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クライオニクス(Cryonics)とは...?
生命活動がない医学的に死んだ肉体組織を、未来の科学技術による蘇生を期待して冷凍保存する行為。本人の生前の希望に基づいて、その遺体に対して行われる。
クライオニクスの支持者らは、この行為について「延命の為の医療技術」であると主張している。
しかし、クライオニクスを受けた人体を蘇生するためには「元々の死因となっていた様々な怪我・病気・老衰などを治すことができる」「死亡への過程やその後の保存過程に生じた、脳を含む各組織への損傷も修復可能」という殆ど魔法のようなレベルの医療技術が必要になると考えられ、その実現可能性について疑問を呈する声も少なくない。
クライオニクスを請け負っている団体としてはアメリカ合衆国にある「クライオニクス研究所」(Cryonics Institute)と「アルコー生命延長財団」(Alcor Life Extension Foundation)の2つが有名だが、他にも複数の団体が存在する。
これらの団体のいくつかは、技術進歩で冷凍保存に伴う損傷を軽減できるようになってきていると主張している。しかしその軽減が未来の蘇生に十分であるかどうかは全く保証がない。
このように蘇生プロセスがかなり困難であることから、近年では「脳の構造をなるべく損傷しないように保存し、それを未来の技術でなるべく完全に読み取ってコンピュータ上で再現すれば、意識が復活するはずだ」という「精神アップローディング」(精神転送)というアイディアも語られるようになってきている。ただしこちらでさえも、実現可能性について否定的な声はあがっている。
さらにこの「精神アップローディング」が仮に未来に実現できたとしても、これは本質的には「精神のコピーを作る」ものでしかない。「コンピューター上で「わたしのコピー」が新たに活動を始めて、その「わたしのコピー」がわたしの記憶を完全に持っていたとしても、コピー元の「わたし」は結局死んだままではないのか?」という根本的な問題点もある。
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