「キングジョー」とは、円谷プロの空想特撮作品「ウルトラシリーズ」に登場するスーパーロボットである。
概要
ウルトラシリーズ初の変形合体する巨大ロボット。ウルトラセブンの技が通用しない強固な装甲と、進撃を止めるので手一杯と言う高い戦闘能力を有する。
特徴的な側頭部の巨大な突起やテトラポットの様な腰の四つの突起、平たく大きな三本指といった個性的なシルエットをしており、その身体は、
の4つに分かれて飛行することが出来る。
※当初は合体するまでに異常に時間がかかるという欠点があったが、後に改良された際は、ゲッターロボのオープンゲットの如き速さで分離・合体が可能になった。
「あれも金城と話していて、バラバラのものが一つになるというアイデアから。本当は4つでなくてもっとたくさんにしたかったんだけど、あまり多いと合体させるのが大変ということで・・・」
と、某宇宙艦隊の15機合体ロボか某戦国魔神に登場した35体合体ロボの様なプロットだった。
よく日本初の合体ロボとして紹介されるがキングジョー以前にもキングロボや鉄腕アトムのガデム、鉄人28号のギャロンなどが存在している。そのため厳密には世界で初めて実写で映像化された合体ロボである。
なおウルトラセブンにて初登場した際は「ペダン星人の宇宙ロボット」とのみ呼称されただけで、後に玩具展開することになった際に「キングジョー」と言う名前がついたと言われている。名前の由来については、ウルトラシリーズを担当した名脚本家「金城哲夫(きんじょう・てつお)」氏の名前から説と、金城哲夫氏の父親の渾名からとする説がある。
とウルトラシリーズにも数度登場した他、「アンドロメロス」ではグア軍団侵略軍団長「 モルド」の乗艦「怪獣戦艦キングジョーグ」が登場し、「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」シリーズには、
といった別個体が登場している。詳細は下記の個別項目にて。
また、雑誌展開でナックル星人製の量産型キングジョーが登場した他、複数の異星人がキングジョーを建造しているが、最初に建造したペダン星人曰く「ペダン星の科学力でも建造に3年かかる」との事。
宇宙ロボット:キングジョー | |
登場作品 | ウルトラセブン |
サブタイトル | 第14話 「ウルトラ警備隊西へ 前編」 第15話 「ウルトラ警備隊西へ 後編」 |
体長/全長 | 55メートル |
体重 | 48000トン |
出身地 | ペダン星 |
ウルトラセブンでのキングジョー
第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」・第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」に登場する。
ペダン星人が製造した宇宙ロボットで、ワシントン基地が勝手に観測ロケットをペダン星に送った事を侵略と誤解したペダン星人により、地球に復讐する為に送り込まれた。
10万トン級の船を持ち上げる腕力や、額から放つ光線が武器。加えてタフネスも兼ね揃え、ウルトラセブンに登場した敵の中では最強とも呼ばれている。
四機に分離した状態で飛来して原子力潜水艦アーサー号を沈めた後、六甲山の防衛センターに合体して出現し、ウルトラセブンと戦った。光線技はおろかアイスラッガーでも傷つかず、片腕でウルトラセブンをねじ伏せてしまうほどの圧倒的なパワーで迫り、マウントポジションを奪ってあと一歩のところまで追い詰めた。しかし、再び防衛センターへ向かおうとしたところにセブンのタックルをうけて、
倒れるとおきあがれないよー |
と言う弱点をさらけだしてしまい、分離して逃亡した。たら負けである
その後、ウルトラセブン=モロボシ・ダンが地球人の代わりにペダン星人に謝罪して停戦を申し入れたものの、暗黒の星とされるペダン星からやってきたからか、地球を侵略する気まんまんになってしまったペダン星人はあっさりと契約を破棄。神戸港にキングジョーを出現させたが、駆けつけたウルトラセブンの活躍により、海上から上陸することが出来ずにいた。
そうこうしている間に、ペダン星人に誘拐・洗脳されていたペダン星の情報を知る唯一の人物ドロシー・アンダーソン博士の洗脳が解けた。
ペダン星人が使っている特殊な金属はライトンR30を使用した弾丸で破壊できるはずです。
という博士のアドバイスから、ライトンR30爆弾1発が速攻で製作された。そしてキングジョーは、ウルトラセブンにはがいじめにされたところにウルトラ警備隊のライトンR30爆弾の直撃をうけて神戸港に沈み、大爆発を起こしたのだった。
怪獣戦艦:キングジョーグ | |
体長/全長 | 960メートル |
体重 | 14800000トン |
キングジョーグ
グア軍団の軍団長で、ジュダから「兄上」と呼ばれる戦斧使い「モルド」の乗艦として登場したのが、キングジョーをモデルにした怪獣戦艦「キングジョーグ」である。
大きさは怪獣戦艦ギエロニアに譲るものの、重さはウルトラシリーズの敵キャラの中でも五指に入る重さを誇っている。
