【グランティード】とは、GBAソフト『スーパーロボット大戦J』に登場する主人公機の一機である。合わせて設定上に存在した支援メカ【バシレウス】と、後継機でありバシレウスと合体した姿とされる【グランティード・ドラコデウス】も共に紹介する。
メカニックデザインは三機共に前々作『スパロボR』や前作『スパロボD』の主人公機を担当した大輪充氏。
グランティード
全長 | 30m |
重量 | 45.0t |
動力 | オルゴン・エクストラクター |
M・M・I | サイトロン・コントロールシステム |
開発者 | フランツ・ツェッペリン |
高出力・高強度を備えた所謂スーパーロボット(特機)に属する人型兵器。一撃必殺を得意としている。 徒手空拳による格闘戦やビームを放つ等の攻撃がメインであり、基本的には手持ちに武器等を持たない。 【オルゴン・エクストラクター】という特殊な動力によって稼働しており、これの出力を最大まで引き上げる事によって 各種装甲が展開し、【オルゴン】と呼ばれる物質が噴出。【オルゴン・クラウド】という特殊なフィールドを展開する。 特徴的な頭のリング、マスクを被ったかのようなツインアイの付いた顔、そしてオルゴン・クラウド展開時にバックパックより出現するエネルギー体で出来た【オルゴンフィールドマント】といった異様な機能等、 異彩を放つその見た目から何か特別な機体かと思われているが、詳細は一切不明である。 |
という上記のような設定を持つ、前半に主人公機が搭乗する事になるスーパー系主人公機。
移動力が少なく回避が出来ない代わりに、装甲が厚く多量のENから繰り出される高火力な必殺技を持っている、典型的なスーパーロボットの性能をしている。
主人公のどちらでも搭乗可能なのだが、女主人公【カルヴィナ・クーランジュ】は、回避する事によって気力を上昇させ、攻撃を喰らうと気力が下がる『冷静』という性格になっているため、
必然と男主人公【紫雲統夜】の搭乗機として固定されることが多い。
その煽りを受けたのか、『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』に於いて、統夜専用の搭乗機として固定された。
『スーパーロボット大戦X-Ω』においても、『OGMD』発売記念に同様の設定で2016年6月のコラボイベント限定でゲスト出演。同作のコラボイベントにおいて、難易度の低い通常イベントの初回クリアでまず入手、さらに5つ目までクリアすることで最大まで限界突破でき、さらにコラボイベント内では攻撃力が上昇する「特効」であるため、戦力の拡充に役立ってくれるだろう。
火力と耐久性の代償として、運動性・移動力が低いだけならまだしも、スキルのデメリットで命中率が低い。これにより実質の火力が大きくぶれてしまうため、戦艦やセラフィムガンダム、ドラグナー1型カスタムなどのスキルで命中を補いたい。幸いにもトーヤの初期精神は「必中」である。
技一覧
- オルゴンブラスター
頭から繰り出される緑色のビーム攻撃。恐らく頭部にあるリングから放たれていると思われる。
「バルカン」とか「光子力ビーム」とかそういう立ち位置にある最弱射撃武器である。ENを少量消費。
- フィンガークラッシャー/フィンガー・クリーブ
敵の懐に飛び込み複数回の手刀を浴びせた後、最後の一撃で一気に腹部を貫く。いわゆる貫手。グランティードの指の部分は空洞の中に突起上の物が見えており、恐らくそれが攻撃時に飛び出していると思われる。
ENを一切消費しない中射程格闘武器であり、グランティードの無双率を一気に引き上げる強武装。性能でのポジションで言えば「ロケットパンチ」に近い。
また縦に並んでいる敵を次々と手刀で屠るコンボ版の武装も搭載されている。
OGでは技名とモーションが若干変化し、二回手刀で刺した後に掌にオルゴン結晶体を発生させ、そのままロケットパンチでぶち抜くように。
X-Ωでは通常技に指定される。アビリティ効果で通常攻撃の命中はあまり期待できないが、イベント特効ユニットなので上手く精神コマンドで補いたい。
- オルゴンスレイブ
胸部にある緑色の結晶からビームと共にダイヤ状のオルゴン結晶を放ち敵に攻撃する。
いわゆる「ブレストファイヤー」の位置にある武装なのだが、非常に射程が長い高射程射撃武器であり、グランティードが強いと呼ばれる最大の要因。ENを多量に消費するのでEN管理は適切に。
