この記事は、失踪した記事作成者を調査する中で当局によって発見された手記の写しである。
このたび、記事作成者の行方を調査するに当たり、有力な情報を得るため、当局が公開に踏み切った。
手記を見る限り、記事作成者は精神が錯乱しているものと思われるため、この記述を全て信用してはならない。
本文開始。
概要
クトゥルフ神話とは、米国の怪奇・幻想小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフト(H.P.Lovecraft)が創始した創作神話(のはず)である。
米国の作家H.P.ラヴクラフトは、自身の著作に、怪奇小説に独特の雰囲気を与えるため、
独自の神話・神名とそれに付帯する土地や書物、アイテムを創作するというアイデアを思いついた。そうした中には、自身の夢に登場したものも含まれる。
また同時に、そういった設定と実在の土着神話との関係を(暗に)匂わせるという手法も使用する。
この手法は、情報の往来が現在ほど発達していなかった、ラヴクラフトの執筆時期にはマッチしていた。
ラヴクラフトは更に、彼が寄稿していた『ウィアード・テイルズ』誌の作家仲間を中心に、互いの作り出したアイテムや、土着神話と結びつけるという手法を共有化した。彼らは、互いの設定を取り込んだ作品を事前に見せ合うこともあれば、そうでないこともあった。
これが、クトゥルフ神話の源流である。
クトゥルフ神話の醸成
神話に冠されたクトゥルフとは、ラヴクラフトが創作した邪神の一柱(のはず)である。ラヴクラフト自身はこの作品群をまずはアーカム・サイクル(アーカムもの)などと呼んだ後、1930年頃に「Cthulhu & other myth - myth of Cosmic Thing in Nec. which created earth life as joke(クトゥルフその他の神話--戯れに地球上の生物を創造したネクロノミコン中の宇宙的存在にまつわる神話)」という文章を遺している。
なお、「クトゥルフ神話」という言葉はスミスやダーレスの交換した手紙の中でも使われているので、ラヴクラフトとその友人たちの間で常用されていた言葉だったのだろうと考えられる。
なお、ラヴクラフトは存命中に高い評価が得られず、大手出版社(パトナム社)からの単行本刊行も企画倒れに終わっているが、アンソロジーに時折収録されたことから英米にコアなファンが存在した。『アスタウンディング・ストーリーズ』に「狂気の山脈にて」が掲載された時は背表紙にしっかり名前が載っている鳴り物入りの扱いで、この作品を読んで熱狂的なファンとなった中にはアーサー・C・クラークのような大物もいた。
そして、オーガスト・ダーレスが登場する。
ダーレスもラヴクラフトと同じく、米国の怪奇作家であり、彼の作品にはラヴクラフトの影響を受けたものも多い。
ダーレスによる「ラヴクラフト風の作品」の多くは、神々の対立構造という善悪二元論的解釈と、四元素説をもとにした神々の属性分類など、独自の設定が盛り込まれているのが特徴だった。ダーレスのこしらえた付加設定は「一般人にも理解し易いようにする」のが目的だったというのが定説だが、これらの作品をマーク・スコラーと共に大量生産した1920年代当時、ダーレスは熱心なアマチュア作家に過ぎず、ラヴクラフトの世界観の普及というテーマに取り組むのは大分後になってからのことなので、単純に自分が面白いと思って付け加えた設定に過ぎないと考えるのが自然だろう。
そして、ラヴクラフトもまたダーレスの作品を高く評価し、「インスマスを覆う影」においてダーレスの旧神にまつわる設定を取り入れた可能性が指摘されている。
ラヴクラフトの死後、ダーレスは師とも呼べるラヴクラフトの作品が埋もれたままとなってしまう事を危惧し、また、師に相応の名誉を与えたいとも考えていたようだ。
彼は、『アーカムハウス』というラヴクラフトの著作を管理する出版社を設立し、更には、ラヴクラフト&ダーレス名義での作品を次々と世に送り出した。
こうして現在の形を成すようになったのが、世に知られる『クトゥルフ神話』であるが─────
ダーレス没後、とりわけリン・カーターがバランタイン・ブックスから次々とクトゥルフ神話関連作品を刊行してある種のブームを巻き起こした1970年代以後は、シェアード・ワールドを思わせる拡大を続け、影響を受けた作家が新たな設定を次々に加え、その全貌を知る事は非常に困難を極める。
ところで・・・クトゥルフ神話とは本当にラヴクラフトの創作であったのだろうか?
