クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦とは、劇場版クレヨンしんちゃんシリーズの7作目である。
概要
1999年4月17日公開、興行収入は9.4億円、観客総動員数は83万人、上映時間99分、監督・脚本は原恵一。歴代の中で最も低い興行収入となった。
予告編では野原一家がバラバラになるという深刻なテーマが流れたが、実際そのような場面はなかった。また、同時上映として「クレしんパラダイス! メイド・イン・埼玉」という短編アニメーション映画が公開された。2015年現在、劇場版クレヨンしんちゃんシリーズにおいて、同時上映されたことがあるのはこの作品のみ。
巨大ロボでマグマを海水に導き、全人類を温泉に溺れさせる風呂嫌いテロ組織「YUZAME」と、全国の温泉を管理・防衛する温泉Gメンとの対決に野原一家が巻き込まれる様子が描かれている。テロ組織として一定水準以上の武装を持っている他、野原一家に敗北を認めさせ、自衛隊の攻撃を物ともしない巨大ロボット(正式名称不明)まで保有するなど、本作の敵組織は歴代の敵と比較してもかなり強大。
ゴジラ映画のパロディが多く登場し、実在する自衛隊の兵器や武器も数多く登場している。実際に巨大ロボットが現れた時の政府の対応や、住民の避難誘導が事細かに描写されている。避難するにあたって別れを惜しむ者、店を守るべく避難を拒む者などが描かれていて、悲しげなBGMと相まって悲壮感を演出している。また、YUZAME・温泉Gメンともに実在する武器を使用しており、リアリティ感を増している。これ元はファミリー向けのアニメですよね…?
また、作者の臼井儀人・ぶりぶりざえもんの声優である塩沢兼人が声出しで登場した最後の劇場版作品でもある。
あらすじ
慰安旅行で温泉に入りに来たふたば幼稚園の先生たちは、巨大ロボを目撃する。
その翌日、しんのすけは道端で温泉の精・丹波と名乗るおじさんと遭遇、しんのすけと一緒に自宅の風呂に入る。しかし、いつの間にか丹波は消えてしまった。
数日後、野原一家は日本の温泉を守る「温泉Gメン」という組織に連れ去られる。彼らは風呂嫌いテロ組織「YUZAME」の「地球温泉化計画」を阻止するために協力を申し出たのだ。阻止するために「金の魂の湯」略してきんたまの湯を探していたのだが、それが野原家の地下に見つかったのだ。
登場人物
草津
「構わんよ、入り給え野原君」
温泉Gメンの隊長。指を湯に触るだけで温泉地がわかる絶対温泉感覚を持つ。飄々として面倒見がいい。風呂に水を入れると別人の如く激怒する。武装した兵士を素手で倒すなど戦闘能力は高い。長嶋茂雄のファン。名前の由来は温泉地で有名な草津温泉。(温泉Gメンの隊員は温泉地名をコードネームにしてる。)
後生掛
「あ、教える気無いな…」
CV - 引田有美
温泉Gメンの隊員。オレンジ髪で、チャイナドレスのような浴衣を着ている。姐御肌な性格で、抜群のプロポーションを持つ。温泉を見ると辺り構わず脱衣してしまうほどの温泉好き。作中では後輩の指宿と併せて戦闘要員であり、格闘戦はもちろん、銃撃戦ではバズーカすら扱える。名前の由来は御生掛温泉。
指宿
「素敵ですぅ~」
温泉Gメンの隊員。黒髪でおっとりとした表情をしていて、ミニスカートの浴衣を着ている。先輩の後生掛と同じく戦闘要員だが、抱っこしたひまわりに胸を揉まれたり、しんのすけに覆い被さった際にちゃっかり胸の感触を堪能されたりと、本作のお色気要員でもある。前述のしんのすけとのシーンで何かに目覚めた男の子は多いらしい。彼女も温泉を見ると脱衣してしまう。名前の由来は指宿温泉。
ドクター・アカマミレ
YUZAMEのリーダーで、大の風呂嫌いである51歳。大の焼肉好き。金の魂の湯を潰し、地球温泉化計画を実行しようとする。
詳しくはアカマミレの記事を参照。
フロイラン・カオル
「こいつ、石鹸の匂い」
