『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』とは、臼井義人原作「クレヨンしんちゃん」のアニメーション映画の第九作目である。2001年4月21日公開。
概要
~21世紀はオラが守る!~
本来は低年齢層向けのアニメ映画だが、本来の持ち味であるギャグシーンを随所に鏤めつつ後半は「20世紀からの脱却」、「家族の絆」に重点が置くなど子供からオトナまで楽しめる内容に仕上がっていると評判。本作と次回作の「アッパレ!戦国大合戦」はクレしん劇場シリーズの中でも最高傑作と呼ばれることが多い。
1994年の「ブリブリ王国の秘宝」から脚本をつとめ、1997年の「暗黒タマタマ大追跡」から監督を務める原恵一が監督を担当。キャラクターデザインには劇場版初担当である末吉裕一郎が起用。末吉氏はクライマックスシーンの原画も担当しておりどの度量がうかがわれる。
また、使用曲にも力を入れており、「ひろしの回想」「21世紀を手に入れろ」はファンの間で名曲として親しまれている。他にも20世紀のヒット曲が導入されるなどオトナ向けの演出が光っている。
あらすじ
「とーちゃん、オラがわかる?」
21世紀初頭・・・昔ながらのテレビ番組や映画、暮らし等が再現された「20世紀博」というテーマパークが日本各地で開催される。過去を懐かしみ、連日のように20世紀博を満喫する大人達。そんなある晩の出来事。野原家の居間のテレビ画面に、20世紀博から謎の告知が。
「明日、お迎えにあがります」
直後、子供のように早寝を始めるひろしとみさえ。夜が明けても邪魔者扱いされるしんのすけとひまわり。半ば追い出されるように家を飛び出すと、町中には仕事も何もかも投げ出して遊び呆ける大人達の姿が。そしてやってきた「お迎え」の車に彼らは次々と乗り込み、子供達は置き去りにされてしまう。
大人がいなくなってしまったかすかべ町。そんなピンチに立ちあがったかすかべ防衛隊は大人を、そして未来を取り戻すために20世紀博へと向かうのであった・・・。
キャラクター
ケン
「日本人がこの町の住人のようにまだ“心”を持って生きていたあの頃のように・・・」
「汚い金」や「燃えないゴミ」ばかりがあふれる21世紀の日本から、まだ人々が「心」を持って生きていた20世紀への逆戻りを企てる“イエスタディ・ワンスモア”のリーダー。20世紀の日本にはその時代の匂いがありその匂いを使い大人たちを変貌させていた。
クールな性格だが愛車であり「俺の魂」と呼んでいたトヨタ・2000GTをカスカベ防衛隊により傷物にされた際はさすがに憤慨していた。因みにだが、1967年型「トヨタ・2000GT」がクラシックカーを専門に取り扱うRM auctions社が行うオークションにて日本車史上最高値となる1億2000万円で落札されたというからしんのすけたちが何をしたかを分かってほしい。
チャコ
「私外にはいかないわよ」
ケンの同棲相手。間違われがちだが、夫婦ではない。ケン同様クールな性格だが終盤でひろしにスカートの中を見られた際は顔を真っ赤に少し涙目になるなど可愛らしい一面もある。
なお、監督を務めた原恵一はチャコの声優である小林愛に相当惹かれており次作の「戦国大合戦」でもメインヒロインとして起用している。
ひろしSUN
「20世紀の進歩を脅かす怪獣め」
魔法少女みさりん
組織の名前について
組織の名前である「イエスタディ・ワンス・モア」であるが、実はCDアルバムの名前である。
スタッフ
- 原作/臼井義人
- 監督・脚本/原恵一
- 絵コンテ/原恵一、水島努
- 演出/水島努
- キャラクターデザイン/末吉裕一郎、原勝徳
- 作画監督/原勝徳、堤のりゆき、間々田益男
- 美術監督/古賀徹、清水としゆき
- 色彩設計/野中幸子
- 撮影監督/梅田俊之
- 音楽/荒川敏行、浜口史郎
- 音響監督/大熊昭
- アニメーション制作/シンエイ動画
名シーン
※以下、ラストシーンのネタバレになるので本編未視聴の方々はご注意ください。反転は自己責任でお願いします。
「どうして・・・? ねぇどうして!? 現実の未来なんて、醜いだけなのに!」
「オラ、父ちゃんや母ちゃんやひまわりやシロともっと一緒に居たいから・・・。喧嘩したり、頭にきたりしても一緒が良いから・・・。 あと、オラ大人になりたいから。 ・・・大人になって、おねいさんみたいなきれいなおねいさんといっぱいお付き合いしたいから!」
「・・・おしまいね」
「ああ、20世紀は終わった」
「私、外には行かないわよ」
「わかった。・・・坊主。お前の未来、返すぞ」
20世紀博管制塔最上階にて
「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ大人帝国の逆襲」
著 臼井義人 テレビ朝日 ADK シンエイ動画2001
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関連項目
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