宇宙ロボット:キングジョーII | |
登場作品 | ウルトラセブン1999最終章 |
サブタイトル | 第5話「模造された男」 |
体長/全長 | 50メートル |
体重 | 49000トン |
出身地 | 神戸港沖 |
キングジョーII
ビデオ作品ウルトラセブン1999最終章の第5話「模造された男」に登場する。
名前はキングジョーIIだが、神戸港に沈んだキングジョーを地球側で回収して、ペダン星のテクノロジーを解析して復元したものであり、実質的にはTV版「ウルトラセブン」に登場したキングジョーと同一の個体である。
平和利用と侵略者対策に利用する目的で量産を視野にいれて復元されたものの、ラハカムストーンの力により暴走してウルトラセブンと戦うことになった。
動作音が変わっている(グワシ、グワシだったのがバトル、バトル等に聞こえる表現しがたい音に)、転倒しても起き上がれる、分離合体がかなり高速化している等の改善点が見られる。反面、エメリウム光線を受けてわずかながらひるむなど、防御力は低下している様子。
前回の戦いのトラウマから過敏な反応をしてしまい、またも押さえつけられるウルトラセブンだったが、前回の対戦時にライトンR30爆弾が命中した場所を何度もしつこくアイスラッガーで攻撃し、最後にウルトラノック戦法を叩きこんで撃破した。
※頑強なキングジョーIIの装甲に何度もうちこまれたアイスラッガーは、最後には刃こぼれしていた。(次に変身した時には直っている。)
侵略ロボット:キングジョー | |
登場作品 | ウルトラマンマックス |
サブタイトル | 第14話 「恋するキングジョー」 |
体長/全長 | 2~56メートル |
体重 | 75kg~50000t |
出身地 | ゼットン星 |
ウルトラマンマックスでのキングジョー
第14話「恋するキングジョー」に登場する。
今回はペダン星人ではなくゼットン星人が製造した固体で、等身大サイズに縮小・巨大化能力が追加されている。
等身大サイズで子供たちと遊んでいたところをウルトラマンマックスに変身するカイトに発見されるが、下町の青年曰く
うとうとしていて、気が付いたら出来ていた
とのことだった。
しかし実際はゼットン星人によって製造されたもので、星人の地球侵略をサポートすることが目的だった。
さらにカイトは、
私はゼットンの娘
と名のる小田夏美(演:長澤奈央)と出会う。夏美はゼットン星人に操られていたのだった。
DASHに目をつけられたため、等身大のキングジョーはゼットン星人によって巨大化。乗り込んだ夏美はウルトラマンマックスと戦い、高速な分離・合体でウルトラマンマックスを苦戦させた。
しかし、カイトの声を思い出した夏美が正気を取り戻し、キングジョーのコクピットから脱出。動きが鈍ったところにウルトラマンマックスのマクシウムカノンの直撃を受けて撃破された。
※なおウルトラマンマックスのキングジョーの4機の分離形態は板野一郎によるデザインである。
宇宙ロボット:キングジョーブラック | |
体長/全長 | 55メートル |
体重 | 50000トン |
出身地 | ペダン星 |
キングジョーブラック
や、続編の「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY」の
に登場した未来のペダン星人によって送り込まれた、黒いキングジョーである。ステルス仕様だがレーダーで捕捉可能という欠点の代わりに、右腕のペダニウムランチャー等の武装が強化された。
当初は怪獣同士の戦いに乱入する謎の存在だったが、後に未来のペダン星人がレイオニクスバトルを邪魔する為に送り込んだ存在であることが発覚する。
主人公レイの手持ちであるゴモラ・リトラ・エレキングを圧倒し、ゼットンとも互角に戦ったが、強化されて刺々しくなったゴモラ(通称EXゴモラ)により、ゼットンもろとも倒され、最期はウルトラマンの八つ裂き光輪を受けて人工太陽の爆発の中に消えた。
その後もレイオニクスバトルを邪魔する為に何機ものキングジョーブラックが送り込まれたものの、本気になったゴモラに次々と撃破され、最期はレイ達の母艦ペンドラゴンが回収していたペダニウムランチャーの攻撃をうけて全滅した。
なお、大群で登場するシーンでは超合金魂のキングジョーブラックが使用されている。
天球ロボット:キングジョー(BS) | |
登場作品 | ウルトラマンゼロ外伝 キラーザビートスター |
出身地 | ビートスター天球 |
キングジョー(BS)
ペダン星人が開発したキングジョーをビートスターがコピーし、大量生産したもので、別名が「天球ロボット」になっている。オリジナルと同様のパワーを持っているはずだが量産型の宿命かそれほどの強敵感はない。
天球内でインペライザー(BS)、エースキラー(BS)と共にレイのゴモラを袋叩きにし、レイやエメラナを抹殺しようとするも間一髪で駆けつけたウルティメイトフォースゼロに邪魔をされ失敗。宿敵セブンの息子ゼロにゼロスラッガーで胴体を両断されて爆散した。
