「悪魔」だと人々を洗脳し、メトロポリス上空に「天国の門」(実は時空の断底に通じる地獄の門)と称する巨大な門を出現させ、他のキリエル人たちを呼び寄せようと暗躍した。
ウルトラマンティガの敵の中でも多くの視聴者の印象に残るもののひとつで、シンジョウ隊員役の影丸茂樹も、後にウルトラシリーズで最も印象に残っている怪獣として名を挙げている
炎魔戦士 キリエロイド
炎魔戦士 キリエロイド | |
登場作品 | ウルトラマンティガ |
サブタイトル | 第3話「悪魔の予言」 |
体長/全長 | 52メートル |
体重 | 42000トン |
キリエルの預言者がティガに対抗するために自身の体内にある巨大化細胞で変身した姿(体長はティガに合わせたらしい)。キリエルの預言者曰く、「キリエル人の怒りの姿」であり、キリエル人の戦闘用モードでもある。「キリ、キリ」と鳴くのが特徴。顔面はまるで泣きの表情を浮かべているように見える。
手からは火炎放射「獄炎弾」を噴き出し、その威力は一撃で山を焼き尽くしてしまうほど極めて高く、頭の回転が非常に早いうえ、身軽で格闘にも優れておりマルチタイプを圧倒するが、ティガがスカイタイプにチェンジすると一時的に不利になる。しかし持ち前である頭の回転の早さで獄炎弾と自身のパワーで再び有利になる。しかしティガフリーザーで氷付けにされ、マルチタイプのゼペリオン光線で倒された。
第20話
君はこの星の守護神になるつもりかね?おこがましいとは思わないか?
ちなみにこれはゴブニュ(ギガ)に敗れて気を失ったダイゴが見た幻だった。
炎魔戦士 キリエロイドⅡ
炎魔戦士 キリエロイドⅡ | |
登場作品 | ウルトラマンティガ |
サブタイトル | 第25話「悪魔の審判」 |
体長/全長 | 55メートル |
体重 | 45000トン |
初代よりパワーアップしており、姿もさらにおぞましいものとなっていた。キリエルの預言者と巫女が合体変身した姿である。顔面も泣いてるような顔から不敵な笑い顔のように変わった。
初代と違い獄炎弾は使用しないが、その代わりティガの行うタイプチェンジと同様の能力も身に付けている。
変身直後は格闘戦タイプだったが、怪力戦タイプでは全身が硬質化し、パワータイプの攻撃も効かないほど(それどころかパワータイプの力を圧倒する)になり、両腕が刃状に隆起してティガやビルを切り裂いた。
空中戦タイプでは背中から巨大な翼が生え、その機動力はスカイタイプをも上回った。
ティガを全てのタイプを圧倒し、終始優勢に戦いを進め、一度はティガを空中戦タイプで叩き落して窮地に追い込んだ後、空に発生させた「地獄の門」の扉をこじ開けて自身の仲間を呼び、ティガ諸共世界を闇に閉ざそうとした。
しかしイルマ隊長の電波ジャックでの呼びかけで我に返った(あるいは洗脳されなかった)人々や、彼女の息子ミウラ・トモキのハッキングでビルから放たれた光によってティガがかろうじて復活。怪力戦タイプに戻って再度挑むがティガの猛反撃を受け、戦況が一気に逆転。一撃も与えられないまま地獄の門に叩きつけられ、最後はゼペリオン光線で門もろとも消え去った。
最終話での行動
ガタノゾーアにカラータイマーを打ち抜かれ、石像と化して海中に没したダイゴの精神世界(?)の中に、巫女と預言者の姿のキリエル人が再び現れた。
第25話で倒されたのと同じ姿をしているが別人。もはやガタノゾーアのもたらす滅びを防ぐ術は無く、ティガも人類も終わりである、と捨て台詞をはいて消えていった。設定によれば、地球から逃げ出したらしい。
キリエロイドトゥー!
ジャミーさんジャミラと「ジェネレーションギャップス」というコンビを組んでいる。担当はボケ。芸風は真面目なノリでズレた発言をするというもの。
ジャミラからは「怪獣に見えない」と言われており、コンビ名通りジャミラとのジェネレーションギャップを前面に押し出したネタを披露した。
短編小説「キリエル人」
小中千昭著、『テレビマガジン特別編集 ウルトラマンティガ』に掲載(小中の短編集『深淵を歩くもの』に収録)。
1986年、東京にあるトンネルでの番宣CM撮影中、プレゼンター役の女優が、誰もいないはずのトンネル奥で人影を目撃する。
撮影は何事も無く続行されたが、そのポスプロ中、CMを担当したディレクターは撮影素材に身長3メートル程の薄蒼い人型の影が複数映り込んでいるのを見つけてしまう。結局、それは特殊効果で塗り潰す事で放送された。
しかしある夜、次の仕事に取り掛かっていたディレクターの自宅を不審な男が訪ねる。男は「破滅に向かう愚かな人類を導くキリエルの神々の姿」をテレビを通して人々に顕示した事への感謝を伝えに来たのだという。鬱陶しがったディレクターはその男を振り払おうとするも、男は一瞬の内に消え果せ、後には悪魔の様な姿の影しか残されていなかった。
それから数年後、脚本家に転向したディレクターは、昔のホラー映画にかつて現れたその男が出演しているのに気付く。しかし、当の俳優はその夜よりも前の1985年に既に自殺していたのだった。
1996年の春より、脚本家は子供の頃から魅せられてきた昭和のヒーローを復活させるテレビ番組に深く関わる事になる。
そしてその番組の最終回後の打ち上げにて、脚本家はそのヒーロー番組のレギュラーであり、東京の地下で共に仕事をした女優と久しぶりに再会するのだった。
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