クロスハンターとは、自称史上最強のRPGあるいはドラゴンボールのような何かである。
略称は『クロハン』『黒犯』。知る人ぞ知る伝説のゲームないし漫画として有名。
オッス、オレ概要
2000年(平成12年)、講談社が発売していた『コミックボンボン』誌上で『史上最強のRPG計画』と称して企画がスタート。世界初の3バージョン同時発売という 無謀 画期的な試みが掲げられたほか、アイデアなどを読者から公募するという読者参加型の企画でもあり、実際に読者からの投稿によるイラストがゲームに採用されるなどした。
ただ、予告されたかどうかも分からない内に、突如として本誌真ん中の白黒ページ内にて特集されたかと思えば、企画ページが雑誌の後半部分に載ったり、更には1ページになったりと、こうした読者参加型の企画としては妙に盛り上がらないまま、細々とした活動が続いていた。
その上、3バージョン同時発売と言う目標も、発売日が2000年秋から、同年冬、さらに翌2001年春と延期を重ねた末、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記』に先を越されてしまう。
この時点で既に怪しさが漂っているが、企画はそのまま細々と続き、ついに『クロスハンター』と言うタイトルでゲームの発売が決定。『モンスターハンターバージョン』『トレジャーハンターバージョン』『エックスハンターバージョン』の3バージョンが展開された。
が、実際に発売されたゲームは、主人公のグラフィックと拠点の街、オープニングと最初の仲間になるペット(のグラフィック)が違うくらいで他はほぼ同じ、というバージョン分けした理由がまるで分からない仕様など、色々な点で粗が目立ちまくるという典型的なクソゲーであった。
ちなみに、ゲーム自体の内容は一言で言うなら劣化ドラクエである。ゲームには付録としてカード3枚(全種類9枚)が付いていて、これでカードゲームを遊ぶこともできる。だが、それがどうした。
我- 怒れ人なり-
しかし、ゲーム版がクソゲーなだけならここまでカルト的な知名度を誇るには至らなかった。
なぜ『クロハン』がネットにおいて有名になってしまったのか?
その元凶は『コミックボンボン』にて連載された漫画版『クロスハンター』である。
この漫画版、ゲームでキャラクターデザインを務めた『カイマコト』と言う漫画家が手がけたのだが、なんと連載開始1話目にしてゲームと全然違うストーリーが展開された上に、ほとんどのページから『ドラゴンボール』を始め、様々な漫画のトレスとしか思えないコマが見つかる(酷い時には同じトレスを繰り返して使っている)など、かなりの問題作であった。
他にも主人公であるシローは『ドラゴンボール』の孫悟空に似ていたり、ロープはまんま『ドラクエVI』のテリー、ヒューガは『発明BOYカニパン』の主人公カニパンにクリソツなど、キャラデザ面でもパクリ疑惑が多い。
もっとも、トレス関連は連載当時である2000年~2001年にはあまり問題にならず(せいぜいシローの覚醒シーン程度)、連載終了から数年経った2005年頃に突如話題となり、それ以降有志たちの手により数々のパクリシーンが発見され、一躍有名となった(当時はネットが今ほど発達していなかった事も大きい)。
また、トレスなどを抜きにしても単純に漫画としても面白く無い内容である事を忘れてはならない。
以下、漫画版『クロハン』のトレス以外の問題点。
- 全体的に絵柄が古臭く、デッサンも崩れている。内容が良ければ問題にならなかったと思われるが…。
- ついでに作品全体から緊張感が一切伝わらない。
- ゲームは魔王ザガンに支配された島の開放という典型的な王道ストーリーだが、漫画は悪の軍隊に支配された世界を解放するためにハンター達が立ち上がるというストーリー。
- …だったのだが、中盤にて悪の軍隊を動かしている黒幕がゲーム同様ザガンという事が判明。
この漫画がゲームのコミカライズだという事を思い出したのだろうか。 - 同時に突如絵のタッチが変貌し、作風も少しシリアスに。終盤は序盤と比べてみて完全に別の絵柄となる。
- しかし、それでも作品から緊張感は伝わってこない。
- それまで素手で戦っていたシローも「お前の拳法は本当は剣を使うものなんだよ」と言われ、『ベルセルク』のガッツよろしく巨大な剣で戦うようになる(一応、ゲームの方でも剣で戦うイラストが存在する)。
…が、結局素手で戦うシーンもあったりと統一性がない。 - やたらと「殺る(やる)」を連呼したり、一言レベルの会話に対して「台詞がなげーんだよ」と言う等、
台詞回しが色々とおかしい。 - 裏月影流なる流派が出てくるもそれが何なのか全く明かされない。
と言うか何の伏線もなく突如登場したため完全にノリで出したとしか思えない。 - それどころか、劇中で解消された伏線は殆ど無い。
一応仲間であるロープの過去が明かされてはいるが、それすらも本筋と全く関わらない。 - そもそもシローを始めとするキャラクター達に感情移入する事が出来ない。
こんな漫画ではあるが当時の『ボンボン』の中では長生きした方であり、1年弱(コミックス2巻分)も連載されている。最終回は典型的な打ち切りエンドであり、シローも活躍しなかった。が、コミックス化はされていない。単純に人気がなかったのか、新聞沙汰を避けるためにわざと出さなかったのか…。
とりあえず、コミックスが発売されていたら『ボンボン』(と講談社)の寿命が確実に縮まっていただろう。
関連動画があちーぜ!
ゲーム版
プレイ動画
紹介動画
BGM集
漫画版
ダーハッハッハッ 関連項目様のお通りだーーーーっ!!
関連リンクどもめ、全員切り殺してくれるわー!!
- 鷹譲の黒犯まとめサイト(漫画版の動画の画像はここが出典)
- ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~
- カイマコトがんばる!(カイマコトのHP。現在はWebアーカイブによる跡地。)
ちなみに
- カイマコトは『クロハン』の連載前にも『ボンバーマン』や『バカ殿』の漫画を連載したことがある…が、『クロハン』同様コミカライズである必要性がない内容であり、ギャグも安易に下ネタに走るなどひたすら寒い出来である。
佐藤元と志村けんに謝れ。 - 2009年には『Vジャンプ』とスクウェア・エニックスから読者コラボ企画として『クロストレジャーズ』なるRPGが発売されている。『クロハン』とタイトルが微妙に似ており、アイデアを読者から公募するという企画も似ているが、こちらは近年のスクエニにしては評判が良く、ファンも多い良質なゲームとなっている。
「スクエニがクロハンをパクったぞ!」と騒ぎ立てるのは失礼なのでやめよう。
まぁ、そんな物好きはさすがにいないと思うが。 - 2015年にカプコンから発売された『モンスターハンタークロス』とも全く無関係である。
「カプコンがクロハンをパクったぞ!」と騒ぎ立てるのも失礼なのでやめよう。
まぁ、そんな物好きもさすがにいないと思うが。
なお『MHX』の発売直後に、Amazonなどでこのゲームの『モンスターハンターバージョン』の売れ行きが突然良くなるという珍事が起こっている。どうやら、勘違いで注文してしまった人が大勢いるらしい。
必ず、よく確認して注文するように気を付けよう。
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