ラヴクラフト派とダーレス派
前述したように、ラヴクラフトとダーレスは対立していたわけではないが、後継の作家やファンの中にはダーレスの組み込んだ善悪二元論や、属性付けを嫌う者が少なくない。というのもラヴクラフトは、彼が理想とする怪奇物語として
という思想--「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」というものを掲げていたことが知られているからである。これを平易に説明すれば、人間をアリに置き換え、人間社会をアリの巣の中で完結しているような社会と考えればよい。アリには「大気」「国家」「人間」という認識が、つまり人間が大気を掻き分けてアリを踏みつぶし殺害したという事象は、(アリからでは)理解できず、死体が残るのみである。
アリに比する人間、つまり人間に比しての「宇宙的存在」が成すことは、アリのように矮小な人間には理解できず、ただ意志疎通も理解も拒まれる絶対的他者への「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」のみそこにある--というような思想が少なからぬラヴクラフト作品の根底にある。
実際には、ラヴクラフトと共にクトゥルフ神話世界を構築した作家たちの作品の多くが「宇宙的恐怖」と関係ないことからも、クトゥルフ神話世界をラヴクラフトの言う「宇宙的恐怖」と完全に同一視するのは危険であり、ラヴクラフトの手がけたクトゥルフ神話的要素を持つ作品の全てが「宇宙的恐怖」に基づいているというわけでもない。
しかしながら、両者は半世紀以上に渡って混同されつづけてきた。これは、皮肉なことではあるが、ラヴクラフトの正当な後継者であることを強調するダーレスとアーカム・ハウス自身の長きに渡る宣伝の結果なのかも知れない。
故にダーレスが持ち込んだ善悪二元論などの「人間的に解釈できる」要素付けはラヴクラフトの思想とは反するものだとして、クトゥルフ世界が世界中に広まるにつれてダーレスの持ち込んだ要素はときとして嫌悪の対象になることもあった。
そのため、便宜的にではあるが、ラヴクラフトの手法を受け継ぐと自任する者をラヴクラフト派、ダーレスの設定を受け容れる者をダーレス派と呼ぶ事がある。
国内におけるクトゥルフ神話
国内においては、もちろん原典とその日本語訳となる一連の作品もあるようだが、そのあまりにも宇宙的すぎる内容を転載することは差し控え、作中のアイテムや手法、眷族などのグロテスクな外見などを転用する作品も多い。
例:ウルトラマンティガに登場する怪獣などの名前には、この神話を元にしているものが存在する。
「ニコニコ動画」なるサイトにおいては些かマイナーな存在であり、精々謎の歌声が掲載される程度であったクトゥルフ神話体系であったが・・・ボーカロイド『巡音ルカ』のスピンオフキャラ「たこルカ」の登場を期に、一気に関連する海産物タグが増加、それに伴って動画や記事も増殖を始めた。
これについては、記事「もっと崇拝されるべき」「クトゥルカ」などに詳しく陳述されている。
SAN値などについての付記
よく関連動画なのでこのような語彙が頻出するということで、改めてここにも記しておく。
このクトゥルフ神話を不敵にもTRPGにしようと試みた愚か者がアメリカにいたらしい。その会社は「RuneQuest」で自信をつけたからか、あろうことに同社が設計した「ベーシック・ロールプレイング」を使用し、今でも企業の陰で旧支配者との交信を試みているという。
もちろん、このゲームではその名も恐れられるべき宇宙的存在や旧支配者どもをロールプレイするのではなく、それについて調査する・・・つまり我々のような人間でロールプレイすることがこのゲームの主眼である。故に戦闘といったシステムは簡略化されており、古代の秘儀や禁忌の書物を読み解くダイスロールに重きが置かれている。
ああしかし、やんぬるかな、このゲームには「正気度」というものがある。これは別名「SAN値」と言われ、そういった神の奇蹟や祝福に遭遇すると減少してしまう。そして運命的なこの値がゼロになると…その者は発狂したということで…「キャラシ取り上げ」?とにかくそのような宇宙的恐怖にさらされるのである!おお恐ろしい!