その後ビートスターの元へと向かおうとするゼロたちの前に大群で立ち塞がり、ゴモラ、ジャンボットと戦いを繰り広げた。実際に戦闘に参加していたのは数体だけでほとんどの機体は棒立ちだったが。
ビートスターが敗れた後、残った機体は崩壊する天球と運命を共にした。
ウルトラゾーンでのキングジョー
滅びの危機にある星から送り込まれた異星人の侵略兵器という設定。
パイロットの異星人はキングジョーよりも先に地球に侵入し、素性を隠して防衛軍の指揮官である山本の妻洋子として暮らしていた。キングジョーが飛来すると洋子は山本に正体を明かし、故郷の星を捨て地球で生きていくことを告げるとキングジョーを止めるため腹部に乗り込む。
しかしキングジョーは止まらず、防衛軍本部への移動を開始。山本は苦悩の末攻撃命令を下す。キングジョーは防衛軍の集中砲火や散布地雷で損傷を受けながらも進撃を続ける。
新型ミサイルの使用を決断する山本。どこを狙うかという部下の問いに答える。
目標の中枢はおそらく腹部だ。腹を狙え
キングジョーは動きを止め、発射されたミサイルは狙い過たず命中。洋子は自らの腹部に手を当てながら呟く。
ごめんね
そしてキングジョーは破壊され、山本の住居がある団地に落下して機能を停止した。
帰宅した山本は、洋子が編んだ3人分の帽子を見つけ、嗚咽を漏らす。その時・・・。
キングジョーと防衛軍の戦闘シーンは伊福部昭チックなBGMともあいまって東宝製作の怪獣映画を思わせる映像になっている。
なお、「セブン」登場時に倣って作中では一度も「キングジョー」の名は登場していない。
また、第21話ではナースと「ナースのジョー」というコンビを組んで怪獣漫才に登場した。担当はツッコミ。
キングジョー祖体
「ウルトラマンSTORY 0」の第3話「辺境の戦士」・第4話「灼熱の戦士復活!!」に登場する。
バッファロー星への侵攻を開始したペダン星人に操られるロボット。分離能力や破壊光線は既に備えているが、「ウルトラセブン」に登場したものより華奢で内部のメカが剥き出しになっているような部分もある。
初期設定画集には「開発途中であるため装甲が弱い」と書かれているが、作中ではセブンのパンチやエメリウム光線をものともしない頑強さを見せた。
ミクラスを倒しセブンを追い詰めるが、バッファロー星人の族長ナバーロのブーメランを使ったセブンに電子頭脳を破壊され、最後はウルトラノック戦法で倒された。
ウルトラマンZでのキングジョー
第9話に登場。ウルトラメダルを強奪しようとたくらむ海賊宇宙人バロッサ星人が操る。
おなじみのパワーや分離合体を駆使してウルトラマンゼットやストレイジを苦しめるが、「分離の瞬間にむき出しになる接合部」を狙うという合体ロボ相手に絶対にやってはいけない戦法で倒され、ストレイジに借りパク回収された。その後はキングジョーストレイジカスタムとして生まれ変わることになる。
キングジョー ストレイジカスタム
「ウルトラマンZ」に登場。
地球に飛来し、ウルトラマンゼットに破壊されたキングジョーのボディを対怪獣ロボット部隊 ストレイジが回収、解析を行い独自の兵器を搭載して新たな戦力とした姿である。右腕のペダニウム粒子砲、背中のペダニウム誘導弾、左腕のペダニウムハンマーと武装も豊富で、火力に特化した調整が施されている。さらに人型から分離したセパレートモードと戦車型に合体し直したタンクモードも存在する。
第10話時点ではまだ調整は完了しておらず(見た目も素のキングジョーのまま)、海賊宇宙人バロッサ星人に奪還されそうになったがこれを撃退し、続く11話で出現したレッドキングに対処するために初出撃。しかしエースパイロットであるヨウコ先輩ですら操縦にてこずるじゃじゃ馬で、高い火力を活かしきれず翻弄されていた(ウインダムと比較すると、エンジン出力は5倍、反応速度は3倍)。しかし12話では巧みに乗りこなし、グルジオライデンを撃破する大金星を挙げた。
キングジョーストレイジカスタムの登場で大幅に戦力増強したストレイジだが、人類の手には余る力ではないかと危惧されている。また、入れ替わりにセブンガーは退役することになった。
ロボットモード
改修の結果、ロボット怪獣というよりロボット兵器っぽいメカメカした見た目になっている。色は頭部や右腕などが白、胸部や脚部が黒に変更。目(?)は四つに増加し、虹色の輝きが特徴的な両胸は水色になっている。飛行はもちろん、地上をすべるように平行移動することも可能であり、より素早くなった印象を与える。
セパレートモード
分離機構も踏襲しているが、分離パターンがオリジナルとは異なっている。
タンクモード
改修により追加された形態(非ロボット形態なので、こちらのほうがむしろ防衛隊らしさがある)。その名の通り砲撃に特化している。ロボットモードから変形するには一旦セパレートモードを経由する(逆もまたしかり)。
関連動画
▼「ウルトラマン3-FightingEvolution」に登場。
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
- 8
- 0pt