ちなみにスレイブとは広く言えば「奴隷」を指す言葉だが、「複製」「制御される物」等の意味がありこちらの意味で使ってると思われる。
- オルゴナイト・バスター
スパロボJで搭載される事が叶わなかった没技。OGで追加され初お披露目された。
胸の緑結晶から十字角錐の刃を突き出し、敵に抱き付きながら刃を回転、風穴をぶち開ける。中々エグイドリル技である。
攻略本に記載されていたプロット資料の段階では「胸ドリルクラッシャー」という仮ネームが付けられていたが、OGに登場する際に正式な名前を与えられた。命名者はスパロボJのシナリオライターである鏡俊也氏。わざわざ連絡を取ったらしい。
また同技の連携コンボの中で、足のブレードを分離・合体させ十字状の誘導兵器として利用している。他の主人公機の後継機にも武装欄には無いが似たような遠隔誘導兵器が搭載されており、これもまた似たような技術で作られてると思われる。
OGに参入した際にドリル技が追加された機体としてはスレードゲルミルを彷彿とさせる。OGのスタッフはドリルに並々ならぬ関心があるのだろうか。
- テンペストランサー
【オルゴン・クラウド】展開後、胸の緑結晶コアをセパレーション、柄を伸ばし十字角錐のオルゴン結晶の刃を出現させる事で完成する巨大な槍。その刃渡りは設定画から計測するにグランティードの二倍(60m)はあるだろう。
ランサー展開後、バックパックからオルゴンフィールドマントを出現させ敵に向かい突進。突き刺した後に手放し、刺さったオルゴン結晶が一気に弾け飛び、巨大な爆発を起こす。火力は主人公機の中でも隋一である。
また攻略本のラフ画ではランサー出現後に開いた胸の穴から金縛りビームが飛び出し、
敵を拘束後に上記の攻撃を放つ予定だったらしい。その構成が完成すればスーパーロボット王道の「固めて斬る(突く)」必殺剣であったが、本機では採用されずその一連の流れは後継機に受け継がれた。
ちなみにテンペストとは「嵐」を意味しており、この武器がドリル状に回転する事をひっそり示唆していた。
X-Ωにおいても必殺技として実装されている。ゲームの仕様として必殺技は回避不能、しかも範囲も一列とそこそこあるため、なかなか使いやすいが、突進技であるため使用後に注意。
グランティード・ドラコデウス
グランティードが窮地に立たされたとき、何処からともなく現れた龍のロボットと合体し誕生した機体。 |
……という非常に燃える展開を容易に想像出来る裏設定を持っている、僕らの王道合体スーパーロボットである後期主人公機なのだが、ゲーム内では主人公機の後継機イベントは全て共通であり、そのイベントはリアル系主人公機【ベルゼルート】に合わせて作られているため、上記のイベントは一切発生しない。非常に惜しいとファンから良く言われる。
見た目はグランティードにこれでもかという位のトゲトゲと装飾を施し、更に巨大な翼を装備している。顔はフェイスオープンされてスーパーロボットらしい口と鼻が現れた。胸には合体した【バシレウス】の龍の顔が収まっており、まさに「ザ・スーパーロボット」と言った具合である。
前期ロボットであるグランティードの長所を伸ばし、更に凶悪な性能と化している。
具体的に言うと主人公機には後継機から、最大出力時限定だった【オルゴン・クラウド】という特殊フィールドを自由に展開出来るようになり、その効果が、
というチート性能を多数組み合わせており、更にこれに加えEN回復まで備わってしまった。その結果防御力は異常に高い上、普通に回避も出来るようになり、更にネックだったENの消費量もカバー出来てしまうようになる。
元々スーパー系が無双出来る環境であったせいか、主人公機は愚か『スパロボJ』に登場する全機体の中でもトップクラスの性能と化し、同じくチートロボットとして有名な【グレートゼオライマー】、指定型MAP兵器と精神コマンドの暴力で戦場を荒らす【ナデシコ(Yユニット)】と共に三強と呼ばれている。
ちなみにゲーム内では文字制限のせいか「G・ドラコデウス」という名前になっている。また、攻略本での設定上の全長と重量が前機のグランティードと同じに設定されてるが、流石にあり得ないのでミスだと思われる。(グランティードとのサイズ比も掲載されており、大体2倍程度のサイズはある)