なお、このTRPGにおける時代背景は、ラヴクラフトが執筆を始めた1920年代のアメリカを題材にとっている。
同年は第一次大戦から2年後であり、直前の19年に禁酒法が成立し、共産主義…つまりソ連の勢力が強く残っており、またエンパイアステートビルが建った時代であり、29年に世界恐慌が始まるという時代である。この「狂騒の20年代」を舞台にかのような者が活動するというのは、まさに冒涜的な設定と言うほかないであろう。
関連動画
以下に、初心者向けのクトゥルフ神話関連動画を挙げるが、その前に知っておいて欲しい事がある。
"うそをうそであると見抜ける人でないと(クトゥルフ神話調査は)難しい" …いや違った、こっちだ。
“深淵を覗き込むとき、深淵もまた、こちらを見ている” -ニーチェ曰く
動画を見た事で、どのような結果が待ち受けていようとも、記事作成者は一切の責任を負わないし、
動画作成者たちが、どのようなコミュニティに属しているのか知ろうとも思わない!
底知れぬ暗澹たる恐怖を湛えた関連動画
警告したはずだ・・・
それでも、まだ知りたいというのなら、少しばかりの知識を持って行くがよい。
まず、その源泉たる宇宙的恐怖そのものと遭遇しようものなら、あなたの正気は保障できない。
抗する術など、人の身に過ぎない我々の手にはない。
だが、宇宙的恐怖に仕える冒涜的な眷属や、その崇拝者に抗する術は多くはないながらも存在している。
ひとつには、宇宙的恐怖の敵対者、人間にとって比較的友好的であると言われる存在。
“旧神”と呼ばれる存在のシンボルが刻まれた、五芒星形の石を持つ事だ。
石は宇宙的恐怖そのものに対しては無力であるが、眷属や崇拝者を退けるには十分な力を持つ。
だが、覚えておき給え・・・
宇宙的恐怖に抗するには、その恐怖に関する知識が不可欠であるが、知識を深め、より強力で、
より効果的な手段を講じる毎に、貴殿はより、宇宙的恐怖に近づいていく事になる。
理解を絶する恐怖を湛えた冒涜的関連動画
やめろ・・・それ以上近づくなっ!
私には、貴殿らが納得するだけの海産物証拠を提示する準備がある。
だが、それを明示したとして、それが齎すのは、想像するだに悍ましい結果だけだ!
→ラヴクラフト最大の誤算でタグ検索
→いあいあM@STERでタグ検索
→SAN値直葬でタグ検索
密やかに拡がり続ける邪悪なる関連コミュニティ
関連項目
- Howard Phillips Lovecraft
- August William Derleth
- 旧神
- ノーデンス
- 旧支配者
- クトゥルフ
- ナイアルラトホテップ
- ハスター
- クトゥグア
- インスマウスを覆う影
- チャールズ・ウォードの奇怪な事件
- イスの大いなる種族
- ネクロノミコン
- ダゴン
- ダンウィッチの怪
- 狂気の山脈にて
- ショゴス
- 夜鬼
- ティンダロスの猟犬
- エルダーサイン
- 神話上の関連用語一覧
- もっと崇拝されるべき
- ラヴクラフト最大の誤算
- 卓ゲ者ホイホイ
- SAN値
- SAN値直葬
- 崖っぷちのSAN値
- VOCALOIDインスマウス入り
- ミクトゥルフ
- クトゥルカ
- たこルカ
- 沙耶の唄
- ウルトラマンティガ
- タイタス・クロウ
- 窓に!窓に!
- モービッド・エンジェル
このような手記を残した事で、私にどのような結果が待ち受けているのか、今は知る術とてないが・・・
こうして書いている間にも、誰かが見ているような気がしてならな・・・
いや、待て、そんな・・・ああ、窓に!窓に!
(手記はここで途切れていた。)
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%95%E7%A5%9E%E8%A9%B1


ページ番号: 4143503
リビジョン番号: 1523335
読み:クトゥルフシンワ
初版作成日: 09/08/19 12:43 ◆ 最終更新日: 12/05/08 01:23
編集内容についての説明/コメント: 楽曲の歌詞中にモロクトゥルフなネタが入ってるバンドを追記。
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