アカマミレの愛人。まつざか先生のような厚化粧であるが美人。風呂入るたびに化粧を落とすことが嫌となり風呂嫌いとなった。性格が悪く、焼肉を欲しがるしんのすけに肉を与えるふりをして自分で食べた。その際、しんのすけに「厚化粧」と罵られてブチ切れている。開発中の巨大ロボに爆薬が仕掛けられる事態が発生した時には、構成員を一列に並べてスパイの摘発を試みた。その中に一週間風呂に入らなかった温泉Gメンのスパイが潜んでおり、わずかな石鹸の匂いを嗅ぎ取って摘発に成功。犬並みの嗅覚を持つ。風呂嫌い集団の中において、一体どうやって尋常ならざる嗅覚を維持しているのかは不明。
キラーフィンガー・ジョー
「お客さん、大分こってますねぇ」
YUZAMEの幹部で、マッサージ師経験がある殺し屋。クレしん恒例のオカマ。マッサージの腕は殺人級で、親指の指圧だけで木の板を貫通する。YUZAME基地に忍び込んだ温泉Gメンのスパイを捕らえ、拷問という名のマッサージを行って、骨抜きにした上で情報を吐かせている。風呂嫌いかどうかは不明。YUZAME唯一の外国人で、税金は払っていない模様。
巨大ロボ
「これこそ、いわゆる一つの恐怖の形だ」
YUZAMEが造り上げた超巨大ロボで、地球温泉化計画の中核を担うラスボス。正式名称は不明で、「YUZAMEロボ」「モグラロボ」等と呼称される。マグマにも耐えられる装甲と、いかなる岩盤をも掘削する強靭なドリルを有するトンデモ超兵器。掘削が目的のため、武装は施されていないがそれでも規格外の存在。温泉Gメンはその巨大ロボの存在を察知し、スパイを忍ばせていたが摘発されている。頭部に拡声器が収納されていて、外部との意志疎通に使用される他、音楽も流せる。動力は人力。
物語序盤より秩父の山奥で起動実験が行われていて、世間では「怪獣」の噂が流れていた。中盤、秩父市の岩壁より出現。金の魂の湯がある野原家を目指して進撃を開始した。地下を掘り進む事も出来たが、世界中に恐怖を与える目的でアカマミレが地上進攻を選択。通り道となった街は無残に破壊され、劇中のニュースによると死者は出ていないが123名の負傷者を出している。関越自動車は練馬・高崎間が通行止め、上越新幹線も上下線が運転見合わせになっている。また、家屋が蹴飛ばされて粉々になる描写もなされた。
政府の決定によって自衛隊が出動するが、いかなる火器をも受け付けなかった。巨大ロボは自発的に攻撃する事は無かったが、ゴルフ場で90式戦車を1輌踏み潰して破壊している。「ああーっ!12億円の戦車がぁ!」の名台詞はここで誕生した。アカマミレ側も自衛隊を全く脅威と捉えておらず、「食事時に騒々しい奴らだ」「ハエの次はゴキブリか」と呟いている。
政府の弱腰姿勢から円安を招いたり、多くの人々に避難を強いたり、町ごと家屋を破壊したりと物的被害は歴代敵組織の中でも指折りのものとなっている。
丹波
「やっぱり風呂は良いなぁ…」
冒頭でしんのすけと一緒に風呂に入ったおじさん。映画後半で彼の正体が明かされる。
スタッフ
- 原作/臼井義人
- 監督・脚本/原恵一
- 絵コンテ/原恵一、水島努
- 演出/水島努
- キャラクターデザイン/原勝徳
- 作画監督/原勝徳、堤のりゆき、間々田益男
- 美術監督/高野正道、天水勝
- 色彩設計/野中幸子
- 撮影監督/梅田俊之
- 音楽/荒川敏行、浜口史郎
- 録音監督/大熊昭
- アニメーション制作/シンエイ動画、ASATSU、テレビ朝日
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- クレヨンしんちゃん
- 劇場版
- 原恵一
- クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(前作)
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル(次回作)
- クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃 ←ゴジラなど怪獣のオマージュが多い
- しんのすけ対シン・ゴジラだゾ ←こちらではゴジラとコラボした作品
- 温泉
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