本機はその名から「龍神」のあだ名でファンに呼ばれることも。
技一覧
- ドラコ・ナックル
ムーン・デュエラーズで追加された技。両手にオルゴン結晶体を纏い、それをロケットパンチのように拳ごと打ち込む。OGシリーズで言うところのブーストナックルのような技。 - オルゴンドラコブラスター
オルゴンブラスターの強化版で最弱射撃武器……の筈だが演出からしてもはや必殺ビーム兵器にしか見えない辺り、本機のヤバさを物語っている。
最初に通常のごん太ビームが発射され、その後本機を軽々上回る超巨大ビームを発射する。
ムーンデュエラーズでは発射前のチャージで機体の周りをカメラがぐるぐる回るような演出が追加された。
- フィンガードラコバスター
フィンガークラッシャーの強化版。同じく手刀を連続でお見舞いするのだが、一発突き刺さる毎に爆発が発生しまくる。最後は上向きに向かって全速力で突き貫く。相変わらずEN無消費技であり、低コストで無双しまくる。コンボ版ももちろん搭載。
ムーン・デュエラーズでは名称がフィンガー・ドラコ・クラッシャーに変更されている。
- オルゴナイト・バスター
OGにて追加された技。四龍を解放してから敵に接近、各龍の口からドリル状の物体を敵に突き刺し、そのまま空に向かって腹のバシレウスがオルゴンビームを発射。オルゴナイトバスターのバージョンアップ技と思われるエグさがパワーアップした技。もうラスボスじゃなかろうか?
モーション的には後述のテニア版インフィニティキャリバーの前モーションに近い。
- オルゴンドラコスレイブ
オルゴンスレイブの強化版。空高く舞い上がり、胸からブラスターを上回る威力があるオルゴン結晶の雨霰を敵に撃ち込む。
元と同じくEN消費技だが、EN回復が付いた御蔭でバンバン使っていける。もうこの機体に隙はない。
ムーン・デュエラーズでは胸部から強力なビームが放たれる技になった。
- インフィニティキャリバー
ドラコデウスの尻尾に移動となったテンペストランサーに使う緑結晶のコアと、バシレウスが持ってきた頭に装備している角を組み合わせて発動する超巨大な必殺剣。その刃渡りはテンペストランサーの二倍以上で、柄も含めればドラコデウスが三体は並べられそうな超高密度オルゴン結晶体ブレードである。
使い方が多数あり、ヒロインによって攻撃パターンが変化する。
ムーン・デュエラーズではベルゼルート・ブリガンディと比べて攻撃の流れと演出が大きく変更されている。
また、全員に分離シークエンスとバシレウスの攻撃演出が追加され、カティアとテニアは再合体も追加されている。メルアに至っては、再合体せずにバシレウスにグランディードが乗って見栄を切る専用の演出が追加されている。
・カティア……敵に5匹の龍から発射される超ごん太オルゴンドラコスレイブを浴びせ、この時点で敵は消し炭になってそうだがその後オルゴン結晶体の中に敵を閉じ込め身動きを取れなくした後、インフィニティキャリバーを展開し、結晶体毎敵を一刀両断。その後全ての結晶体が超爆発を起こし死体蹴りフィニッシュ。
所謂「固めて斬る」を地で往く王道必殺剣。サンライズパースがさぞ映える事だろう。
ムーン・デュエラーズでは再合体後にフィンガークラッシャーの格闘コンボを決めてからドラコスレイブで固めて、相手を突き刺し貫く演出になった。結晶体を突き破りながら吠えるグランティードが印象的。
・テニア……5匹の龍を展開後一気に敵に近付き、持ち上げながらクロスレンジで超オルゴンドラコスレイブを発射。やはりこの時点で死んでるだろ。その後インフィニティキャリバーを展開し、そのまま上空のオルゴン結晶体で固められた敵に向かって投げ突き刺す。その後結晶体が弾け飛び爆散。
「なんで剣を投げるんだ」と突っ込みがたまに入るが、必殺剣をあえて投げるという動作はスーパーロボットでも割と使用されている必殺技である。
ムーン・デュエラーズでは攻撃の流れが大幅に変わっており、合体後はオルゴンドラコブラスターを結晶体を通して反射、追撃し、最後は地面に打ち付けた相手を横薙ぎに切り抜け一刀両断する演出に変更されている。
・メルア……5匹の龍をフル稼働させた後に分離、緑状のエネルギーを纏ったバシレウスの上にグランティードが乗りそのまま突撃。敵と衝突後オルゴン結晶体を一気に展開し、敵の内側から食い破る。
何とインフィニティキャリバーを使ってない。「キャリバー使えよ」「これじゃウイングキャリバーだ」等と突っ込みが入るが、エネルギーを纏って突進、支援機に乗って突撃というのもまた良く見る必殺技である。
ちなみにこの時分離したグランティードは最初に乗っていた頃と違いフェイスオープンしている。合体しなくても開くんですね。
ムーン・デュエラーズでは彼女のみ再合体せずにテンペストランサーを構えて龍に乗った騎士のように見栄を切る専用の演出がある。そしてそのまま猛スピードで追撃をかけ、最後に全身をオルゴンクラウドで纏い突撃する。やっぱりインフィニティキャリバーを使わない。というか、突撃時の演出はまるで「俺自身がインフィニティキャリバーだ!」と言わんばかりの突撃を放っている。
※実際に「俺達自身がオルゴンの刃……容易く止められるものか」という統夜のキメ台詞がある。
OGMDではシャナ=ミアが一緒に乗り込んでいるため、3人乗り。(ただし精神コマンドは統夜とサブの二人分)インフィニティ・キャリバーの演出ではセリフがあったり、カットインも統夜、シャナ=ミア、サブパイロットの3人が映る。(ちなみにサブパイロットによって3人のカットインが入る順番が変わる)
バシレウス
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……的な裏設定があったはずの龍型の合体支援ロボットなのだが、実際のゲームでは主人公機の開発者フランツ・ツェッペリンが作っていた未完成の強化ボディをモルゲンレーテ社で完成させた物になる。
攻略本にはグランティードとの合体プロセスが細かく掲載されており、それによるとどうやら余剰パーツが一切生まれない超ディティール合体をしている。文章で書くと、
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といった感じである。無茶苦茶すぎんだろ。
そのアニメーターもドッターもモデラーも泣かせかねん合体により誕生した【グランティード・ドラコデウス】は、前作の【フォルテギガス】【ジェアン・シュヴァリアー】以上にゴテゴテしたスーパーロボットになったため、SD化もかなり難しかしいものとなり、かなり厳しいドットアニメーションをしている。
OGでSDドットから解放されたアニメーションを期待したい。と思ってたらまさかの分離>攻撃>再合体の流れが用意されるという斜め上の演出が登場。
流石に詳細は省かれているが、それでも再合体して大見得を切る瞬間はとてもかっこいい。
上記の通りイベントでは完全にスルーされ本機の名前も作中では一切明かされないが、ゲーム内ではメルアのインフィニティキャリバーで拝む事が出来る。
逆を言うとこの設定を知らなければ「何だあのドラゴン!?!?」となる事請け合いである。
OGシリーズでは『神龍』の名を引っさげて登場している。
ちなみにバシレウスとはギリシャ語で『王』を意味する。
OGMDではグランティードがシナリオ上重要な機体である事もあって、設定を踏まえた登場をしてくれる。
メカデザイナーのツイートによると
「グランティードとドラコデウスのデザインは縛りなしの自由」で「好き勝手にデザインした」とのこと。
また、「グランティード」「バシレウス」「テンペストランサー」「インフィニティキャリバー」のネーミングや貫手他の攻撃アイディアも採用してもらった、とのこと。
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関連項目
- スーパーロボット大戦J
- スーパーロボット大戦
- スーパーロボット大戦シリーズの一覧
- 紫雲統夜
- カルヴィナ・クーランジュ
- 三人娘(スパロボJ)
- フューリー(スパロボJ)
- ベルゼルート
- クストウェル
- ラフトクランズ
- スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ - 本作に於いてグランティードが主人公機としてクレジットされている。
- スーパーロボット大戦X-Ω - 「OGMD」の設定でグランティードがゲスト出演。
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